消費は生活必需品を得る為の経済行動である。同時に、娯楽でありカタルシスを生むものでもある。だからと言って深夜、アマゾンでシャケの中骨缶詰24個を衝動買いするのはいかがなものか。そもそも何故そんな衝動が生じたのかが分からないが、深夜だからとしか言い様が無い。真夜中のテレビがほぼ通販番組で占められているのも、何かしら経験則的な理由が有るのだろう。そんな時間帯の視聴者がカタルシスを伴う消費を行おうとすれば、コンビニ位しか選択肢が無い。しかし並んでいる商品は、当然ではあるが日常的に必要とされるものばかりである。敢えてテンションを上げるとすれば高級カップアイスの買い占めであろうが、消費として地味だし食べると太る。だったらテレビ通販の胡散臭いダイエット器具にワンチャン賭けてみようかと云う気持ちにもなろう。娯楽的消費に飢えている人が増加している昨今、生活不要不急品を店頭に並べてみるのも面白そうなのである。
これは納得のコラボである。マクドと読売新聞の販売店が、デリバリーサービスを全国展開すると云う記事を読んだ。地元の新聞配達員であれば、届け先に迷う事も無いだろう（多分）。本業は契約数が右肩下がりで、新たな収益源の開拓は急務である。売上は現状微々たるものであろうが、ノウハウを蓄積して受託先を増やせれば面白そうである。配達員による商品の乱暴な扱いが物議を醸す昨今、読売の看板の信頼性もプラスだろう。尤も過去に強引な勧誘を受けた人にとっては悪い印象しか残っていないかも知れないが、本社からの報奨金も減っている現状、販売店が無茶をするモチベーションは既に高くは無い。お届けついでに契約を迫られる危険性は然程懸念しなくても良い様に思える。「自宅にモノを運送する」ビジネスとして括り直せば、郵便・宅配業と共存出来る可能性が見えてくる。スーパーカブに積める範囲であれば、土日の郵便配達の担い手にもなり得るのである。
こう云うパターンもあるのか。先日温帯低気圧に変わった台風2号であるが、北上中に上空の寒冷渦とくっついて再発達したそうである。エネルギー供給源の見事なバトンタッチであるが、この台風特有の珍現象であると信じたい。21世紀になれば科学の力で気象をコントロール出来るとか無邪気に思っていたが、自然を甘く見ていたと反省せざるを得ない。それどころか毎年の水害すら防げないのである。想定外の降雨量を更新してくるから昭和の防災計画では追い付かなくなっている事と、下水道が発達した事によってそこを逆流する「内水氾濫」と云う新カテゴリに対応しなくてはならなくなった、と云う事情も有る。治水は国家百年の計なので、そう簡単に成果が出せるものでもないし、高度経済成長期の様にインフラにガンガン投資出来る財政状況でもない。国家の綻びは適宜繕って頂く一方で、50年の経験をアテにせず自分の命は自助で守る備えだけはしておきたいのである。
改めて数字として突き付けられると壮大である。我が国の高齢者3600万人の内、1都3県に在住しているのは900万人との事である。皆様お達者で大変喜ばしいのであるが、7月末までに全員にワクチン接種するとなると一大プロジェクトである。現時点の首相官邸発表の実績の進捗を見る限り「物理的に無理」と云う結論が導き出されるのであるが、そこは精神力で何とかしろと云う事だろう。流石に手を拱いている訳にもいかず、大手町の政府施設に自衛隊を投入し、1日1万回の接種が可能となる態勢を整えるらしいが、そんだけ密集して大丈夫かと逆に心配になる。埼玉神奈川千葉の高齢者も対象に含めるらしいが、各自治体とのダブルブッキングで面白い事になりそうだし、何より交通費が支給されるのかが気になる。全体のロジスティクスを掌握している司令塔が不在なのがその原因に思えるのだが、元来そう云うのが苦手な国だったよなあ、と苦笑いしながら傍観するのである。
テレワークが定着しない理由は明らかである。そうする経済的合理性が、企業に無いからである。オフィス代と通勤費が浮くと云うのが精々だろう。ネットワークの増強やセキュリティの整備に掛かるコストを考えれば、大してメリットの有る話ではない。場合によってはビジネスフローそのものを変えなくてはならず、だったら申し訳ないけど従業員にリスクを負ってもらおうかと云う発想にもなろう。そこで政治の出番である。テレワーク7割を実現したら法人税をゼロにします等のアメでも構わないが、隠蔽と虚偽の温床になるだけである。ここは発想を逆転し、経団連所属の企業の役員の在宅勤務を義務付けてはどうか。偉い人が出向くから出社せざるを得ない人も多いのである。またドップリ使ってみなければ、テレワークの善し悪しも分かるまい。人と会うのが経営層の仕事だと云う反発は御尤もだが、そう云う人同士でライブチャットを試すのも良い経験だと思うのである。