日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

いと高き神、畏るべき方

2013-04-11 | Weblog
 詩47篇 
  3節「主はいと高き神、畏るべき方 全地に君臨される偉大な王」(新共同訳)

  2節「すべての民よ、手を打ち鳴らせ。神に向かって喜び歌い、叫びをあげよ」。王なる神を賛美する詩篇。「即位の詩篇」と呼ばれる。王の即位と比較し、神の創造と歴史支配を重ね合せて賛美し、諸国はこの王に従うように勧める。これは民族主義的展望である。「手を打ち鳴らせ…叫びをあげよ」は歓喜の表現で、王の即位に際してよく行われた(サムエル記下15章10節)。王が凱旋する時などに叫ぶことがある(歴代誌下2章14節)
  3節「主はいと高き神、畏るべき方 全地に君臨される偉大な王」。直訳「全地の上の偉大な王」。王なる神の支配を告げる。9節でも繰り返される。ヨシャパテ王の時代にモアブ軍の攻略を受けたが、それに賛美で勝利したことが書かれている。賛美は勝利である(歴代誌下20章1~4、20~24節)。王なる神は国々をイスラエルの足元に置かれた(4節)。そこを嗣業の地とし、麗しい土地で、ヤコブの誇りとして民に与えられた(5節)。山岳地帯であるが、そこにエルサレム神殿が建っていることをイスラエルの誇りとするのである。
  6節「神は歓呼の中を上られる。主は角笛の響きと共に上られる」。再び賛美を呼び掛けられる。王のエルサレム入城の有り様であるが、かつてペリシテに奪われた神の箱を取り戻したダビデが角笛を吹き鳴らしてエルサレムに担って入いる情景が重ね合わされている(サムエル記下6章12~14節)。この時主なる神は天に上られていることを思うのである。この時「神をほめうたえよ、ほめうたえよ、われらの王をほめうたえよ、ほめうたえよ」(口語訳)と、4回繰り返されている(7節)。
  8節「神は、全地の王 ほめ歌をうたって、告げ知らせよ」。直訳「全地の神は王、歌え、マスキールを」であるが、「マスキール」は岩波訳「巧みな歌」。各詩の表題に多く出てくる(45篇1節)。
  10節「諸国の民から自由な人々が集められ アブラハムの神の民となる。地の盾となる人々は神のもの。神は大いにあがめられる」。「アブラハムの神の民となる」は創世記12章2~3節の言葉と結びつき、神の祝福の約束が、すべての民に実現することを表している。

  すべてのキリスト者は、主イエスによってアブラハムの子となる(ガラテヤ 3章6~29節、ローマ4章16~17節)。