年末になり、改めて次の記事を読み直した。
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韓国 北朝鮮が核実験やミサイル発射実験を行う可能性がある
韓国軍は、北朝鮮が新たな核実験を行うことを懸念し、北朝鮮への監視を強化した。
聯合ニュースが、軍事筋の情報として報じた。
聯合ニュースによると、韓国国防省のブリーフィングで、ある代表者が、
「我々の軍は、強化された準備態勢を維持し、東倉里や豊渓里の核実験場で、
北朝鮮による戦略的および戦術的な挑発が行われる可能性を注意深く監視している」と述べた。
東倉里には、弾道ミサイルの発射台が設置されている。
韓国は、東倉里で北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射を
いつでも実施できる可能性があると考えている。 消息筋は、
「豊渓里やその他の場所で、移動式車両などの動きがとらえられている」と述べた。聯合ニュースが伝えた。
9月9日、北朝鮮は、国連安全保障理事会によって禁止されているにもかかわらず、
2006年以降5回目の核実験を行った。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/politics/201611072983860/
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11月7日のニュースだが、1か月経った現在、核実験をする気配は一切ないし、そういうニュースも存在しない。
その代わり、この間にあったことと言えば、また新たな制裁・制裁・制裁である。
今年の大洪水で被害を被った北朝鮮市民に対して正義の民主主義国家がくれてやったのは、
人道支援ではなく「経済制裁」だった。この事実を私は一生、忘れることがないだろう。
韓国軍あるいは「情報筋」という名の未確認情報が氾濫し、悪の帝国北朝鮮のイメージが作られてゆく。
ありもしない脅威に対して、軍備拡張が叫ばれ、福祉費が削られ軍事費が拡張される。これが民主主義国家だ。
いい加減、韓国政府・韓国軍を経由しない情報が読みたい。
次のレポートはWeb版朝鮮新報、12月22日付の記事から引用したものである。
当たり前だが、基本的には、この新聞は北朝鮮を褒める記事しか載らない。
しかしながら、それらの情報を上手く活用すれば、
なぜ「滅ぶ・滅ぶ」と言われているはずの北朝鮮が一向に滅ばないのかも理解できるのではないだろうか。
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〈月間平壌レポート 12月〉5カ年戦略遂行、最初の大きな一歩 “みんなでやり遂げた達成感”
【平壌発=金志永】
2016年、朝鮮では「70日戦闘」、「200日戦闘」が行われた。
企業の業績は上昇軌道に乗り、人民生活の向上も着実に進んだ。
「戦闘」に参加した人々の肉声は力強く、その表情は自信に満ちていた。
~中略~
人々の働く職場は「戦闘場」と呼ばれた。
金正淑平壌製糸工場で作業班長を務めるチョン・クムシルさん(45歳)は、
昨年よりも多くの時間を「戦闘場」で過ごした。
同工場は、8月末の時点で年間生産計画を完遂した。
チョンさんの作業班には、1年で6年分の生産ノルマを遂行した女性労働者もいる。
誰もが通常より早く出勤し、遅く帰宅した。ノルマを達成するまで自分の持ち場を離れなかった。
朝鮮に敵対する国のマスコミなどは、総動員運動を「強制」という言葉と結びつけて解説しようとするが、
「戦闘」に参加した当事者たちは、生産計画の超過達成は「人民生活向上のため」であり、
「私たち自身のため」であると語る。
チョンさんは、黎明通りの建設を実例に上げながら「戦闘」の意義について述べた。
「建設資材を生産する工場や企業所が増産すれば、それだけ建設が急ピッチで進み、
人民の住宅事情が改善される。『強制』によって、あのようなスピードは生まれない」
4月に着工した平壌市内東部の大規模マンション団地・黎明通りの建設は、
2016年を代表する大規模事業だが、チョンさんの生活とは直接関連がない。
彼女は新たに建設されるマンションに住むわけではない。
国営企業である金正淑平壌製糸工場は、労働者のための住宅を建設し、無償で提供している。
「戦闘」が行われた今年も14階建ての高層住宅を新築した。
チョンさんも家族と共に工場から提供された家に住んでいる。
社会主義の恩恵を受けて暮らす人々は、集団主義をごく当たり前に実践している。
総動員運動への積極的参加も、その根底にあるのは「国が豊かになれば、自分も豊かになる」という考え方だ。
チョンさんも、黎明通り建設に象徴される国家経済の発展と自分の未来の暮らしを重ね合わせていた。
集団主義を実践する人々の一体感は「戦闘」期間中に一層強まる。チョンさんは、こんなエピソードを紹介してくれた。
「毎晩、工場の正門前にタクシーの列が出来ていた。女性労働者たちが帰宅するのを待っていた。
運転手たちは、生産労働に対するねぎらいの言葉をかけてくれて、労働者たちを無償で送ってくれた」
「自強力」の発揮
「70日戦闘」「200日戦闘」は、
米国とその追随勢力が制裁圧力を強める中で行われた。
それは、企業の経営者、生産者たちの自立経済に対する意識をさらに高めた。
黎明通り建設も、単なる都市整備ではなく「制裁と圧力の中でも
人民の理想実現に向けて前進する朝鮮の姿を示す政治的契機」と位置付けられた。
金正恩委員長が2016年の新年の辞で言及した「自強力第一主義」が、すべての「戦闘場」で実行された。
「自強力第一主義」は、自らの力と技術、資源にもとづき、自らを強めることで前途を切り拓くことをいう。
祥原セメント連合企業所(黄海北道)でも、
以前は輸入していた耐火レンガなどの資材を企業内で生産し、
重油が使われた設備を国内の石炭によって稼動させる技術を導入した。
「自強力」によって増産を果たし、4月から黎明通りの建設現場にセメントを集中的に供給した。
9月以降は、大規模な被害にあった咸鏡北道・北部地域の復旧に充てた。
「200日戦闘」の生産目標よりも、さらに多くのセメントが求められた。
総合操縦室のチョン・ミョンイル室長(48歳)によると
「通常は、設備稼働率が80%だが、9月、10月は、ほとんど100%で推移した」という。
ここでも昼夜を徹した「戦闘」が行われた。
その結果、今年は最高生産年度を突破した昨年を上回る業績を残した。
~中略~
「70日戦闘」「200日戦闘」の現場に共通するのは、指導者のリーダーシップに対する強い信頼感だ。
金正恩委員長は今年1月、平壌市内の紡績工場を現地指導した際、
千里馬に乗って奇跡を起こした前世代の精神を受け継ぎ、今の世代が万里馬に乗って飛躍することを訴えた。
その後、万里馬のスピードを実現しようというスローガンが、全国の「戦闘場」に掲げられた。
金正恩委員長は今年6月、金正淑平壌製糸工場を訪れた。
自分たちの職場に指導者を迎えた女性労働者たちは、年間生産計画の早期達成を誓い、それを実現した。
咸鏡北道・北部地域が水害被害にあった直後、金正恩委員長は、
冬が来る前に被災者のための住宅を建設しなければならないとしながら、
自らが祥原の労働者たちに水害復旧に必要なセメント生産を頼んだことを党中央委員会の幹部を通じて伝えた。
チョン室長は「『頼む』という言葉が心に響いた。指導者の大きな信任が労働者たちを奮起させた」と語った。
「記憶に残る一年だった」という。
11月中旬、被災地に約1万1,900世帯の住宅が完成した。
「70日戦闘」「200日戦闘」は所期の目標を達成して終了し、
国家経済発展5カ年戦略遂行の初年度に大きな成果が生まれた。
総動員運動を通じて人々は固く結束し、さらに強くなった。
その間、製糸工場のチョンさんは、他の職場に勤める夫と家事を分担しながら、絹糸生産に励んだ。
その結果、工場の業績が上がり、賃金も大幅に増えた。
今年を振り返り、チョンさんは
「全国すべての職場で奮起した。みんなで一緒にやり遂げたという達成感がわく」という。
「幸先のよいスタートを切れた。5カ年戦略が遂行されれば、経済の持続的発展の土台が出来る。
これからも製糸工場で自分の務めをしっかりと果たしていきたい」
http://chosonsinbo.com/jp/2016/12/22riyo-jjj01-2/
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最近のナショナリズム研究の動向の1つとして下からの愛国心というものがある。
つまり、これまでの愛国心研究でよく指摘されたのは、
君が代斉唱よろしく、上からの押し付けによるものが中心だったが、
ここ数年は、逆に日常のアクションを通じて自発的に培われる愛国心への関心が高まっている。
オリンピックに対する我々の反応は自発的な愛国心の典型例だろう。
誰に頼まれたわけでもなく、なぜだか誰もが日本の選手を応援している。
北朝鮮の場合は、それよりも複雑であり、制裁の直接的な被害者となった北朝鮮市民は
動員であれ戦闘であれ、自分たちの働きが国の根底を支えているという実感と自負を持っている。
上の記事で紹介された水害復旧のためのセメント生産の事例が顕著だが、
日米韓が一切の復興支援をせずに、軍事演習と制裁を病的に強化していたちょうどその時、
北朝鮮国内では、他国の援助に頼らず(頼れず)自力で問題を解決しなければならない状況に陥っていた。
北朝鮮への経済制裁により北朝鮮市民の暮らしは良くなるどころかむしろ悪化した。
この危機的状況を切り抜けるために、国家と市民が連携して事態に対処してきたのである。
そのため、金正恩政権と現場の労働者は敵対関係にあるどころか、逆に同志的な間柄にあり、
労働者は自分たちの頑張りが災害復興に貢献しているのだという実感を得ている。
つまり、いわゆる「お国のために尽くす」というよりはむしろ、
「自分たちこそが国を支えており、同胞を救っているのだ」という自信がそこにあり、
それゆえに国を裏切る・金正恩政権の崩壊などもっての外だという考えが自動的に芽生えているのだ。
もちろん、総動員されている以上、そこにはイレギュラーが必ずあるだろうし、
中には脱北して、自分がいかに金正恩政権によって苦しめられたかを吐露する人間もいるだろう。
だが、北朝鮮の民意は概ね政府に協力的(それは自分たちの生活向上に直結するので)だし、
脱北者も祖国の消滅を願っている人間ばかりではない。
重要なのは私たちが脱北者の中の極めて過激な意見ばかりを拾い、
それを北朝鮮市民の総意だということにして、自国の軍拡と他国の発展への妨害を正当化していることだろう。
我々が締め付ければ締め付けるほど、
むしろ北朝鮮の政府と市民は状況を乗り越えるために結束を固め、一丸となって邁進する。
つまり、日本や韓国、アメリカが軍事演習、経済制裁などで北朝鮮を圧迫すればするほど、
逆に北朝鮮の市民と政府の利害関係は一致し、結果として国民の政府に対する忠誠心は高まっていくのである。
これは「個人崇拝」という四文字熟語では説明しきれない現象だ。
北朝鮮が一向に自壊しない最大の理由は、
東ドイツと違って北朝鮮は現在進行形で外国から自国の発展の妨害を受けているという点にある。
これこそが国民が自発的に愛国心を持つ、あるいは持たざるを得ない状況にさせている最大の原因であり、
また、このような下からの愛国心に目を向けない以上、悪の独裁者金正恩に虐げられている哀れな民衆という
ゆがんだイメージから脱することができないだろう。それは北朝鮮市民の生活圧迫にはつながるが、
いわゆる彼らが望んでいるはず(と私は信じたい)の民主化からは逆に遠ざけてしまっているだろう。
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韓国 北朝鮮が核実験やミサイル発射実験を行う可能性がある
韓国軍は、北朝鮮が新たな核実験を行うことを懸念し、北朝鮮への監視を強化した。
聯合ニュースが、軍事筋の情報として報じた。
聯合ニュースによると、韓国国防省のブリーフィングで、ある代表者が、
「我々の軍は、強化された準備態勢を維持し、東倉里や豊渓里の核実験場で、
北朝鮮による戦略的および戦術的な挑発が行われる可能性を注意深く監視している」と述べた。
東倉里には、弾道ミサイルの発射台が設置されている。
韓国は、東倉里で北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射を
いつでも実施できる可能性があると考えている。 消息筋は、
「豊渓里やその他の場所で、移動式車両などの動きがとらえられている」と述べた。聯合ニュースが伝えた。
9月9日、北朝鮮は、国連安全保障理事会によって禁止されているにもかかわらず、
2006年以降5回目の核実験を行った。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/politics/201611072983860/
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11月7日のニュースだが、1か月経った現在、核実験をする気配は一切ないし、そういうニュースも存在しない。
その代わり、この間にあったことと言えば、また新たな制裁・制裁・制裁である。
今年の大洪水で被害を被った北朝鮮市民に対して正義の民主主義国家がくれてやったのは、
人道支援ではなく「経済制裁」だった。この事実を私は一生、忘れることがないだろう。
韓国軍あるいは「情報筋」という名の未確認情報が氾濫し、悪の帝国北朝鮮のイメージが作られてゆく。
ありもしない脅威に対して、軍備拡張が叫ばれ、福祉費が削られ軍事費が拡張される。これが民主主義国家だ。
いい加減、韓国政府・韓国軍を経由しない情報が読みたい。
次のレポートはWeb版朝鮮新報、12月22日付の記事から引用したものである。
当たり前だが、基本的には、この新聞は北朝鮮を褒める記事しか載らない。
しかしながら、それらの情報を上手く活用すれば、
なぜ「滅ぶ・滅ぶ」と言われているはずの北朝鮮が一向に滅ばないのかも理解できるのではないだろうか。
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〈月間平壌レポート 12月〉5カ年戦略遂行、最初の大きな一歩 “みんなでやり遂げた達成感”
【平壌発=金志永】
2016年、朝鮮では「70日戦闘」、「200日戦闘」が行われた。
企業の業績は上昇軌道に乗り、人民生活の向上も着実に進んだ。
「戦闘」に参加した人々の肉声は力強く、その表情は自信に満ちていた。
~中略~
人々の働く職場は「戦闘場」と呼ばれた。
金正淑平壌製糸工場で作業班長を務めるチョン・クムシルさん(45歳)は、
昨年よりも多くの時間を「戦闘場」で過ごした。
同工場は、8月末の時点で年間生産計画を完遂した。
チョンさんの作業班には、1年で6年分の生産ノルマを遂行した女性労働者もいる。
誰もが通常より早く出勤し、遅く帰宅した。ノルマを達成するまで自分の持ち場を離れなかった。
朝鮮に敵対する国のマスコミなどは、総動員運動を「強制」という言葉と結びつけて解説しようとするが、
「戦闘」に参加した当事者たちは、生産計画の超過達成は「人民生活向上のため」であり、
「私たち自身のため」であると語る。
チョンさんは、黎明通りの建設を実例に上げながら「戦闘」の意義について述べた。
「建設資材を生産する工場や企業所が増産すれば、それだけ建設が急ピッチで進み、
人民の住宅事情が改善される。『強制』によって、あのようなスピードは生まれない」
4月に着工した平壌市内東部の大規模マンション団地・黎明通りの建設は、
2016年を代表する大規模事業だが、チョンさんの生活とは直接関連がない。
彼女は新たに建設されるマンションに住むわけではない。
国営企業である金正淑平壌製糸工場は、労働者のための住宅を建設し、無償で提供している。
「戦闘」が行われた今年も14階建ての高層住宅を新築した。
チョンさんも家族と共に工場から提供された家に住んでいる。
社会主義の恩恵を受けて暮らす人々は、集団主義をごく当たり前に実践している。
総動員運動への積極的参加も、その根底にあるのは「国が豊かになれば、自分も豊かになる」という考え方だ。
チョンさんも、黎明通り建設に象徴される国家経済の発展と自分の未来の暮らしを重ね合わせていた。
集団主義を実践する人々の一体感は「戦闘」期間中に一層強まる。チョンさんは、こんなエピソードを紹介してくれた。
「毎晩、工場の正門前にタクシーの列が出来ていた。女性労働者たちが帰宅するのを待っていた。
運転手たちは、生産労働に対するねぎらいの言葉をかけてくれて、労働者たちを無償で送ってくれた」
「自強力」の発揮
「70日戦闘」「200日戦闘」は、
米国とその追随勢力が制裁圧力を強める中で行われた。
それは、企業の経営者、生産者たちの自立経済に対する意識をさらに高めた。
黎明通り建設も、単なる都市整備ではなく「制裁と圧力の中でも
人民の理想実現に向けて前進する朝鮮の姿を示す政治的契機」と位置付けられた。
金正恩委員長が2016年の新年の辞で言及した「自強力第一主義」が、すべての「戦闘場」で実行された。
「自強力第一主義」は、自らの力と技術、資源にもとづき、自らを強めることで前途を切り拓くことをいう。
祥原セメント連合企業所(黄海北道)でも、
以前は輸入していた耐火レンガなどの資材を企業内で生産し、
重油が使われた設備を国内の石炭によって稼動させる技術を導入した。
「自強力」によって増産を果たし、4月から黎明通りの建設現場にセメントを集中的に供給した。
9月以降は、大規模な被害にあった咸鏡北道・北部地域の復旧に充てた。
「200日戦闘」の生産目標よりも、さらに多くのセメントが求められた。
総合操縦室のチョン・ミョンイル室長(48歳)によると
「通常は、設備稼働率が80%だが、9月、10月は、ほとんど100%で推移した」という。
ここでも昼夜を徹した「戦闘」が行われた。
その結果、今年は最高生産年度を突破した昨年を上回る業績を残した。
~中略~
「70日戦闘」「200日戦闘」の現場に共通するのは、指導者のリーダーシップに対する強い信頼感だ。
金正恩委員長は今年1月、平壌市内の紡績工場を現地指導した際、
千里馬に乗って奇跡を起こした前世代の精神を受け継ぎ、今の世代が万里馬に乗って飛躍することを訴えた。
その後、万里馬のスピードを実現しようというスローガンが、全国の「戦闘場」に掲げられた。
金正恩委員長は今年6月、金正淑平壌製糸工場を訪れた。
自分たちの職場に指導者を迎えた女性労働者たちは、年間生産計画の早期達成を誓い、それを実現した。
咸鏡北道・北部地域が水害被害にあった直後、金正恩委員長は、
冬が来る前に被災者のための住宅を建設しなければならないとしながら、
自らが祥原の労働者たちに水害復旧に必要なセメント生産を頼んだことを党中央委員会の幹部を通じて伝えた。
チョン室長は「『頼む』という言葉が心に響いた。指導者の大きな信任が労働者たちを奮起させた」と語った。
「記憶に残る一年だった」という。
11月中旬、被災地に約1万1,900世帯の住宅が完成した。
「70日戦闘」「200日戦闘」は所期の目標を達成して終了し、
国家経済発展5カ年戦略遂行の初年度に大きな成果が生まれた。
総動員運動を通じて人々は固く結束し、さらに強くなった。
その間、製糸工場のチョンさんは、他の職場に勤める夫と家事を分担しながら、絹糸生産に励んだ。
その結果、工場の業績が上がり、賃金も大幅に増えた。
今年を振り返り、チョンさんは
「全国すべての職場で奮起した。みんなで一緒にやり遂げたという達成感がわく」という。
「幸先のよいスタートを切れた。5カ年戦略が遂行されれば、経済の持続的発展の土台が出来る。
これからも製糸工場で自分の務めをしっかりと果たしていきたい」
http://chosonsinbo.com/jp/2016/12/22riyo-jjj01-2/
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最近のナショナリズム研究の動向の1つとして下からの愛国心というものがある。
つまり、これまでの愛国心研究でよく指摘されたのは、
君が代斉唱よろしく、上からの押し付けによるものが中心だったが、
ここ数年は、逆に日常のアクションを通じて自発的に培われる愛国心への関心が高まっている。
オリンピックに対する我々の反応は自発的な愛国心の典型例だろう。
誰に頼まれたわけでもなく、なぜだか誰もが日本の選手を応援している。
北朝鮮の場合は、それよりも複雑であり、制裁の直接的な被害者となった北朝鮮市民は
動員であれ戦闘であれ、自分たちの働きが国の根底を支えているという実感と自負を持っている。
上の記事で紹介された水害復旧のためのセメント生産の事例が顕著だが、
日米韓が一切の復興支援をせずに、軍事演習と制裁を病的に強化していたちょうどその時、
北朝鮮国内では、他国の援助に頼らず(頼れず)自力で問題を解決しなければならない状況に陥っていた。
北朝鮮への経済制裁により北朝鮮市民の暮らしは良くなるどころかむしろ悪化した。
この危機的状況を切り抜けるために、国家と市民が連携して事態に対処してきたのである。
そのため、金正恩政権と現場の労働者は敵対関係にあるどころか、逆に同志的な間柄にあり、
労働者は自分たちの頑張りが災害復興に貢献しているのだという実感を得ている。
つまり、いわゆる「お国のために尽くす」というよりはむしろ、
「自分たちこそが国を支えており、同胞を救っているのだ」という自信がそこにあり、
それゆえに国を裏切る・金正恩政権の崩壊などもっての外だという考えが自動的に芽生えているのだ。
もちろん、総動員されている以上、そこにはイレギュラーが必ずあるだろうし、
中には脱北して、自分がいかに金正恩政権によって苦しめられたかを吐露する人間もいるだろう。
だが、北朝鮮の民意は概ね政府に協力的(それは自分たちの生活向上に直結するので)だし、
脱北者も祖国の消滅を願っている人間ばかりではない。
重要なのは私たちが脱北者の中の極めて過激な意見ばかりを拾い、
それを北朝鮮市民の総意だということにして、自国の軍拡と他国の発展への妨害を正当化していることだろう。
我々が締め付ければ締め付けるほど、
むしろ北朝鮮の政府と市民は状況を乗り越えるために結束を固め、一丸となって邁進する。
つまり、日本や韓国、アメリカが軍事演習、経済制裁などで北朝鮮を圧迫すればするほど、
逆に北朝鮮の市民と政府の利害関係は一致し、結果として国民の政府に対する忠誠心は高まっていくのである。
これは「個人崇拝」という四文字熟語では説明しきれない現象だ。
北朝鮮が一向に自壊しない最大の理由は、
東ドイツと違って北朝鮮は現在進行形で外国から自国の発展の妨害を受けているという点にある。
これこそが国民が自発的に愛国心を持つ、あるいは持たざるを得ない状況にさせている最大の原因であり、
また、このような下からの愛国心に目を向けない以上、悪の独裁者金正恩に虐げられている哀れな民衆という
ゆがんだイメージから脱することができないだろう。それは北朝鮮市民の生活圧迫にはつながるが、
いわゆる彼らが望んでいるはず(と私は信じたい)の民主化からは逆に遠ざけてしまっているだろう。