前々から筆者は、池上彰氏のニュース解説番組は
①肝心な事実を伏せて大雑把に説明をするため、
②中立を謳いながら、結果的には政府にとって
まこと都合の良い理解のされかたを誘導しており
③この番組のメインの視聴者であるだろう
時事問題に関心のある親子から判断力を奪っている
ということを断続的に指摘してきたと思う。
今日(2月23日土曜)の番組では
統計不正問題が起きた原因は「統計に携わる職員数が激減したから」だという
ぶっとび解説がされていて、池上もとうとうここまで来たかと仰天してしまった。
統計不正で新たに「官邸関係者」明記の圧力メールが発覚!
「いったん戻れ」の理由はこれだったのか
(https://lite-ra.com/2019/02/post-4563.html)
おそらく、同番組は録画のものだと思われるが政府の関与が明白になった今、これを視聴すると
本当に、つくづく、骨の髄まで政権べったりのトークをするものだと驚き呆れてしまう。
これに限らず、番組では月100時間未満の残業を認めた
(過労死と認定されるラインは80~100時間が一般的)働き方改革を
「時間外労働に規制をかけた」法案として紹介していたし、
派遣業規制緩和についても
人件費を削減するためといった大雑把な解説がされており、
当時緩和を誘導していた竹中平蔵氏が
その後、人材派遣企業の会長に就任したのが典型的な例だが、
この改革が一部の人間や企業が利益を貪るために
成り立たせたものだという肝心な点については触れようともしていなかった。
このような政府(歴代政権)の責任を問わない時事解説は
結果的には「自民党にまかせれば安心」という神話を信じさせる
遠因になってはいないだろうか・・・と私には思えてならない。
池上氏は働き方改革が可決される直前にも
裁量労働制を取り上げ、一部、すでに実施済みの企業を取材し、
前よりも自由に帰宅できるようになったというレポートを流していた。
捏造の次はデータ隠し!
厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽
(https://lite-ra.com/2018/02/post-3819_2.html)
これに関しても、後々、
実は裁量労働制のデータも恣意的に作られたものであり、
実際には逆に社員の負担が増していたことが発覚した。
要するに、池上氏の言い分の逆が正解になっている。
普通、ジャーナリストというものは
政府の言い分が正しいか否かをチェックして、
間違っていた場合はそれを正すものだが、どうも氏の場合、
政府の言い分を追認するような映像を流すのが
ジャーナリズムのあるべき姿だと勘違いしているらしい。
正直、半年以上放置していたブログの
久々の記事をこの御仁に関する内容にするのは嫌であったが、
あからさまなヘイト番組よりも
このような良心的であるように虚飾した番組のほうが
はるかに恐ろしいと感じたので、ここであえてその間違いを指摘するに至った。
去年、5月に雪解けが本格的に開始され、
緊張を含みながらも、お互いどこまで譲歩できるかを
朝・米・韓が話し合うようになったが、いまだに日本の北朝鮮報道は
どこまでも爆撃する側からの視点で語られており、正確なものだとは思えない。
そういう視点は、本来、そのような意見に対抗するべき
共産党をはじめとした左翼も共有しており、
そのような視点からシリアやベネズエラ、イエメンの惨状まで語られている。
こうした似非平和主義こそが
結果的に国際情勢を多角的に見る姿勢を放棄させる原因であり、
その独善的な態度は極右論者のそれと大差ない。
・・・ということは常々感じていたのだが、
それを指摘することから半年以上、放棄していた。
理由は多々あるが、まずは
トラックバックを送信する機能をGooブログが外してしまったこと、
次にスマホに対応したレイアウトを作成するのが困難であること、
最後に個人的に仕事で多忙だったということが挙げられる。
池上氏のように仕事=ジャーナリストだったら
毎日でも記事をアップするのだが、それもままならなかった。
とはいえ、ベネズエラならいざ知らず、
北朝鮮の情勢について、当サイトのような意見を吐くところは
本当に稀有(というか見たことがない。あるいはすでに閉鎖している)なので
多分に読みづらいだろうが、これからも少しずつ記事を更新していこうと思う。