時空間は4つの次元を持つ。その中で時間のみ方向が定まっているのは何故か。その明確な解答をどっかで読んだ。時間が未来から過去に流れると、起きた事を我々は即座に忘れてしまうので、観測が成立しない。納得しか出来ない見事な説明に思えるのであるが、証明不可能である事は直感的に分かる。将来的に逆行出来る様になったら、是非遡ってきて教えて欲しい。宇宙が数学的に均整の取れた構造を有しているのは、そんなもんを計算で解き明かそうとする知的生命体が存在するからと云うのが人間原理と言われるものである。観測者問題に一石を投じると云う意味では意義深い主張ではあるが、均整が取れているのは何故かに就いての説明を放棄している時点で、神様が創ったと云うのと大差ない。時空間とか電気のプラスマイナスとか、何で出来たのかを問うても詮無いには違いないが、そう云うどうでもいい事に拘るのが人間なんじゃないかなと観測していて思うのである。
経済活動と公衆衛生の両立をどう図るか。そのトレードオフに偉い人は悩んでいる様であるが、データを見る限りは然程困難ではない。新型ウィルスの致死率と最も相関が高いのが加齢である。50~59歳で0.9%、60~69歳で4.3%、70~79歳で13.5%、80歳以上で26.9%と云うのが、国内での致死率である。つまり感染すれば危険なのは50歳以上に限られるのであり、その年齢に応じて活動を自粛してもらえば宜しい。多少の熱なら無理を押して仕事をするのが当たり前だった我が国であれば、周囲が風邪気味でも案外すんなり馴染むのではないか。問題は本当に高齢者を隔離なり軟禁なり幽閉なりすると、政財界のあらゆるトップが不在となってしまう点である。居なくなってもそれなりに何とかなるのだろうが、何とかなると判明してしまう事を恐れる偉い人達の強硬な反対は必至である。経済活動と公衆衛生と年寄りのプライドの鼎立となると、この問題は一気に解決困難になるのである。
良い機会である。総理大臣を公募してはどうか。全国各地から有象無象が湧いてくる事が想像出来るが、それでも10万人を越えれば良い方だろう。それを10人単位でブロック化し、この国のかたちに就いて大いに論戦を戦わせ、全員を論破するか殴り倒した人で更に10人ブロックを作るを繰り返し、残った10人の中から麻生さんが適当に選ぶと云う方式が面白そうである。かなり視聴率が稼げるエンタメコンテンツになるんじゃないかと予想している。またその過程で議論を尽くしても最後は相手を殴り倒さないと決まらない物事もヨノナカには有ると有権者に痛感してもらう事も出来るだろうし、多数決はそのエレガントな便法に過ぎないと云う事も理解してもらえるだろう。また「李下で冠を正している」人が殆どである事、政治業が世襲化する理由、そして「こいつはダメだね、もっといいのはいないのか」と無責任に評論するお気楽さに気付いて欲しいと、傍観家は願うのである。
ここ20年のアメリカ人は不幸である。アイスをバケツ食い出来る国民の何処が不幸なのかと言われればそれまでだが、法の下の自由と平等を約束されていながら、そんなもん享受出来るのは一部でしかないと云う事実を、日々目の当たりにするからである。だったら初めから「そんなものはない」と関羽に断言されている中国人民の方が、余計な期待を抱かない分マシだろう。そもそも自由と平等は食い合わせが悪い。どんな平等であれ持つ者が持たざる者に何かしらを譲らねばならず、そこに選択の自由は無い。そんな平等は【放送禁止用語】で当選したのが現大統領であり、持つ者、及び持っていたと思い込んでいる者の盤石の支持を得ている。自由と平等のタテマエを取っ払っても民主主義国家の盟主で居られるのかは微妙な所で、軍事と経済の中核である事には変わりはないが、理想を失った国は脆い。バケツアイス食い放題でも何でも良いから、目標の再設定が必要なのである。
最近噂を聞かないけれど、元気かなアビガン。「効くっちゃあ効くかもしんねぇなあ」と云う報告の発表後、一時ほどの期待は寄せられなくなったが、9月中旬に公表予定の治験結果を待ちたいと思う。とは言え副作用がえぐいので、認可されるとしても当面は子作りをしなくなった人にしか処方されないと思われる。薬と云うと飲んですぐ効くのを期待しがちであるが、そんな都合の良い代物は一握りである。市販薬の大半は「異常を知らせる不快な反応の作用機序を阻害・麻痺させる」ものであって、異常の原因を取り除いてくれる訳ではないと理解しておくべきだろう。薬とは毒の一作用が都合良く働いてくれた時に付けられる名前に過ぎない。悪名高いサリドマイドも、現代では骨髄がんの治療薬として厳しい管理下で処方されているのである。日々の食事こそ最高の薬と心得たいのであるが、塩と脂のチープでジャンクな誘惑に抗えない意志の弱さに、付ける薬は無いのである。