とうとうアメリカでは、シリアへの地上軍の派遣を支持する声が半数を超えたようである。
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米国市民の大半が初めてシリアとイラクにテロ組織「イスラム国(IS)」
撃退のための地上軍を送ることを支持する用意を示した。
CNNと調査センターORCの合同調査で分かった。
回答者の53%が地上作戦を容認する用意がある。
これまでこの数字が半数を超えることはなかった。
68%が既に米国が採択している対IS軍事行動は充分に攻撃的ではなかった、と見ている。
カリフォルニアのサンベルナルディノにおける銃乱射(テロ行為と認定されている)により、
地上作戦の遂行を容認する市民が多くなっていると見られている。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20151208/1281794.html#ixzz3tjaTlJ9j
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忘れてはならないのが、アフガン戦争にせよイラク戦争にせよ、
これらは国民の圧倒的な支持によって行われたということである。
ある学者は、民主主義は戦争を起こしにくくするためのシステムだと語るが、
実際には、民主主義は大衆が容認する限り、暴力が維持されるようになっている。
その暴力が国外に向けば、それは空爆になり、国内に向けば差別や弾圧となる。
フランスでは、パリ事件を通じて市民の監視下が進む中、極右政党が台頭しつつある。
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フランスで行われた州議会選挙で、マリーヌ・ルペン氏が党首を務める
「国民戦線」が現時点でトップに立っている。ロイター通信が報じた。
出口調査によると、「国民戦線」の得票率は、
フランス北部と北東部で30パーセントを超えている。
2位は、サルコジ前仏大統領が率いる共和党で
得票率はおよそ27パーセント、3位はオランド大統領率いる社会党。
ルペン氏は、現在の結果を、
フランスにとって歴史的な出来事だと指摘し、「国民戦線」に投票したのは、
「息苦しいシステムの代わりとなるものを明確に選択した愛国者たち」であると述べた。
フランス州議会選挙は2回投票制。今回の選挙は、
全政党にとって、2017年の大統領選挙の前哨戦とみなされている。
州議会選挙第2回投票は、13日に実施される予定。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20151207/1279946.html#ixzz3tjd0T1gR
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日本の政党で例えるならば、1位が維新の会、2位が自民党、3位が民主党という状況である。
どれだけ危機的な状況か何となく感じ取れるだろうか……
次の州議会選挙で、どの政党が首位を取ったとしてもシリアへの空爆は止まらないだろう。
空爆自体は戦闘機に搭乗するパイロットが行うものだが、
その爆弾はフランス(アメリカ)国民の総意を象徴したものである。
ここで、民主主義の名の下に行われる空爆が如何に偽善的なものかを論じておきたい。
空爆と聞いて、私が真っ先に頭に浮かぶのがカンボジアにおける米軍の空爆である。
カンボジアというと、ポル・ポトの虐殺のほうが有名だし、
大抵の人権運動家や平和主義者はポル・ポトが如何に悪かをこれでもかと書き綴る。
ところが、実のところ、ポル・ポト政権だった1976~1979年の3年間で亡くなった
100~300万人の犠牲者のほとんどは飢餓によるものであり、
直接ポル・ポト政府に殺された数は案外少なく、5~15万程度しかない。
対して、1968年より行われてきたアメリカ軍のカンボジア空爆は大変苛烈なもので、
その投下量は第二次世界大戦中に連合国が太平洋で行った爆撃の合計に匹敵するものだった。
人口密集地に落とされたこともあり、この爆撃では数十万の農民が死亡した。
200万の農民が難民になり、田園地帯が破壊されたことで深刻な食糧不足に陥った。
この空爆を支持したヘンリー・キッシンジャーは
「動いているものはすべて、飛べるものなら何でも使ってやっつけてしまえ」
と発言したが、彼は後にノーベル平和賞を受賞している。
言語学者であり、また有名な批評家でもあるノーム・チョムスキーは、
ポル・ポト政権の3年間ほどカンボジア史において徹底的に調べつくされた時代はないが、
その数年前はどうかというと、ほとんど何も知られていないに等しいとコメントしている。
事実だけを淡々と述べれば、ポル・ポトよりキッシンジャーのほうが人を殺している。
ところが、前者は前代未聞の独裁者として記憶され、後者は平和への貢献者として称えられる。
なんともはや凄まじい話だが、昨今のシリアや列強の空爆に対する意見や世論はまさにこれで、
右翼も左翼もアサド政権やダーイシュ(ISIS)が如何に悪かということを強調した上で、
仏軍の暴力行使を強く求め、懐柔できそうな武装組織を支援し、侵攻にゴーサインを送っているが、
その実、自分たちがこれまで何をしてきたのか、しようとしているのかについて語ろうともしない。
しかも、この態度は誰かに強要されてとられたものではなく、
民主主義国家の中で自発的に共通善として示されたものなのである。
このように民主的に承認され、推進され、歯止めが利かなくなった暴力が現地に何をもたらすか。
言うまでもない。
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米国市民の大半が初めてシリアとイラクにテロ組織「イスラム国(IS)」
撃退のための地上軍を送ることを支持する用意を示した。
CNNと調査センターORCの合同調査で分かった。
回答者の53%が地上作戦を容認する用意がある。
これまでこの数字が半数を超えることはなかった。
68%が既に米国が採択している対IS軍事行動は充分に攻撃的ではなかった、と見ている。
カリフォルニアのサンベルナルディノにおける銃乱射(テロ行為と認定されている)により、
地上作戦の遂行を容認する市民が多くなっていると見られている。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20151208/1281794.html#ixzz3tjaTlJ9j
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忘れてはならないのが、アフガン戦争にせよイラク戦争にせよ、
これらは国民の圧倒的な支持によって行われたということである。
ある学者は、民主主義は戦争を起こしにくくするためのシステムだと語るが、
実際には、民主主義は大衆が容認する限り、暴力が維持されるようになっている。
その暴力が国外に向けば、それは空爆になり、国内に向けば差別や弾圧となる。
フランスでは、パリ事件を通じて市民の監視下が進む中、極右政党が台頭しつつある。
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フランスで行われた州議会選挙で、マリーヌ・ルペン氏が党首を務める
「国民戦線」が現時点でトップに立っている。ロイター通信が報じた。
出口調査によると、「国民戦線」の得票率は、
フランス北部と北東部で30パーセントを超えている。
2位は、サルコジ前仏大統領が率いる共和党で
得票率はおよそ27パーセント、3位はオランド大統領率いる社会党。
ルペン氏は、現在の結果を、
フランスにとって歴史的な出来事だと指摘し、「国民戦線」に投票したのは、
「息苦しいシステムの代わりとなるものを明確に選択した愛国者たち」であると述べた。
フランス州議会選挙は2回投票制。今回の選挙は、
全政党にとって、2017年の大統領選挙の前哨戦とみなされている。
州議会選挙第2回投票は、13日に実施される予定。
続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20151207/1279946.html#ixzz3tjd0T1gR
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日本の政党で例えるならば、1位が維新の会、2位が自民党、3位が民主党という状況である。
どれだけ危機的な状況か何となく感じ取れるだろうか……
次の州議会選挙で、どの政党が首位を取ったとしてもシリアへの空爆は止まらないだろう。
空爆自体は戦闘機に搭乗するパイロットが行うものだが、
その爆弾はフランス(アメリカ)国民の総意を象徴したものである。
ここで、民主主義の名の下に行われる空爆が如何に偽善的なものかを論じておきたい。
空爆と聞いて、私が真っ先に頭に浮かぶのがカンボジアにおける米軍の空爆である。
カンボジアというと、ポル・ポトの虐殺のほうが有名だし、
大抵の人権運動家や平和主義者はポル・ポトが如何に悪かをこれでもかと書き綴る。
ところが、実のところ、ポル・ポト政権だった1976~1979年の3年間で亡くなった
100~300万人の犠牲者のほとんどは飢餓によるものであり、
直接ポル・ポト政府に殺された数は案外少なく、5~15万程度しかない。
対して、1968年より行われてきたアメリカ軍のカンボジア空爆は大変苛烈なもので、
その投下量は第二次世界大戦中に連合国が太平洋で行った爆撃の合計に匹敵するものだった。
人口密集地に落とされたこともあり、この爆撃では数十万の農民が死亡した。
200万の農民が難民になり、田園地帯が破壊されたことで深刻な食糧不足に陥った。
この空爆を支持したヘンリー・キッシンジャーは
「動いているものはすべて、飛べるものなら何でも使ってやっつけてしまえ」
と発言したが、彼は後にノーベル平和賞を受賞している。
言語学者であり、また有名な批評家でもあるノーム・チョムスキーは、
ポル・ポト政権の3年間ほどカンボジア史において徹底的に調べつくされた時代はないが、
その数年前はどうかというと、ほとんど何も知られていないに等しいとコメントしている。
事実だけを淡々と述べれば、ポル・ポトよりキッシンジャーのほうが人を殺している。
ところが、前者は前代未聞の独裁者として記憶され、後者は平和への貢献者として称えられる。
なんともはや凄まじい話だが、昨今のシリアや列強の空爆に対する意見や世論はまさにこれで、
右翼も左翼もアサド政権やダーイシュ(ISIS)が如何に悪かということを強調した上で、
仏軍の暴力行使を強く求め、懐柔できそうな武装組織を支援し、侵攻にゴーサインを送っているが、
その実、自分たちがこれまで何をしてきたのか、しようとしているのかについて語ろうともしない。
しかも、この態度は誰かに強要されてとられたものではなく、
民主主義国家の中で自発的に共通善として示されたものなのである。
このように民主的に承認され、推進され、歯止めが利かなくなった暴力が現地に何をもたらすか。
言うまでもない。