行雲流水の如くに

植田日銀,ようやく緩和修正策に舵を切ったか。

約10年にわたる異次元の金融緩和策(アベクロミクス)は、

結局日本経済と国民生活を虚弱体質に変えてしまった。

ぬくぬくと金融緩和というぬるま湯にひたり、運動と栄養ある食事を怠ればそうなる。

今回の植田日銀の手法は、

「長期金利の上限のめどを0.5%程度で維持しつつ、1.0%までは容認する」

ややわかりにくいが、「金利上昇は容認する」姿勢に転換したと読むべきだろう。

 

円安になれば企業利益は黙っていても増える。

そうすると設備投資や人材投資に金を使わずに内部留保としてため込むばかり。

最初から下駄をはかせてもらって競争しているようなものだ。

一方円安は国民生活を直撃する。

特にエネルギー価格の高騰はダメージが大きい。

 

通貨安の為、外国人観光客が来てくれるなどと喜んでいる場合ではない。

よく考えれば日本の良質な観光資源や日本の製品が安く(実力不相応に)買いたたかれていると考えるべき。

円高になっても来てくれるよう実力を磨くべきなのだ。

日本は円安になっても危機意識を持たないのは、「通貨崩壊」(太平洋戦争敗戦時)の経験者がほとんどいなくなったから。

主要国の中で、日本だけが通貨安政策をとっている「茹でガエルの国」との自覚が必要だ。

その意味で植田日銀が通貨安修正に動いたことを評価したい。(まだ十分ではないが)


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