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自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ 人の心に灯をともす 5418より 写真はMさんからいただ...

2023年07月27日 | 
【自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ】5418



明治大学教授、齋藤孝氏の心に響く言葉より…



自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ (茨木のり子)



詩人茨木のり子は、73歳のときに『倚(よ)りかからず』(筑摩書房)という詩集を出しました。

「もはやできあいの思想には倚りかかりたくない」から始まる詩「倚りかからず」を中心とした15編が掲載された本です。

これが詩集として異例の大ヒット。

15万部も売れたのですからすごい。


きっかけは朝日新聞の「天声人語」が取り上げたことですが、それだけ茨木さんが多くの人に愛されていたということでしょう。

みんな、なぜそんなに茨木さんの詩が好きなのか。

ひとつには、学校で習い、親しんでいたことがあると思います。

「わたしが一番きれいだったとき」や「自分の感受性くらい」といった詩を読んで、共感していたのです。


「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という言葉は、詩の中のトドメの一言です。

「ぱさぱさに乾いてゆく心を/ひとのせいにはするな/みずから水やりを怠っておいて」から始まり、「気難しくなってきた」こと、「苛立つ」こと、「初心消えかかる」こと、それから「駄目なことの一切」を自分以外の何かのせいにするなと言い、最後にバシッと「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」と言うのです。


この詩には、人の考えそうな愚痴の、だいたいのことが書いてあります。

愚痴を言おうとしたら、もう先手を打たれているという感じです。

「こんなにハッキリ言うかな」というくらい、厳しいことをズバズバと言ってくれている。


これがまた、詩であることの良さです。

説教ではありません。

一つひとつの言葉がキラキラと際立っていて、美しさがあります。

フレーズの繰り返しのあとにトドメを刺すという、詩の形としても美しい。


「ばかものよ」は、茨木さん自身への喝でしょう。

読んでいてそれもわかります。

そして同時に、自分のこととして身の引き締まる思いがするのです。


感受性とは、自分で守るものだったのか。

やたらと傷つきやすいものだと思っていたけれど、自分で守ればよかったのか。

そういう感慨を持った人も多いのではないでしょうか。


凜として前を向いて生きていくという茨木さんの言葉に触れると、ああ、こういう強い精神を自分も持ちたいものだと素直に思えます。

感受性を自分で守るというとき、支えになるのはやはり精神です。

その精神には、「張り」が必要なのだと思います。

茨木さんの言葉、生き方そのものに「精神の張り」を感じます。

「張り」のある、 厳しいけれども美しい言葉が、背中を押してくれるのです。



『心が強い人はみな、「支える言葉」をもっている』アスコム
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《自分の感受性ぐらい》(茨木のり子)

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを

近親のせいにするな

なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい

自分で守れ

ばかものよ




どんなことが起こっても、友人のせいにしないこと、親のせいにしないこと、時代のせいにしないこと…

すべては、自分に水やりを怠ってきたことのツケが回ってきたのだから。

だからこそ、自分の感受性や心は自分で守ること。

だれも、他人は守ってはくれない。

甘えるな!


人のせいにせず、自らの感受性を守っていきたい。





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