♥ 「こころ」を語る綿矢りさ ♥
綿矢りさが 「こころ」 を読んだのは高校生の時、教科書で。自殺したKを先生が見つける場面に感銘を受けた。~もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました。~この文の迫力が忘れられなかった。遺書の最後の一文も鮮やか。~「私の秘密として、凡てを腹の中にしまって置いて下さい」~
ぱっさり終わる。読み終えて、思わず 「先生」って心の中で叫びました。7月23日朝日朝刊
{リレーおぴにおん} 綿矢りさ のオピニオンは、かなりテンションが高い。
☀ 蹴りたいのはわたしの怠惰、なにもせず春のひかりを待ちわびている 松井多絵子
綿矢りさ は84年京都市生まれ。01年「インストール」でデビュー。04年 「蹴りたい背中」で芥川賞受賞。19歳だった。掲出の私の一首はそのころ詠んだ歌である。
漱石は、たくさんの人の自然な心の動きを書きながら全体のテーマを忘れない。視野が広いなあと思います。例外が、「こころ」の先生の遺書。筆がのりにのった感じは異色です。遺書というより、今リアルに体験している激白で、書きながら場面ができていったのだろうと想像します。漱石を心から理解するには、まだ時間がかかりそうです。と綿矢りさは語る。
綿矢りさサマ あなたの芥川賞は10年も前のことになりましたね。アナタの10年とワタシの
10年の差の大きなこと。向日葵の花がまぶしいこと ☀ ☀ ☀
7月24日 松井多絵子