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【陰陽のバランスの取れた人に】5484
東洋思想研究家、田口佳史(よしふみ)氏の心に響く言葉より…
人間関係をよくするには、自分自身が人格者でないといけません。
人格の劣ってい る人は尊敬されないし、人望を集めることもないでしょう。
いい人間関係の土台には、自分自身の人格がある。
そこはしっかりふまえてください。
では、「人格者」とはどんな人物か。
そのことを考えるうえで大事なのは、「陰陽のバランスを取る」という考え方です。
中国古典思想では、森羅万象、あらゆる物や存在、事象を「陰」と「陽」に分類します。
この「陰陽思想」は、対比的な矛盾に満ちた社会を、すっきり説明することのできる概念といえます。
大ざっぱに説明すると、「陰」は内へ、内へと向かう働きがあって、受動的な性質。
「陽」は正反対で、外へ、外へと向かう働きがあって、能動的な性質です。
大事なのは、ここから。
「陰」は「陽」が、「陽」は「陰」があって、はじめて一つの要素となりうる、ということです。
両方の要素が溶け合って一つになった状態を完璧とする。
このことを、 「陰陽和して元となす」といいます。
中国古典思想を象徴する考え方ですね。
人格に関連していえば、私たちが生来持っている欲望は「陽」に当たります。
その欲望にブレーキをかける「陰」として作用するのが、人として守るべき道理です。
その陰陽が備わっている完璧な人…つまり「バランス感覚の備わった人」こそが 「人格者」と呼ぶにふさわしい人物なのです。
菜根譚にも「陰陽のバランスの取れた人格者」について説いた章句がたくさんあります。
《清なるも能(よ)く容(い)るる有り、仁なるも能く断を善(よ)くす。明なるも察(さつ)を傷つけず、直(ちょく)なるも矯(きょう)に過ぎず。》(前集2)
陰陽、対立する要素を並べて、「清廉潔白だが、包容力がある。思いやりがあるが、決断力にも優れている。頭が切れるが、人の考えも尊重する。正直だが、人のことを、とやかくいいすぎない」 と、バランスを取ることの重要性を説いています。
たしかに、清廉潔白な人は自分にも人にも厳しく、少しの悪事や過ちも許さず、包容力に欠けるところがあるものです。
でも、人格者は、「場合によっては寛大に受け入れる包容力を有している」としています。
また思いやりのある人は、人の気持ちを考えるあまり、いろいろ迷いがち。
決断力を発揮することも忘れてはいけません。
頭の切れる人は人の意見などおかまいなしに、なんでも自分の思いどおりに進めていこうとする傾向があります。
自分の才に溺れず、周囲の声に耳を傾けることを大事にしたほうがいいでしょう。
正直者は正直な物言いを信条としていますが、正直であればいいというものではありません。
人を傷つけるようなことをいったり、人のやっていることに余計な口出しをしたりするのは控えるべきでしょう。
こんなふうに「清」「仁」「明」「直」はどれもすばらしい資質ですが、それが裏目に出る場合もあることに用心しなくてはいけないと警告しているのです。
『仕事で一生悩まないための 菜根譚の教え』三笠書房
https://amzn.to/3LDc5bV
本書の中で、人格者を食べ物にたとえて、こう表現している。
《是れを密せん甜(あま)からず、海味からからずと謂(い)う。わずかに是(こ)れ、い徳なり。》
「甘いお菓子だけど甘すぎず、海産物だけどしょっぱすぎない。そういう人こそ美徳を備えた人格者である」
みなさんも自身の性格をふまえて、その逆の資質を意識するといいでしょう。
たとえば、「細心と大胆」「勇敢と慎重」「柔軟と剛直」「穏やかさと激しさ」「悲観的と楽観的」「勤勉と怠惰」「粘り強さとあきらめのよさ」など、“甘辛気質”を磨きましょう。
「陽」を含む言葉には、陽気、陽光、太陽、一陽来復、というように、明るくて元気な「陽(日)の光」のイメージがある。
しかし、人生においては、どんな人も、日のあたる場所ばかり歩いてきた人はいない。
ときには、失敗したり、失意のどん底に落ちたりと、やることなすことうまくいかないような、日の当たらないときもある。
だからこそ、自分を磨き上げるには、陽だけでなく、陰もあわせ飲むような度量が必要だ。
つまり「清濁併(せいだくあわ)せのむ」という姿勢。
正も負も、善も悪も、いいも悪いも、併せのむということだ。
稲盛和夫氏は、「正気と狂気」とか「優しさと厳しさ」、「雇用と解雇(悪い人を切る)」といった相反することを平然と、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなくできる人を名経営者という、と言っていた。
優しい人だが、厳しさもある。
まっとうな常識人だが、事があったら狂気も発動する。
善人だが、悪の手口も知っている。
まじめだが、遊ぶときには徹底的に遊ぶ。
陰陽のバランスの取れた人でありたい。
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東洋思想研究家、田口佳史(よしふみ)氏の心に響く言葉より…
人間関係をよくするには、自分自身が人格者でないといけません。
人格の劣ってい る人は尊敬されないし、人望を集めることもないでしょう。
いい人間関係の土台には、自分自身の人格がある。
そこはしっかりふまえてください。
では、「人格者」とはどんな人物か。
そのことを考えるうえで大事なのは、「陰陽のバランスを取る」という考え方です。
中国古典思想では、森羅万象、あらゆる物や存在、事象を「陰」と「陽」に分類します。
この「陰陽思想」は、対比的な矛盾に満ちた社会を、すっきり説明することのできる概念といえます。
大ざっぱに説明すると、「陰」は内へ、内へと向かう働きがあって、受動的な性質。
「陽」は正反対で、外へ、外へと向かう働きがあって、能動的な性質です。
大事なのは、ここから。
「陰」は「陽」が、「陽」は「陰」があって、はじめて一つの要素となりうる、ということです。
両方の要素が溶け合って一つになった状態を完璧とする。
このことを、 「陰陽和して元となす」といいます。
中国古典思想を象徴する考え方ですね。
人格に関連していえば、私たちが生来持っている欲望は「陽」に当たります。
その欲望にブレーキをかける「陰」として作用するのが、人として守るべき道理です。
その陰陽が備わっている完璧な人…つまり「バランス感覚の備わった人」こそが 「人格者」と呼ぶにふさわしい人物なのです。
菜根譚にも「陰陽のバランスの取れた人格者」について説いた章句がたくさんあります。
《清なるも能(よ)く容(い)るる有り、仁なるも能く断を善(よ)くす。明なるも察(さつ)を傷つけず、直(ちょく)なるも矯(きょう)に過ぎず。》(前集2)
陰陽、対立する要素を並べて、「清廉潔白だが、包容力がある。思いやりがあるが、決断力にも優れている。頭が切れるが、人の考えも尊重する。正直だが、人のことを、とやかくいいすぎない」 と、バランスを取ることの重要性を説いています。
たしかに、清廉潔白な人は自分にも人にも厳しく、少しの悪事や過ちも許さず、包容力に欠けるところがあるものです。
でも、人格者は、「場合によっては寛大に受け入れる包容力を有している」としています。
また思いやりのある人は、人の気持ちを考えるあまり、いろいろ迷いがち。
決断力を発揮することも忘れてはいけません。
頭の切れる人は人の意見などおかまいなしに、なんでも自分の思いどおりに進めていこうとする傾向があります。
自分の才に溺れず、周囲の声に耳を傾けることを大事にしたほうがいいでしょう。
正直者は正直な物言いを信条としていますが、正直であればいいというものではありません。
人を傷つけるようなことをいったり、人のやっていることに余計な口出しをしたりするのは控えるべきでしょう。
こんなふうに「清」「仁」「明」「直」はどれもすばらしい資質ですが、それが裏目に出る場合もあることに用心しなくてはいけないと警告しているのです。
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本書の中で、人格者を食べ物にたとえて、こう表現している。
《是れを密せん甜(あま)からず、海味からからずと謂(い)う。わずかに是(こ)れ、い徳なり。》
「甘いお菓子だけど甘すぎず、海産物だけどしょっぱすぎない。そういう人こそ美徳を備えた人格者である」
みなさんも自身の性格をふまえて、その逆の資質を意識するといいでしょう。
たとえば、「細心と大胆」「勇敢と慎重」「柔軟と剛直」「穏やかさと激しさ」「悲観的と楽観的」「勤勉と怠惰」「粘り強さとあきらめのよさ」など、“甘辛気質”を磨きましょう。
「陽」を含む言葉には、陽気、陽光、太陽、一陽来復、というように、明るくて元気な「陽(日)の光」のイメージがある。
しかし、人生においては、どんな人も、日のあたる場所ばかり歩いてきた人はいない。
ときには、失敗したり、失意のどん底に落ちたりと、やることなすことうまくいかないような、日の当たらないときもある。
だからこそ、自分を磨き上げるには、陽だけでなく、陰もあわせ飲むような度量が必要だ。
つまり「清濁併(せいだくあわ)せのむ」という姿勢。
正も負も、善も悪も、いいも悪いも、併せのむということだ。
稲盛和夫氏は、「正気と狂気」とか「優しさと厳しさ」、「雇用と解雇(悪い人を切る)」といった相反することを平然と、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなくできる人を名経営者という、と言っていた。
優しい人だが、厳しさもある。
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