ヘッセの「庭仕事の愉しみ」を読んでいる。
この本、田舎暮らしを始めて間もなくの頃だっただろうか?読んだことある。
そしてつまらなくて途中でやめてしまった。
ソローの「森の生活」もまたつまらなくて途中でやめてしまった。.
どちらもきっと田舎暮らしを始めた人が都会人に送るためのメッセージなのだろう。
だからもう田舎暮らしをしている人には新鮮味が感じられなくて、つまらないと思ってしまうのだ。
つまらないと思ったのはきっとそうだったのだろう。
かって田舎暮らしを始める前は田舎暮らし系の本をたくさん読んだ。
でも田舎暮らしを始めたら途端につまらなくなって、読むのはもっぱら農業関係などの実用本。
そう田舎暮らしを始めると、田舎暮らし系の本はほとんど何の役にも立たなかった。
日本に「田舎」という地名の土地があるわけじゃない。
田舎はみな違う。
住んでる人も環境もみな違う。
それをいっしょくたに「田舎」という言葉でくくられてはかなわない。
そこに暮らすには、住んでみないとわからない。
田舎暮らし系の本はほとんどなんの役にも立たなかった。
とはいえ、とはいえ、近頃再度ガーデニングに目覚めてきたので、再び「庭仕事の愉しみ」を読もうと思った。
きっと、もしかしたら、田舎暮らしを始めた当時とは違った印象を受けるのではないかと・・・そう思って。
それにヘルマン・ヘッセは高校時代夢中になって読んだ本。
普通の作家とは違って心の奥底に入ってる作家。
高校時代のブルーな気持ちを、さらにブルーに生きようと思って、いつもその背景にあった作家。
放浪に憧れ・・・でもやっぱり冬は寒いから無理だな、うんうん、放浪はやっぱり夏に限る!なんてしょうもないことを夢想した高校時代。
その背景にはヘッセがあった。
そんなヘッセ作品なので、「つまらない・・・」という印象だけで終わらせたくはなかった。
そして再度読んでみると・・・やっぱりブルーな気持ちになる。
この本はやっぱり都会人へのメッセージ。
田舎をどうしようかとか、田舎の再生とか、田舎の活性化とか・・・
そんなことはどうでもいい、田舎暮らしっていいよ、どう田舎暮らししない?
・・・そんな感じの、そう根底にはあるのはやっぱり都会人の田舎暮らし。
自給自足、晴耕雨読、
田舎は都会人の安らぎの場。
でもね本当の生産の現場は田舎なんだよ。
衣・食・住の原材料を供給しているのも田舎。
田舎は安らぎの場だけではない、都会暮らしを支えている生産の現場・・・そんな視点が感じられない。
でもまあそんなことどうでもいいや(いつものように、晩酌タイム、だんだん酔ってきた・・・)
「森の生活」も「庭仕事の愉しみ」の著者も田舎に定着したわけじゃない。
ソローの森で暮らしたのも2年ちょっとだけなのだ。
そこで田舎暮らしを始めて20年近くにもなるわが身にとって、
やっぱりこのどちらの作者も、やっぱり田舎暮らしの素人!
と・・・ついつい思う。
そこが「つまらない!」と思った理由でもある。
でもこの手の田舎暮らしやガーデニングの本の中で今でも好きなのは、
愛読書・チャペックの「園芸家365日」
この本は都会暮らしをしてる園芸趣味の人が都会暮らししてる人のために書いた本。
この本を読むときっと誰でも園芸が趣味になるだろう。
都会人だけではなくとっくに現役を引退してるのにやたらと若夫婦に口を出したがり家族からもすっかり粗大ごみ扱いそんな田舎の迷惑な人に特にお勧めしたい本。
チャペックはロボットという言葉の産みの親。
「山椒魚戦争」というSF作者としても知られている。
チャペックも好きな作家のひとりだった。
そうガーデニングをして家族を見返してやろう。
「わ~~~ぁ、きれい!」
そして周りの人も見に来たり・・・
「わ~~~ぁ、きれい!」
そして周りの人も見に来たり・・・
そのうち、集落の・・・町の・・・名所になったりして、
「木を植えた男」のように町の活性化につながったら・・・
その時こそ心の中で大叫びしようね。
ざまぁ~~~みろ!!!