先日三菱重工業の三菱スペースジェットの 事業凍結を発表しました。夢の国産旅客機を作る、とスタートしたのが15年前ですが、実用化のめどが立たず1兆円ほどの投資が無駄になったそうであります。これは国も応援したと報じられていますが、はたしてどれだけ資金援助したかはわかりません。
国産ジェット機といえば「ホンダ」が小型のプライベートジェットを生産していて、ワタシの記憶ではなかなか国際的にも評判が高いとされて、順調な事業展開をしているようです。旅客機で技術が確立されれば、軍用機への転用はさほど難しい事ではありません。
ジェット戦闘機から旅客機まで、国内で飛んでいる大型で高額な飛行機は、ほぼ100%がアメリカ製で、田中さん(元総理)が賄賂を貰ったロッキード事件でも分かる通り、でボーイング社、ダグラス社なども思い浮かびますが、いずれも第二次大戦のときに活躍した戦闘機のメーカーです。
日本は平和憲法の元、軍需産業も非常に制限が厳しく、例えば国産戦車(ヒトマル式)も100台くらいしか配備されていません。戦闘機は100%が外国製であります。例によって岸田さんが思い付きのように国防費の倍増を言い出し、増税すると強弁しております。これは、出所不明金を沢山秘書に持たせて、外遊の際は高級ブランドのグッズを買いまわるという風情に見えますね。自分の懐は痛まず、知り合いにいい顔をして外国製品を買うということが、日本人にとってどれだけの価値があるのか?、聞いてみたいものであります。
それにしても、もし国防に本腰を入れ、自分の国を本気で守る気があるならば、その軍備・装備・防衛システムにも国の技術の粋を集め、ノウハウを蓄え、どこにも頼らず、自立することが重要に思えます。人件費や海外からの調達を削ってでも、防衛関連の産業にその資金を投じる、というのが長期的には必要であろうと思います。
岸田さんは、経済界にも「賃金を上げろ」と号令をかけていますが、これも他力本願、政府が金を出すわけではありません。ウクライナ戦争や円安による輸入品の値上がり、物価高騰に対して①ごく一部の ②収益性や資金の余裕がある ③大企業だけが、賃上げしても、生活苦に苦しむ一般家庭・高齢者・若き非正規雇用者たちにとってなんの恩恵もありません。
日本が、バブルに浮かれ空前の好景気や株高であった40年前には、「ジャパンアズナンバーワン」と世界の経済学者からほめそやされ、世界で「技術立国」の旗頭になっていたのに、今やあらゆる分野での相対的地位が下がり、半導体産業は壊滅、家電大手は次々に廃業・身売りをしました。コロナが流行して3年経過しましたが、あれだけテレビでCMを出している数多の製薬製剤企業がいても、ついに一つも「ワクチン」や治療薬の実用化に至りませんでした。
目立つのはトヨタ自動車くらいのもので、安定して時流に乗っているのは通信・携帯・インターネット関連などに限られているように思います。これらは、ひとえに国のかじ取りが偏っていて、港湾整備・物流・建設や観光、鉄道(例えばリニアモーターカー)など、公共事業・公共工事に巨額の税金が投じられているからだとみております。
話を戻して、国産旅客機は、民間=三菱重工におまかせして、成り行き任せになっています。これは、国内の工場が中国に移転したため人材や情報・カネ・生産工程などすべてが海外に流出して競争力を失う結果になったのと同じで無策としか言えません。なぜ中国人ハッカーが日本の企業に侵入したり、サイバー攻撃を仕掛けてきたか、その理由がここにあります。日本は長年培ってきた技術や情報を、やすやすと他国に持っていかれるのを指をくわえてきたからであります。
自分の羽根で飛べなくなった鳥が「日本」であります。
自分たちの存在を示すはずの「歌」もうたえないカナリアであります。
もし、国産旅客機が三菱重工の手に余るなら、今までに蓄えた有形無形の情報や生産機密などをちゃんとした複合体によるプロジェクトに移し、本田や豊田など最先端の企業の技術者によって、発展させる道を取るべきだろうと思います。それこそが、日本が営々と犯してきた愚を繰り返さないで、技術力によって世界に対抗していく一つのモデルになるのだと思うのですが。
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