宅配業者泣かせなのがタワマンだそうである。防犯が厳しい上にオフィスビルの様に大人数が乗れるエレベータも無い為、玄関に辿り着くまで時間が掛かるらしい。そこでエントランスまで運んだ荷物をロボットに任せる実証実験を、ソフトバンクロボティクスと日鉄興和不動産等が共同で行ったとの事である。既存の配膳ロボットを使用したのでエレベータの操作は人間が代行せざるを得ないレベルであるが、将来的にはそこも自動化する予定だそうである(それが出来ないと余り意味が無い)。各タワマンに常駐させておけば大幅な時間短縮が期待出来るだろう。ただ改善点も山積みである。インターホンも使えないと不便であるし、荷物が大量に有る場合にはその置き場も考慮しなくてはならない。それらの課題を解決するにはタワマン側の改修も必要だろう。いずれ「ロボット対応」が売りになるのかも知れないが、留守で無いなら自分で取りに行った方が早いとも思うのである。
社命じゃしょうがない。旧Twitterで人気者のシャープ公式アカウントの中の人が、月面への出張が出来ないものかと云う投稿をした所、それが社長に見つかった。早速太陽電池修理の出張許可が下りたそうで、呉柏勲氏もなかなかお茶目な方である。SLIMが奇跡の越夜を成し遂げた事で当面は延期だそうだが、念の為JAXAに交通費の見積もりをお願いするそうである。シャープ製品の品質をアピール出来たしフォロワーも大笑いさせてもらったし宇宙ビジネスへの注目度も上がったしと、まさに三方良しである(中の人を除く)。月面有人探査が可能となった暁には、是非とも修理に赴いてもらいたい。日本は部品大国だが付加価値を付けるのが苦手、とはよく言われるが、それは得意分野で勝負していないからだと思う。故障しない製品と手厚いアフターケアは、持続可能型社会に於いては強力な武器となる。買い替えよりも修理がお得、と云う認識を広めれば勝機は十分にあると思うのである。
ひたすら「ありふれたおじさん」をGAIで錬成する人が居るらしい。別にそっち方面のフェチでは無く、学習データの偏りを定点観測しているそうである。確かに新橋近辺にゴロゴロ居る普通のおっさんのデータは、インターネット広しといえどもそう簡単に集められるものでもあるまい。ちなみに「江戸前寿司」を錬成すると大抵サーモンと裏巻き寿司がセットで描かれるそうで、日本人なら違和感を抱くだろうが、実物を知らない人からすれば「それが本物」と受け入れられてしまうだろう。そう云う意味では生成されるアニメ絵の完成度の高さは異常なのだが、それはどうでもいい。GAIが有能でも学習していないものは再現出来ないのは自明なのだが、その視点は案外すっぽり抜け落ちている様に思う。「ありふれたおじさん」はともかく、情報量の少ない文化や風俗は、GAIにとって「無い」も同然である。それは結構由々しき事だと思うのだが、当面は改善されそうもないのである。
名前とは何にでも付いているものである。問題解決の為に設立された組織が却って阻害要因になってしまう現象は「シャーキーの法則」と呼ばれているそうである。米国の作家のクレイ・シャーキー氏が名付け親との事で、きっとそう云うのに長年悩まされたに違いない。組織存続の自己目的化は然程珍しいものでも無いし、「利益を求めて半永久的に肥大化しようと試みる」組織の方が、どちらかと言えば異質だろう。それに「目覚ましい働きによって目出度く問題解決したのに解散させるのは勿体無い、他にも役立つ使い道が有るのではないか」と云う正論めいた詭弁を覆すのは案外難しいものである。立ち上げて信頼関係を構築して計画を軌道に乗せる、と云う一連の面倒臭い作業をやり直したくない心情も湧くだろう。伝統と陋習に凝り固まった組織を十把一絡げにする心算は無いが、「何の為に集まったのか」は折に触れて再点検すると、シャーキーさんも喜ぶと思うのである。
ライフハック系にありがちである。「iPhoneを水没させても米櫃に突っ込まないで」とAppleが公式に警告を出した。効果が見込めないどころか、砕けて微細になった米粒によって悪化する可能性の方が大きいそうである。トイレに落したiPhoneを食べ物に突っ込む鋼の精神力の持ち主は、注意した方が良かろう。専門業者によっては「真空チャンバーに密封して水分を蒸発させる」と云うライフハックとは言い難い方法を試みるそうだが、ミネラル等の不純物が取り除ける訳では無い。一般人は兎に角風通しの良い所に置いて復活を祈るしか無さそうである。最近のスマホは防水防塵性能が向上しており、そう簡単に内部に侵入はしないそうだが、それでも壊れる時には壊れるものである。そうなった時にはネットに流布するライフハックを試すよりも、専門家に任せた方が良さそうである。ハッキングは「何が起きても泣かない」それなりの知識を持った人がやる事であると心得るべきなのである。