NHKが左翼でも何でもない宣伝省だということを先の記事で述べた。
この記事を書くきっかけとなったのが天安門広場での事故の報道スタイルである。
こういってはなんだが、何も9.11のように大きな建物が
爆破されるなり飛行機が突っ込むなりするわけでなく、
天安門広場に車が突っ込んだというそれだけの事件である。
真相が不明な時点で大げさに取り上げる必要があるのだろうか?
しかも、中国メディアで放映中にプツンと放送が途絶えたと
大騒ぎし、あたかも事件の裏に陰謀が渦巻いているかのように喧伝した。
こういう意図的にある一定の思想へ視聴者を誘導する報道ってどうなのか?
そもそも、この報道では中国が必死に事件をひた隠しにしている
ような印象を与えているが、実際には中国は事件の翌日に
この事件についての報道を行っている。
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28日午後12時5分ごろ、北京市南池子南口から
走ってきた1台のジープが長安街の歩道に突入、東から西に疾走し、
天安門前の金水橋欄干に衝突・炎上するという事件が発生した。
ジープは暴走している間、多くの観光客や当番の人民警察官を撥ねた。
北京市の公安・応急・衛生など各部門がただちに緊急時の対応策を発動、
救援活動をスタートさせた。負傷者は全員近くの病院に搬送され、応急手当を受けた。
午後1時9分、現場付近の交通状況は正常に戻った。千龍網が伝えた。
事件発生後、中央トップおよび公安部・北京市委員会・市政府トップが
続々と現場に駆け付け、対応策を指揮した。負傷者の救援に総力を挙げ、
事件の全容を迅速に解明し、各種措置を強力に講じ,
首都の安全確保に努めるよう求めた。
現時点で、今回の事件で5人が死亡、38人が死亡した。
死亡した5人の内訳は、事件を起こしたジープに乗っていた3人と観光客2人
(フィリピン人女性と広東省の男性)。負傷した38人の中には、
フィリピン人観光客3人(女性2人、男性1人)と日本人観光客(男性)が
含まれていた。負傷者を受け入れた病院は、応急手当に全力で臨むため、
専門家による診察チームを組織し、怪我の状態に応じて手術および
その他の緊急治療を施した。事件当日の午後、北京市委員会・市政府トップは
続々と病院に赴き、応急手当に関して指揮を執ると同時に、負傷者を見舞った。
現在、負傷者に対する救命処置が全力で進められている。
関連部門は、事件の全容解明に向け調査を進めている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月29日
http://j.people.com.cn/94475/8440087.html
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このようにNHKが本事件を報道した時点で
既に情報が解禁されていたのである。
露骨な印象操作をNHKがしていたのは明らかだ。
下手人がウィグル族ということで早速、日本のメディアは
中国の少数民族弾圧のシンボルとして今回の事件を利用している。
よりによってあのラビア・カーディルを聖女のように演出し、
如何に中国がウィグル族を弾圧しているかといった御高説が
延々と報道ステーションで行われていた。これは酷い。
ラビア・カーディルという老婆は日本ではウィグル族独立の勇士
であるかのように語られているが、実際にはあの桜井よし子や
日本の極右団体と一緒に靖国参拝をしてしまう奴である。
http://kosakaeiji.seesaa.net/article/270756190.html
上のサイトは日本創新党の有力議員のブログであるが、
今現在、日本維新の会としてアジアの侵略戦争を美化している
連中と一緒になって、中国を批判するというこのスタイルは
極右と一緒になって北朝鮮を誹謗する反共左翼をほうふつさせる。
創新党という党は本当にひどい党で、ウィキによれば、
天皇を国家元首と明確に位置づけ、自衛隊を「日本国軍」に改組する。
憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を可能とし、法律でその範囲を定める。
法人税や相続税を大幅に引き下げて民間事業者を保護し、経済成長と雇用の確保を図る。
消費税を引き上げることで社会保障制度と地方財政の維持に充てる。
累進課税は国民の意欲や自由を奪う懲罰的なものであるから
これを廃し、フラット税制を目指す。
企業減税と規制緩和を同時に行うことで経済の活性化を図る。
国益を守りつつ自由貿易協定(FTA)や
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を戦略的に推進し「経済的開国」を目指す。
代替エネルギーの研究を進めるとともに、
小型原発の開発など原子力技術の発展にも努める。
雇用の流動化を促し、非正規雇用に関する規制を撤廃する。
同一労働同一賃金は法律上の努力義務とする。
ということを政策に掲げている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%
E6%9C%AC%E5%89%B5%E6%96%B0%E5%85%9A
要するに大日本帝国を復活させ、
武力介入する権利を認めさせ、
消費税増税と法人税減税、
低賃金労働者の増産により
権力者ばかりが楽をして
民衆が貧困化する政策を
実現しようとしている連中である。
あなたはアメリカ空軍と一緒になって、
原爆を落とす事でアメリカ人の命が救われた
と叫び、トルーマンの考えは正しかったと
熱弁をふるう人間が
日本の独立を成し遂げてくれると思うか?
ラビア・カーディルや世界ウィグル会議は
そういう人物(団体)なのである。
こんな戦前のファシズム国家を
復活させようとする連中とつるむ時点で、
ウィグル独立運動の正体が知れよう。
ダライ・ラマもそうだが、中国の独立運動家・団体とやらは
どういうわけか日本の右翼とつるむ傾向があり、あたかも
CIAと結託して国内でクーデターを起こしたラテンアメリカの
暴力主義者たちを連想させる。
そもそもラビア・カーディルは中国でも10本の指に入る
大金持ちであり、決してウィグルの平均的市民と同じ生き方を
したわけではない。ウィグル族の顔を気取っているが、こいつに
泣かされた奴だって腐るほどいるのである(不動産業者らしい)。
ハイエナがシマウマの肉を狙って、周囲の動物たちに
「あのライオンはシマウマの肉を食おうとする!危険だ!」と
がなり立ててライバルのライオンをけり落とそうとしている。
どちらもシマウマの肉を狙っている時点で、決してシマウマの
味方ではない。ウィグル族の独立運動もこれと同じである。
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/86bce20c460024edd67fce3890ccfc64
上のブログでは、カーディルのような人物を持ち上げることが
結果的に新左翼が行った旧社会主義国への盲目的な信奉と同じ現象を
起こしてしまうのではないかと危惧している。私も同感だ。
現に、イギリスを総本山とする国際的人権団体、アムネスティ
インターナショナルは、2007年にこの女を招待している。
尖閣諸島の東京都による購入にカンパしたこの婆さんをである。
石原慎太郎の外国人のみならず国内の日本人にむけての
差別的発言を知っているのか!?
宮城県石巻市と縁が深い私にとって津波を天罰と平気で
語るこの差別主義者の気まぐれに喜々として協力した
この腹黒い大金持ちの老婆が、はたして明るい未来を
ウィグルにもたらすだろうか?やはりかつての中国
軍閥のように、最終的に日本軍に見限られるのがオチだろう。
イスラエル研究家早尾貴紀は、かつて韓国詩人の朴裕河が
韓国軍事態勢に反発しただけで、何故かこの国の知識人に
異様にもてはやされたことについて次の言及をしている。
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〈朴裕河現象〉については、私自身が、『季刊軍縮地球市民』や
『季刊戦争責任研究』といった雑誌で一定の論及をしてきた。
どうしてあのような
短絡きわまりない乱暴なナショナリズム批判
(つまり、韓国のナショナリズムも日本のナショナリズムと
鏡写しのように同型だとして、相対的に日本を免罪・擁護する)が
どうしてリベラルを自任する知識人らに称賛されるのかという問題だ。
http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-17.html
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戦後日本の左翼の大半は反共左翼であり、反共主義を基軸として
運動を展開してきた。中国を露骨に非難するこのナショナリストは
本質的には我が国の極右と同類であるのに、単に中国を非難したという
ただそれだけの理由で英雄視されてしまっているような気がしてならない。
中国の人民日報はウィグル会議の靖国参拝について
以下のようなコメントをした。
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靖国神社は日本軍国主義の対外侵略の歴史の象徴だ。
「世界ウイグル会議」の反中分裂分子は日本の右翼勢力と結託し、
気脈を通じて、祖国分裂と中日関係の破壊を狙う政治的本質を存分に露呈した。
彼らの拙劣な行為がウイグル族同胞を含む
国内外の中華民族から唾棄されるのは必至だ。
http://j.people.com.cn/94474/7817259.html
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ここで「日本軍国主義の対外侵略の歴史の象徴」という
フレーズに注目してもらいたい。靖国神社はアジア国にとって、
太平洋戦争のみならず、江華島事件(明治)以降の大日本帝国の
すべての侵略のシンボルなのである。
それを平然と参拝できる点で、
こいつらが守りたいのはウィグルではなくて、
自分たちが支配するウィグルだということに
気付いてほしい。
確かに中国の少数民族問題は存在するが、それを
理由にこういう団体を正義化することは非常に危険極まりない。
それだけは確実だ。