冬になり鶏が卵を産まなくなり、
その上なんと他の鶏が産んだ卵を食べるという、悪辣卑劣な鶏が現れるに及んで、
まったく卵がなかったり、せいぜい1個だけだったり、と自給にさえもこと欠く日々が続いた。
でもこの数日暖かくなり、日も長くなったこともあってか、あるいはさすがに鶏も悔い改めて改心したのか、少しずつ卵が増えてきた。
昨日は3個(本当は5個だったのだけど、2個食べられた跡があった)。
そして今日は5個。
雌鶏は30羽くらいはいるので、少なくとも毎日10個くらいは産んでほしい所だけど、
今は冬、冬は産みが落ちるので、まあ5個くらい産んでくれたらいいだろう。
ところで寒卵、特に大寒卵は昔から滋養があると有難がられてきた。
これはまあ迷信だろうと思っていた。
けど、食べてみるとそうでもないなぁ~と思えてきた。
白身は厚く盛り上がり黄身はとっても濃厚。
色も市販の卵のようなどぎつい赤色ではなく、とっても深い黄色。
夏の卵とはずいぶん違う。
これは餌の違いもあるだろうけど水の違いが大きいのではないだろうか?
夏は水をいっぱい飲むので、きっと卵も水っぽくなる。
でも冬は水を飲む量も少なくなり、産むのも少なくなるので、味が濃厚になる。
寒卵が滋養があるというのはあんがい当たっているのかもしれない。
ところで市販の卵の黄身がなぜあんなに異常に赤いのか?
昔風に普通に庭で鶏を飼ってたら、絶対にあんな色にはならないよ。
それはきっと消費者が赤い黄身がいい卵だと思っているからだろう。
生産者は少しでも多く買ってもらおうと消費者の好みに合わせる。
そのために濃厚飼料を輸入大豆や輸入トウモロコシを多量に与える。
我が家でも時々季節によっては黄身が赤くなることがある。
それは売り物にならないカボチャがたくさん出た時。
それを大量に餌にやるとすぐに黄身の色が赤くなる。
もちろんそれが悪い卵というわけではないのだけど、
食のバランスが悪い卵といえるかもしれない。
鶏も季節によって餌によって、あるいは当日の気分によって、きっといろんな卵を産むのだろう。
それはそれで生きている証。
でも逆に年中同じ卵を産むとなると、それなんかおかしくない?
毎回スーパーで卵を買ってて、毎回、年中、同じ卵、同じ色、同じ味。
それおかしくない?
当たりはずれがある、それが本当の自然じゃない?