湾岸戦争から数えると、20年以上にかけてイラクに武力干渉をしているアメリカ。
アメリカだけではない。イギリスやフランスなどの
旧列強、現NATOの元植民地への爆撃が止まらない。
メディアは「なぜか」深く説明してはくれないが、
空爆は個人ではなく地域に対して行うものである。
当然、巻き添えになって死ぬ市民もいる。
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「米軍は11年前に『対テロ』戦争の一環としてイラク侵略を強行しました。
その結果、テロや過激派の行動は収束に向かったでしょうか。
現在、イスラム国が、わがもの顔でばっこしているように、
事態はさらに悪化しているのが現実です。
米政府は何度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょうか」
民間シンクタンク・「イラク戦略研究グループ」の
ワフィク・ハシミ代表は本紙の取材に、こう話しました。
オバマ米大統領は10日の演説で、
「われわれはイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる」と述べ、
イラクとシリアで「体系的な空爆」を実施すると表明しました。
ハシミ氏はこの米国の姿勢の問題点について、
「イスラム国を壊滅するとなれば、市街地をも空爆しなければなりません。
なぜならば、イスラム国はイラク領土の約3割を支配し、
(イラク第2の人口を擁する)北部モスルをはじめ都市部も掌握しているからです。
そこへの空爆が多数の民間人の犠牲をもたらすことは明らかで、
それは米に対する憎しみを増幅させるだけです」と力説しました。
イラクの首都、バグダッド大学のカゼム・ミクダディ教授も同様の点を指摘しつつ、
「軍事的手段によってテロ組織を壊滅することは不可能であり、それが歴史の教訓です。
空爆をシリアにまで拡大すれば、地域全体の緊張を激化させ、
過激派の思想と行動を拡散させることにつながります」と断言しました。
イスラム国はイスラムの教えをゆがめて住民に押し付け、
異教徒や女性をはじめ民間人を迫害しており、イラクやシリアの
国民の多くが同組織の排除を望んでいることは事実です。
しかし、それが外国の軍事介入によっては達成されないことも、
「対テロ」戦争を体験してきた人々はよく知っています。
それでは、軍事介入によらないイスラム国対策とは何なのか。
ミクダディ教授は、
「イスラム国がイラクで台頭した要因は、
米国の戦争・占領政策がもたらした
宗派対立による混乱と、旧イラク軍の解体でした」と指摘。
「この教訓を踏まえれば、いまこそすべての宗派や民族が参加する
“救国政府”をつくりあげ、国をあげてイスラム国と対峙することが必要です。
さらに政治腐敗や貧困を克服し、過激思想がはびこる土壌を
なくしていくことも欠かせません」と強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-13/2014091307_01_1.html
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9月13日の記事だが、まさに正鵠を射た解説だろう。
イラク戦争の後、同国はアメリカの傀儡政権が治める国となり、
自然、シーア派に反感を覚えるスンニ派を中心とした抵抗運動が生まれた。
結果的に、フセイン政権時よりも事態は悪化したような印象を受ける。
米軍は8月8日以降、
190回にも及ぶ空爆を行った。
これに対し、EUや国連は一応、
たしなめる発言をしながらも、結果的には空爆を容認している。
「やりすぎるなよー」と言いながら
イジメを見て見ぬフリをする教師に似ている。
正直、一言、二言の抗議だけして空爆を認める行為はアメリカ以上に卑劣だと思う。
特にフランス。何だかんだ言いながら、やっぱり空爆に参加している。
かつて、北アフリカはフランスとイギリスの植民地であったが、
旧列強としての侵略気質は、いまだに払拭されていないようだ。
テレビや新聞では、もちろん、アメリカや日本政府の見解に沿った
形での報道がされているが、赤旗は意外にも反対の姿勢を取っていた。
ロシアや中国が絡んでいないからだろうか。
メディアはいつもどおり、赤旗が一番マシで他が屑だったわけだが、
我が国の中東研究者、特に岩波を中心にご活躍されている先生方は
はたして、今回の事態に関して、まともな意見が言えるのだろうか?
私はそうは思わない。メディアと一緒になって、
いかにイスラム国が悪のテロ集団であるかを熱心に解説して、
結果的に空爆を支援するようなことをするのではないかと思う。
これまでのパターンを見る限り。
アメリカだけではない。イギリスやフランスなどの
旧列強、現NATOの元植民地への爆撃が止まらない。
メディアは「なぜか」深く説明してはくれないが、
空爆は個人ではなく地域に対して行うものである。
当然、巻き添えになって死ぬ市民もいる。
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「米軍は11年前に『対テロ』戦争の一環としてイラク侵略を強行しました。
その結果、テロや過激派の行動は収束に向かったでしょうか。
現在、イスラム国が、わがもの顔でばっこしているように、
事態はさらに悪化しているのが現実です。
米政府は何度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょうか」
民間シンクタンク・「イラク戦略研究グループ」の
ワフィク・ハシミ代表は本紙の取材に、こう話しました。
オバマ米大統領は10日の演説で、
「われわれはイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる」と述べ、
イラクとシリアで「体系的な空爆」を実施すると表明しました。
ハシミ氏はこの米国の姿勢の問題点について、
「イスラム国を壊滅するとなれば、市街地をも空爆しなければなりません。
なぜならば、イスラム国はイラク領土の約3割を支配し、
(イラク第2の人口を擁する)北部モスルをはじめ都市部も掌握しているからです。
そこへの空爆が多数の民間人の犠牲をもたらすことは明らかで、
それは米に対する憎しみを増幅させるだけです」と力説しました。
イラクの首都、バグダッド大学のカゼム・ミクダディ教授も同様の点を指摘しつつ、
「軍事的手段によってテロ組織を壊滅することは不可能であり、それが歴史の教訓です。
空爆をシリアにまで拡大すれば、地域全体の緊張を激化させ、
過激派の思想と行動を拡散させることにつながります」と断言しました。
イスラム国はイスラムの教えをゆがめて住民に押し付け、
異教徒や女性をはじめ民間人を迫害しており、イラクやシリアの
国民の多くが同組織の排除を望んでいることは事実です。
しかし、それが外国の軍事介入によっては達成されないことも、
「対テロ」戦争を体験してきた人々はよく知っています。
それでは、軍事介入によらないイスラム国対策とは何なのか。
ミクダディ教授は、
「イスラム国がイラクで台頭した要因は、
米国の戦争・占領政策がもたらした
宗派対立による混乱と、旧イラク軍の解体でした」と指摘。
「この教訓を踏まえれば、いまこそすべての宗派や民族が参加する
“救国政府”をつくりあげ、国をあげてイスラム国と対峙することが必要です。
さらに政治腐敗や貧困を克服し、過激思想がはびこる土壌を
なくしていくことも欠かせません」と強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-13/2014091307_01_1.html
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9月13日の記事だが、まさに正鵠を射た解説だろう。
イラク戦争の後、同国はアメリカの傀儡政権が治める国となり、
自然、シーア派に反感を覚えるスンニ派を中心とした抵抗運動が生まれた。
結果的に、フセイン政権時よりも事態は悪化したような印象を受ける。
米軍は8月8日以降、
190回にも及ぶ空爆を行った。
これに対し、EUや国連は一応、
たしなめる発言をしながらも、結果的には空爆を容認している。
「やりすぎるなよー」と言いながら
イジメを見て見ぬフリをする教師に似ている。
正直、一言、二言の抗議だけして空爆を認める行為はアメリカ以上に卑劣だと思う。
特にフランス。何だかんだ言いながら、やっぱり空爆に参加している。
かつて、北アフリカはフランスとイギリスの植民地であったが、
旧列強としての侵略気質は、いまだに払拭されていないようだ。
テレビや新聞では、もちろん、アメリカや日本政府の見解に沿った
形での報道がされているが、赤旗は意外にも反対の姿勢を取っていた。
ロシアや中国が絡んでいないからだろうか。
メディアはいつもどおり、赤旗が一番マシで他が屑だったわけだが、
我が国の中東研究者、特に岩波を中心にご活躍されている先生方は
はたして、今回の事態に関して、まともな意見が言えるのだろうか?
私はそうは思わない。メディアと一緒になって、
いかにイスラム国が悪のテロ集団であるかを熱心に解説して、
結果的に空爆を支援するようなことをするのではないかと思う。
これまでのパターンを見る限り。