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【30歳過ぎたら一人前】№1096
元佐賀大学学長の上原春男氏の心に響く言葉より…
土光敏夫氏は経団連の会長となられましたが、私は氏が仕事を始める前の早朝の1時間くらいを使って、土光氏に講義をしていた時期があります。
エネルギーに関しての話が中心でしたが、氏はいつも熱心に耳を傾け、講義が終わると、30分くらいたて続けに鋭い質問をされました。
向こうは財界の大物。
こっちは田舎の大学助教授の身分、しかも息子くらいの年齢の若造ですから、ずいぶん緊張もしました。
しかし、氏は始終、私を「先生」として扱われ、講義中は1人の生徒のようにまじめに、熱心に話を聞いておられました。
こうした体験から、私は成長のための重要な条件を学んだのです。
それは熱心であること。
それからもう一つ、謙虚であることです。
私のような年下の人間を相手にしても少しもいばらない。
いばるどころか、若い人間の意見だからこそ、しっかりと耳を傾け、それを尊重してやろう、そこから学ぼうという謙虚な姿勢が明らかでした。
土光氏と話すとき、私はいつも、「私のような若い者が言うのはおこがましいのですが」という前置きを口癖のように言っていました。
するとあるとき、土光氏は私にこうおっしゃいました。
「先生はいつも『私のような若い者が』と言われるが、先生はいくつですか」
私が35か6歳くらいのときでしたから、その旨答えると、土光氏は再度、「35歳は若いのですか」とたずねられるのです。
私は冗談半分に、「若いと思います、土光さんに比べれば…」と答えました。
すると土光氏は、にわかに鋭い目をして、
「先生、それは間違っている。
人間は30歳過ぎたら一人前です。
30歳過ぎて若いなんて言ったらいかん。
そう言うということは、わずかならがらでも、責任逃れをしたいという気持の表れです」
となかば怒りながら、私をいさめられたのです。
『成長するものだけが生き残る』サンマーク出版
日本では色々な会合で、「私のような若輩者が高いところから、ご挨拶させていただき恐縮です」というような挨拶をする人が多い。
しかし、過度の謙遜や謙譲は、かえって不自然に感じることがある。
心理学ではそれをディスカウント(値引き)というが、「他人に否定される前に、自分の評価を下げておこう」というような心理も働いている。
「どうせ私なんか」という言い方も同じだ。
自分を必要以上に大きく見せることはいけないが、そうかと言って過度に低く見せることもない。
自然体のありのままの自分を出すことが必要だ。
「30歳過ぎたら一人前」
卑屈にならず、堂々と、しかも謙虚さを失わない人でありたい。
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元佐賀大学学長の上原春男氏の心に響く言葉より…
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しかし、氏は始終、私を「先生」として扱われ、講義中は1人の生徒のようにまじめに、熱心に話を聞いておられました。
こうした体験から、私は成長のための重要な条件を学んだのです。
それは熱心であること。
それからもう一つ、謙虚であることです。
私のような年下の人間を相手にしても少しもいばらない。
いばるどころか、若い人間の意見だからこそ、しっかりと耳を傾け、それを尊重してやろう、そこから学ぼうという謙虚な姿勢が明らかでした。
土光氏と話すとき、私はいつも、「私のような若い者が言うのはおこがましいのですが」という前置きを口癖のように言っていました。
するとあるとき、土光氏は私にこうおっしゃいました。
「先生はいつも『私のような若い者が』と言われるが、先生はいくつですか」
私が35か6歳くらいのときでしたから、その旨答えると、土光氏は再度、「35歳は若いのですか」とたずねられるのです。
私は冗談半分に、「若いと思います、土光さんに比べれば…」と答えました。
すると土光氏は、にわかに鋭い目をして、
「先生、それは間違っている。
人間は30歳過ぎたら一人前です。
30歳過ぎて若いなんて言ったらいかん。
そう言うということは、わずかならがらでも、責任逃れをしたいという気持の表れです」
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『成長するものだけが生き残る』サンマーク出版
日本では色々な会合で、「私のような若輩者が高いところから、ご挨拶させていただき恐縮です」というような挨拶をする人が多い。
しかし、過度の謙遜や謙譲は、かえって不自然に感じることがある。
心理学ではそれをディスカウント(値引き)というが、「他人に否定される前に、自分の評価を下げておこう」というような心理も働いている。
「どうせ私なんか」という言い方も同じだ。
自分を必要以上に大きく見せることはいけないが、そうかと言って過度に低く見せることもない。
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