貧者は飢えず、ただ太るのみ。全く以ってその通りであると、キロ単位で購入した冷凍白身魚フライとフライドポテトを揚げながら思う。糖質に脂質、そして塩分。生存本能が渇望する塊が、大量安価に流通しているのである。経済的に困窮する者、及び単純にそれが好きな者がその魅力に抗うのは、極めて困難である。結果として疾病リスクの上昇、社会保障費負担の増大を招くのであるから、食生活の健全化は全社会的課題であると、自由意志を棚に上げて訴えたい。そもそも健康に良いとされる野菜、キノコ、海藻の類では腹が膨れないのが問題なのである。モヤシ1㎏とかを一気食いすれば満腹はするだろうが、満足はしない様に思えるし、私だったら同量のフライドポテトを選ぶ。人類史的視点からすれば何とも贅沢な悩みである事は分かってはいるのだが、そんな自省の精神すら鈍麻させる貧困を根絶出来ないものかと、フィッシュ&チップスをつまみながら考えるのである。