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スターバックス流 最高の育て方 人の心に灯をともす 4067より 写真はMさんからいただいたプレゼン...

2020年09月06日 | 
【スターバックス流 最高の育て方】4067



毛利英昭氏の心に響く言葉より…


流通サービス業の人材マネジメントを二つに分けて考えると、「指示命令型」と「自律型」に大別できると思います。

「指示命令型」とは、「何をすべきか」という方針や、「どのようにすべきか」という方法論を、逐一トップから末端へ指示して進めるやり方です。


過去、多くのチェーンストアは、このようなセンターコントロールによる指示命令型の中央集権体制を敷いてきました。

ところが、時代が変わりそれだけでは勝ち組になれないことが見えてきたのです。

求められているのは、自律型のマネジメントによる組織形態です。


どうして自律型マネジメントが必要だといえるのでしょうか。

その理由は4つあります。


1. 仕様書のない仕事であること

流通サービスの仕事には、製造業の仕事の進め方や情報システムの開発をする仕事などと違って、顧客からの要求仕様書や設計書は存在しません。

特に接客サービスでは、お客様にいつどこで何を求められるかまったく予測がつきませんから、準備のしようもありません。

それも突然必要になり、一瞬の機を逃すとその価値がなくなるのが流通サービス業の仕事です。

指示を仰ぐ暇などなく、ほとんどの場合、自分が良いと思ったことを自信を持って即実行することを求められます。


2. 新しい価値観、やりがいを求める人が増えていること

終身雇用が崩壊し人材の流動化が進んでいます。

それに伴い、一生この仕事で頑張ろうという若者は減っています。

また、生活のために我慢して仕事をする、会社の命令だからつまらないことでもじっとこらえていた昔と違って、お金や安定よりもそれ以上に自分の夢や仕事へのやりがいを優先する意識が高まっているようです。

与えられた仕事をただ黙々とこなすだけではなく、自己実現を重視し自立した存在でありたいと願う人が増えてきているのです。


3. 曖昧化する消費者意識への対応が求められること

いつの時代にも言われることですが、消費者の意識がますます曖昧模糊としてとらえどころがなくなってきています。

ニーズが画一的だった物不足の時代とは違って、「自分らしさ」を大切にする昨今、型通りの対応では顧客に満足や感動を提供することが難しくなってきました。

そこで、マニュアルで定義することのできない、その場の状況や顧客の気持ちを考えた、臨機応変に、自分で考え対応できるスキルを持った人材が求められるようになってきたのです。


4. 変化への迅速な対応が求められること

ひと昔もふた昔も前のマスマーケティング、マスプロダクション、マスプロモーション、マスセールスの時代は終わりました。

コンビニエンスストアのように、新商品の寿命がわずか二週間程度しかないというくらいに、きめ細かい変化への対応を求められるようになりました。

こうした現場の変化に対して、マス時代と同じような考えではとても対応できません。

現場の変化に迅速に対応するには、金魚のように口をパクパク開けて本部からの指示待ちをしているようではだめなのです。

自主的に考え、迅速に行動する人材の育成の必要性が増してきています。



スターバックスの目指す人材マネジメントスタイルはどうかといえば、「自律型」です。

あえてマニュアルを作らずに現場のパートナーの自主的な判断に任せる運営を行うことで、顧客の多様性に対応する仕組みをとり、今までのチェーン店とはまったく違ったシステムをつくり上げています。

マニュアルなどにより画一的に最も無難なサービスを提供するより、より良いものを求めて個々社員の考えるスキルを伸ばすことを重視し、十分なスキルが身に付いた段階で権限移譲をすることで、パートナーに機動的な対応をさせることに成功しています。

権限移譲には任せる側の大きなリスクを伴いますが、スターバックスでは、トレーニングプログラムや支援体制を整えることで、権限移譲を強めた自律型組織を作り上げ、顧客対応の質的レベルを高めています。


また、教育システムについても、ワンウェイ型の一方的なものではありません。
パートナー同士が教えあうことや、学ぶ人であり教える人でもあるというような、相互関係のシステムを構築し、ラーナードリブン(主体的に学ぶ組織)を作り上げています。

スターバックスでは、自律組織を作ることでパートナーとの顧客の信頼関係を強固にし、熱狂的なファンを作り上げることに成功しています。

その秘密は、卓越した人材マネジメントシステムや人事制度にあり、それが正しく機能するための大前提として企業観が大きく作用していることに目を向ける必要があります。


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「ミッションステートメント」についての記述を本書より抜粋する。


『スターバックスの使命は、会社として成長しながらも主義・信条において妥協せず、世界最高級のコーヒーを提供することである』

◆お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる

◆事業運営上での不可欠な要素として多様性を積極的に受け入れる

◆コーヒーの調達やばい煎、新鮮なコーヒーの販売において、常に最高級のレベルを目指す

◆顧客が心から満足するサービスを常に提供する

◆地域社会や環境保護に積極的に貢献する

◆将来の繁栄には利益性が不可欠であることを認識する


スターバックスはこのミッションステートメントに刻まれた理念と価値観を最上位に掲げ、経営戦略や組織目標を定めそれを実現するための短期的な目標やアクションプランへと展開し、体系的に組織全体をマネジメントしています。

すなわち、ミッション・マネジメントを実践する企業なのです。

ミッションステートメントの中で特筆すべきは、第一項目と第二項目が「人」それも従業員のためにかかれた項目になっていることです。

スターバックスの経営姿勢を最も端的に表現していて、「まず人がいてそれからビジネスが始まるんだ」ということをはっきりさせているのです。

続いてミッションステートメントは「提供する商品」を語り、ハワード・シュルツがイタリアのエスプレッソバーで受けた感動を自分たちのビジネスで表現するために、品質に対して徹底的にこだわり、常に最高品質のレベルを目指し維持することを宣言しています。

そして、「顧客の満足」と「地域社会と環境への貢献」をうたい、最後に「収益性」に言及しています。


『あとがき』にはこんなことが書いてある。

あるチェーンストアで社員研修をお引き受けした際、社長からこんなお話を伺った。

「我々はチェーンストアの基本を大切にしてきました。

その甲斐あって80年代に大きく成長し今日があるわけですが、バブルがはじけてからのこの十年は本当にしんどかった。

もう一度原点に立ち返り基本から見直してきましたが、結論として何も変えることができませんでした。

われわれは、これからもチェーンストア理論を基本にした運営をしますが、それだけではもう駄目なのです。

結局商売は店対店の戦い。

今までのように本部の言うことだけをただ黙って従っているだけの店では生き残れません。

これからは、自ら考え意欲を持って行動する人材を育てなくてはならないと考えています」と。


毎日毎日が目まぐるしく変化する現代。

情報化の時代も相まって、顧客のレベルが急速に上がっているのに、店の対応が旧態依然としたまま。

昔ながらの、本部から店へという「指示命令型」のマネジメントはとっくに通用しなくなってきている。

自らが自律して考え、行動する「自律型」の組織に転換できなかったところは、残念ながら、市場から消え去る運命にある。


自律型になれば、人は集まり、定着はよくなり、そして楽しそうに働くようになる。

いまこそ、自律型組織に舵(かじ)をきりたい。






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