予想通り、シーズンインに伴いエアコン関連の修理が激増しております…
今シーズンからA/Cマシーンの導入により自社で効率的な作業が可能になった所までは良かったんですが…
今年は暑い日が続いている事も関係するのかエアコン修理が予想以上に多く現場はバタバタです。
まずはコンプレッサーがロックしたキャンター。
エンジン始動中なのにプーリーがロックしており…
とりあえずガスを回収後にコンプレッサーの取り外し。
で、コンプレッサーを取り外したら配管内部をフラッシングする為にアダプターの接続。
通常コンプレッサーロックで壊れた場合、内部部品の損傷により金属粉などの異物が配管内部に残っている可能性があり、その残った異物が取り付けたばかりの新品コンプレッサーを再度壊す可能性があります…
そういったリスクを避けるためにコンプレッサー交換時にはレシーバタンクやエキスパンションバルブなども同時に交換する事も多いんですがA/Cマシーンを導入してからは配管内部をフラッシングする事で交換部品点数の削減が可能になりました。
実際リビルト品の注意書きにはコンプレッサー交換時はレシーバやエキスパンションバルブも同時に交換して下さい…と書いてあるケースも多いです。
なかにはコンデンサーまで交換しろ…なんて書いてあることもありますが、さすがにそんなトコまで交換してたら金額は上がる一方なので内部フラッシングする事でコストダウン出来るメリットもあります。
ただリビルトメーカーが同時交換を勧めるのはエアコンの構造上、内部洗浄が難しいという理由もあるんですが、このA/Cマシーンは通常の循環洗浄に加え、往復洗浄とパルス洗浄というシステム経路に合わせた内部洗浄が可能な事もこのマシーンの強み。
で、2時間程内部フラッシングを行い(もちろんその間は他の仕事が出来る!)リビルトコンプレッサーを取り付けていきます…
取り外したコンプレッサー。
リビルトコンプレッサー…
コンプレッサーを取り付けて…
配管を接続。
後は通常の真空引きからのリークテスト、ガスチャージといった感じで完了…
この辺りも設定だけして後は全て自動なのは非常に助かります。
他にもエアコンの風が弱いというダイナ…
エバポレータのフィン詰まりです。
フィルターと呼べるほどキチンとしたモノが無いのでエバポが埃やら何やらで詰まっちゃうんですよね…
作業的にはダッシュ全バラです…
これ以降の写真はありませんでしたが、エバポ掃除して風量も回復したのでオッケー…
次はやっちまった話。
エアコンが効かないというスイフト…
調べたところガスが全く入っておらず、とりあえずガスチャージして状況を確認する事に…
ところが、真空引きからのリークテストでNG判定…
これは何処からかガス漏れしているのは間違いないので蛍光剤を注入して漏れ箇所を特定する事に…
で、UVライトで漏れ箇所を探すもコンプレッサー、コンデンサー、低圧と高圧配管の接続部含めどこからも漏れている様子はない…
エンジンルームではどれだけ探しても漏れている箇所は特定出来ませんでした…
となると消去法で考えれば漏れているのは車内側…
つまり、エバポレータという判断になります…
という事でエバポレータとエキスパンションバルブを注文しつつ作業の開始…
これも作業的には非常に大掛かりで…
ダッシュボード含めフロントセクションの内装は全バラとなります…
インパネ廻りをバラしていき…
ダッシュボードや…
メンバーフレームを取り外して…
ようやくエアコンユニットが取り外せる状態に…
エンジンルーム側からヒーターホースや配管接続を切り離し…
エアコンユニットを取り外します…
で、エアコンユニットを分解してエバポレータを取り外したんですが…
やけにキレイでUVライトを当てても、あると思っていたリーク痕が見当たらず…
どこを見ても蛍光剤が漏れている個所が無い…
ここまでやって原因はエバポじゃないかもしれないという嫌な予感を感じつつ…
とりあえず新品エバポを組み付けてA/Cマシーンを繋ぎ、もう一度リークテストをしてみると…
やっぱりNG判定。
これは完全にやっちまったパターン確定。
絶望感に苛まれながらもバラした内装を組み上げて…
とりあえずウチはガス検知器を持っていないので、いつもお世話になってる電装屋さんに検知器で調べてもらうと…
コンプレッサーのプーリー中心部付近にセンサーを近づけると若干の反応がある事が分かり…
電装屋さんは恐らくコンプレッサーが原因じゃないかな…という結論に。
結果的に翌日コンプレッサーを交換したら見事に直りました…
つまり、エバポという判断は誤診でした。
今回勉強になったのは蛍光剤を注入しても漏れ箇所が特定出来ないケースもあるという事を身を待って経験しました…
以後気を付けなければ…
(その後、ウチもガス検知器買いました。笑)
他にもガスを入れても1ヶ月でクーラーが効かなくなるというADバン。
案の定ガスが入っておらず、こちらも何処からか漏れがあるようで…
検知器は頼んだもののまだ届いておらず、とりあえず蛍光剤を注入して漏れ箇所を探す事に…
これまたエンジンルームには漏れてくるような形跡は無く…
前回同様、そうなるとエバポ?となる訳ですが…
同じ轍は踏むまいと助手席足元に何とか頭を突っ込みエバポを目視で点検してみると…
かすかにUVライトに反応する蛍光剤が見えたので、今度こそエバポで間違いないという事で部品の注文。
これまた作業内容は室内のフロントセクションは全バラです…
で、取り外したエバポ…
画像だと分かりにくいですがUVライトを当てるとスポンジに蛍光剤が染み込んでました。
こちらもエバポレータとエキスパンションバルブを交換して…
あとはせっせと元どおりに組み付けていきます。
ガスチャージもして完了。
次もエアコンが効かないというダイナ…
調べると高圧ホースがフレームと接触していたために徐々に削れてパンクしたようで、ホースの交換で済みそうなのですが…
ダブルキャブ、ノンチルト仕様なので交換が地味に大変です。
限られた隙間からあの手この手で取り外した高圧ホース。
フレームに当たっていた部分が見事に破裂してます。
ホースが当たっていたフレーム部分…
当初の設計もあまりよくないんだと思います。
こちらは高圧ホースを交換してガスチャージして完了。
ちなみに新品ホースは見事に角度やカバーも含め対策品になってました。
更にこちらも風は出るがエアコンが効かないというプリウス…
ハイブリッドなので電動コンプレッサーなんですが…
コンプレッサーが回っているかどうかは当然外見からは分からないので、診断機を繋ぎデータを見ると…
目標回転数8200rpmに対して実回転はゼロ…
コンプレッサー不良確定。
という事で、コンプレッサーの交換。
ガス回収後に取り外し…
取り外した電動コンプレッサー
注意書きを見ると、一応この電動コンプレッサーの取り外しには低圧電気取扱者資格がいるんですね…
まあ持ってるからいいけど、念のためセーフティプラグを抜いてから作業しました…
で、リビルトコンプレッサー…
これがメチャ高い…
リビルト仕切なのにそんなにするの⁉︎という値段…
出来れば壊れないでほしい部品ですねー。
車両に取り付け。
A/Cマシーンを繋いでガスチャージ。
無事にエアコンも効くようになって完了。
他にもコンプレッサーの交換も何台かありましたが、とりあえずこんな感じで車検や一般修理に加えてエアコン関連の修理も非常に多いです…
高い金額出して買ったA/Cマシーンですがこれだけ活躍してくれれば文句ないですね…