時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

プロパガンダの意味がわからず使う人

2014-07-29 21:34:38 | マスコミ批判
自分の都合の悪い意見をみるとプロパガンダとレッテルを貼って
まともに向き合おうとしない人間が、それなりにいる。

もともと、この言葉は「宣伝」や「広報」「発信」を意味したもので、
いわゆる自分たちの意見を広く伝えていこうというものだった。


識字率が低く、10代半ばで就労するのが一般的だった時代、
小難しい文章で訴えていくのは、あまり賢い選択ではなかった。
(もちろん、知識人向けにそういう本や論文も多く書かれているが)

そこで登場したのが、絵や物語で訴えていこうという運動だった。
古くはルターの宗教改革のころからあった動きである。
(版画でカトリックを批判する風刺画が多く作られている)


日本では、プロレタリア文学が代表的だろう。
特に有名なのが『蟹工船』だが、徳永直の『馬』も名作である。


このようにプロパガンダというのは啓蒙活動の一環だったが、
いつ頃からかデマゴーグスの一種として語られるようになった。


「かげ」という古語が「光」を意味したように、
言葉は時代を経て真逆の意味に変わることは多々ある。

そういう意味では、この変化は特におかしくはないのだが、
どうも最近のそれを見ると、誇り高き日本人が敵対者の意見や著作を
感情的に攻撃するときに、この言葉が使われることが多いような気がする。


現代のプロパガンダは、国家をはじめとした権力者が
事実を揉み消すために行うメディアを介した工作活動を指すのだから、
日本にとって都合の悪い動きに対してこの言葉を使うのは不適切だ。


ネトウヨにしてみれば、「反日」と同じで、気に入らない相手を
悪魔化する際に便利な言葉として使っているのだろうが、
いわゆる知識人がこの言葉を乱暴に使うのはいかがかと思う。


もともとはこの言葉は19世紀以来の国内の進歩派が
自国の腐敗した政治を糺すためにインテリ以外の一般庶民にも
わかるような啓蒙活動をしましょうというプラスの意味をこめて使われたのだが、
もし仮に保守派や国粋主義者が逆の意味で多用した結果、現在のような
マイナスのイメージがある言葉として定着したのであれば、それは残念なことである。、


プロパガンダの作られ方 ウクライナ編(朝日新聞の社説を事例に)

2014-07-24 00:32:57 | リビア・ウクライナ・南米・中東
次の写真は、墜落したマレーシア機の残骸から、子供の玩具を取り上げ、
トロフィーのように高く掲げてはしゃいでいる親ロシア派の写真だ。






・・・と言われている偽写真である。

次の動画(1分5秒から15秒あたり)を視聴してみよう。





http://rt.com/news/174380-crash-issues-ignored-media/


実際には、自警団の兵士は発見した人形をそっと地面に置いて十字を切っている。
この動作の一コマに悪意を込めた解説文を添えれば偽写真の出来上がりだ。


この手の全体の一部分を切り貼りして、まったく違った内容に変えてしまうのは、
かなり悪質なプロパガンダだが、誰かが指摘しない限り滅多に気づかれはしない。


この写真は、個人の手によるものだが、
そもそも、このマレーシア機に関わる我々の報道自体が大きなプロパガンダだ。

次の記事を読んでみよう。


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ロシア軍部は21日のブリーフィングで、事故の起きる前のウクライナ、
ドネツク州の状況を示した客観的なコントロールのデーターを発表した。

ロシア国防省の準備した資料は欧州先進諸国およびマレーシアの専門家らに手渡される。
資料へのアクセスは自由に行える。
http://function.mil.ru/news_page/country/more.htm?id=11970654@egNews.


マレーシア機の航空路のずれ

ブリーフィングで発言したロシア空軍参謀本部
第1作戦部部長のアンドレイ・カルタポロフ中将によれば、
ドネツクまでマレーシア航空機は通常決められた航空路をたどっていた。
ところがドネツク以後は航路を北方向に曲げている。 


軍機は空中で何をしていたのか?


ロシア軍の有するデーターでは、マレー機の墜落事件当時現場付近には
ウクライナ空軍機はなかったというキエフ当局の声明が覆される。
カルタポロフ中将によれば、事件の前、マレー機から
3-5キロメートルの地点にウクライナ軍の戦闘爆撃機Su25が確認できる。



なんのために「ブーク」が移動したのか?

カルタポロフ中将によれば、
墜落機はウクライナ軍の地対空ミサイル「ブーク」の行動ゾーンにあった。


中将はマレー機の飛行スキームを示し、
スキームでは航空路が分かるほか、同機の墜落したとされる場所が
 ウクライナ軍の地対空ミサイル『ブーク』の稼働ゾーンと一致していることが分かる

 と語っている。


続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_22/274939689/


ロシアのチュルキン国連大使は、ロシアは
ウクライナ上空でのマレーシア機撃墜事件の捜査に自国の代表を送る構えであり、
オランダが主導権を握ることでより客観的かつ有効な捜査が可能となるだろうと期待を表した。
国連安保理の席でチュルキン大使は悲劇の原因について「捏造した情報を流布」したとして
キエフ当局を非難し、次のように語っている。

「キエフ当局のやり口はひどい。
 捏造情報の流布から始めた。しかも国連安保理の場でもそれを行った。

 世間を騒がせた、義勇軍司令官らの音声録音も、
 複数の会話の音源を組み合わせたものであることが判明した。

 
 しかも会話は7月17日の事件の前に行われたものだった。


ウクライナ内務省の発表したビデオは、地対空ミサイルシステム『ブーク』が
ロシア領内へと移送されている様子を映し出したことになっていたが、

これも実際はキエフ当局の掌握する
テリトリーで撮影されたものだった。


このため、もしこれが撃墜事件であったとしても、
その背後にいるのは義勇軍では決してありえないことになる。」


文字通り事件の起きる1分前に、ウクライナ南・東部を米国の宇宙機器が通過している。
この宇宙機器は様々な射程距離のミサイルの発射を発見し、追跡することを目的としている。
これについては21日、ロシア空軍参謀本部第1作戦部部長の
アンドレイ・カルタポロフ中将が声明を表し、米国に対して
人工衛星からの映像を詳細な検討に付すために国際社会に提出するよう求めている。

これに加えて、ロシア軍部はマレー機のそばに
ウクライナ空軍の戦闘機、Su25を目撃している。


マレー機がレーダーから姿を消したあと、
ウクライナ軍機は民間機が落下した地点の空中を哨戒している。


アンドレイ・カルタポロフ中将は詳細をあげ、キエフ当局が未だに
断固として否定しているこの事実の説明を求めて、次のように語っている。

Su 25がマレー機から離れていた距離は3-5キロメートル。
 Su 25はその特徴から高度1万メートルまで上昇が可能だ。
 常設の軍備には空対空クラスのミサイル、R 60が含まれている。

 これは最高12キロメートル離れた
標的を捉え、攻撃する能力があるもので、
 5キロ圏内であれば撃墜は保証できる。


 一体どんな目的で軍用機が民間機の航空路を、
 ほぼ同時に並行して飛行することがあるのだろう? 

 この問いに答えていただきたい。」


事件については、ロシアの客観的な観測手段が捉えた詳細は他にもある。
マレー機はドネツク州上空で航空路を北寄りに14キロずらしていたことがわかった。
その後、マレー機は本来の航空路に戻ろうとしたが、
その境界線にまで到達する間もなく、事件が起きている。

パイロットがこうした行動をとる理由については、
キャビンの自動録音やウクライナの航空管制官とのやりとりの解明を待たねばならない。


7月22日、義勇軍は約束どおり
マレーシア側の代表に事件現場で見つかった
「ブラック・ボックス」を手渡した
ことが明らかになった。

ロシア軍部はさらにもうひとつ、ウクライナ軍が事件に関与した疑いを示す証拠を掴んでいる。

事件当日、ウクライナ対空防衛隊はドネツク上空に
「3ないし4」機の地対空ミサイルシステム「ブークM 1」を追加していた。

しかも、マレーシア機の航空路は「ブークM 1」の行動ゾーンに入っている。

7月14日から18日にかけての
この「ブークM 1」の位置を写した人工衛星からの映像がある。

写真では「ブークM 1」の中隊のひとつが撃墜事件の当日、
ドネツクから50キロメートルの、義勇軍の掌握するテリトリーに
最大限近く移されているのがわかる。
ところが事件の翌日にはもう、その中隊は配置換えされている。

キエフ当局はこの事実についてのコメントを控えている。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_07_23/274987631/
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一連の記事を読めば、いかに私たちの周囲にあるウクライナの情報が
非常にいい加減なものであるかがはっきりと理解できるだろう。


では、最後に左翼とネット右翼に勘違いされている朝日新聞の社説を読もう。
プロパガンダとは、どうやって作れば良いのかが、よくわかるはずだ。


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旅客機への攻撃は断じて許されない。
世界の空の安全を保障するためにも、国際社会は原因を徹底追究すべきである。


ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件をめぐり、
国連安全保障理事会が非難の決議をした。

国際調査団による無制限の立ち入りを現地の武装勢力が認めるよう要求している。


近年の安保理は米欧対ロシア・中国のかたちで分裂することが多かったが、
今回は一致した国際世論を明示できた。せめてもの前進といえる。


疑惑の渦中にある常任理事国のロシアも賛成せざるを得なかった
ならば、積極的に疑問に答え、自ら検証に踏み出して、真実を明らかにすべきだ


事件の調査は難航している。
現場の一帯を支配する親ロシア派の武装勢力が撃墜にかかわった疑いが濃厚だが
これほどの悲劇をへてもなお彼らは無法な行動が目立つ


発生直後、欧州安保協力機構(OSCE)の監視団を妨げたり、
遺体や残骸の一部などを勝手に運び出したりした。


ようやくきのう、墜落機の飛行情報を収めたブラックボックスの引き渡しなどに応じたが、
これまで証拠隠滅とみられかねない動きを続けてきた。

そうした振る舞いがかき立てる国際社会の怒りは、武装勢力だけでなく、
その背後にいるロシアにも向けられている。

その現実をプーチン大統領は重く受けとめてもらいたい。


米政府は、撃墜は武装勢力によるとの見方を強め、
ミサイルはロシアから運ばれていたと明言している。その疑いを強める情報は相次いでいる。

事件直後に武装勢力が撃墜を確認したとされる会話の交信記録や、
事件に使われたあとのミサイルがロシア領に運ばれるところとされる写真など、
いずれも注目に値するものだ。


ロシア国防省は逆にウクライナ側が撃墜した可能性を示唆しているが、
その疑いを抱かせるような具体的情報は乏しい。

このまま、事実をうやむやにしかねない態度を続けるなら、
そのつけは自身にはね返る。


これまで欧州連合(EU)は米国に比べてロシアへの制裁に慎重だった
天然ガスの取引など経済に配慮してのことだったが、
多数の犠牲者を出した欧州の世論も硬化し始めている。


クリミア半島の併合だけでなく、プーチン氏は
ウクライナ東部でも自国の権益を押し通そうとしてきた

だが、その強硬策はロシア自身を深い孤立に陥れることを悟るべきだ。

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朝日新聞はいつから戦前の体制に先祖帰りしたのだろうか?


実は、私は朝日新聞を元々購読していたのだが、普天間基地移設あたりから
おかしな記事ばかりが目にチラついて、とうとう契約を打ち切ったのだが、
ここまで非道い内容を書くとは思いもしなかった。

まさに、プロパガンダの教科書のような社説。百点満点だ。
これを教材に、プロパガンダの作り方を伝授しよう。


プロパガンダの作り方①

まず、決めつける。

ろくに調べもせずに、自分の思い込みを事実のように語る。

「その疑いを強める情報は相次いでいる。」「いずれも注目に値するものだ。」
 とわざわざ得意げに書いているが、音声テープは合成・編集されたもの、
 写真はキエフ軍が掌握した地域で撮られたものだと
 はっきりと証拠を据えて提示されている。

 ところが、朝日新聞によると「具体的情報は乏しい」ことになるらしい。
 じゃー、朝日新聞にとっての具体的情報って何よ?



ここで、プロパガンダの作り方その2。

直感で事実を検証する。


当サイトでも、テープで会話している兵士が現場から
数キロ先の場所にいたこと、会話全体を収録したものではなく、
編集された疑いがあるため、法的証拠としては不十分だという主張を紹介した。


だが、こういうものは扇動者にとってはどうでも良いことである。
俺が怪しいと思えば、怪しい情報になり、
俺が正しいと思えば、正しい情報になる。



ロシアは悪だ。
この結論を前提に記事を書くため、障害となる情報はすべて無視する。


一方で、毎日新聞は一応、ロシア側の見解を紹介している。
本来、このような双方の言い分を平等に扱うのがメディアではないだろうか?
http://mainichi.jp/select/news/20140721k0000m030104000c.html



プロパガンダの作り方その3。

矛盾した文章

「自ら検証に踏み出して、真実を明らかにすべきだ」と言っておきながら、
 いざ間違いを指摘すると、「事実をうやむやにしかねない態度」と吠える。


 そもそもプロパガンダというのは、無責任な連中が作るものなのだから、
 主張に一貫性がない。上の例でも、彼らの本音がロシアの仕業であることが
「濃厚」ではなく、ロシアの仕業であることが「真実」だと決めつけているので、
 自分の意にそぐわない検証結果を出すと「真実をごまかすな」とほざくわけだ。

プロパガンダの作り方その4。

心証を悪くする言葉を多用する

要するにプロパガンダというのは、ろくに証拠を挙げずに、
相手をバッシングする差別主義的な行為なので、
とにかく個人攻撃をする。

「賛成せざるを得なかった」「無法な行動が目立つ」「ようやく」
「その現実をプーチン大統領は重く受けとめてもらいたい。」など、
 相手がしぶしぶ真相解明に協力しているかのような表現をとっている。

 しかし、実際にはロシアは自ら航空機墜落の原因究明活動を、
 実施する決議案を国連安保理事会に提出している。
 http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_21/274868039/

 遺体の搬出は、キエフ政府と合意を得た者であったし、
 威嚇射撃は、許可されたラインを乗り越えたからである。
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274852175/
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274844809/

 ドネツク人民共和国やロシアは当初から中立的機関による
 調査を主張していた。朝日の文章は、この事実を隠ぺいしている。


また、朝日によれば「ロシアへの制裁に慎重だった」らしいが、
すでにロシアの大物議員や役人には制裁が行われている。

美人検察として騒がれたクリミアの女性検察官もその一人だ。


クリミアではキエフの手によって銀行から現金が引き下ろせなく
なっているのだが、これも朝日流の解釈によると慎重な行為に当たるるようだ。

結局、こちらは絶対に正しく、あちらは絶対に間違いでることを前提に
話を進めるから、矛盾が生じてくるのである。


以上、朝日新聞の社説を例にプロパガンダの特徴を指摘した。
これを応用すれば、今日からあなたも一流の詐欺師になれるだろう。
健闘を祈る。

ナチスの焦土戦術を用いるウクライナ軍(「ロシアの声」より)

2014-07-21 21:37:54 | リビア・ウクライナ・南米・中東
「ウクライナ軍は、一般市民の住むアパートを攻撃しない、
 女性や子供、高齢者の生命を脅威にさらさない」
 というポロシェンコ大統領の約束は、案の定、空しいものに終わった。


武器をうまく取り扱えないからか、正確な諜報データが不足しているからか、
それとも故意によるものか、今「反テロ作戦」を実施しているウクライナの軍人達は、
重砲やロケットランチャー(ロケット弾を発射する多目的強襲兵器)、さらには
爆撃機を使って自分達の国の南部・東部地域の市町村にある一般市民が住む家々を攻撃している。


一方ウクライナのマスコミは、
何百人もの「親ロシア派分離主義者やテロリスト」や彼らの陣地を殲滅したと伝えている。
しかし、現地で撮影された映像を見ると、犠牲者は相変わらず、
「武装したテロリスト」などではなく主として「普通に暮らしている一般市民達」である。



いくつかの村では、一般市民の住む家々が建ち並ぶ通り全体が姿を消した。
一昼夜と少しの間に、工場や学校、病院が次々と破壊された。

犠牲者の数は、百人単位とまではいかないが、それでも何十人にも上っている。

英国の新聞「Daily Mail」の特派員達は
「こうした作戦は、ナチスドイツ軍が
 第2次世界大戦中にソ連領内で用いた『焦土作戦』だ」と報道した。

今のウクライナ軍にとって見れば、ナチスとの比較は「嬉しいもの」かもしれない。


それにもかかわらず、抵抗を続ける人々を抑え込める見通しは立っていない。
所謂「休戦」期間中、キエフ当局は、
南部・東部地域に4万5千までの戦闘員を集め、400もの迫撃砲や大砲、戦車150両、
何十もの複数発射ロケット砲システムなどを集結させたにもかかわらずだ。


ウクライナ国防省のデータを基にした専門家らの意見によれば、
弾薬は、積極的に使っても最大限10日は十分持つとの事だ。

空軍について言えば、8人ものウクライナの現役パイロットが、
義勇兵達が上手く対空防衛手段を用いているとして、飛行を拒否している。

実際この2昼夜だけで、ウクライナ空軍は、少なくとも対地攻撃機2機を失った。
陸軍部隊はどうかというと、補充できるなら誰でもいいというわけで
駆り出された刑事犯らを含め、戦いを拒否している。

麻薬やアルコールを持ってしても、彼らの士気を高める事は出来ない。
そんなものを食べて人間は生きるわけではないからだ。
一方戦場で負傷しても、治療は自腹を切らなくてはならない。

国家が拠出したか、あるいは住民から集められた
軍のための資金は、すっかり盗まれてしまっている。


ロシアが侵略しているとのウクライナのマスコミの作り話を信じ、
自主的に南部・東部に向かった人達でさえ、現地に到着した後は、
地元の一般市民との戦いが行われているのを目の当たりにし、事実を理解している。

止む事のない砲撃や空爆は、キエフ側の軍人に対する、また国民に敵対する戦争に
彼らを送るポロシェンコ大統領に対する住民の憎悪を高めるだけだ。
それゆえ、義勇軍に志願する人々の数は、どんどん増えている。


ウクライナ南部・東部の問題は、交渉を通じてのみ解決が可能である事は、
全くもって明らかだ。多分この事は、ポロシェンコ大統領自身も理解しているだろう。
すでに「反テロ作戦」再開後、彼は再停戦の可能性について言及した。

また昨日2日にベルリンで開かれたロシア、ドイツ、フランス
そしてウクライナ外相による緊急会合も、危機脱出の道を模索する試みとなった。

ドイツとフランスは、ロシア・ウクライナ国境地帯にある
ロシアの検問所(チェックポイント)に、ウクライナの国境警備隊員と
欧州安保協力機構(OSCE)の査察官を派遣するというロシアの提案を支持した。

彼らはそこで、国境を通過するのは、ロシアの軍人あるいはテロリストなどではなく、
難民達である事を自分達の目で確認し納得するに違いない。

しかし、ラヴロフ外相は「こうした事は停戦がなされて初めて、行う事ができる」と指摘し、
キエフ当局に対し休戦を急ぎ決断するよう強く求めている。
なぜなら「反テロ作戦」が続けば続くほど、
毎日確実に何十人もの尊い人間の命が失われてゆくからだ。

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_07_03/274231189/


ウクライナの対地空ミサイルについて

2014-07-21 21:13:47 | リビア・ウクライナ・南米・中東
今回、騒がれている迎撃ミサイルについて、本当のところ、
どういう兵器なのかよくわからない方が多いのではないだろうか?



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ウクライナ領内でのマレーシアのボーイング機墜落事故のあり得る原因の一つと
推測されている地対空ミサイル・システム「ブーク」とは、いかなる兵器なのか。


ウクライナのアントン・ゲラシチェンコ内相顧問は、自身のフェースブックのページで、
マレーシア航空の旅客機は民兵側が使用した地対空ミサイル・システム「ブーク」
によって撃墜された、と伝えた。同氏は、後に飛行機が撃墜された場所へ
ドネツィク(ドネツク)人民共和国の民兵らによって
「ブーク」が配備されるのが7月17日午前に目撃されている、としている。



軍事専門家で軍事学修士であるウラジーミル・クリュチニコフ大佐は、こう語る。



「自走式地対空ミサイル・システム「ブーク」とその派生型は、
現時点で世界一効率的な中距離防空手段の一つであり、
それは、高度1万8千メートルまでの戦略用および戦術用の航空機
ならびに弾道ミサイルを撃ち落とすためのものなので、
高度1万メートルの航空機なら射程内に収めることができます」


1979年に初めてソ連軍に配備された自走式地対空ミサイル・システム「ブーク」は、
現在、ロシア軍に配備されており(「ブークM2」約360基)、
ウクライナ軍には、「ブークM1-2」が50基余りある。


2008年8月のロシア・グルジア武力紛争の際には、
ロシアの戦闘機4機が、まさに「ブーク」によって撃墜された。

「ブーク」は、ソ連崩壊後にそれを積極的に売却していたウクライナからグルジアへ渡った。
それ以後、この地対空ミサイル・システムは、軍事紛争に使用されてこなかった。


「ブーク」は、複合的な兵器であり、それは、ミサイルを発射する装置そのもののほか、
目標を発見し指示するステーション、司令ポイント、その他一連の補助装置など、
5つか6つの要素で構成されるシステムである。


クリュチニコフ氏はこう語る。


「たとえドネツィク人民共和国の民兵のもとに作動する装置があるとしても、
軍事目的で「ブーク」を使用する可能性はおそらくなかったでしょう。

ドネツィク人民共和国の部隊には、
そうした兵器を扱う技能を具えた専門家は見あたりませんでしたから。
おそらく、民兵は、レーダー・ステーションも保有していないでしょう。

もしも戦闘に使用できる地対空ミサイル・システムがあったなら、
すでに戦闘機スホーイ25に対して使用していたはずです


クリュチニコフ氏は、さらにこう続ける。


「ウクライナ軍の技能の低さを考慮すると、
人為的なミスでミサイルが発射されたことも考えられます。

2001年にイスラエルのテルアビブから
ロシアのノヴォロシイスクへ向かっていたシベリア航空の民間機が
ウクライナの防空ミサイル・システムによって撃墜されたときのように…」


雑誌「ナツィオナーリナヤ・オボローナ(国防)」編集長で
軍事専門家のイーゴリ・コロトチェンコ氏も、同様の見方をしており、
ロシアの「第一チャンネル」の番組で次のように語っている。

「追加の部隊や防空手段がウクライナ東部へ配備されて
現在それらが臨戦態勢にあることを考慮すると、
ウクライナの地対空ミサイル・システム「ブーク」の状態のチェックの結果、
要員や分隊の技能が低いために操作ミスによって偶発的な発射が起こり、
それが、マレーシアのボーイング機の墜落事故につながったのでしょう」

ロシア国防省・報道情報局の発表によれば、
ウクライナのドネツィク付近には、
「ブークM1」の発射装置27基を備えたウクライナ軍
第156地対空ミサイル連隊の砲兵大隊が配置されていた。



しかし、米国の情報局は反対のことを主張してはいるが、
地対空ミサイル・システム「ブーク」からのミサイルの発射が
今回の民間機墜落の原因であると断定することは、今のところできない。

航空機は、ウクライナ空軍の戦闘機スホーイ27から発射された
空対空ミサイルによって撃墜された可能性もあり、ロシアの
レーダー・ステーションが地上からのミサイルの発射を確認していないことは
これで説明がつく、とウラジーミル・クリュチニコフ氏はみなしている。


ウクライナ国防省は、マレーシアのボーイング777型機の墜落時には
ウクライナ軍の戦闘機は飛行していなかった、と公式に声明し、
ボーイング機はウクライナ軍の地上の防空手段の射程内に入っていなかった、
とも発表している。

http://jp.rbth.com/science/2014/07/19/49211.html
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このようなミサイル・システムの解説こそ、
模型なりパネルを通して説明してほしいのだが・・・


記事にもあるように、ブークによって破壊されたという
決定的な証拠すら今のところ、存在していない。


恐らく、真相は調査が終了する数週間~数か月後に明らかになるだろう。

ウクライナ問題の偏向報道を糺す

2014-07-21 20:57:47 | リビア・ウクライナ・南米・中東
共産党のウクライナ問題に対する姿勢がかなり偏っていることを指摘したばかりだが、
今日の赤旗の記事は、輪をかけて殺戮者に都合がよい内容になっていた。


改めて述べるが、この事故については正式な調査すら始っておらず、
どちらが撃墜したのかは、いまだ謎のままである。それがいつのまにか
ロシアの仕業にされて既に経済制裁が検討されてさえいる。


他方で、連日のように繰り返されるウクライナ軍の自国民への爆撃は
一切、報道されず、同軍への批判すら、ろくに行われていない。


これまで、まるでウクライナで内戦など存在しないかのように、
徹底して惨状を無視していたメディアは新聞・TV・保守・革新
関係なく、ここぞとばかりに今回の事故に飛びついてきた。

ネオナチが要職に就くキエフ政府に有利な報道。
自発的な独裁国家への支持。彼らに平和を語る資格はない。


私は、共産党のシンパというほどではないが、それでも
国内の左翼の中では最も優れているグループだと考えているし、
赤旗は国内の新聞では、最も内容が充実している媒体だとも思う。

だからこそ、今回の報道姿勢は実に残念だ。ロシア嫌いの弊害と言ったところか。

本記事では、赤旗の記事に代表される日本側の報道とロシア側の報道とを
併記することで、日本のメディアは勇み足だということを主張したいと思う。


まず、赤旗の記事を見てみよう。


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マレーシア機撃墜 親ロ派が調査妨害
機体の一部・遺体搬出


ウクライナ東部でのマレーシア機撃墜に関し、
墜落現場の調査を続ける欧州安保協力機構(OSCE)は19日、
前日に引き続く親ロシア派武装勢力の妨害遺体搬出により、
今後の現場保存が困難になる可能性を示しました。



現場保存は撃墜状況の解明のカギになるとみられ、
欧米諸国や被害国は厳重な現場保存を求めています。


OSCEの報道官は同日、現場から
一部の機体や遺体が運び出されていることを確認したと発表。
「まだ遅くはないが、時間と共に、現場や遺体の保全の機会は失われていく」と述べました。


OSCEによると、19日の調査では前日よりも広範囲にわたる移動が
可能になった一方、親ロ派はこの日も警告射撃などにより一部残骸への接近を妨害。
監視団やメディアに対し明確な不満を示したといいます。


ウクライナのポロシェンコ大統領は、現場保存の不備と親ロ派の妨害は
「容認できない」と非難。同国政府は、親ロ派が38人の遺体を運び去ったとして
「テロリスト(=親ロ派)がロシアの助けにより、国際的犯罪の証拠隠滅を図っている」
と述べました。


193人が犠牲となったオランダのティメルマンス外相も、
現場保全への妨害に対し強い憤りを示しました。

現地調査は20日にも行われる予定です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-21/2014072107_02_1.html
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次に、「ロシアの声」の記事を読んでみよう。



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欧州安保協力機構(OSCE)特別モニタリング使節団によれば、
使節団が東ウクライナ・ドネツク州のマレーシア航空機
ボーイング777型機墜落現場を視察した際、威嚇射撃がなされた。


19日、使節団スポークスマンは、インターファクス通信記者に対し
「上方から威嚇射撃された。なぜなら誰かが、許可されたラインを越えたからだ」と伝えた。


伝えられたところでは、ケガ人はない。
この出来事は、OSCE使節団が、すでに悲劇の現場を離れた後、
つまり現場を自分達の目で見た後、生じた


使節団の発表によれば19日、OSCEの専門家らは、遺体確認のため、
より広いエリアを歩き回る事を、全体として許可された。

スポークスマンは「使節団は、現地の住民に話を聞いた。
今日は、昨日のような厳しい取り扱いはなかった」と述べている。


20日、OSCE使節団は、墜落現場での状況モニタリング活動を続ける予定だ。

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274844809/




キエフ当局と義勇軍の代表者らは、
ウクライナ非常事態省の専門家が、
欧州安保協力機構(OSCE)モニタリング使節団と共同で、
マレーシア航空ボーイング777型機墜落のさい犠牲となった
人々の遺体鑑定のため、それらの搬出を開始する事で合意に達した



調査委員会の責任者を務める、ウクライナのグロイスマン副首相が伝えた。
副首相によれば、ウクライナ側には、遺体を運び出すのに必要なあらゆるものがあるが、
唯一の問題は、専門家らが旅客機が墜落した地区に安全に到達できるかどうか、
それが保障できるかどうか、という点だ。

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274852175/

20日、ドネツク州に墜落したマレーシア航空ボーイング777機に
乗っていた乗客・乗員の遺体を乗せた列車が、悲劇の現場に近い鉄道駅から出発した。


リア-ノーヴォスチ通信によれば、遺体を乗せた冷凍車は、
旅客機落下地点に近いトレス市からイロヴァイスクに向け出発した。
ロイター通信も、この情報を引用している。

その後リア-ノーヴォスチ通信は、列車はドネツクに向かっているとした。
一方ロイター通信は、列車は南西方向に進んでいるが、
最終目的地の名前は明かされていないと報じた。

なお所謂「ノヴォラシヤ」のTwitterには
「列車は、身元確認のためハリコフに向かっており、
そこから遺体はさらに、欧州へと送られる」と書き込まれている。

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274858775/

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つまり、テレビや新聞で報じられている「親ロシア派の妨害」とは、
何のことはない、許可されたラインを越えたから威嚇射撃されたのである。

もちろん、「許可された範囲が狭すぎる」という批判はあるだろうが、
新聞やテレビでは、あたかも調査自体を妨害したかのように報じられている。


加えて、遺体の搬出が両陣営との合意に基づいていることも
意図的に伏せられている。
恐らく、この決定に不満を持つ人間の
コメントを、あたかも全体を代表するかのように紹介しているのだろう。


赤旗の記事はここまでだが、夕方に見たニュース(テレビ朝日?)では
「証拠となるブラック・ボックスを親ロシア派が隠滅するため持ち去った」
と説明されていたので、その大ウソも暴露したい。


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ウクライナ東部で活動する義勇軍によれば、
墜落したマレーシア航空機ボーイング777のボイスレコーダーはドネツクに運ばれた。

所謂「ノヴォラシヤ」のTwitterには
「ブラックボックスはドネツクに運ばれた」と書き込まれている。


これに先立ち、自ら独立を宣言するドネツク人民共和国の
アレクサンドル・ボロダイ首相は、記者団に対し

「ボイスレコーダーが発見されれば、義勇軍はそれを国際的な鑑識に回すだろう。
それが見つかった場合には、国際機関の専門家に渡す」と明言している。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_20/274855094/



ウクライナの救助隊は、マレーシア機の墜落現場で、
2つ目の「ブラックボックス」を発見した。ロイター通信が伝えた。

これより先、義勇軍が1つめの「ブラックボックス(フライトレコーダ)」を発見していた。

ドネツク人民共和国の指導部は、
墜落したマレーシア機のフライトレコーダを、
州際航空委員会のロシアの専門家に渡す
と約束した。


州際航空委員会はすでに、墜落状況の調査に参加する用意を表明した。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_18/274784513/

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これまた、証拠提出のためにブラック・ボックスを回収したのを
「証拠隠滅のため持ち去った」と言いがかりをつけているのに過ぎない。


もはや合法詐欺と呼んでも過言ではない報道だ。


さて、一連の事件についてプーチン大統領はこのように述べている。



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ロシアのプーチン大統領は、TV「ロシア24」のインタビューに答えた中で

「何人も自らの狭い政治的目的達成のために、
ウクライナでのマレーシア航空
ボーイング777墜落を利用すべきではない」


と述べ、次のように指摘した

「ロシアは何度も、ウクライナで対立する全ての当事者に、
流血の戦いを即時停止し、交渉のテーブルに着くよう求めてきた。

もし6月28日に、ウクライナ東部での戦闘行動が再開されなければ、
今回のような悲劇は起こらなかったろう。


この地域の状況に責任を持つ人々は、自分達の国民、
そして一般市民が悲劇の犠牲となった国々の国民に対する責任感を高める必要がある。

一方ロシアは、ウクライナ東部での紛争が軍事的なものから、
交渉のテーブルに当事者すべてがつくような、平和的で専ら外交的手段に
よる問題解決へと移行するよう、自分達にできるあらゆる事をするだろう。

ロシアは、ドネツク州でのマレー機墜落のあらゆる状況の調査を
ICAOが組織し詳しく実施する事に関心を持っており、援助を続ける用意がある。」


なお、これに先立ちプーチン大統領は、
英国のキャメロン首相との電話会談の中で
国際的な調査が終わるまで、マレー機墜落の状況について、
急いで結論を出したり、政治的に利用した声明を
出したりするのを差し控える事が重要だ
」と強調している。

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_21/274868984/


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リビア・アフガニスタンに軍隊を送り、現地の住民を蹂躙している
イギリスとアメリカに対して、ロシアの見解はどうしたことだろう。


ネットに限らず、一般的にはブッシュやキャメロンより
プーチンのほうが独裁的で恐ろしい人間だというイメージが強い。

だが、ロシアはアフガン・イラク戦争に反対し、
NATOのリビア空爆にも異議を唱え、
今のところ、21世紀の大々的な戦争に一度も参戦していない。


一方で、イギリスとアメリカは皆勤賞だ。

どちらが悪魔的かは見解が分かれるだろうが、少なくとも、
イギリスやアメリカがロシアより人道的というわけでもないことは確かだ。


日本のメディアはプーチン大統領が言うとおり、結果が出るまで待つべきで、
それが出来ないならば、双方の言い分を併記して、中立性を保つべきだ。

マレーシア機墜落の真実~共産党はいい加減、ロシア恐怖症をなおすべき~

2014-07-21 00:14:36 | リビア・ウクライナ・南米・中東
スターリン批判以降、日本共産党は議会主義、多党制を尊重し、
ソ連や中国など他国の共産党を批判することで、
「自分たちはよその共産党とは違う」ということをその都度アピールしてきた。

そのため、同党とソ連や中国との仲は最悪で、未だに尾を引きずっているところがある。
(一応、表面的には和解したことになっているが……)


さて、先日のマレーシア機の墜落事故だが、この件に関しての
共産党の記事は、あまりにも殺戮者たちに有利な内容だった。


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ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜されたとみられる事件で、
オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで記者会見し、
「これまで得られた証拠によると、機体は親ロシア派が支配する地域から
発射された地対空ミサイルで撃墜された」と語りました。

オバマ氏は、親ロシア派がロシアから訓練を受け、
対空兵器を含む武器の提供などの支援を受けていると指摘。

そのうえで「信頼できる国際的調査」のため、ロシア、親ロ派、
ウクライナの即時停戦を求めました。また調査団が検証を行えるよう
現場の物証の保存を求めました。


また国防総省のカービー報道官も同日の記者会見で、
この撃墜が「(旧ソ連製の)地対空ミサイルSA11
(ブク)によるとの強い証拠がある」と説明しました。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は同日、米情報機関当局者の話として、
マレーシア機が、親ロシア派支配地域から発射されたSA11によって
撃墜されたとの結論に達した、と報じました。同紙によると、
米軍事偵察衛星がとらえた発射時の噴煙やミサイルの軌道を分析した結果、
このような判断に達したとしています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-20/2014072001_02_1.html
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生物兵器があると主張してイラク戦争を起こしたのが
どこの国なのか、共産党は忘れてしまったのだろうか?


未だにアフガニスタンやパキスタンで無人機を飛ばし、
民間人を殺害しているのはどこの国なのか忘れてしまったのか?


オバマは平和の使者でも何でもなく、むしろ地獄の使者であることを
共産党は、日ごろ指摘しているではないか?なぜロシアが絡むと
こうまで昔の悪い癖をむき出しにして日米政府を支持するのか理解しがたい。



では、今回の事件、本当に自警団の仕業なのだろうか?
これについては、かなり怪しいもので、少なくとも現時点では
決定的な証拠がない。「ロシアの声」の記事を抜粋しよう。


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ウクライナ領内で起きたマレーシア航空の
ボーイング777機の公式的な調査は、未だ開始されていない。


ところがこの恐ろしい事態のプロパガンダ的な利用は全面的に展開されている。


これまで長い間の世界の実践では、航空機事故に関しては
犯人の名をすぐに挙げず、諸説に対し慎重な姿勢をとるべしとされてきていた。

にもかかわらず、欧米のマスコミの大半ではすでに、
事件を起こした犯人としてウクライナ東部の義勇軍が祭り上げられており、
同様にロシアとその指導部も槍玉に挙げられている。

一体なぜ、こうも結末を急ぐのだろうか? 
今回のカタストロフィーは特殊なケースだ。

なぜなら事件が起きたのは戦闘が行われているゾーンであり、
西側が100%のシンパシーを抱くのはウクライナ軍サイトであり、
この罪を一刻も早く、いわゆる独立派に、
そしてロシアに擦り付けたいという誘惑はあまりに大きい。



実際の証拠については、キエフ当局の握るものは今のところ乏しい。
一番の証拠とされるのは、ウクライナ特務機関によって傍受されたとされる
義勇兵らの電話会話の録音とインターネットのメッセージで、
何らかの航空機を自分たちが撃墜したことが語られている。

だが、戦闘行為のあった期間、義勇軍らが撃ち落としたウクライナ航空機は
10機を超えていることから、キエフ側が提出した録音会話はマレー機ではなく、
ほかの軍用機のことを指している可能性もある。

このほか、我々がインタビューを行った音声測定器調査センターの
ゲルマン・ズボフ代表取締役は、インターネットに掲載された録音会話は
法的証拠にはならないと指摘する。物的証拠となりうるのは、
最初から最後まで完全に録音されたものでなければならないものの、
そうしたものはキエフ当局は調査委員会には提出していない。


ズボフ氏は、公表されたものは捏造ではないかもしれないものの、
戦闘員らの会話の全録音ではないとして、次のように語っている。



「録音はキエフにおいて、もっとも当局側に重要な部分のみカットされている。
おそらく会話はもっと長いものだったと思われる。

たとえば公表された音声には、いわゆる通信開始、
終了を告げる挨拶のフレーズがない。最初から最後までの一貫した録音が
公表されるべきだ。もし録音全体が公表されるならば、
専門家らの作業は軽減されるか、録音の信憑性に対する疑いが晴れるだろう。」


だが西側の政治家らには、西側のプレス以上に完全な録音
またはなんらかの専門鑑定の出現を待とうという姿勢はない。

オバマ大統領は、マレー機を撃墜したミサイルは義勇軍の
コントロールする領域から発射されたとの声明を表したが、
その声明が表される数時間前までは、
人工衛星撮影映像を読み解く最良米国人専門家らは
全く異なる見解を口にしていた。


専門家らは、確信を持って言えることはただ一点、
マレー機を撃ち落としたのが「地対空」ミサイルだということであり、
発射地点に関しては確実に特定はできないと語っていた。

仮にオバマ大統領のもとに、
ミサイル発射時の映像などの証拠があったとすれば、
格好の暴露資料となるものをなぜ公衆の面前に、
つまり国連安保理会議の席上で公開しなかったのだろうか。



そうした一方で答えのないまま放置されている問がある。
義勇軍が設置したヘリコプター射撃用の可動式ミサイルシステムで、
高度1万メートルを飛ぶ航空機をどうやって撃墜することができたのだろうか

ということだ。

これだけの高度の飛行機を
撃墜することができるのは
高射砲ミサイル「ブーク」だけだとされている。

ブークは非常に重く、かさばる兵器であり、
ウクライナ軍は所持しているが、
義勇軍は持っていない。



ところが米国はこの状況をロシアに有利になるようには用いず、
ブークはロシア製の兵器であるから、撃ったのもロシア人だと言うのだ。

西側の市民は、ウクライナ軍もソ連軍も軍備は同じ、
ソ連時代から用いてきた同一のソ連製の兵器である
ことを知らない。

その兵器はいま、「ロシア製」と書くのが一般となっているだけのことだ。

そしてこれもまた、西側のマスメディアがほとんど取り上げない問いなのだが、
なぜウクライナの航空管制は民間機に向かって、
戦闘行為のあるゾーンから離れるよう誘導しなかったのだろうか?

続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_07_20/274833240/
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ちなみに、
マレーシア機の墜落した場所は、ウクライナの地対空ミサイルシステム
「S200」の砲台2基と「ブークM1」の発射台3基の迎撃ゾーンに入っていた


そして、こんな記事も存在する。


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ウクライナの軍事政権は、墜落したマレーシア航空のボーイング777について、
地対空ミサイルシステム「ブ-ク」によって撃墜された可能性があると主張している。

ドネツク人民共和国のボロダイ首相はすでに、
ドネツク人民共和国にはそのようなシステムはないと発表した。


なおこれより先、ボーイングが墜落したドネツク州へ、
ウクライナ軍によって、自走式地対空ミサイルシステム
「ブ-ク」の大隊が移されたことが明らかとなっている


地対空ミサイルシステム「ブ-ク」はソ連時代の1983年に軍へ導入された。
ウクライナ陸軍は2013年の時点で地対空ミサイルシステム「ブ-クM1」を60基保有していた。

ウクライナ軍は以前、民間機を撃墜している。

2001年、ウクライナ軍は演習中に、高度1100メートルを飛行していた
シベリア航空1812便のテルアビブ発ノヴォシビルスク行のツポレフ154Mを誤って撃墜した。
乗客66人乗員12人の全員が死亡した。

専門家たちは、ウクライナ軍の軍事機器の状態が悪いことを考慮し、
今回悲劇が繰り返され、マレーシア機が、ウクライナのミサイル
「誤射」によるさらなる犠牲となった可能性も排除できないとの見方を示している。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_18/274784332/
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以上のような前科に加えて、すでにドネツク人民共和国は、
発見されたブラックボックスを国際機関に渡し、解析してもらうと公言している。


真相は今後の調査次第で明らかになるが、
仮にウクライナ軍のものによるものだと判明した際には、
マスメディアの責任は重大だろう。


では、仮に本当に義勇兵の仕業だとしたら、
欧米や日本のメディアは責任を回避できるのか?

さにあらず。実は欧州側の機関であるOSCEでさえ、
ここ2ヶ月で250人の民間人がウクライナ軍に殺され、
850人が重傷を負っている事実を認めている。

http://rt.com/news/174128-lugansk-osce-death-toll/

これは、かなり少ない見積もりだと思われる。
内戦が終結して調査が行われれば、より多くの犠牲者が発見されるだろう。


とにもかくにも、ウクライナ南東部では
毎日のように銃撃と爆撃、民間人の殺害がされている。


これをメディアは一切報じない。
これでは隠しているも同然である。



仮に義勇兵のものだとして、義勇兵の誤射と
ウクライナ軍の明確な意図をもっての攻撃とは性質が全く異なる。

後者のほうが責められるべきなのに、一切無視され、
少しでもロシアに都合の良い情報はシャットダウンされ、
私たちの目や耳に届かないシステムになっている。


これではダメだ。

赤旗はいい加減、ウクライナ軍の蛮行を認め、
強く責める姿勢に変わらなければ、いくら9条や平和外交を訴えたところで、
その胡散臭さを払しょくできず、自らの手で支持者を減らしてしまうだろう。
(これは他の護憲団体にも総じて言えることであるが)


・追記
 なお、赤旗以上におかしなのが産経やNHK、朝日新聞だ。
 こいつらの悪質な報道はいずれ時間が空いたときに指摘したい。

池上彰は今こそウクライナ南東部へ発つべき

2014-07-20 00:19:08 | マスコミ批判
日本政府の覆面報道官の分際で、ジャーナリストを気取っている池上彰氏。

前記事と前々記事で述べたように、現在のウクライナ南東部では
日常的に市民が軍の爆撃に曝されており、経済活動はおろか、
まともに外も出歩けない状況にある。


このことを現地のアメリカ人ジャーナリストである
パトリック・ランカスター氏が映像に収めた。


まさにリアル・タイムの映像なので画像が粗いが見ごたえがある。

さて、確か池上氏はガザ地区を観光しに行った時に、
スタジオの女子アナから「なぜ危険な地域に行くのか」という問いに
「ジャーナリストなら、真実を伝える身分の人間なら
 危険な場所にあえて行かずしてどうする」と得意げに話していた気がする。


今こそ池上彰氏はスラビャンスクへと向かうべきだ。
そこでランカスター氏のように空爆の被害に実際に会って、
この内戦の凄惨さとウクライナ政府の非道ぶりを訴えるべきである。


正直なところ、いくら偉そうなことを話していても、
このウクライナ問題に対する姿勢を見ることで、正体は見えてしまう。

池上氏に限った話ではなく、日本の平和を語る人たちは、
誰しもがウクライナ南東部の味方にならなければならない。

そうでない限り、彼らはいつまでも覆面自民党左派であって、
保守派と本質的な面では大差ない弱い主張しかできない集団に堕するだろう。

マレーシア航空は、今回の事件に責任を持て 日本の平和団体はウクライナ政府を批判せよ

2014-07-20 00:17:46 | リビア・ウクライナ・南米・中東



ウクライナ南東部の砲撃の跡地。
現地の空爆は伝えず、マレーシア機の撃墜事件は執拗に報道する。

しかも、どちらが撃墜したのか不明であるにも関わらず、
ウクライナ政府の言い分をそのまま垂れ流すゴミメディア。


ロシアを攻撃できるチャンスがある時だけ悲劇に群がり、
ネオナチに協力する下衆どもに平和を語る資格はない。


この事件について、私と主張を同じくする意見書があったので紹介したい。


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このような恐るべき事件が一触即発のウクライナ東部で発生しないことを
確実にするために、飛行禁止区域を宣言する必要がある。

戦闘区域の上空を飛行するような民間航空会社は、
無責任きわまりないと
みなされるだろう。

実際に、過去4ヶ月間、ウクライナ軍と反政府勢力の間で
激しい戦闘が繰り広げられていたにもかかわらず、
国際航空会社がこの領域の上空を飛行していたことは驚くべきことだ。

結局のところ、ウクライナ東部での戦闘は、
内戦にほかならないということを世界が認識する必要がある。


http://jp.rbth.com/opinion/2014/07/18/49193.html
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例えて言うならば、ガザ地区の上を飛んでいたら攻撃されたという話で、
そんなの当たり前だろと思うのは不思議なことではないはずだ。

この間の事故もそうだが、マレーシアの安全意識はどうなっているのか?
メディアはロシアを下手人に仕立て上げるのに夢中だが、
問題の本質は、内戦が展開されているという認識がないことなのである。


非常に不可思議なことではあるが、ウクライナ問題にかけては、
北朝鮮側が明確にウクライナ軍の蛮行を非難し、
日本やアメリカがウクライナ軍を賛美し、協力している。


そして、日本の左翼も基本的には同じ見解である。
そういう連中が9条を守れと言っても理解されないのではないだろうか?

私自身も、護憲派ではあるものの、いわゆる平和団体に対しては
どこまで本気か知れたものではないと思っている。



日本のメディアはマレーシア機墜落事件を語る資格がない

2014-07-19 23:54:25 | リビア・ウクライナ・南米・中東
マレーシア航空が撃墜された途端にウクライナ報道を再開させたマスコミ。
この事件については、一見「中立的な」立場から報じられていると思う。


以下、赤旗の記事より抜粋。


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ウクライナ東部ドネツク州で17日、
マレーシア航空のボーイング777型旅客機が墜落し、
乗員・乗客298人全員が死亡したもようです。

墜落現場はウクライナの親ロシア派支配地域。
同機はミサイルで撃墜されたとみられており、
ウクライナ政府、親ロ派双方が相手を非難しています。

(中略)

ウクライナのポロシェンコ大統領は墜落について、
「ウクライナ軍は無関係だ」と述べ
「テロリスト(=親ロ派)の攻撃だ」と非難。

親ロ派は、高度1万メートルを飛ぶ航空機を
攻撃する武器は持っていないとして、
ウクライナ軍が撃墜したと主張しています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-19/2014071901_01_1.html
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だが、赤旗や朝日新聞をはじめとした左翼系のメディアは、
実は、同地域から48万人もの難民が
ロシアへと流れた
ことは、一切報じていない




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国際連合難民高等弁務官(UNHCR)駐露事務所は
8日、ロシアNOWの取材に対し、ウクライナ南東部の紛争から
ロシアに逃れたウクライナ国民の数を48万人とする
ロシア連邦移民局のデータを是認した。

http://jp.rbth.com/society/2014/07/09/48_49039.html



小柄で痩せていて乙女のように見えるナジェージダ・ペトロワさんは、
あのスラヴャンスクから11歳の息子イリヤくんを連れて文字通り逃げてきた。



ナジェージダさんは、ついこのあいだまで幸せいっぱいだった。
法律家として成功し、ローンで住宅を手に入れた。町外れだが、自分の城だ。
ローンを返済しながら生活するお金に困ることもなく、
息子は追加で外国語を学んでスポーツもやっていた。

ところが、今回の惨事により、この小さな家族の夢は水泡に帰し、
彼らは隣国に身を寄せることになった。


ナジェージダさんはこう嘆く。



ウクライナはまさに内戦状態です。
 
国家親衛隊は一般市民を敵に回しており、
 男たちは自分の家族を守るために自警団に加わっています。



 以前はこれから爆撃するという警告が
 サイレンや半鐘などで事前にありましたが、
 今ではいきなり砲撃するようになりました。



 幼稚園や学校や病院や住宅も戦火に見舞われ
 医薬品は高くなり在庫も無くなりつつあります。


 うちの地区で爆発が起きるようになると、私たちは両親の家へ移りましたが、
 夕食の最中に中庭で爆発があり、ガラスが砕け悲鳴があがりました。

 窓の外を見ると、一階の玄関先に隣人が血まみれで倒れていて
 すでに息を引き取っていました。ある女性は傷を負い、
 別の女性は片足を失って救急車で搬送中に亡くなりました」


その数日後、スラヴャンスクの町外れの彼女の自宅も爆破され、止めが刺された。


ペトロワ家の人々は、ロシアへ避難する女性と
子供を乗せるバスがあることを噂で知り、すぐに問合せ先へ電話をした。
バスは数分後に発ったので、パスポートと出生証明書だけをもって家を飛び出し、
何とかバスに間に合ったという。

http://jp.rbth.com/society/2014/06/09/48653.html

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ダメ押しで次のインタビュー記事の翻訳文も転載する。
長文だが、あなたがこの国のメディアや知識人や政治家が
いかに厚顔無恥かを知るためには、必ず読まなければならないはずだ。



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2014年7月7日


今朝早く私は、アメリカ人写真家パトリック・ランカスターと
クラマトルスクにいるイタリア人作家のクリスチャン・マラパルテに電話した。
過去五日間、彼等は、ウクライナ軍による烈しい爆撃と砲撃の中で暮らしてきた。

軍が意図的に民間人や民間人の住宅を標的にして、
紛れもない戦争犯罪をおかしている多数の証拠をパトリックは持っている。

Vera: あなたとクリスチャンはどうやってそこにたどり着いたのですか?



パトリック: ええ、今はちょっと混乱していまして。
30程前に、ホテルで働いているホテル・スタッフに起こされ、
公式には、ホテルは閉鎖しているが、好きなだけ滞在してかまわないと言われました。
市内では、今日遅くウクライナ軍が市内に進軍し、
重機を持ち込みそうな気配があるとも言われました。

V: あなたがたは留まるつもりですが、離れるつもりですか?

P: しばらく留まろうと思っています。爆撃は5日程前に始まりました。
我々はほぼ一週間ここにいることになります。5日前の夕方爆撃は始まりました。

過去五日間、毎日毎晩、
ほとんどの時間、町は砲撃されています。


昨晩午後11時から午前3時まで、実際大変な量の砲撃がありましたが
数日前とは音が全く違っていました。私は実際、砲弾、爆弾の専門家ではありませんが
弾薬の種類が違う可能性があるように聞こえます。ずっと大きな音がしますから。


V: おやまあ!

P: でも、留まるつもりです。現地の警備会社に防弾チョッキを
用意してくれるよう依頼しようとしています。チョッキが用意できたら、外出して
損傷を見に行き、何が起きているのか実際に見に行けるかもしれません。

V: 自衛軍も町にいるのでしょうか?

P: はい、はい、確かにいます。彼等は市内にいて、今朝は非常に活動的でした。
彼等がホテルの前を行き来しているのが見えます。基本的に、我々は市の中心部、
××ホテルにいます(安全の為、ホテル名を削除した)

中心部近くには、少なくとも二つの民兵宿舎があります。彼等の司令部のようです。
市内には他にもいくつかあるようですが、大きなものは二つだと思います。


過去五日間、爆撃と砲撃があったのに、
攻撃された民兵宿舎を一つも目にしていないのは奇妙です。

ウクライナ迫撃砲で攻撃されたビルは、
全て民間ビルです。


学校、孤児院も含め、少なくとも40以上の民間ビルが爆撃されているのを見ました。

一昨日、爆撃された孤児院に行きました。非常に多くの大型アパートが攻撃されています。
アパートの一部では(ウクライナ軍が狙い損なったか何かした可能性はありません)
同じビルを爆撃する際に、非常に烈しく攻撃します。数日前の夜、
10発の迫撃砲でアパートが攻撃されたというある女性と話しました。



V: 彼等は意図的に民間ビルを標的にしていると思いますか?

P: ええ

もし連中が民間のビルを狙っているのでなければ、
軍隊なり大隊なりとして、とんでもなく無能だということになります。

もし実際に民間人を狙っていないのであれば(連中は民間人だけを狙っているのです!)
子供が迫撃砲で遊んでいるのです。子供だって、これより上手く狙えるでしょう。
軍のビルなど全く攻撃しておらず、民間ビルだけ攻撃しているのですから。



V: 死傷者は多いのですか、パトリックさん?

P: 死傷者がいることは知っていますが、死傷者の正確な数は把握できてはいません。
それに関する情報を得るのは困難です。しかし死傷者はいます。
我々が見に行ったアパートでは、血の跡がありました。
今週初めには、市バスが攻撃され、5人亡くなったと思います。
確かに、他にも死者はいるでしょうが、総計は知りません。


昨晩の砲撃がこれまでで一番烈しい砲撃で、
今日は恐らくもっと多くの死傷者がいると思います。

今… 街路 - ホテルの窓の外を見ているのですが - 街路は人でいっぱいです。
今、外には、4人民兵がいます、ドネツク人民共和国兵士が。

V: 彼等は何をしているのですか?

P: 行ったり来たりしています。今日起こりそうなことに備えているのだと思います。

V: 町には、今でも多数の民間人がいるのですか?

P: はい、多数の民間人がいます。



V: ほぼ一週間続いているこの砲撃の中、
  一体どのようにして、彼等やあなた方は、切り抜けているのでしょう?


P: 砲撃が始まると(市内で一つか、複数かのサイレンが鳴り)、
人々は爆撃が終わるまで地下室に入り、そこに留まっているのです。


V: それは大変ですね。食料と水はどうでしょう?
糧食については、町ではどうしているのでしょうか?

P: 市場には食料も水もありませんが、大きな問題は
日中大半は砲撃が行われていて、全てが閉店することだと思います。


夕方、市場にゆくのはとても大変です。
でも、ここの人々にとって主な問題はお金です。
多くの会社は閉まっていて、皆収入がありません。
それで皆食料品を買うことができないのです。たとえマーケットに食料品があっても。

V: 人々を救援している人道主義団体は何かあるのでしょうか?

P: この状況で唯一見たものは、中心部の大きな公園で、
何かの人道主義的支援が行われていました。彼等は、赤ん坊がいる証明になる、
誕生証明書を持った母親達に、粉ミルクをあげていました。
我々がここで見た支援は、それだけです。

それから、更に…少なくとも市の半分は停電していると思います、
我々がいるホテルは *********(安全の為、削除)にあり、
我々が最初やってきた時には、夜は町中で灯が見えたのですが、
今は半分は完全に真っ暗ですから。

V: もし、逃げようと思えば、自由に逃げられるのですか?

P: 昨日の時点では、バスはまだ走っていましたし、
今朝も走っていたと思いますが、100%確実ではありません。

しかし、民間人住宅爆撃に加え、
連中は街のインフラも標的にしています

一部の揚水施設を爆撃したと思うので、場合によっては水道も機能しません。
昨日の午後、爆撃されたガソリンスタンドを見に行きました
… 実際は、前の日に二度爆撃されました - 午後に一度、夕方に一度。

大部分の砲撃は民間住宅に命中している。


V: 一体なぜ民間人を標的にしていると思われますか? 戦争犯罪ではありませんか?

P: はい、実に不可解です。私は過去四ヶ月、ウクライナにいました。
クリミアが最初で、ドネツクに移動し、ドネツクにいた間中、
こうしたことが起きていると聞かされていました。

ウクライナ軍が民間人を標的にし、民間人住宅を何度も何度も攻撃していると。
本当に信じていませんでした。東のプロパガンダにすぎないと思っていましたが、
現地に来てみると…実際こうした都心の巨大なアパートが、繰り返して爆撃されているのです

本当に意味がわかりません…

連中は、現地住民に、ドネツク人民共和国軍を支持させないようにしているのかも知れません。
さもないと大混乱になるぞと… 私には本当に理解できません。全く意味がわかりません。

V: スラビャンスクで、民間人や民間住宅が爆撃されているのは偶然だとは思えません。
人々の雰囲気はどうでしょう? 彼等は、ドネツク人民共和国支持派なのですか、
それとも、キエフ支持派ですか?


P: ドネツク人民共和国の人々でなく、一般の民間人に関する限り、皆が懸念しています。
爆撃開始以来、そういう感情は消えました。


ポロシェンコは一体何をやっているのだ?


 一体なぜ彼は我々を殺しているのだ?



なぜ自国の大統領が国民を殺しているのだ?



民兵兵士に関する限り、彼等と話した限りでは…
今週、こちらに来て、彼等の何人かと話しましたが…
私がアメリカ合州国からやってきたと言うと
彼等が、いの一番に私に説明したがるのは、
自分達はテロリストではないこと、自分達は現地住民で、
彼等がファシストと呼んでいる政府から自宅を守りたい一心であること、
キエフにある国民を殺害したいだけの連中は本当の政府ではないことなのです。

そして、彼等は降伏するつもりはないと思います。
彼等全員にとって、もし降伏すれば、一家は死ぬのです。
彼等はそんなことを考えているように思います。

V: ロシア兵士は目撃しましたか?

P: 違いを理解するのは実際不可能でしょう。私はロシア軍兵士は目にしていません。
憶測することはできませんが、プーチンが、クリミアでの彼の行動を正当化した言葉、
攻撃からロシア国民を護るのだといったのは覚えておいででしょう。

ですから、こういうことが起きているのですから、
彼は軍隊を送り込むだろうと考えても当然でしょう。

クリミアのロシア国民を保護したいと彼は言ったのです。
ここでは、はるかに多くのロシア国民が窮地にあるのです。

ここの人々はこんなことを考えています。

“彼は一体何を待っているのだ?
 一体なぜロシア政府は我々を助けてくれないのだ?”


V: つまり、人々は
プーチンの援助を待っているということですか?


P: そう、そうです。

実際に人々は、いささかいらだちはじめています。
人々はクリミアの状況から、こういう考えを思いついたのですから。
しかし人々はここで住民投票をして、(ロシア編入)を要求したのです
… ウラジーミル・プーチンに捨てられたと感じている人々もいますし、
中には、現時点で彼は偽善者だと考えている人々もいます。


V: お気の毒に。そうした人々のことが本当に心配です。
何かほかにおっしりゃたいことはありますか、
我々が知るべき重要なことだと思われるような?

P: 申しあげたいのは、民間人がここで亡くなりつつあるので、
それを止める為に何かがおきる必要があるということだけです。

V: あなたはご自分の命が心配ではありせんか? 私はお二人がとても心配です。

P: この時点では、そう思いません。何度かありましたが。
何日か… 爆撃が始まった初日、我々は町にいました… わかりませんが、
ビデオをご覧になりましたか? 歩いていて、爆弾が落ちてきた時には、
本当に走るしかありませんでした。我々の周囲至る所に落ちてくるのです。

爆発は実に強烈だったので、ホテルに帰り着いた時には、耳が鳴っていました。
あの時、我々から3-4メートル離れたところに落ちた迫撃砲が何発もあったと思います。
でもこれは毎日、毎晩のことなので、当たり前(笑い)のようなものになってきていて、
どう対応すれば良いかもわかりはじめています。

V: 爆撃の間、一体どうすれば良いのか誰か教えてくれたのですか?

P: 誰も。自分で考え出すのです。損傷したビルを見て
“そこに砲弾が当たって、こういう風に爆発するのだから、
爆撃時には、窓からこれだけ離れていれば、多分安全だろうという風に考えるわけです。


V: あなた方が、欧米いたるところで
これをニュースにしておられないのはショッキングです。

一体なぜマスコミは、こうした情報を
ほぼ完璧に報道管制しているとお思いですか?


P: うーん。私は…(ためらい)ロシアが残虐行為をしているのではないからだと、
ウクライナ政府がやっているせいだと思います。


もしロシアがこれをやっていたら、話は全く違っていたでしょう。

V: あなたが撮影された画像を、どこかの放送局に送りましたか?

P: クリスチャンはブログを書いています。
cbmalaparte.wordpress.com で。
私はパトリック・ランカスターという名前の自分のyoutubeニュースを持っています。
RTとは連絡をとりあっていますし、
他の局にも我々の映像を載せようとしていますが難しくて。
何時間分ものビデオがあり、もしどこかの会社が私に連絡をしてくれれば
必ず可能です。

V: あなたと連絡する一番良い方法はなんでしょう?

P: フェースブックと、ツィッターです。
私のフェースブックは、Patrick John Lancasterです。
ツィッターはPLnewstoday。クリスチャンのTwitter名は@CBMalaparteです。



最新ニュース
クラマトルスクの都市の中心部は迫撃砲で攻撃されている。
爆発は現地時間22:25に始まった。

私はブロガーで、作家のクリスチャン・B・マラパルテと、
他の10人の人々と一緒だ、中心部のクラマトルスク・ホテルの地下で。

迫撃砲が、ホテルから50-200メートル以内に落下しているように思える。
確信はありませんが、ホテルも爆撃された可能性がある。

これまでのところ、二波の迫撃砲攻撃があり、攻撃の間には休みがあり、
各波がどれだけの時間続いたか、さだかではないが、永遠のように感じられた。

第一波が済んだと思い、何か記録しようとして、外出した。
我々は外に出て、数ブロック歩くと、大混乱となり、
迫撃砲が頭上でヒューと音を立て、爆発し、ホテルの地下へと駆け戻る最中、
榴散弾片が飛び散り、金属の大きな破片が我々の周辺至る所の地面に当たった。

第三波は、他のものより短く、5回の爆発のみで 非常に近かった。

我々の周囲で、約35-45回の爆発ということになろう。
多くの無辜の民間人の命を失ったのは残念だ。
今晩は眠らず、明るくなり次第、損傷を確認に出て、霊安室にゆくつもりだ。
今晩の迫撃砲攻撃が終わったことを願いたい。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-8903.html
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実際に爆撃された瞬間の映像がこちら。


連日の民間施設への空爆。電気も水道も使えなくなり、
食料を買うのにも命がけ。そもそも買うお金がない。

そして48万の民がロシアへと・・・


ウクライナ軍が同地の経済と安全と生命を脅かしているのに
なぜ、このことをNHKや朝日新聞、赤旗は取り上げないのか?


そして、案の定、ロシアの仕業「かも」しれないと
わかるや否や、それまで一切無視していたくせに、
いきなりウクライナ問題を取り上げるのか?



大体、住民投票で独立が承認されると「不正の疑いがある」と否定し、
現職の大統領が亡命し、代わりにネオナチが要職についているのに民衆革命と称え、
ウクライナ軍が現地の警察を攻撃すると「新ロシア派の暴動を鎮圧」と解説する。


これでは、ネオナチの支持者同然ではないか



マレーシア機の撃墜については、真相がはっきりしないが、
ただ一つ言えるのは、自警団の仕業としてウクライナ政府が
提出したテープに収録されていた兵士が、当日、現地から
25キロメートル先の場所にいたということである。

http://rt.com/news/173964-ukraine-malaysia-intercepted-calls/


仮に人民共和国軍の誤爆だったとしても、
295人と48万では、被害の規模が違いすぎる。
(しかも殺害数や現地に居残った人間を含めると被害者はさらに増える)

間違いなくウクライナ軍は
現在、ジェノサイド(大量殺りく)を行っている



より力を入れて伝えるべきことがあるのではないか?



当然、日本政府は、このことを完全に無視し、ウクライナを支持している。
「話し合いによる解決」を提示しているが、
 殺しているのは政府で、現地の人間は殺されているのである。

 こういう姿勢からも安倍が気取る積極的平和主義が
 いかに人殺しの倫理として働いているのかは明白だ。

 自衛軍やロシアを悪者にできるぞ!という時にだけ
 現地の内戦を取り上げてジャーナリズムを気取る日本のメディアは、
 もはや現地のウクライナ軍と同様の人殺しの集団である。

彼らは人を殺し、我らはそれを隠すのである。



最近のアクセス数について

2014-07-17 01:40:20 | マスコミ批判
ここ2~3日でアクセス数が普段の倍になっていて、少々驚いている。
ランキングが3桁に入ったのは初めてだった。

なぜ、メディアが長年、一つのテーマを追求するのではなくて、
流行の話題に飛びつき、飽きたら報道すらしないのか?
(ウクライナや、あたご事件をみるたびにそう思う)

なぜ、全体のシステムの批判よりも個人の批判に熱中するのか?
(小選挙区制度等の批判ではなく、田舎議員の泣きまね会見を大きく取り上げる)


その理由がなんとなくわかった気がする。

ジャーナリストといえば聞こえは良いが、売れなければ即座に無職になる。
コンスタントに原稿料や講演料が欲しければ、編集者やメディア、
業界の大物ともコネを作りたがるし、周囲が好んで読む情報なら
どんなにいい加減であっても、拡散したほうが良い。


ましてや、出版社やテレビ局は商売でやっているのだから、
部数や視聴率で優秀な成績を収められるかどうかで本の価値が決まる。


ブログやまとめサイトもアフィリエイトという副業をするのならば、
やはりそこには皆がグッズを買ってくれそうな情報を載せるだろう。


というわけで、人間、味をしめると卑劣な真似を平気でするように
なるものなので、いつものペースを崩さずにいこうと思う。

実際、ちょうど今日あたりから末まではかなり忙しくて、
まとめてドッシリした記事は書けないと思う(記事紹介ぐらいならできるが)。