【自然治癒力を高めるには】5088
医学博士、帯津(おびつ)良一氏の心に響く言葉より…
私が言うのも変ですが、病院へ行ったからといって病気が治るわけではありません。
薬は症状を抑えることはできても、病気を治すことはできません。
今の医学では、風邪すら治すこともできないのが現実です。
何が病気を治すのかというと、人間がもともともっている自然治癒力です。
転んで擦り傷をしたときを思い出してください。消毒するくらいはするかもしれませんが、何もしなくても、自然に治ってしまいます。
それは、自然治癒力があるからです。
車だとそうはいきません。
どこかに傷をつけても、それが自然に消えたという話は聞いたことがありません。
この自然治癒力は、その人のこころととても深い関係があります。
悩んだり、落ち込んだりすると、自然治癒力は低下します。
こころがときめいていると高まるのです。
七○歳くらいの胃がんの女性ですが、まだ病巣は小さかったので、私は手術をすすめました。
でも、手術は嫌だと言ってききません。
簡単な手術だからと説得を試みましたが、絶対にしないと、首を横に振ります。
それじゃ仕方ないと、漢方薬を処方しました。
でも、もう少し大きくなったら手術だよと言い含めました。
次の診察では、少し大きくなっていました。
手術をすすめましたが、嫌だと言います。
何度かそんなことが続いて、いよいよこれ以上になると厳しいなと思ったので、今度の診察で大きくなっていたら絶対に手術をするよと最終通告をしました。
しばらくして、彼女が来院しました。
検査をしました。
そしたら、担当医が私のところへ慌てて飛んできました。
何事かと思ったら、「がんがない!」と言うのです。
そんな馬鹿なと思って私も画像を見ました。
確かに、あんなに立派に育っていたがんが、跡形もなく消えてしまっているのです。
私は、患者さんに、「前の診察から今日までの間に何かありましたか?」と質問しました。
あったといえば、長年習っている踊りの発表会があったくらいだということでした。
毎日、練習に明け暮れ、発表会では満足できる踊りを披露することができたと、うれしそうに話してくれました。
私 は、これだ! と思いました。
証明のしようはありませんが、大好きな踊りに没頭したことが彼女の自然治癒力をアップさせて、がんが消えてしまったのではないか。
まさに、ときめきががんを消してしまったのです。
こういうことは頻繁に起こることではありません。
しかし、起こったのは事実で、だれにでもその可能性は秘められています。
一寸先は闇というと、先に何か悪いことが待っているような印象を受けますが、この患者さんのように、予期せぬいいことが待っていることもあるのです。
どんな病気になっても、どんな苦しい状況に置かれても、先なんてどうなるかわからないんだと開き直って、絶望を希望に変えていけばいいのです。
どんなに考えてもわからない先のことにあれこれこころを惑わせることをやめて、今、できること、やるべきこと、やりたいことに集中します。
あとは、偉大な自然治癒力に任せます。
それがいちばんの治療法かもしれないと、私は思っています。
もっともっと、自然治癒力を信じて、頼ってもいいのではないでしょうか。
『粋(いき)な生き方』幻冬舎ルネッサンス
https://amzn.to/3CFlexk
本書の中にこんな文章がありました。
『人間ドックで結果がよかったとしても、何だかしょぼくれた生き方をしていたら、その人は果たして健康といえるのでしょうか。
若く見られることに執念を燃やしたり、健康診断の数値によって一喜一憂したりするよりも、私たちはもっとやるべきことがあるはずです。
体力には限界がありますが、人間としての成長には終わりはありません。
私は、養生が大切だと常に言っていますが、死んでも自分を高め続けるのが本当の養生です。
哲学者の池田晶子さんは、「池田は死ぬが私は死なない」という名言を残して旅立って行きました。
四六歳という若さでした。
若くして旅立つことを嘆くこともなく、死んでも自分を高めるぞという強い意志を、私はこの言葉から感じます。
年を取って何が悪い!
病気で何が問題だ!
老化や死を恐れ、おどおどしながら十年長生きするよりも、老化も病気もまるごと飲み込んで勢いよくあの世に飛び込んで行く。
そんな覚悟をもって生きたほうが、充実した人生を送れるのではないでしょうか。』
中村天風師はこう語っています。
『一度だけの人生だ。
だから今この時だけを考えろ。
過去は及ばず、未来は知れず。
死んでからのことは宗教にまかせろ。』
私たちのこの世界は、どこまで行っても、今しかありません。
未来ばかり夢見ている人や、過去ばかり思い出している人は、今がおろそかです。
この今という時間を、楽しみ、味わいつくす人に、幸運がやってきます。
今、ここをワクワクしながら生き、自然治癒力を高めたいと思います。
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医学博士、帯津(おびつ)良一氏の心に響く言葉より…
私が言うのも変ですが、病院へ行ったからといって病気が治るわけではありません。
薬は症状を抑えることはできても、病気を治すことはできません。
今の医学では、風邪すら治すこともできないのが現実です。
何が病気を治すのかというと、人間がもともともっている自然治癒力です。
転んで擦り傷をしたときを思い出してください。消毒するくらいはするかもしれませんが、何もしなくても、自然に治ってしまいます。
それは、自然治癒力があるからです。
車だとそうはいきません。
どこかに傷をつけても、それが自然に消えたという話は聞いたことがありません。
この自然治癒力は、その人のこころととても深い関係があります。
悩んだり、落ち込んだりすると、自然治癒力は低下します。
こころがときめいていると高まるのです。
七○歳くらいの胃がんの女性ですが、まだ病巣は小さかったので、私は手術をすすめました。
でも、手術は嫌だと言ってききません。
簡単な手術だからと説得を試みましたが、絶対にしないと、首を横に振ります。
それじゃ仕方ないと、漢方薬を処方しました。
でも、もう少し大きくなったら手術だよと言い含めました。
次の診察では、少し大きくなっていました。
手術をすすめましたが、嫌だと言います。
何度かそんなことが続いて、いよいよこれ以上になると厳しいなと思ったので、今度の診察で大きくなっていたら絶対に手術をするよと最終通告をしました。
しばらくして、彼女が来院しました。
検査をしました。
そしたら、担当医が私のところへ慌てて飛んできました。
何事かと思ったら、「がんがない!」と言うのです。
そんな馬鹿なと思って私も画像を見ました。
確かに、あんなに立派に育っていたがんが、跡形もなく消えてしまっているのです。
私は、患者さんに、「前の診察から今日までの間に何かありましたか?」と質問しました。
あったといえば、長年習っている踊りの発表会があったくらいだということでした。
毎日、練習に明け暮れ、発表会では満足できる踊りを披露することができたと、うれしそうに話してくれました。
私 は、これだ! と思いました。
証明のしようはありませんが、大好きな踊りに没頭したことが彼女の自然治癒力をアップさせて、がんが消えてしまったのではないか。
まさに、ときめきががんを消してしまったのです。
こういうことは頻繁に起こることではありません。
しかし、起こったのは事実で、だれにでもその可能性は秘められています。
一寸先は闇というと、先に何か悪いことが待っているような印象を受けますが、この患者さんのように、予期せぬいいことが待っていることもあるのです。
どんな病気になっても、どんな苦しい状況に置かれても、先なんてどうなるかわからないんだと開き直って、絶望を希望に変えていけばいいのです。
どんなに考えてもわからない先のことにあれこれこころを惑わせることをやめて、今、できること、やるべきこと、やりたいことに集中します。
あとは、偉大な自然治癒力に任せます。
それがいちばんの治療法かもしれないと、私は思っています。
もっともっと、自然治癒力を信じて、頼ってもいいのではないでしょうか。
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本書の中にこんな文章がありました。
『人間ドックで結果がよかったとしても、何だかしょぼくれた生き方をしていたら、その人は果たして健康といえるのでしょうか。
若く見られることに執念を燃やしたり、健康診断の数値によって一喜一憂したりするよりも、私たちはもっとやるべきことがあるはずです。
体力には限界がありますが、人間としての成長には終わりはありません。
私は、養生が大切だと常に言っていますが、死んでも自分を高め続けるのが本当の養生です。
哲学者の池田晶子さんは、「池田は死ぬが私は死なない」という名言を残して旅立って行きました。
四六歳という若さでした。
若くして旅立つことを嘆くこともなく、死んでも自分を高めるぞという強い意志を、私はこの言葉から感じます。
年を取って何が悪い!
病気で何が問題だ!
老化や死を恐れ、おどおどしながら十年長生きするよりも、老化も病気もまるごと飲み込んで勢いよくあの世に飛び込んで行く。
そんな覚悟をもって生きたほうが、充実した人生を送れるのではないでしょうか。』
中村天風師はこう語っています。
『一度だけの人生だ。
だから今この時だけを考えろ。
過去は及ばず、未来は知れず。
死んでからのことは宗教にまかせろ。』
私たちのこの世界は、どこまで行っても、今しかありません。
未来ばかり夢見ている人や、過去ばかり思い出している人は、今がおろそかです。
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