・・・ 北野武が老人へ苦言 ・・・
♠ 親切な言葉のような意地悪な言葉のような 「おとしより」 とは 松井多絵子
北野武は映画監督、ビートたけし はコメディアン、同一人物だ。4月22日朝日朝刊
の文化・文芸欄で 「年寄りよ、不良になれ」と語っているのは北野武。
武 「いまの年寄りってのは駄目だね。体のことばかり気にしてる。」
◉ 私の若いころ、半世紀も前だって老人は血圧や血糖値、歩く話ばかりでしたよ。
武 「若いヤツで一番いけないのは 老人は弱いからいたわってあげましょう」 シルバー シートとか。弱いもの扱いをしたら年寄りはペットみたいになっちゃうよ。」
◉ でもねえ。武さん、私たちは還暦過ぎたら子供に還ってゆきますよ。憎らしい子供にならために、ペットのように可愛がって欲しいですね。私は。
武 「若い者は、肩書きのある人なら老人でも尊敬する。どこそこの会長だとか」。
◉ 「そうなんですよ。肩書きに弱い若者たちに私はうんざりしています。権力の座に居すわって席を譲らない。威張ってる、話は退屈、もし肩書きがなかったら、誰も寄り付かないような人をチヤホヤする、それを喜ぶ老人、すり寄る若者も私はキライですよ。
武 「老人はもっと精神的に不良になった方がいいよ」
◉ 同感です。歌人のはしくれの私が苦手なのは真面目なひと。親や夫を尊敬し家庭を大切にする歌の退屈なこと。中年の頃の私はときどき不倫の歌を作りましたがフィクションでしょ。なんて言われて。まるで私には女の魅力がないみたい、プライドを傷つられましたよ。文芸は不良性がないと、妖しくゆれるこころがないとね。「精神的に不良になれ」とは北野武も大人しくなりましたね。25日公開の「龍三と七人の子供たち」はお行儀の悪い男たちのお話でしょうか。北野武監督も、不良になってくださいね。 4月24日 松井多絵子