ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

19年度2次隊 森田 理絵

2008-11-19 20:36:52 | 隊員活動紹介
配属先:コスラエ州運輸・インフラ局(DT&I)
道路の修理・管理や公共車両の整備、上下水道の保守管理といった公共サービスの提供を行う州政府機関。日本でいう県の土木課のようなところ。

私の任地はミクロネシアの4州の中で最も人口が少なく(8000人弱)、10×10kmという小さい島のコスラエ州。町には小さい商店があるだけで娯楽施設は皆無、静かでのんびりとした雰囲気で、目が合うとにっこり微笑む穏やかで優しい人々と一緒に暮らしています。
 
コスラエは観光地化されていない未開発な自然に恵まれているのですが、島は輸入に頼っているのでモノの流れが一方通行、ごみが増え続けています。定期的なごみ回収システムがなく、各自治体にごみを運び野積みするだけ(Open dumping)の不衛生なごみ捨て場が一つずつあるだけ、ごみを運ばない家庭は家の裏庭や道路の脇にごみを投棄しています。日本では当たり前な「適切にごみを出す→適切にごみを集める→適切にごみを処分する」というシステムがこの島にはありません。
 
そこで私は「適切にごみを処分する」ための衛生的な廃棄物処分場を建設する『コスラエ州廃棄物管理改善計画プロジェクト』に携わっています。衛生的な処分場というのはOpen dumpingの不衛生なごみ捨て場の一つを「準好気性埋め立て構造(福岡方式)」に改善します。この構造を簡単に説明すると、ごみで汚れた水を速やかに集め、かつ電力を使わず自然に外部空気を取り込むことでごみ山の中を好気性に保ち、分解と安定を促進する仕組みで、環境への影響を減少させることができます。日本の処分場では一般的に使われている技術ですが、ミクロネシア国で初の衛生埋立処分場となります。前任の方によって、2006年在ミクロネシア日本大使館の草の根無償資金協力として承認されたプロジェクトを引き継いでいます。
 
赴任当初は苦労しました。2007年に終わっていたはずの工事は途中で頓挫していたこと、プロジェクトの資金が尽きていたこと、配属先のボスが赴任前に変わっていて、私の派遣を理解していなかったこと、配属先は予算も人も機材も削減・縮小化されている部署であること、毎日雨が降るコスラエで、「雨が降らない日が3日続けば仕事する」と現実味のないことを言われたこと。ないないづくしの配属先で、私は何しにここへ来たのか?何ができるのか?と模索する日々が続いた時期はつらかったです。

でもいつも救われていたのは「顔はいかついけどクマのプーさんのような体型でいつも優しく声をかけてくれる同僚たち」でした。炎天下の中一緒に汗を流し、休憩時間になると冗談や下ネタを言っては大笑い。雨が降れば今日はおしまい。そんなゆっくりとしたコスラエペースでしたが、派遣されて1年経過した2008年10月末、関係者皆様のお力添えのおかげで廃棄物処分場は完成に至ることができました!


今まで怒ったり泣いたりしたことが全部吹き飛んでしまいました。
完成した処分場の決められた場所にごみが搬入されていく様子を見て、ひとり感動したものです。

残りの任期では、この処分場を持続的かつ適切に運営管理できるよう配属先のスキルアップを目指すことと、この処分場をもっと住民に知ってもらうこと、少しでもこの処分場を長く使ってもらうためにも住民へごみの分別化と減量化を広めていこうと思います。  

不衛生だったごみ捨て場(Open dumping)を

閉鎖し現在美化改善中。。


処分場で働いていると、ごみを観察しているうちにアイデアがひらめいたり、島の人から「ごみ処分場でいつもごみ拾いしているSrue(私のコスラエ名)」とか「ごみ処分場の前を通るとSrueを思い出すよ」と嬉しいような悲しいようなコメントをくれたり。そんな私は今日もごみにまみれて?活動しています。願わくは大好きなコスラエ島を後世へ美しいままで残せるようにしたいです。



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3 コメント

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お邪魔しま~す。 (パンの木)
2008-11-26 11:30:32
こんにちは。
MorikoさんのBlogから飛んできました。最近コメントは書いていませんが、覗いてましたよ
|_ ̄)) チラリ と・・・

処理場の完成おめでとうございます。
このBlogが開設された事でミクロネシアでの皆様の活動や状況を感じ取る事が出来、感謝です。

大変な事とは存じ上げますが、皆様の力を必要としている方々の為にも、心優しく頑張ってください。
お手伝いは出来ませんが、心より応援しています。



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おめでとう!! (frutita)
2008-11-27 07:44:56
理絵
処理場完成おめでとう!!
すごいね!!
本当に、すごいと思います。
尊敬するわ。

余談ですが、
こちら、中米ニカラグア。
約6千人のロザリオという村では、
ゴミを全部集めた後、
役所の人が有機ゴミとリサイクルゴミと
埋立ゴミにわけ、
有機ゴミのみ山にして、数ヶ月放置。
このとき、木の棒をゴミの山に差しておきます。
その棒との隙間から、
ガスが自然に抜けて行くそうです。
そして、数ヶ月で堆肥化されます。
これは、
埋立ではないけれど、
順好気性埋立の原理を利用しているのかな
と、思いました。

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Unknown (Srue)
2008-12-02 18:05:25
>パンの木様

コメントありがとうございます。
私のBlogもこちらのBlogもまた
|_ ̄)) チラリ と覗いてみてくださいね。



>frutita様

コメントありがとうございます。
そちらニカラグアでも、活躍していることと思います。
木の棒をゴミの山に差しておく方法で堆肥を作るという情報、参考にさせてもらいます!
こちらコスラエでも、生分解性ごみ(植物ごみ)を分別してもらってはいるものの、
手が回らず、コンポストできるシステムはまだ導入できずにいました。
まさしくこれも準好気性の原理。
これなら簡単にできそうです。
frutitaさん、ありがとう。
お互いに頑張っていこうね。
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