大河ドラマの上杉謙信を見ながら思ったのは、
私はこれまで上杉謙信が知将だったと言うことは、
武田信玄との川中島での闘いなどを通じて
よく知っていたのですが、
どういう思想の方か、
あの戦国時代に何を思って生き抜いたか
については余り知りませんでした。
ところが、
武田信玄と幾度と無く闘い、
一歩も退くことが無かったのみならず、
織田信長、柴田勝家の軍と越前、北陸辺りで闘い、
一万数千の軍勢で
三万以上の圧倒的多数の大軍と闘い、
あの有名な鉄砲隊で
武装した大軍を大敗させたにも関わらず、
それ以上深追いをしませんでした。
戦いの基本、勝利の確実性は
追撃戦によってその本質を確実にすると言われています。
つまり、そのことによって天下取りさえ
彼の実力から夢ではなかったにも関わらず、です。
何故なのか、
深く関心を持ちながら見ていると
謙信が一貫して持っている考えの中に
秩序を重んじ、
下克上・乱世の世の中を冷ややかに見ていたことでした。
つまり、
かれは野心が無く、
多くの戦国大名が
他国を侵略し、
人を殺し、
農地を荒らし回ることに
強い憤りをもっていたことでした。
あの戦国の時代に
信長や武田信玄などを恐れさせる様な
実力の持ち主でありながら、
天下取りの野心を持たなかったということです。
勿論そこには内なる野心との
あるいは家臣団との狭間で
心揺れるものとの
葛藤が重くのし掛かっていたに
違い有りません。
にもかかわらず、
このような決断をした彼らの意識の崇高さに
歴史を超えて敬意を表さざるを得ません。
私はこのような生き方に深く感銘しました。
今日の日本のとるべき針路を考える上で
教訓や参考にすべき
進歩的な考え方であったのではと思い、
これからは
もっと謙信の生き方を
知ってみたいと思いました。