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北京での日々は??

きことわ

2011-06-07 09:53:17 | Weblog
遅れてきた文芸春秋3月号で芥川賞に選ばれた「きことわ」を読んだ。
事前にいくつかのニュースなどで共に選ばれた「苦役列車」についてもその題名は知っていたが、それぞれの内容はよくは掴めていなかった。
当初は「きことわ」に出てくる地名とか時代背景が当時住んでいた逗子界隈の情景とかにまじりあい、同時にその文体というのか言葉遣いに酔いながらその文章が織りなすどこをさまよっているのかわからない迷宮の世界の中を「きことわ」の両者、それと著者と旅しているようであったが、途中からその状況があまりに非日常的あるいは具体性に乏しい様子に気が付き始めた。
あまりにふわふわ感がありすぎて、読んでいる自分自身を取り戻すのに必死になってきた。
それに比較し、「苦役列車」はあまりにも印象的。というよりもこれまた知っているようであまりにのぞきたくない世界をズバリと表現していて現実を見据える力を与えてくれる。
両極端の世界を見つめることが出来たこの週末だった。