毎日タケノコを掘っている。
最初は喜んでいた家族もそのうち、うんざり。
えぇ~、またタケノコ?!
(いい加減にしてよ!)とまではさすがに口には出さないまでも、そんな気持ち見え見え。
でもねぇ、採らないわけにはいかないんだよ。
竹はねほっといたら大きくなって、処分するのに厄介なのだよ。
もちろん竹林を若返らせるためには、古い竹を伐り新しい竹を育てる。
そんなことしていかないといけないけど、でもでもそれ以上に竹は生えてくる。
そうそうタケノコをいくら掘ってもそれ以上に生えてくる。
それをほったらかしにしてたらたちまち竹のジャングルになってしまう。
それでねやっぱりタケノコを収穫するんだよ。
周りの人たちはね、最初はしこしこ出始めのタケノコを真面目に収穫するけど、
そのうちすぐにタケノコに飽いて、せっかく出てきたタケノコを蹴り倒していく。
竹を育てようなんて気はまるでないらしい。
そんなことしてると竹林は劣化していくだけだよ。
昔は竹はとっても貴重だった。
竹で農機具を作っていた。
竹を売り買いしていた。
でも今ではタダ。
でも誰も買う人もいない。
それで今ではタケノコは最初だけは食用になり、後は蹴り倒されていく運命。
でもね、やっぱりせっかく生えてきたタケノコ大切にしたいよね。
とうわけで、
えぇ~、またタケノコ?!
(いい加減にしてよ!)
なんて言われながらも、みんなから迷惑がられながらも、
毎日しこしこタケノコを掘っている。
そこで、そこで、そこでだよ、
この農園に来てくれるバイトの人やボランティアの人を捕まえては、猫なで声で、
ねえねえ、タケノコいらない?
旨いよ~柔らかいよ~
そして無理やり(?!)押し付ける。
もうこれは日課みたいなもの。
(うっかりこの農園にやってくる人、くれぐれもご用心を!)
でもまあ、こんなこともあと半月だね。
今年はタケノコも早い。
いつもはまだまだ出始め、そして連休明けまで採れるのに、
今、もう最盛期。
この分では、きっと今月中には終わるだろう。
そしてあわただしく春は過ぎて、卯の花が咲きホトトギスが鳴く夏がやってくる。
そうそうタケノコ掘りも今のうちだよ。