日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

あなたの重荷を主にゆだねよ

2013-04-20 | Weblog
  詩55篇 

  23節「あなたの重荷を主にゆだねよ、主はあなたを支えてくださる。主は従う者を支え、とこしえに動揺しないように計らってくださる」(新共同訳)

  1節「指揮者によって。伴奏付き。マスキール。ダビデの詩」。見出し。背景となる歴史的詳細は不明。外敵はエルサレムの中にある不法、搾取、詐欺を行う者たち、親しい朋友の裏切りで、彼らに神の報復を祈る。
  2節「神よ、わたしの祈りに耳を向けてください。嘆き求めるわたしから隠れないでください」。隠れて見ない振りをしないでくださいと、苦しみ悲しみを神に訴える。
  3節「わたしに耳を傾け、答えてください。わたしは悩みの中にあってうろたえています。わたしは不安です」。岩波訳「わが悲嘆に私は身を震わせ、度を失いました」。圧迫してくる敵の声がわたしの上に落ちて滅ぼそうとし、そして怒ってわたしを恨む(4節私訳)。わたしの心はもだえ、死の恐怖に襲われ震えています(5~6節)。敵の襲来に追い詰められた状態である。
  7節「鳩の翼がわたしにあれば 飛び去って、宿を求め」。鳩が激しい嵐を逃れ人里離れた処に身潜めて難を逃れることができるのだがと、訴える。荒れ野は神との交わりの場を暗示させる(8節)。
  10節「主よ、彼らを絶やしてください。彼らの舌は分裂を引き起こしています。わたしには確かに見えます。都に不法と争いのあることが」。敵の破滅を求める真剣な祈り。「主よ~分裂を引き起こしています」何故このような訳になるのか判らないが、直訳「わが主よ、呑みたまえ、彼らの舌を分けたまえ」。創世記11章バベルの塔の物語を示唆している。都の城壁の上を不法と争いが巡り、町は災いと労苦とが往き巡り、広場から搾取と詐欺が去らないのだという(11~12節)。
  13節「わたしを嘲る者が敵であれば、それに耐えもしよう。わたしを憎む者が尊大にふるまうのであれば、彼を避けて隠れもしよう」。最大の苦しみを表わす。嘲る者、高慢な振る舞いをする者が外敵だったら、耐えられるのだが、「わたしと同じ人間、わたしの友、知り合った仲」の裏切りには耐え難い苦しみだ(14節)。かつて彼らは神殿の庭で共に行き来した信頼する仲間だった(15節)。「共に行き来した」は岩波訳「ともに睦みあい」、直訳「私達は歩き続ける」である。
  16節「死に襲われるがよい 生きながら陰府に下ればよい 住まいに、胸に、悪を蓄えている者は」。神の審判を求める。コラに下った神の審判を思い起こさせる(民数記16章30~33節see)。
  17節「わたしは神を呼ぶ。主はわたしを救ってくださる」。これがわたしの願いである。夕べも朝も、そして昼も…昼夜を分かたず叫び求めることである(18節)。そして、敵対する人々の中から、贖い出し、平和を賜ることを神に願う(19節)。
  20節「神はわたしの声を聞き、彼らを低くされる。神はいにしえからいまし変わることはない。その神を畏れることなく」。ここは色々な訳があり判りにくい。直訳「神は御座におられて変わることなく彼らを(罪に)悩まされると私は聞いている」。20b~22節、24節は16節と同じ神の報復を求めている。
  23節「あなたの重荷を主にゆだねよ、主はあなたを支えてくださる。主は従う者を支え、とこしえに動揺しないように計らってくださる」。結語。重荷を主にゆだねるとは、神のもとに身を隠し(8~9節)、神をたえず呼び(17~18節)、苦難の中にも主の平和を確信する(19節)ことである。