
【クリスマスの使者】2674
ジャック・キャンフィールド氏の心に響く言葉より…
去年のクリスマスはとてもつらかった。
家族も親友も、かるか遠い故郷のフロリダにいた。
私は一人、寒いカリフォルニアで働き続け、体調も崩していた。
私の職場は、航空会社のチケットカウンター。
その日はクリスマス・イブ。
私は昼夜のダブルシフトをぶっとおしで勤務していたが、夜も九時をまわり、内心みじめでならなかった。
当番のスタッフは2,3人いたものの、乗客の姿はまばらだった。
「次のお客様、どうぞ」カウンター越しに声をかけると、柔和な顔をした老人がつえをついて立っているのが見えた。
老人がそろりそろりとカウンターまで歩いてくると、聞き取れないほどの小声でニューオリンズまで行きたいといった。
「今夜は、もうそっちへ行く便がありません。明日までお待ちいただくことになりますが」と言うとその老人はとても不安げな顔になった。
「予約はしてあるのですか」「いつ出発のご予定だったのですか」などと聞いてみたが、聞けば聞くほどいよいよ困った様子で、ひたすら「ニューオリンズに行けって言われたから」と繰り返すばかり。
そのうち、いくつかのことがわかってきた。
老人はクリスマス・イヴだというのに、義理の妹に「身内のいるニューオリンズに行きなさい」と車に乗せられ、この空港の前で下ろされたらしい。
彼女は老人に現金をいくらか持たせ、「中へいってこれで切符を買いなさい」と行って立ち去ったのだ。
私が「明日もう一度来ていただけますか」と聞くと、「妹はもう帰ってしまったし、今晩泊まるところもない。このまま、ここで待つことにします」と言った。
これを聞いて、私は自分が恥ずかしくなった。
私はクリスマスの夜にひとりぼっちのわが身を憐れんでいた。
でも、クラレンス・マクドナルドという名の天の使者が、こうして私の元につかわされ、ひとりぼっちとはどういうことか、本当の孤独とはどんなものかを教えてくれている。
私の胸は痛んだ。
私はただちに「ご安心ください。万事うまくやってあげますからね」と彼に伝え、顧客サービス係に明朝一番の便を予約してもらった。
航空運賃も年金受給者用の特別割引にし、差額は旅費の足しにしてあげることができた。
一方、老人はくたびれ果てて立っているのも辛そうだ。
「大丈夫ですか」とカウンターの向こうに回ってみると、片脚に包帯を巻いている。
こんな脚で、衣類をぎっしり詰め込んだ買い物袋を下げて、ずっと立ちつくしていたのだ。
私は車椅子を手配し、みんなで老人をその車椅子に座らせたが、見ると足の包帯に少し血がにじんでいる。
「痛いですか」と聞くと、老人は「心臓のバイパス手術をしたばかりでね。そのために必要な動脈を脚から取ったんだよ。」
なんということだ!老人は心臓のバイパス施術を受けたばかりのからだで、付き添いもなく、たった一人で!
こんな状況に出くわしたのは初めてだった。
なにをしてあげたらいいのだろう。
私は上司の部屋に行き、どこかに老人を泊めてあげてほしいと相談した。
上司はすぐさま、ホテル一泊の宿泊券と夕食と朝食の食事券を出してくれた。
カウンターに戻った私は、ポーターにチップを渡して「この方を階下までお連れして、シャトルバスに乗せてあげて」とたのんだ。
車椅子の彼の上に身をかがめて、ホテルのこと、食事のこと、旅の段取りをいまいちど説明しながら、彼の腕をとんとんと叩いて励ました。
「すべてうまくいきますからね。」
いざ出ていく段になると、老人は「ありがとう」と頭を下げて、泣き出した。
私ももらい泣きしてしまった。
あとになって、上司の部屋に礼を言いに戻ると、彼女はほほえんでいった。
「いいわねえ、こういう話。その人は、あなたのためにやってきたクリスマスの使者だったのよ。」
《レイチェル・ダイヤ―・モントロス》
『こころのチキンスープ 7』ダイヤモンド社
お釈迦さまの、托鉢(たくはつ)の話がある。
托鉢とは、僧侶が修業のために、家をまわってお経を唱え、お米やお金の施しを受けて回ることをいうが、お釈迦さまは弟子たちに、あえて貧しい人たちの家に托鉢に行きなさいと言ったという。
その理由は、「豊かな人は、今まで人に与えることをしてきたから豊かなのだが、貧しい人たちは、自分が貧しいゆえに人に与えるということをしてこなかったから、さらに貧しくなっているのだ」と。
つまり、貧しい人たちに、「人に与えることの大切さを教えるため」。
人に親切にしたり、喜びを与えることができたときは、相手も喜ぶが、実は自分が一番幸せな気持ちになることができる。
それが、「情けは人のためならず」。
「幸せは不幸の姿をしてやってくる」という言葉がある。
やっかいなことの中に、天使が隠れているかもしれない。
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ジャック・キャンフィールド氏の心に響く言葉より…
去年のクリスマスはとてもつらかった。
家族も親友も、かるか遠い故郷のフロリダにいた。
私は一人、寒いカリフォルニアで働き続け、体調も崩していた。
私の職場は、航空会社のチケットカウンター。
その日はクリスマス・イブ。
私は昼夜のダブルシフトをぶっとおしで勤務していたが、夜も九時をまわり、内心みじめでならなかった。
当番のスタッフは2,3人いたものの、乗客の姿はまばらだった。
「次のお客様、どうぞ」カウンター越しに声をかけると、柔和な顔をした老人がつえをついて立っているのが見えた。
老人がそろりそろりとカウンターまで歩いてくると、聞き取れないほどの小声でニューオリンズまで行きたいといった。
「今夜は、もうそっちへ行く便がありません。明日までお待ちいただくことになりますが」と言うとその老人はとても不安げな顔になった。
「予約はしてあるのですか」「いつ出発のご予定だったのですか」などと聞いてみたが、聞けば聞くほどいよいよ困った様子で、ひたすら「ニューオリンズに行けって言われたから」と繰り返すばかり。
そのうち、いくつかのことがわかってきた。
老人はクリスマス・イヴだというのに、義理の妹に「身内のいるニューオリンズに行きなさい」と車に乗せられ、この空港の前で下ろされたらしい。
彼女は老人に現金をいくらか持たせ、「中へいってこれで切符を買いなさい」と行って立ち去ったのだ。
私が「明日もう一度来ていただけますか」と聞くと、「妹はもう帰ってしまったし、今晩泊まるところもない。このまま、ここで待つことにします」と言った。
これを聞いて、私は自分が恥ずかしくなった。
私はクリスマスの夜にひとりぼっちのわが身を憐れんでいた。
でも、クラレンス・マクドナルドという名の天の使者が、こうして私の元につかわされ、ひとりぼっちとはどういうことか、本当の孤独とはどんなものかを教えてくれている。
私の胸は痛んだ。
私はただちに「ご安心ください。万事うまくやってあげますからね」と彼に伝え、顧客サービス係に明朝一番の便を予約してもらった。
航空運賃も年金受給者用の特別割引にし、差額は旅費の足しにしてあげることができた。
一方、老人はくたびれ果てて立っているのも辛そうだ。
「大丈夫ですか」とカウンターの向こうに回ってみると、片脚に包帯を巻いている。
こんな脚で、衣類をぎっしり詰め込んだ買い物袋を下げて、ずっと立ちつくしていたのだ。
私は車椅子を手配し、みんなで老人をその車椅子に座らせたが、見ると足の包帯に少し血がにじんでいる。
「痛いですか」と聞くと、老人は「心臓のバイパス手術をしたばかりでね。そのために必要な動脈を脚から取ったんだよ。」
なんということだ!老人は心臓のバイパス施術を受けたばかりのからだで、付き添いもなく、たった一人で!
こんな状況に出くわしたのは初めてだった。
なにをしてあげたらいいのだろう。
私は上司の部屋に行き、どこかに老人を泊めてあげてほしいと相談した。
上司はすぐさま、ホテル一泊の宿泊券と夕食と朝食の食事券を出してくれた。
カウンターに戻った私は、ポーターにチップを渡して「この方を階下までお連れして、シャトルバスに乗せてあげて」とたのんだ。
車椅子の彼の上に身をかがめて、ホテルのこと、食事のこと、旅の段取りをいまいちど説明しながら、彼の腕をとんとんと叩いて励ました。
「すべてうまくいきますからね。」
いざ出ていく段になると、老人は「ありがとう」と頭を下げて、泣き出した。
私ももらい泣きしてしまった。
あとになって、上司の部屋に礼を言いに戻ると、彼女はほほえんでいった。
「いいわねえ、こういう話。その人は、あなたのためにやってきたクリスマスの使者だったのよ。」
《レイチェル・ダイヤ―・モントロス》
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お釈迦さまの、托鉢(たくはつ)の話がある。
托鉢とは、僧侶が修業のために、家をまわってお経を唱え、お米やお金の施しを受けて回ることをいうが、お釈迦さまは弟子たちに、あえて貧しい人たちの家に托鉢に行きなさいと言ったという。
その理由は、「豊かな人は、今まで人に与えることをしてきたから豊かなのだが、貧しい人たちは、自分が貧しいゆえに人に与えるということをしてこなかったから、さらに貧しくなっているのだ」と。
つまり、貧しい人たちに、「人に与えることの大切さを教えるため」。
人に親切にしたり、喜びを与えることができたときは、相手も喜ぶが、実は自分が一番幸せな気持ちになることができる。
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