AI (ええ愛・Atelier Ichien)

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西郷隆盛と門番 人の心に灯をともす 640より

2011年05月27日 | うたしやきなお話
一円の…愛読している…メールマガジンより…お福分け…させて…いただきます…m(__)m…
写真は…岡崎のふさこさんの…提供です…m(__)m…
ありがとう…ございます…m(__)m…


【西郷隆盛と門番】№640


池波正太郎氏の心に響く言葉より…


こんなエピソードがある。

明治4年ごろのことだろうが、あるとき西郷は宮内省へ用事があって出かけた。

夕暮れで、ひどく雨がふっている。

宮内省の門へ来て気がつくと、西郷は門鑑(もんかん)を忘れていたのだ。


「まことにすまぬが、急用なので通していただきたい」

門番にたのむと、

「門鑑がなければ通せませぬ」

若い男だが、きっぱりとはねつける。

粗末な縞(しま)の着物に袴をつけ、大小を横たえている大男が、まさか西郷隆盛だとは思わない。


「いかぬかな?」

「規則です」

「フム。そりゃたしかにそうじゃ」


こうなると、自分の名前で門を通るということができなくなるのが西郷である。

しばらく、茫然(ぼうぜん)として雨にぬれたまま立ちつくしているところへ、岩倉具視が馬車でやって来て、

「何をしておられる?」

「いや、門鑑を忘れたので…」


そこで、岩倉が、

「けしからん、このお方は西郷陸軍大将じゃ」

門番を叱りつけた。


門番はびっくりしたが、それでも屈しない。

西郷だろうとなんだろうと、自分は門番としての責任を果たすまでだ、というわけである。

岩倉右大臣はカンカンになったが、

「そりゃ、あんたが悪い」

西郷は岩倉をなだめ、国家の急用なのだから特別に見のがしてもらいたい、と門番に敬礼したそうだ。


「国家のためとあれば、仕方ないでしょう」

門番もようやくゆるしてくれたという。

この門番の青年、出身地も名も知れてはいないが、後に西郷が可愛がって、学問をさせ、立派な官吏になったらしい。

『一升枡の度量』幻戯書房



勝海舟は、西郷を、「大胆識と大誠意の人」と評した。

まさに、度量と徳望をあわせもつ、当時第一等の人物であった。


安岡正篤師は理想の君子について、こう語る。
 
欲して貪(むさぼ)らず、

泰(ゆた)かで驕(おご)らず、

威あって猛(たけ)からず。

『論語・堯日(ぎょうえつ)』安岡正篤一日一言(致知出版)より


ガツガツせず、貪欲ではなく、淡々としている。

泰然(たいぜん)として、おごり高ぶらない。

威厳はあるが、上から偉そうにものを言わない、度量の広い人。


まさに、西郷翁その人だ。

相手が目下であろうが、部下であろうが、決して偉そうな口をきかない。


えてして、英才、俊才は、自分の意に沿わないことがあると、瞬間的に反発する。

鋭(えい)の人だ。


大人物や英傑は、泰然として、大騒ぎせず、ひと呼吸おきゆったりと応対する。

鈍(どん)の人だ。


鋭の人には、どこか錐(きり)のような冷たさを感じる。

どんな事に出会っても、ゆったりと余裕を持つ、鈍の人でありたい。




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