時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

拉致問題の進展について

2014-10-31 17:00:26 | 北朝鮮
北朝鮮・中国を敵国とみなしてアメリカとタッグ戦争をする準備をする傍らで、
今年は日朝間で久々の対話があり、多少は拉致問題に進展があるかと思われた。


結果は、大して進まなかったわけであり、
これをネタにまた北朝鮮バッシングと現政権への批判が合唱されるのだろう。


日本のメディアは、調査の進捗が遅いことを責める内容が多い……というより、
おそらくその論調のみ採用され、その他の意見は黙殺されるだろうが、
私は、それとは別に今回の結果から北朝鮮が前々から主張してきた言葉は
案外本当だったのではないだろうかと疑い始めている。


北朝鮮は「拉致被害者は総数17名であり、うち8人は死亡、4人は入境せず
と一貫して主張してきた。これに対して救う会や日本政府、は、
「北朝鮮はうそをついている」「被害者は今も生きている」と否定し続けてきた。


しかし、冷静に考えれば、
北朝鮮が嘘をついている証拠もなければ
被害者が今も生きている根拠もないのである。



これまでの日朝外交をみると、
日本政府は異常なまでの敵視政策を同国に対して行ってきたようなきがする。


相手が何を主張しようと、虚偽と断定し、
本当にいるのかどうかがわからない人間を「返せ」と連呼し、
一方的に経済制裁を行い、人的物的交流を断ち、
挙句の果てが今年の夏にあった集団的自衛権の容認である。


こういう記事もある。

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国連総会第3委員会(人権)の会合で29日、北朝鮮の代表が、
日本は過去に虐殺や強制連行、慰安婦の強要など「人道に対する罪」を行い、
それらの問題が解決されていないと主張し、日本側が反論する一幕があった。

日本の国連代表部が発表した。
北朝鮮はチェ・ミョンナム外務省副局長が発言した。
これに対し日本の久島直人公使が答弁権を行使し、
日本はこれまで痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきたなどと反論した。

副局長はさらに、日本が朝鮮半島で100万人余りを虐殺し、
20万人に慰安婦となることを強要したなどと切り返し、
直ちに解決に必要な措置を取るべきだと訴えた。

久島公使はそうした数字に根拠はないと再び反論。北朝鮮側も再度、発言した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141030-00000052-jij-n_ame
(時事通信社の記事から)

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前の記事にも書いたが、閣僚19人の中、15人が
歴史隠ぺい・天皇狂信・性&人種差別上等をモットーとする
日本会議という日本版ネオナチのメンバーであるわけで、

本当に反省しているのなら、しかるべき教育や法律を制定し、
こんなネオナチ共が議員になれないようなシステムになっているはずだ。

だいたい本当に反省しているのなら、
人数がどうのこうのと文句をつけるだろうか?

想像してほしい。

ホロコーストはなかったと言い張っている人間がドイツの首相となり、
ポーランドからホロコーストの補償が不十分だと指摘されたとする。

そのさい、こういう問答があったとしよう。

「ユダヤ人600万の犠牲に対して~」
「600万は多すぎる!根拠など無い!!!」



・・・さて、諸君は
これで本当にホロコーストに対して
他国に対してお詫びの気持ちを見せていると
本気で思うだろうか?むしろその逆ではないか?



こういう何でもかんでも朝鮮人の言葉など信じぬぞー!という
態度を徹頭徹尾貫いてきたわけであって……向こうにしてみれば
もう全員返したって何度も言っているのに、信じないもんだから
「しゃーねーなー」ともう一度、調査をしているような気がしてならない。



私としては、被害者を返せではなく、
どういうシステム下で拉致が行われたか
のほうが正確に報告すべきだと思う。


祖父のキム・イルソンが関与しているのかいないのか、
ごく少数の人間によって行われた秘密作戦だったのか、
それとも軍全体が関与している大規模な作戦だったのか、
さらってきた人間はどこに収容したのか、その施設の管理は誰が行ったのか、
こういう実態について、現政権の幹部はどの程度関与しているのか。


日本の慰安婦問題も、かなり念入りな調査と研究によって事実判定を行った上で
補償を要求している。他方、拉致問題はどういう事件だったのかについての説明もなく、
北朝鮮の専門家の推測に頼るしかない。しかも、その専門家の発言が当てにならない。


真剣に補償を要求するなら、まず事実判定から始めるべきだろうし、
そういうプロセスを通じて、被害者の行方もわかってくるはずだ。

安倍も所属する「日本会議」の大物、調子に乗りすぎてアグネスに訴えられ、平謝りする(笑)

2014-10-30 22:34:08 | マスコミ批判
ポルノ規制などで誇り高き日本人から猛攻撃を受けているアグネス・チャン女史。
(エロ規制で発狂する連中が日本の誇りだのをほざくあたりでもうね……)

彼女に対して、調子に乗って誹謗中傷を重ねた阿呆が、
逆に訴えられて、ビビって平謝りしたそうな……なんたるチキン。臆病者か。


で、こいつは実は安部晋三も所属する有名な極右団体「日本会議」の支部長だったらしい。


日本会議とはどういう団体かをざっと説明しよう。

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安倍晋三首相を含む19人の閣僚のうち15人が、
改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)
に加盟している
第2次安倍改造内閣(本紙6日付)。


その日本会議と同議連が展開する主張や活動はどのようなものなのでしょうか―。


「諸悪の根源は、東京裁判史観」。

日本会議議連の平沼赳夫会長(次世代の党党首)が
日本会議設立10周年のさいに寄せたあいさつ文の言葉です。

戦後、日本がサンフランシスコ条約で受諾し、
国際社会復帰の基礎となった極東国際軍事裁判(東京裁判)が下した
日本の侵略戦争に対する断罪を否定しようというのが、日本会議の根本思想です。


日本会議は、過去の日本の侵略戦争を
「アジア解放」の「正義の戦争」と美化してきた靖国神社への「二十万人参拝運動」を展開。
天皇参拝実現に向け、歴代首相に参拝を強く要求してきました。


日本会議は、日本国憲法、とりわけ不戦と戦力不保持を定めた
憲法9条への攻撃を続け、「国防体制」充実のための改憲を主張

日本会議議連や「靖国」派の地方議員でつくる「日本会議地方議員連盟」が
地方議会で「憲法改正の早期実現を求める意見書」を採択させる先頭に立っています。

3日の内閣改造を受け、「この日が憲法改正運動のスタートとなる」
(日本会議大阪のフェイスブック)と改憲に期待を寄せています。


日本会議は改憲に向けた世論構築のために「愛国心」教育強化などを求めてきました。


女性活躍相に就任した有村治子氏は、昨年の参院選で日本会議推薦候補として当選。

推薦を受け有村氏は「戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。
そこから始めていかなければいけない」(日本会議の月刊誌『日本の息吹』13年6月号)
などと天皇中心の「日本の国柄」を教育に持ち込む狙いを語っています。


日本会議は、南京大虐殺や旧日本軍「慰安婦」問題での教科書の記述などを指して
「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」
(「日本会議がめざすもの」=同会議ウェブサイト)などと攻撃しています。


通常国会で「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認め公式に謝罪した
「河野談話」(1993年)の検証や見直しを政府に求めたのは
山田宏議員(当時=日本維新の会所属、現・次世代の党幹事長)ら、
日本会議議連所属の国会議員です。


今回入閣した山谷えり子国家公安委員長は12年5月、
「慰安婦」記念碑を設置した米東部ニュージャージー州パリセーズパーク市を訪問し、
同市市長らに記念碑撤去を求める行動に及んでいます。


男女の社会的差別をなくす「ジェンダーフリー」の運動や教育が世界で広がっていますが、
これを否定しているのも日本会議です。


日本会議議連所属議員らも「性差別」の廃止をうたう政府や各県の
「男女共同参画」の動きまで「男らしさや女らしさを否定する」ものと批判。

10年3月に「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」
と題して開いた集会には、今回初入閣した高市早苗総務相や山谷、有村両氏のほか、
自民党政調会長に就任した稲田朋美氏が参加しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-07/2014090701_03_1.html

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歴史改竄、差別正当化、天皇教崇拝という清々しいまでのネオナチ団体。

高市・山谷・稲田などは、
実際にネオナチや在特会などの差別集団と仲よくしている
少なくとも連中に支持されている)。


こういう団体から閣僚が選ばれているのが今の日本なのである。
この事実自体、戦後日本の民主運動の大敗北を示すものであろう。

さて、こういうネオナチが北朝鮮問題の専門家として
テレビに多く出演していたわけだが、こういうことがあったらしい。


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アグネスさんは2014年10月23日、自らのブログに男性の謝罪文を男性の実名入りで掲載した。
男性の謝罪文は9月23日付。アグネスさんのブログに掲載された謝罪文と同じ文章が、
男性のブログにも10月3日に掲載されている。


謝罪文によると、男性は他人のブログ、メルマガ、フェイスブックの書き込みを転載し、
それに自らの意見を述べる形式でブログを書いていた。


問題の書き込みはすでに削除されているが、
「アグネスさんと日本ユニセフ協会が募金をピンハネしている」といった
事実無根の情報を転載した上で、アグネスさんらを批判したようだ。


問題とされたブログ記事は「楽天ブログ」と
産経新聞の「イザ!」ブログに12年11月頃に掲載された。


男性は「拉致被害者を救う会」と「日本会議」の山口長門支部長を務めている。

14年8月3日にフジテレビで放送された「新報道2001」にも登場し、
山口県で行われた特定失踪者問題調査会による現地調査についてコメントもしている。

保守的な論調には自信を持っているかにも見えたが、謝罪文では、

「(転載元のブログの)驚愕の内容の為に配信をしたのですが、
  如何に他人様の記事を転載したにしても、 著しく名誉を傷つけた事実には
  弁解の余地がございません。真に申し訳なく深くお詫び申し上げます」と平謝りだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141024-00000007-jct-soci&p=1

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まとめサイトの形式かは不明だが、要するに保守速報や
はちま寄稿の真似をしたら、キレられたので謝ったということらしい。


こういうのが日本を取り戻すとか
拉致被害者を救うとかホザいているわけだ。


いかに連中が胡散臭いのかよーーっくわかる事件だった。

レールモントフについて

2014-10-30 22:00:38 | 文学
ネルーダやプーシキンに匹敵するぐらい好きな外国詩人。

簡単にいえば、皇帝に逆らったために投獄されたり戦地へ送られたりした挙句、
最終的には決闘で死んでしまった享年26歳の青年詩人。それがレールモントフだ。

詳しい伝記は以下のサイトで閲覧可能である。

http://japanese.ruvr.ru/2014_10_15/278697001/
http://jp.rbth.com/arts/2014/10/20/50727.html
http://jp.rbth.com/arts/2014/03/25/47673.html


日本で言うならば、天皇制を批判して殺されたような人物で、
それだけでも、この人物がかなり日本の詩人とはタイプが違うことがわかるだろう。

当然ながら、彼が亡くなった時も、自業自得と得心する人間が多かったらしい。


彼の作品が一部しか翻訳されていないのは、かなり残念なことで、
これは中原中也や小林秀雄を抜きにして近代日本詩が語られているようなものだ。


それでいいのかと思うのだが……まぁ、変に取り上げられるよりはましか。

その数少ない訳詩、「雲」(一条正実訳)を紹介しよう。


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空ゆく雲

永遠のさすらいびとよ

るり色のステップを真珠の鎖さながら

わたし同様 追われる身のお前たちは駈ける

いとしい北から 南をさして

お前たちを追うのは身の運命(さだめ)か?

ひそかなねたみか?明らさまな悪意か?

それともおかした罪がお前たちを苦しめるのか?

それとも友の毒ふくむ中傷にはかられたのか?

いやいや、実りなき畑にお前たちは飽いたのだ

お前たちは情熱にも悩みにも縁がない

永遠にひややかで永遠に自由なお前たちに祖国はない

追放はない

ロシア詩を伝える難しさ

2014-10-29 00:36:34 | 文学
日本のロシア詩市場をみると、不思議なことに
反ソ連の詩人の作品はやたらと発掘・翻訳されているのに対して、
レールモントフやプーシキンのような君主制に逆らった結果、
皇帝や貴族から迫害された詩人の作品は滅多にない



両名は岩波文庫から一部(全部ではない)の作品が発刊されているから
まだマシな部類だが、ネクラーソフ(農奴制に反対した詩人)や
ラジーシチェフ(同じく農奴制に反対し、皇帝に迫害された詩人)などは
ロシア詩において重要な人物であるにも関わらず、全集もろくにない。



要するに、君主制の批判者(特にプーシキン)は国民的詩人であっても
ろくに翻訳されず、逆にソ連の体制を批判できる詩人はどんなにマイナーでも出版される。


ロシアに限らず、中国や東欧などの旧共産国の翻訳については、万事がこの有様だ。

すべての研究者や翻訳家がそうだとは言わないが、反共に利用できそうな作品を
取り上げる一方で、君主制を否定する(=天皇制の批判につながる内容)作品は冷遇されている。


こういう無意識の阻害がロシア文学にはあるような気がしてならない。


特にソ連の詩人の場合、何でもかんでもスターリンに批判的な人物にされる。
マヤコフスキーなどはその典型で、筆者の知る限り、彼ほど体制に協力した
人物もいないとは思うのだが、小笠原豊樹氏をはじめとした翻訳家、研究者は
彼を抵抗の人物であるかのように演出する。

で、そういう本が右派の読売系列の人間たちによって受賞したりする。
右翼に喜ばれる文学論がどういう政治性を含んでいるのかは言うまでもない。


そういうわけなので、ロシア詩の魅力を伝えるのはかなり難しい。

今年はレールモントフ生誕200周年だが、
この典型的な反封建・反君主制の詩人の作品の新訳が売られる気配は全くない。

これはかなりショックなことだ。とはいえ、愚痴を言っても仕方ないので、
先輩にあたる詩人プーシキンの死を通じて皇帝や貴族を辛辣に批判した
彼の代表作、「詩人の死」を抄訳して筆を置こう。


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詩人は逝った 
栄誉ある囚人は 胸を射たれた 
復讐に燃え高ぶったその頭をうなだれて
名声をそしられながら倒れていった


あまたの侮りと辱しめに
詩人の心は耐え得なかったのだ

彼はかつてのように たった一人で
世間の考えに立ち向かい殺された

殺されたのだ 

大げさな涙や
空々しく讃美する楽隊
そして 悲しげではあるが しどろもどろの弁解が今更何になるだろう? 


運命の審判は下された

彼の自由で勇猛な人格を
あんなにも長い間 虐げていたのは

そっと潜んでいた火の種を いたずらに吹いてみせたのは あなた方ではないか

そうではないのか? 喜びたまえ 

彼は苦悩を そう 最後の苦悩を耐え得なかった

脅威の天才は かまどの火のように消えた
可憐な花の輪はしなびた


~略~

なぜ彼は あたたかな優しさと純朴な友情を離れて
自由な心臓と炎のような熱情にとっては
嫉ましくも息苦しいこの世界に来たのか

なぜ彼は とるにたらない批判者たちに手を差し伸べたのか

なぜ彼は 偽りの言葉と追従を信じたのか

幼い時から 彼は人々の心をよく見抜けたのに


人々はかつての花の冠を取り去り イバラの月桂冠を彼にかぶせた

秘められたイバラは痛々しくも 栄誉ある額を傷つけてしまった

あざけりが好きな連中の猛々しいささやきに
詩人の最期の瞬間は毒された


彼はむなしくも復讐に燃え 期待を欺かれ 
密かな怒りを胸に懐いて死んだ

妙えなる歌のひびきは消えてしまった もう二度と伝わりはしない

詩人の隠れ家はもの憂げで狭く 彼のくちびるは封じられている

さて 卑しい行いで名誉を授かった親たちの末裔よ

楽しみのために もてあそばれた奴隷が
踵で踏みつけた片割れどもよ

皇帝のまわりに群がる 強欲な人々よ

自由を 天才を 栄光を首斬る執行人たちよ

あなた方は 法にまもられ 姿を隠している

あなた方の前では 裁判も真理もみな黙ってしまう

だが 淫蕩に溺れる者よ 

神の裁きは あるのだ

厳しい裁きが待っているのだ


それは黄金のひびきを寄せつけたりはしない

それは思想や行為よりも先のことを知っている

故に あなた方がいかに丸めこもうとしても無駄なことだ

それはもう二度とあなた方の思うようにはゆかない

そして あなた方は詩人の純潔な血を
そのすべての黒い血をもって洗い清めることはできない

(稲田定雄氏の訳を参考にした。なお、誤訳もあると思う)
(追記・赤色部分は訂正したもの)
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外国人参政権とチベットの自治権

2014-10-28 23:47:40 | 北朝鮮
外国人参政権への反対論として、よく「韓国人に乗っ取られる」というのがある。


よくよく考えれば、おかしな意見だ。

仮に在日コリアンに参政権を付与したとして、
韓国から大勢の人間が一つの自治体に一気に押し寄せることなどあるだろうか?


仮に在韓日本人に参政権が与えられたとして、
私たちは小島や陸の孤島に移住するだろうか?いや、しない。

自分が住んだこともない他国の小さな町や島を乗っ取るためだけに、
わざわざ故郷を捨て、今ある職場も辞めて、移住するだろうか?


仮にそういう事態が発生し、韓国人の村長や町長が誕生したとしても、
当然、町長(町役場)の上には市長(市役所)、市長の上には知事(県庁)が存在し、
これら自治体の言い分を無視して好き勝手に行動できるわけではないのに
人口が数十~数百人の田舎で選挙に参加するために移り住むだろうか?


どう考えたってデメリットのほうが多い。


さて、日本が妄想を爆発させて差別政策をとる一方で、
中国ではチベットをはじめとした各民族・各自治体の住民に参政権を与えている。


その結果、漢民族は誰かに服従しただろうか?

中国はチベットやモンゴル族に支配されているだろうか?そうではないはずだ。


実際には、参政権を認めることで民衆の不満を減らしている部分もあるが、
少なくとも、他民族への寛容政策という点では日本は中国に数歩遅れている。


中国=弾圧という構図で描かれがちだが、実際に具体的な数値や事例を
確認していくと、むしろ弾圧しているのは日本のほうではないのかと思えてしまう。


また嘘をついた池上彰 ~中国に選挙制度はないのか?~

2014-10-27 22:01:08 | マスコミ批判
池上彰氏がまた嘘をついた。

今度は「中国人は選挙をしたことがない」んだそうだ。


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日本でも指折りのジャーナリストである池上氏が、
「ニッポンの底力」に迫る特番の第2弾が発表された。

4月に放送した第1弾は視聴率10%近くを記録した注目番組だ。


~中略~

最近、海外では日本独自の文化として、
アイドルなどの「Kawaii(かわいい)文化」が注目を集めている。

本紙が池上氏に「気になるアイドルや知っているアイドルはいるか」と質問すると
「ええ、それは…。たくさんいますけど、名前を挙げるといろいろ問題が…」
と一瞬焦りの色を見せた。


だが、さすがの池上氏だ。

すぐに気を取り直し
「AKB48の上海版、SNH48ですか。

最近、総選挙をやったそうですが、あの国(中国)では
自分たちで選挙して何かを決めたことがない。



初めて選挙で決めた。


もしかしたら、こういうところから
民主化が起きるのかもしれません
」とユニークな指摘。

さらには「いい提案があった。第3弾はカルチャーでやりましょう!」とも宣言
池上氏とアイドルの共演もある?

http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/326913/

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池上氏が中国について無知であることを自白したような記事である。

実際には、中国にも選挙制度はある。


北京週報の記事を紹介しよう。

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全国人民代表大会と地方の各クラス人民代表大会は
いずれも民主的選挙によって選出され、人民に対し責任を負い、人民の監督を受ける


中国憲法の規定によると、満18歳になった公民は、
民族、種族、性別、職業、出身家庭、宗教信仰、教育程度、財産状況、居住期限を問わず、
法によって政治的権利を剥奪された人を除き、みな選挙権と被選挙権がある。

中国の県、郷2クラスの人民代表大会の代表は有権者によって直接選出され、
長年来、選挙権と被選挙権を享有する人数は満18歳以上の公民数の99%以上を占め、
選挙参加率は90%前後である。

中国の実情に基づいて、
現在県以上の各クラス人民代表大会代表は間接選挙によって選出されている、
つまり一級下の人民代表大会が一級上の人民代表大会代表を選出するわけである。

直接選挙と間接選挙を問わず、法によって差額選挙を実行する。

有権者と選挙部門は法的手続きに従って
その選出した代表を罷免するか更迭する権限がある。


現在、全国の各クラス人民代表大会代表は280余万人おり
、彼らは各民族、各業種、各階層、各党派から来た人たちで、広い代表性を持っている。

各クラス人民代表大会代表の中に労働者、農民の代表がかなりいる。

第10期全国人民代表大会代表の中に、労働者、農民の代表が総数の18.4%を占めている。

国家の権力が真に全人民の手に握られるのを保証するため、
代表は職責を履行する時、必ず人民の利益と意思を反映、代表しなければならない。

代表は法によって議案を提出し、各項の議案と報告を審議し、
各項の議案に対し表決することができ、人民代表大会の各種の会議での
発言と表決は法によって保護されている。

http://japanese.beijingreview.com.cn/wxzl/txt/2007-02/06/content_56352_3.htm

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このように、普通選挙と参政権、任免権を有しているのだ。

投票率が90%以上というのは、強制的に参加させられていることを
示唆しているように思われるが、今日の日本のそれと比べると、
どちらが民主的に議員を選んでいるのかがさっぱりわからなくなる。


日本では何かと騒がれるチベットにおいても、自治権が認められている。



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チベット各地は1961年からチベットの歴史上かつてなかった
普通選挙を実行し始め、解放された農奴と奴隷は
初めて主人公となる民主的権利を獲得し、
憲法と法律から与えられた選挙権と被選挙権を積極的に行使し、
全国と自治区の各クラス人民代表大会代表の選挙に参加し、
人民代表を通じて国と地方の事務管理に参与している。


2002年、チベットの自治区・地区(市)・県・郷(鎮)の4クラスの任期満了に伴う交代選挙で、
全自治区の93.09%の有権者が県クラスの直接選挙に参加し、
有権者の選挙参加率が100%に達したところもあった。

選出された人民代表のうち、チベット族とその他の少数民族の代表の占める比率は、
自治区と地区(市)の2クラスは80%以上、県、郷(鎮)の2クラスは90%以上に達した。

広範なチベット人民は国と地方の事務管理に参加する権利を享有するようになった。
「中国人民政治協商会議チベット委員会」が1959年に発足してから、
5期の自治区政治協商会議主席はチベット族の公民が担任した。

現在、チベット族とその他の少数民族は自治区人民代表大会常務委主任と副主任の87.5%、
自治区人民代表大会常務委委員の69.23%、自治区主席、副主席の57%、
自治区政治協商会議常務委の90.42%と委員の89.4%を占めている。

チベット族とその他の少数民族の公民は自治区・地区(市)・県の
国家機関公務員の77.97%を占め、自治区・地区(市)・県の人民法院と
人民検察院の幹部総数の69.82%と82.25%を占めている。

http://japanese.beijingreview.com.cn/zt/txt/2008-04/09/content_109269.htm

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とはいえ、問題も当然のことながら存在する。


2011年の北京週報の記事(一部抜粋)を読んでもらいたい。

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今回の県郷人民代表大会代表改選選挙は
昨年改正された新しい『選挙法』公布施行後に初めて行われる選挙である。


これまでとは異なり、「都市・農村同一人口比例選挙」が開始され、
これが今回の選挙最大の注目点とされている。


11月1日、北京市朝陽区呼家楼の住宅の入口に、
この選挙区の正式な候補者4人の氏名、年齢、党派、学歴、勤務先などの
基本情報が書かれたピンクの紙が張り出された。

中国『選挙法』の規定では、人民代表大会代表の正式候補者名簿と基本状況は、
選挙日の7日前に公示されることになっている。



呼家楼のこの名簿には、予想通りこの地域の住民におなじみの殷金鳳さんの名前があった。
北京の居民委員会主任で唯一2005年の「全国労働模範」に選ばれた殷さんは、
2000年から、その担当部門は10年連続で「北京市先進社区居民委員会」に選ばれた。

「もちろん、みんな殷金鳳を選ぶよ!」、
「殷さんは一番信頼できる『身内』だからね!」

8日の早朝、投票所に集まった有権者の多くがまったく包み隠すこともなくこう言った。

ある80歳を超えたお年寄り(男性)は、
「殷主任が公開している携帯電話と家の電話は『空き巣老人』(独居老人)
にとって困った時のホットラインになっていて、電話をかければ24時間いつでも来てくれる」
と言う。「それに殷さんは学校と連絡を取って、特にお金に困っている
住民約80人のために再就職のための職業訓練の機会を作り、1人1人仕事を世話してくれた」。

こう当時を回想するのは、殷さんに仕事を世話してもらったうちの1人だ。
多くの有権者にとって、殷さんは居民委員会主任としても代表としても、
いつでも「民衆の意見」に耳を傾け、「民衆を代弁」し、住民の望みを把握して、
積極的に住民の難題を解決してくれる存在だ。

多くの有権者が、殷さんを通じて人民代表大会代表の忍耐強さと能力を目の当たりにし、
代表は確かに力を発揮できるということを信じられるようになった。
長くここに住む過逸さんは言う。


「この地域は、弱者に手が差し伸べられ、矛盾や問題を解決するために
連携するコミュニティーになった。殷代表がそれに果たした功績は大きい」。


~(中略)~

会場には他地域から参加した住民もいた。そのうちのある元教員は、

これまでは対面する機会がなく、
 有権者と候補者は誰が誰かも分からず、
 誰を選び誰を選ばないかを決めるのは『当てずっぽう』だった。


単に名前や勤務先、職務、同僚の短い紹介(これすらないことが多かった)を頼りに
適当に名前を書いて終わりで、本来なら真剣であるべきの選挙が賑やかな
『うわべだけのイベント』になってしまっていた
」と言う。

今年66歳になるこの元教員は何度も末端レベル人民代表大会代表選挙に
参加したことがあるが、候補者が学校関係者だった2回を除いて、
他の候補者は一度も会ったことがない人ばかりだったという。

「今回はいいよ。去年選挙法を改正した際に法が整備され、
有権者が候補者をあまり知らないという問題について法的に明確になった

有権者が候補者との対面を要求した場合、選挙委員会は関連活動を開催して、
代表候補者が自分の状況を説明し、有権者の質問に答えなければならなくなった」。

9時30分、八角第三選挙区の候補者4人が登場し、
有権者に対し自分の仕事状況と当選後の抱負を1人ずつ述べた。

その後は「面接」段階へと進んだ。

隣近所どうしでいつも顔を合わせている間柄ではあるが、
有権者たちはまったく遠慮なく質問し、質問内容は多岐にわたり、
納得できない回答に対してはとことんまで問い出した。

北京などの選挙委員会では具体的な規定を作り、
代表候補者と有権者との対面会を行っている。


広州では、全部で4569名の区・県級市人民代表大会代表候補者と
4376名の鎮人民代表大会代表候補者が対面会に臨んだ。

「山西省や江西省など選挙がほぼ終了した省や自治区の状況からすると、
選挙委員会が法に基づいて企画した候補者と有権者との交流会が
全国範囲で広く行なわれ、改正後の新選挙法の関連規定が着実に
実行されるようになった」と何曄暉全人代常務委員会副秘書長は語る。

http://japanese.beijingreview.com.cn/yzds/txt/2011-11/28/content_408399.htm

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つまり、立候補者の情報が少なすぎたため、
適当に名前を書くだけのショーだったこれまでの選挙を、
直接、有権者との対面会を実施することで改善しようとする動きが今あるのだ。



日本でこういう動きは果たしてあるかな?
と思わず問いかけたくなる。


ご存じのとおり、中国では共産党が強力な支配権を握っているので、
この選挙法の改正も党の指導によるものだと思われる。


裏を返せば、一連の改善の動きは組織レベル・全国レベルで展開中ということだ。


冗談めいて書いてしまったが、本当に今の私たちは、
中国と同じで選挙の際、ただ何となく一番当てになりそうな政党の
候補者に投票してはいないだろうか?一番有名な人物に投票してはいないだろうか?


「誰も信用おけない」「一番、自民がまともそう」「与党の経験があるから」


こういった適当な理由で、適当に名前を書いてはいないだろうか?


そういう意味では地元の行政は直接選挙、より大きな行政区では
間接選挙を敷いている中国が極端に選挙制度で日本より劣っているとは思えない。

また、ある部分では日本よりも画期的なシステムも取られているように感じる。


ただし、中国全域が記事のような民主的で画期的な選挙が行われているとは
思えない。地方の有力者が自動的に議事堂の椅子に座るようになっているのかもしれない。

そういう負の面は確実にあると思う。
けれども、それは日本やアメリカの腐敗した選挙制度と大差ない。


結論付ければ、池上氏の中国論は
極論を通り抜けて妄想の域に達している。


あまりにも現行制度について無知だし、近年の改革の機運を完全に無視している。

だいたい、AKBの総選挙は投票するための応募券を購入するシステムになっており、
それはすなわち、金権政治そのものではないか。

民主化の例にするにはお粗末すぎやしないか?

もちろん、いつものリップサービスと言えばそれまでだが、
どうも最近の池上氏の中国嫌いは以前に輪をかけてきており、
こういう人物が日本を代表する名物ジャーナリストとして、
テレビから聴衆を扇動しているかと思うと、あまりにもゾッとする世の中である。

慰安婦を否定しながら肯定する意味不明な日本政府について

2014-10-24 00:17:14 | 反共左翼
慰安婦の強制性を認めた河野談話を継承すると言いながら、
慰安婦の強制性について修正を求める安倍政権。



何を言っているのかわからないかもしれないが、実際にそうなのだから何とも言えない。


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日本共産党の山下芳生議員は21日の参院内閣委員会で、
菅義偉官房長官が「慰安婦」問題で日本軍の関与を認めて謝罪を表明した
「河野洋平官房長官談話」(1993年)の継承を口にしながら、
同問題をめぐる国連人権委員会「クマラスワミ報告」の修正を求めている
ことについて真意をただしました。


クマラスワミ報告は、日本軍「慰安婦」を「性奴隷」と位置付け、
日本政府に賠償と謝罪を勧告しています。

日本政府は、朝日新聞が韓国・済州島で女性を強制連行したとする
吉田清治氏の証言を取り消したことを受け、同報告の修正を求めていました。


山下氏は、同報告は「吉田証言」に異議を唱える複数の研究者、
「慰安婦」とされた女性たちへのインタビューなど豊富な資料に基づいていると指摘。

「(『吉田証言』取り消しをもって)報告全体が信頼できないものであるか
のような誤解を招くメッセージを日本政府が発信すべきではない」と追及しました。

菅官房長官は「報告書はわが国の基本的立場やこれまでの取り組みを踏まえていない」
などと開き直りました。同時に「河野談話」については「継承し、見直すことはない」
と答弁しました。


山下氏は、「河野談話」が「慰安所における生活は、強制的な状況の下での
痛ましいものであった」など五つの内容を述べていると指摘。
「ひとたび日本軍『慰安所』に入れば、自由のない生活を強いられ、
強制的に多数の兵士の性の相手をさせられた、性奴隷状態とされた事実は、
動かすことができない」と批判しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-23/2014102304_01_1.html
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日本軍「慰安婦」問題で「強制連行」を否定した菅義偉(よしひで)官房長官の発言が、
韓国の主要メディアで「安倍内閣の軍慰安婦強制連行否定 『全面戦』の様相」
「21年前の記者会見発言を問題にし強制連行を露骨に否定」(聯合ニュース)
などと一斉に批判され、国際問題になっています。


菅氏の発言は21日の参院内閣委員会での日本共産党・山下芳生書記局長への答弁でした。

菅氏は、「慰安婦」問題で日本軍の関与と強制性を認めて謝罪した
「河野洋平官房長官談話」(1993年)発表の記者会見での河野氏の発言をとらえ、
「会見で河野官房長官は強制連行の事実があったという認識なのかと問われ、
そういう事実があったと、結構ですと述べている。ここがまず大きな問題だ」などと発言。

その上で、「私どもはそこ(強制連行)は否定をして、
政府として日本の名誉・信頼を回復すべく、しっかり訴えていく」と述べました。

これは、3日の衆院予算委で安倍晋三首相が答弁した内容を繰り返したものでした。

これに対し、山下氏は
(強制連行の事実は)他の国の公文書等には記載されたものもある。
日本の裁判で事実認定されている」と反論するとともに、
「問題を強制連行の有無に矮小(わいしょう)化してはだめだ」と指摘。

河野談話を継承するといいながら、日本軍『慰安婦』制度が
性奴隷制度だったとの指摘をいわれなき中傷だとか、不適切な表現などというのは、
二枚舌であって国際社会の信頼を失う
」と厳しく批判しました。

山下氏が批判したように、
安倍内閣として「河野談話」を継承するとしながら、
強制連行の事実を否定するのは全く成り立たない、
二枚舌の論理です。


「河野談話」否定派は、「朝日」が「吉田証言」を取り消したことに乗じて、
「吉田証言」が崩れた以上、「河野談話」も根拠が崩れたと攻撃してきました。

しかし、「河野談話」が「吉田証言」を根拠にしていないことが明らかになり、
菅氏も答弁でそれを認めざるを得なくなりました。菅氏の発言は、そうしたなかで、
「河野談話」そのものでなく、記者会見での河野氏発言を問題にして
「河野談話」を無力化しようというものです。


しかし、山下氏が強調したように、
国際社会は
「慰安所」における
強制使役=性奴隷制
としての「慰安婦」制度を
問題視しているのであり、
「強制連行」だけに矮小化する議論は
通用しません。

「河野談話」無力化をはかるための発言を
繰り返せば繰り返すほど、
安倍内閣は国際的孤立を深め、
女性の人権に冷淡な政権だとして
「日本の名誉」をおとしめるだけになる

のです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-23/2014102301_03_1.html
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実際、ここ最近の慰安婦への安倍政権の態度から、
日本は国際的にかなりイメージが悪くなっていると思う。

これは、原爆投下を肯定する人物がアメリカ大統領になったり、
ホロコーストを美化する人間がドイツ首相になっているようなものなのだから。


ロシアや中国でさえ、スターリンのジェノサイドや文革は否定している。
それなのに、日本ではその逆の道を進んでいる一方であるわけで、
こういう奴らのやり方をぬるいと感じ、ますます過激な行動が
桜井誠をはじめとした右翼テロリストどもが跋扈しているわけだ。


私は「アメリカで黒人差別を当然視している人間を見て、
あなたは合衆国やアメリカ人に良いイメージを抱けますか?

と右翼たちに質問したことがある。



まぁ、当然、質問に答えずに「中国人や朝鮮人に人権はない」
「反日と闘わなければならない」といったコメントが返されてきたわけだが。


安倍にしても石原にしても、自分たちの利益しか見えていないというか、
他人の意見に耳を貸さずに自分のテリトリーで好き放題に暴れているように見える。

お山の大将というか何というか。

国際社会や国内の反対意見に一切耳を傾けず、ひたすら自分たちの暴利を貪っている。
そういう連中にこれといった抵抗をしない市民も市民なわけで、どうしようもない。

日本全体が全力で自爆行為を行おうとしているようなそんな気分だが、
まぁ、やはりここまで日本の政治や市民のレベルが非道くなったのは、
左派も含めたメディアの責任がかなり重いだろう。


実際、岩波も朝日も、吉田証言が問題化する前までは本格的に
慰安婦問題について継続的に現政権の姿勢を批判しては来なかった。

きちんと批判していたのは赤旗と朝鮮新報ぐらいだった。
大事になるまで放置してきた左派系メディアの責任は重大だ。


橋下批判などが典型的だが、彼らは一時的にはネタに飛びつくが、
問題が改善されるまで徹底的に抗戦することがない。



あたご事件などは、その最も悲惨な事例だろう。
そういう話題作りのための批判が結果的にどれほど右傾化に与していることか。

日本の軍国化(それは民主的に推進される)を抑止するためにも、
従来の左翼メディアではない、もう一つのモデルが必要になっている
のではないだろうか?

沖縄知事選&オナガ雄志前那覇市長について

2014-10-23 22:51:13 | 日本政治
元々は自民の人間だったオナガ雄志氏が、ここにきて反旗を翻した。
自民の飼い犬が主人の手を噛んだ。この意味は大きい。


次の文は、共産党の赤嶺議員のエッセイだ。

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沖縄県知事選挙の告示は2週間後に迫った。候補者のオナガ雄志さんは、
かつては自民党県連の幹事長をつとめ、その後、那覇市長に就任。

4年前の県知事選挙では、現在の仲井真弘多県知事の
選対本部長として選挙の指揮をとっていた人だ。
 
「そんな人物をなぜ、日本共産党が推しているのか」と聞かれた事がある。

質問をした人は全国紙の新聞記者だった。

私は、沖縄の保守本流の中で育った政治家の中からでさえ、
「辺野古新基地建設反対」の声が上がっているいまの沖縄の声に耳を傾けなければ、
逆に安倍政権が危機に直面することを丁寧に説明した。


私たちとオナガさんを結びつけたのは、
昨年の1月28日に安倍総理に提出した「建白書」だ。

なぜ、「建白書」提出にいたったか? 

それは10万余の県民が参加して開催されたオスプレイ配備反対の
2012年9月9日の県民大会が直接のきっかけだ。

当時は民主党政権だったが、政府は県民世論を無視してオスプレイ配備を強行した。
その直後の総選挙で民主党政権は崩壊した。


沖縄県民は誕生したばかりの安倍首相に、県民大会の決議を踏まえて、
県内41の市町村長、議会議長、県議会全会派代表、経済界代表らが参加して、

①オスプレイ配備の即時撤回、
②普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を内容とする「建白書」を提出した。


10月6日の衆院予算委員会で、私は「建白書」を背負って、安倍首相を徹底して追及した。
首相は質問に答えきれなくなったら、答弁にたたない。

そればかりか、総理席から質問者をやじりまくる。
総理大臣としての最低限の品性さえ維持できなくなった狼狽(ろうばい)ぶりだった。

安倍首相は、仲井真知事の「埋め立て承認」を最後のとりでにしている。


オナガ知事予定候補は9月13日の出席表明の記者会見で
「まずはこの知事選挙に勝って、承認そのものを私たち県民の力で取り消そう」と訴えた。

「建白書」実現の島ぐるみのたたかいは、県知事選挙勝利から始まる。
(しんぶん赤旗 2014年10月15日)
http://jcpakamine.jugem.jp/?page=0&cid=2
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実際、かつてのオナガ氏は基地移転も集団的自衛権も認める本物の犬だった。

(彼の2012年のインタビュー記事↓)
http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm


沖縄県民と一言でいっても、内部には本土に懐柔され、手駒と化した
自称「保守」派と、徹底抗戦する革新派に分かれて戦ってきた。

それも、革新は革新で反共と容共に分裂しており、こういう県民同志の
仲たがいもまた、今日まで続く沖縄への政治的差別の原因でもあった。

その中でも特に自民に忠誠を誓っていた人物が、
ここにきて裏切ったというのは、それだけ仲井真知事の裏切りが
沖縄県民にとって衝撃的な事件であり、もう自民党についていけない、
自民から出馬する人間には投票したくないという雰囲気があるからではないだろうか。



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目前に迫った沖縄県知事選(30日告示、11月16日投票)に立候補を表明している
仲井真弘多(なかいまひろかず)知事の政策発表に怒りが込み上げてきました。

仲井真氏は米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「県外移設」という4年前の公約を裏切り、
名護市辺野古(へのこ)の新基地建設に向けた埋め立てを「承認」したことを正当化するため、
「普天間基地を固定化させてはいけない」と強調しました。

沖縄県民に新基地を押し付ける脅しとして安倍晋三政権が使う決まり文句と同じです。
新基地建設に反対する県民を、これほど愚弄(ぐろう)するものはありません。


仲井真氏は昨年11月の定例会見で、記者から
「政府に取材をすると、辺野古が駄目なら固定化しかないといった声も聞こえてくる」として
感想を聞かれたのに対し、次のように答えていました。

「政府のどの筋の方の見解か知りませんが、
 固定化ということの意味を軽々にお使いになるのは、自分が無能だという表現なのです」

「固定化するという発想、言葉が出てくるということ自身が、一種の堕落だと思います」

「それをイージー(簡単)に口にされる人がいたとすれば、その人は、
 その任に置いちゃ駄目だと思うくらい問題がある発言だと思います」

「県外移設」公約を裏切る前のこの発言はまさに正論でした。

ところが、仲井真氏は先週末の政策発表では、
「私が、(日本)政府のいろんな方々とお会いしてきた感じ、
 それからアメリカ政府、アメリカの安全保障関係の研究者の方々と
 いろいろ議論した感じからいくと、普天間があのまま居続けかねない」と開き直りました。

驚くべき、変わり身、日米政府への追従ぶりです。

仲井真氏の言葉を借りれば、「『自分が無能』だという証明であり、
『一種の堕落』であり、『その任に置いちゃ駄目』ということ」
(日本共産党の志位和夫委員長)にほかなりません。

沖縄県民を代表する知事としての資格がないことは明白です。

仲井真氏は政策発表で、普天間基地の「5年以内の運用停止」を強調しました。
しかし、その足場もすでに崩れています。

米政府は一貫して、「5年以内の運用停止」の可能性を否定しています。
最近も、安倍政権が2019年2月までの運用停止実現に取り組むとしたことに対し、
米側は今月2日の日米協議で、「空想のような見通しだ」と強く反対したと報じられました。

沖縄の地元紙も
「『5年以内』がまやかしに過ぎないことは、もう誰の目にも明らか」(琉球新報)と断じています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-22/2014102201_05_1.html

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赤嶺議員も、今の沖縄では保守派すら安倍のやり方についていけんと
考える人がいると述べている。安倍・仲井真の本当の意味での独裁政治
(手続き上は民主的だが、実際には一部の有力議員や現地の首長が示し合わせ、
 彼らの意のままに動く談合型の政治形態のこと)に恐怖したのかもしれない。

まぁ、それは言いすぎだが、歴史を改ざんし、新自由主義を推進し、
アメリカに服従しアジアの脅威になりたがる軍拡主義者たちが首相や閣僚に
なっている現政権、ある意味ネオナチより性質が悪いわけで、彼らのあんまりな行いが
沖縄のほうがよりダイレクトに生活に響いてくるのだろう。オナガ氏が代表という時点で、
真の意味での革新運動ではないのだが、勝つことにこしたことはない。

オール沖縄というのは、いろいろと問題がある考えで、
それは私が日ごろ意見している反共左翼への批判(右翼が認める範囲内での
反対しかできず、結果的に覇権を奪取後に右に食いつぶされて瓦解する)と
通じるものだが、これまでの県内での対立を考えれば、今回の知事選が
自民への服従姿勢から脱却する一つのきっかけになってくれればと思う。

『21世紀の貨幣論』について

2014-10-23 22:23:13 | 浅学なる道(コラム)
どうにもウソくさい本だなと思った。

本書は、物々交換から貨幣が誕生したという定説を否定し、
自説の貨幣史を記したもので、村上浩氏によると、
著者が示した見解が経済学者の中でのコンセンサスになっているという……


……のだが、この発言には留意が必要だろう。
実際、経済史の分野では、そのような話は聞いたことがないし、
著者自身、あの悪名高い世界銀行の顧問であり、評価者もまた
世界銀行の人間であるという時点から、内容はお察しの通りだ。

村上氏に限った話ではないが、リーマン・ショック直前まで
新自由主義経済および小泉構造改革を評価していたエコノミストや経済学者の責任は
非常に重いものであるはずなのに、ショック以降、これといった反省を行わず、
ほとぼりが冷めてから、また世界銀行式の経済史観、経済論を流布するというのは
一体全体なんなのだろうかと憤りを感じずにはいられない。

日本でもアベノミクスという新自由主義への回帰が試みられているが、
これは日本に限った話ではなく、アメリカやヨーロッパもリーマン以前に
戻りつつある。これに異議を唱えてギリシャをはじめとした中堅・弱国の
民衆が活動を展開しているわけで、東ウクライナでの抵抗運動も根本的なところでは
同地域の産業を犠牲にしてまで新自由主義を推進しようとする中央政権への反発がある。


人文系の書評も相当レベル…というかベクトルが非道いもの
(知識も文章力も高レベルではあるが、大勢にこびた内容で本を売らせるための
 おべっかを並べ立てたもの)が多いが、経済書もそうなのかもしれないなと思った。

少なくとも私はジェフリー・サックスと同じ見解に立つ人間を信じられはしない。


日本の嫌韓・嫌中は国際社会から非難されている(のに、あえてバッシングする池上彰氏)

2014-10-20 21:10:32 | マスコミ批判
あまり知られていない事実だが、以前、言及したように日本の右翼や愛国者が
果敢に行っている排外主義は、国際社会から厳しく否定されている。


前にも紹介した気がするのだが、国連の人種差別撤廃委員会からの言葉を再掲したい。
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国連人種差別撤廃委員会(ジュネーブ)は29日、
日本における人種差別撤廃条約の順守状況に関する「最終見解」を発表し、
人種や国籍で差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を
法律で規制するよう日本政府に勧告しました。


また旧日本軍「慰安婦」問題への対応も不十分だとし、
謝罪と補償を求めました。



最終見解は、右翼団体の街頭宣伝活動でのヘイトスピーチの広がりや、
公職者、政治家による人種差別発言に懸念を表明。

(1)街宣やインターネットを含むメディアでの差別的行為・
 表現に対する厳正な対応

(2)差別行為にかかわった個人と組織への捜査と訴追
(3)ヘイトスピーチを広げる公職者と政治家の処罰
(4)教育などを通じた人種差別問題への取り組み―などを勧告しました。


同時に、ヘイトスピーチ対策を、
その他の抗議行動などを規制する「口実にしてはならない」とくぎを刺しています。


人種差別撤廃条約は
差別を助長する表現を「犯罪」と定義し、
処罰立法措置を義務付けています。



ただ日本政府は「表現の自由」を保障する憲法との整合性を考慮すべきだとして、
履行を留保しています。最終見解は留保の取り下げを要請しました。


「慰安婦」問題では、
日本政府による実態の認識や被害者への謝罪、補償が不十分だと懸念を表明。


(1)人権侵害の調査を終え、侵害に関与した責任者の処罰
(2)真摯(しんし)な謝罪と適切な補償による「慰安婦」問題の永続的解決
(3)「慰安婦」問題を否定する試みの糾弾―を日本政府に求めました。

人種差別撤廃委員会による対日審査は2010年以来、4年ぶり。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-08-31/2014083101_02_1.html

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このような国際社会の要請を一切無視して、
ますます日本人のイメージを悪くさせることに何の意味があるのだろうか。


……ということを、私はしょっちゅう言っているのだが、
まともに答えた右翼に会ったことがない。たいていは、「これは差別じゃない」と言い張る。

躾(しつけ)と言いながら、子供を虐待している親を見ている気分。


さて、今夜の池上彰の番組、感染症の特集だったが、
さすがというかやはりというか、中国批判を欠かしていなかった。


池上氏の中国へ対する憎悪を掻き立てる言動はちょっと(かなり?)異常だ。

こういう何でもかんでも中国や韓国と結びつけて
ブッ叩くスタイルは、国際社会からは何ら賞賛を得ない。

本当に時事問題について考えたい人間は、池上彰氏の話を聞くぐらいなら、
大手ニュースメディアのオンライン記事を読んだほうがまだマシだと言えよう。