時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮制裁の真の目的(中国は南シナ海を支配しようとしているのか?)

2016-02-29 23:00:17 | 北朝鮮


北朝鮮制裁は中国封じ込め作戦の一環である。

……ということは当然、北朝鮮の専門家は知っていることであり、
この問題について取材するいずれのジャーナリストも気づいているはずなのだが、
主流のメディア(日本の新聞、雑誌、テレビ)は、なぜかこのことに触れようとしない。

仕方がないので、自分で書くことにする。

さて、図1は2011年に防衛省が作成した『中国安全保障2011』から引用したものである。
ここで「第一列島線」という言葉に注目して欲しい。


-------------------------------------------------
「列島線」という概念は冷戦時代の米ソ対立の産物であり、米国人ダレスが打ち出したものだ

このうち
第一列島線はソ連などの国々の軍事力を封じ込めることが大きな目標だった。
冷戦終結後、米国は中国海軍の西太平洋での遠洋訓練に対して割合理性的な姿勢を取ってきた。

ロックリア前米太平洋軍司令官は、
すでに世界大国となった中国海軍が遠洋へ向かうのは「自然な事だ」と述べた。

だが日本は依然として第一列島線を中国海軍の発展を封じ込める「城壁」と見なしており、
「列島線問題」を騒ぎ立て続けている。

http://j.people.com.cn//n/2014/1230/c94474-8829594.html
-------------------------------------------------

上で説明されているように、第一列島線(First Island Chains)は
元々はアメリカが考えた概念で、日本列島~沖縄~フィリピンに沿って米軍基地を置き、
中国・ロシア・ベトナムなどの共産主義国家を封じ込めることを目的としたものだった。


つまり、第一列島線とは、同線を越えて中国軍が活動させないために設けたものであり、
その逆ではない。


現に『中国安全保障2011』は、
近年の中国が第一列島線を越えて軍事演習を行っていることを指摘し、これに危機感を抱いている。



図1をもう一度見て欲しい。
第一列島線と第二列島線との間で実施された軍事演習について言及がされている。

----------------------------------------------
中国海軍は台湾有事に限定した対米接近阻止能力の構築と実戦化だけではなく、
胡錦濤が述べたように、海洋における米国の軍事的優位に対抗できる海軍力の構築を目指し始めている

中国の海軍戦略と作戦範囲における「近海」の範囲は、
海軍装備の増強の結果、第一列島線を越えて第二列島線にまで拡大しつつあり
加えて「遠海」における機動的な作戦能力の向上も図られている。 

こうした趨勢に人民解放軍は必ずしも明確に説明しているわけではないが、
2006年12月末に発表された『2006年中国の国防』は中国海軍が
「段階的に近海防御の戦略縦深を増大させ、海上の総合作戦能力と核反撃能力を高める」
との方針を示していた。

他方で、米国防省は中国が近海での軍事的危機に際して
第三国の介入を阻止するいわゆる接近阻止・領域拒否(A2AD)能力の向上を図っている
として警戒感を高めている。
----------------------------------------------

ちなみに、第一列島線は、第二列島線とセットになっているものだ。

第二列島線のラインを見て欲しい。
アメリカ領のグアムをつないでいることに気がつくはずだ。

つまり、列島線とはアメリカを守るために設けた防衛ラインなのである。

レポートでは第一列島線の定義が中国政府・軍によって定義されていないので
アメリカの国防省が作成した文書をもとに線を引いたことが書かれているが、これは当然のことだ。

線を引いているのはアメリカであって中国ではないのだから。

この点を考えても、正確には「列島線」ではなく、
「対中紛争のために設けたアメリカの防衛ライン」であることがわかるだろう。


日本のある保守系シンクタンクは、このことを非常に素直に認めている。

----------------------------------------------------------------
中国の南太平洋島嶼への接近・工作

中国は、米軍の太平洋正面の包囲環(第一列島線と第二列島線)を打通(突破)する努力と並行して、
第一・二列島線の側面・背後に広がる南太平洋の島嶼国家(パラオ、マーシャル諸島、ナウル、
ソロモン諸島、ツバル、トンガ、フィジー、サモア、パプア・ニューギニア、キリバス、
バヌアツ、ミクロネシア連邦)に接近・工作している。

中国の南太平洋島嶼への接近・工作の目的は、
①米国・米軍の太平洋正面の中国に対する包囲環(第一列島線と第二列島線)の打破、
②中国沿岸地帯の経済中枢を防衛するためのバッファーゾーンの拡張、
③米国の対中軍事拠点のグアムの無力化、
④米国とオーストラリアの分断、および
⑤南米航路のシーレーンの防衛などが考えられる。

http://j-strategy.com/series/tf1/1716
------------------------------------------------------------------

上のサイトは中国が太平洋の国家を中国化させようとしていると騒いでいるが、
現状、太平洋上の島々を保護(つまり事実上の植民地国に)しているのはアメリカだ。

なぜアメリカの安全保障が日本の安全保障であるかのように重要視し、騒ぎ立てているのか。
その理由は定かではないが、
少なくとも日本の軍が本当は誰を守ろうとしているのかは想像がつく。


北朝鮮の「事実上の長距離弾道ミサイル」にしても、困るのはアメリカであって日本ではない。

なぜ、日本からグアムまでを攻撃できる中距離弾道ミサイル「ムスダン」が
「事実上のミサイル」よりメディアで軽い扱いをされているのか、考えてみて欲しい。



核実験や「事実上のミサイル」にばかり過剰反応して、
事実上どころか本物の中距離弾道ミサイルの所有・使用禁止を日本が要求しないのは、なぜか?


ムスダンではアメリカ本土を攻撃できない。
これが答えと言っても良いのではないだろうか?


ちなみに長距離弾道ミサイルも核もアメリカに対して備えたものである。
核攻撃の対象は米軍基地であり、それは日本や韓国にあるものも含まれるだろうが、
当然、ほとんどの米軍基地はアメリカ本国にある(考えてみれば当たり前の話だが)


なぜアメリカの安全保障を日本が肩代わりしてやらなければならないのか?
そのために日本の真の安全保障がないがしろにされているのか?

この国の軍が実際にはアメリカの予備軍として使用されていることぐらい、誰でも気がつくことである。

私のような「一応」左翼の人間でさえ、
日本の自衛隊がアメリカの他衛隊としていいように利用されていることについて怒りを覚えている。

当然、右翼の方々は私のような傍流左翼以上に怒り心頭に発していてもいいはずなのだが、
実際にメディアでご活躍されている方々は、沖縄の基地化を強行しようとする自民党を称えている。
ネトウヨもまたしかり。

彼らが何を考えているのか、私にはさっぱりわからない。
あるいは何も考えていないのだろうか?いや、そんなことはあるまい。

これ以上、日本人が犬のように使われるのも、犬のように媚を売るのも耐えられない。
というぐらいのプライドは当然、持っているはずである。



さて、列島線がアメリカの防衛線であり、日本もまた数年前まで
第一列島線を越えて中国軍が活動することについて危機感を抱いていた。

ここまで話を進めたが、最近、中国が南シナ海を軍事化しようとしているという報道が目立っている。

例えば、中国が西沙諸島に対地空ミサイルを配備したことをもって、
「南シナ海」の平和を乱そうとしていると主張する。次は朝日新聞の社説である。

----------------------------------------------
[朝日新聞] 南シナ海問題 軍事拠点化は許されぬ (2016年02月19日)

南シナ海の島で、射程200キロのミサイルが空に向かって、にらみを利かせている。

これはきわめて危うい事態である。

パラセル(西沙)諸島で中国軍が地対空ミサイルを配備したことがわかった。
スプラトリー(南沙)諸島での埋め立てを含め、南シナ海での最近の中国の行動は無責任すぎる。

中国はただちにミサイルを撤去すべきである。南シナ海をこれ以上、緊張の海にしてはならない。

スプラトリーと同様にパラセルも、中国とベトナムなどが領有権を争っている。
しかし中国は徐々に支配海域を広げ、1974年までに全域を占拠した。

ミサイルの現場とみられるのはパラセル最大の島、ウッディ(永興)島だ。
50年代から中国が実効支配しており、他国から脅かされる状況ではない。

中国政府は自らの領土と主張し、「防御施設を配備する権利がある」としている。
だが、ミサイル配備は明らかに防御目的ではなく、周辺国や航空機に強い脅威を与えるものだ。

http://shasetsu.seesaa.net/article/434001376.html
------------------------------------------------

朝日の理屈を借りれば、日本が尖閣諸島付近で
海自の軍艦を航行させるのも周辺国や航空機に強い脅威を与えることになる。


日本が実効支配している日本列島内に自衛隊の基地を建設したり軍事演習を行うことは、
朝日の言い分に従えば、とてつもない脅威になるはずだが、特に朝日はこれを非難していない。




ところで、地図をもう一度みてほしい。
西沙諸島と南沙諸島は確かに同じ南シナ海にあるが、地理的には大きく隔たっている。

つまり西沙諸島で中国が何をしようとしても南沙諸島に何か影響を与えることはない。

これは中国専門家も言及していることである。以下にスプートニクの記事を挙げる。


----------------------------------------------------
ここ数週間、南シナ海における中国の一連の軍事行動が西側メディアの注意を引いている。
あるケースでは明らかな情報操作と恐怖を煽る試みが見られた。

たとえばウディ島における戦闘機配備に関する報道がそうだ。

また、カルテロン岩礁へのレーダー建設は、
なるほど新規建設ではあるが、以前から予想されていたことに過ぎない。

南シナ海情勢の推移を戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員が分析する。


スプラトリー諸島の行き過ぎた軍事化を避ける
という約束を中国が破っていると非難する根拠は今のところない。
兵器の配備は今のところ中国が以前から確実に管理しているパラセル諸島に限られている。


中国の地域支配の中心であるウディ島に長距離地対空ミサイルHQ9が配備されたほか、
この数か月で島内の飛行場に追加の格納庫が建設され、そこにJ11戦闘機やJH7A爆撃機が配備された。

ウディ島に中国戦闘機が配備されること自体は新しいことではない
飛行場建設は1990年。90年代から時折小規模のJ7戦闘機グループが派遣されてはいた。

ただ、飛行部隊が常駐することはなかったし、そのためのインフラもなかった。
戦闘機は一時的に前線配備され、のち大陸ないし海南島のメインの基地に帰っていった。


おそらく今回もそれと同様のことなのだろう。
ただ、インフラ拡充により、前線配備の条件がより好適になっている。
また、2種類の航空機が配備されたということも、前線配備説を裏付ける。

タイプの異なる、そしてともに重量級である戦闘機が
ウディ島に配備されると、物流が困難になり、島のさらなる発展が阻害される。

ウディ島に中国の戦闘機が派遣されることは
何も目新しいことではないのである。


ウディ島には群島における中国の行政上の中心もあるし、
多くの重要なインフラがあり、それらは保護しなければならないのだ。



スプラトリー諸島については、今のところ、中国のあらゆる行動が、
問題になるような水準の軍事化は進行していない
、ということを物語っている。

諸島は周辺海域の船や航空機による哨戒を補助するのに使われるのだろう。
つまり、諸島で給油や、乗組員の休養を行うのである。通信や諜報情報のハブになることも予想される。

軍事的観点からは、諸島に大規模な軍部隊および兵器を配備しても、実益はない。

スプラトリーは大陸からも海南島からもあまりに隔たっており、
紛争勃発の際にはすぐに島内の戦力は孤立させられてしまう。


遠すぎてすぐに助けに行けないのである。

周辺における中国軍の潜在力を代表するのは船舶たちである。諸島に強力な電波基地があり、
無線技術手段があれば、有事の際に中国艦隊は膨大な優位性を得ることになるだろう。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20160228/1691051.html#ixzz41YGa06XD

----------------------------------------------------

遠すぎて軍事化する意味がない。

よく考えれば誰でも気がつくことであるが、気づかないのか、
あるいは気づかせまいとしているのか、メディアはこのことに触れようとしない。

それどころか、西沙諸島の領土紛争と南沙諸島の紛争を同一のものとみなし、
「許されぬ」といきまいているのが現状だ。

アメリカはマーシャル諸島との間で領土問題を抱えており、
この問題の島(ウェーク島)は軍の戦闘機の中継地点になっているが、
これを理由にアメリカが太平洋を支配しようとしていると主張することは出来ないだろう。

仮にそのようなことを主張すれば、荒唐無稽極まりないと笑われて終わりだ。
ところが、これが中国になると誰もが真実と決めて疑わないのである。


------------------------------------------------

最近、米国は南中国海で中国が「軍事化」を推し進めていると頻繁に騒ぎ立て、
永興島(英語名ウッディー島)にミサイルを配備したと非難し、
南沙諸島でレーダー施設を建設したと報告している。

では、南中国海を「軍事化」しているのは一体誰か?
数多くの事実が物語っているように、それは他ならぬ米国だ。

(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

第1に、南中国海で中国が「軍事化」を推し進めていると非難する米国は、
明らかに泥棒が他人を泥棒呼ばわりしているようなものだ。

近年、米国は南中国海周辺地域で軍事力配備を強化し続け、
フィリピンの軍事基地8カ所の使用権を獲得し、
シンガポールで沿海戦闘艦や対潜哨戒機など海空軍事力を強化し続け、
軍艦や戦闘機を頻繁に派遣して南中国海で武力を誇示している。


南中国海でのターゲット性の高い合同軍事演習や合同巡航に
同盟国やパートナーを再三引き込み、地域の緊張を誇張している。

フィリピン、ベトナムなど東南アジア諸国に武器・装備を売り込んでいる。

イージス艦や戦略爆撃機、対潜哨戒機を中国の南沙(英語名スプラトリー)諸島および
西沙(英語名パラセル)諸島の近海空域に派遣し、あからさまな威嚇を行っている。


第2に、中国が限定的な防御施設を配備するのを非難する米国は、後ろめたい盗人のようなものだ。
南中国海諸島は古来中国固有の領土であり、中国には自らの合法的権益を維持する権利がある。

中国が自らの領土に限定的な防衛施設を配備するのは、国際法の与える主権国としての
自衛権の行使であり、軍事化とは無関係であり、完全に正当かつ合法だ。

第3に、南中国海における中国の建設活動をいわれなく非難するのは、
米国のダブルスタンダードを浮き彫りにしている。

中国が自らの領土で建設活動を行うのは、完全に自らの主権の範囲内の事だ。
中国が防衛のために駐屯し、すでに完成した灯台および近く完成する気象観察予報、
漁船緊急避難施設などは、中国が南中国海最大の沿岸国として
国際社会に提供する公共サービスであり、全く軍事施設ではないのに、米国は度々非難している。

一方、フィリピンやベトナムによる侵略・占領した
中国の南沙諸島での飛行場や港湾の建設、武器・装備の配備といった
明らかな軍事行為に対しては、米国は見て見ぬふりをしている。


http://j.people.com.cn/n3/2016/0225/c94474-9021046.html
------------------------------------------------

中国が南シナ海全域を自国の領土としていると非難する人間の多くは、
ベトナムや台湾も西沙諸島、南沙諸島を自国領と主張していることに触れようとしない。



特に台湾は本土からかなり離れた地域にある西沙諸島、南沙諸島を自国の領土だと主張している。
しかも、南沙諸島に至っては一島を占領し、すでに軍事拠点にしている。

常識的にいえば、これは中国以上に野心的な行為なのだが、朝日はこれを取り上げない。
なお、中国は南沙諸島の礁に人工島を建設はしても島を占領しようとせず、二国間の協議をもって
解決しようとしている。これは明らかに西沙諸島のそれとは異なるアプローチだ。


本来、距離的に離れており、別々のアプローチが取られている2つの地域を無理やり結びつけ、
西沙諸島と同じように南沙諸島も武力で奪おうとしているぞと脅しをかける。

こういうのは、客観的に言って、アジテーション(扇動)と呼べるものであろう。


太平洋を中国艦隊が自由に往来する日

この記事に至っては、中国が太平洋すら支配しようと言わんばかりの内容になっている。

同記事は、
「もともと中国軍の最大課題は台湾の「武力解放」だ。海軍の戦略思想も「近海防衛」、
 すなわち日本の本州、沖縄から南シナ海を結ぶ「第1列島線」の内側を支配し、
 極東米軍の機能を低下させることだった。」と説明するが、実際には逆である。

日本やアメリカが列島線という名の檻の中に中国を閉じ込めようとしてきた。

ラインを超えることはあっても、中国はアメリカが許容する範囲内で活動しているに過ぎない。

ところが、朝日のようなメディアは、これすらぬるいと判断し、
中国が檻の中で歩き回ることですら「許されぬ」と鼻息を荒げている。
(もっとも、この態度すら、後述のアメリカの地政学的戦略を受けてのものであるわけだが)

台湾の武力解放など、親中派の馬英九が台湾総統になったこともあり、
中国と台湾との間の関係改善が急速に進んでいた当時を思えばありえない話であり、
現に、2016年現在、中国が台湾を侵攻しようとしたことなどないのだが、
朝日は、かくも中国の脅威を煽りたて、読者に危機感を抱かせようと画策する。

もはや新聞社というよりは、プロパガンダ機関といって差し支えない。

太平洋戦争の中、朝日新聞は自発的に「日本は連戦連勝だ」という記事を大量に書き上げ、
国民を欺きながら戦意を煽っていたが、今の朝日は、まさに戦時の体質そのものである。





上図は、アメリカが想定した中国封じ込め作戦の図である。
これを見るだけでも第一防衛ラインの上に基地を敷設しようとしているのが見て取れるが、
あわせてアメリカの戦略として重要な南シナ海の無人化計画について説明しなければならない。

無人化計画(No-Man’s Sea)というのは、アメリカが
自軍の対艦兵器能力を利用して、中国の近海を相互排他地域にさせるというものだ。

東シナ海、南シナ海の地域を不安定にし、各国が利用できないようにする。

これが無人化計画である。
それを踏まえた上で、先に引用した人民網の記事を改めて読めば、
なぜアメリカが自国の領土と全く関係ない地域で自軍のイージス艦を航行させたり、
戦略爆撃機を飛ばしたり、関係国内に米軍基地を設けたり、
アメリカ製の兵器を売却し、相手国の軍拡に協力しているかがハッキリとわかるだろう。


第一防衛ラインの枠内に中国政府・軍の動きを封じ込め、
かつ同ライン内を不安定化させることで中国が動けないようにする。


これがアメリカ合衆国が今、中国に対して取っている戦略である。

-----------------------------------------------------------
THAADの韓国配備に中国は反対

韓国で第7回中韓外務当局ハイレベル戦略対話に出席した
張業遂外交副部長(外務次官)が16日、新華社の取材に応じた。人民日報海外版が伝えた。

張副部長は「現在朝鮮半島情勢は非常に複雑で敏感だ。中国側は一貫して
朝鮮半島の非核化実現、平和・安定維持、対話と協議を通じた問題解決を堅持している。

中国側は安保理が早急に新たな力強い決議を採択することを支持する。
制裁自体が目的ではなく、やはり対話と交渉を通じて問題の根本的解決法を見出す必要がある」
と述べた。

また
「米韓がミサイル防衛システム『THAAD』の韓国配備について
 協議入りしたと発表したことに、中国側は重大な懸念を表明する。

 THAADが韓国に配備されれば、地域の緊張が激化し、
 中国の戦略・安全保障上の利益が損なわれ、地域の他の国々の安全保障上の利益も損なわれる。
 中国側はこれに明確に反対する。
 関係国が中国側の懸念を重視し、慎重に事を運ぶことを望む」と表明した。

http://j.people.com.cn/n3/2016/0217/c94474-9017837.html

THAAD配備で進む米日南軍事一体化

新たな冷戦体制構築の危機

朝鮮の核実験、人工衛星打ち上げを口実とした
南朝鮮への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備問題をめぐって、周辺国の対立が顕在化している。

南朝鮮の国防部は7日、THAADの南朝鮮配備について
米・南間で公式協議を始める計画を初めて明らかにした。

米・南は朝鮮の人工衛星打ち上げを「弾道長距離ミサイルの実験」だと事実を歪曲し、
「THAAD配備は、あくまでも北の脅威に対応するためのものだ」と強弁している。

しかし米国のミサイル防衛(MD)の中核を担う
THAADは、中国、ロシアに対する軍事的圧力を目的とするものだ。

「北の脅威」というカモフラージュを利用した、
アジア覇権を狙う米国主導の米日南の軍事一体化がいっそう加速している。


中国、ロシアをけん制

米国の多層的な MDシステムの一層を成すTHAADは、
1000キロメートル先の弾道ミサイルの動きを補足し、着弾体勢に入った終末段階で打ち落とすという。

朝鮮半島は地形上北南間の縦深が短いため、高高度迎撃体系であるTHAADは、
北のミサイルを打ち落とすには不適切だという「無用論」が以前から指摘されてきた。


南朝鮮へのTHAAD配備は、米・日・南のMDシステムの統合を促し、3カ国の軍事一体化を深化させる。

THAADの核心技術である、高性能X バンドレーダー「AN/TPY-2」の最大探知距離は12000キロメートル。

南朝鮮西部海岸に設置された場合、朝鮮半島北部を越えて、瀋陽や莱蕪などの
ミサイル基地や北京を含む中国の幅広いエリアとロシアの一部までの監視が可能となる。


日本にもすでに、京都や新潟に高性能レーダーが配備されている。
しかしその観測範囲は北京には及ばない。

日本と米国のMDシステムは、軍事情報交換のためのネットワークLINK16を通じて繋がっている。
南朝鮮国防部は今年1月の大統領府業務報告で、
南朝鮮も今年中にLINK16に加わって米・日との連結・連動を行うとしている。

個別に運用されていた情報ネットワークが米・日・南の間で構築されれば、
朝鮮だけでなく中国など周辺国の軍事情報がリアルタイムで共有されることになる。

ゆえに、中国とロシアはTHAADの配備を自国への脅威と見なし、
北東アジアにおける軍事的緊張と核軍拡競争を触発するとして強く反対している。

中国の王毅外相は12日、ロイター通信のインタビューに対し、
THAADのカバー範囲、特にXバンドレーダーの観測範囲は、
 朝鮮半島の防衛ニーズをはるかに超えて、アジア大陸の奥深くまで到達する。
 これは中国の戦略的安全利益を直接損なうばかりか、この地域のその他の国の安全利益も損なう。
 いかなる国も朝鮮半島核問題を口実に中国の利益を侵害することを断固反対する

とTHAAD配備に強い反対姿勢を示している。

THAADが南朝鮮に配備されれば有事の際、
米国の核前哨基地と化した南朝鮮は中国の攻撃目標になりえる。
THAAD配備は朝鮮半島に核戦争の危機をもたらす重大な危険性をはらんでいるのだ。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/02/23suk/
-----------------------------------------------------------

さて、ようやく北朝鮮への制裁と中国封じ込め計画との関連性について語ることになる。

上の記事を読めばわかるように、北朝鮮への日米韓の強硬姿勢は
実際には中国に対する強い封じ込めとして機能する。


①近隣諸国に武器を売却し、②関係悪化を促し、③地域を不安定にさせることで
中国の封じ込めの手段にさせる。このやり口は南シナ海でのそれと同じものだ。


もともと、アメリカは第一防衛ライン以内に中国や北朝鮮を封じ込めることに専念してきたのだが、
近年は、第一防衛ライン以内にも自軍や同盟国軍の戦闘機や軍艦を侵入させ威嚇を行っている。


これは秘密の挑発行為ではない。

北朝鮮や中国は、このアメリカの行為を公然と非難し、
これに対する対抗手段として中国は対地空ロケット、北朝鮮は核兵器を配備しているのだが、
彼らの主張を日本のメディアがことごとくシャットダウンをしているので知らないだけだ。


逆を言えば、それだけ日本と言う国は事実上の全体主義国だというわけである。


我々は「全体主義国とは、ナチス・ドイツやスターリン政権下のソ連のように
警察や軍が民衆を監視し、逆らう人間はことごとく処刑される国だ」と教えられている。

だが、本当の全体主義国は、むしろ逆で、
国家ではなく産業が民衆に娯楽化したナショナリズムを提供し、
徹底的に甘やかすことで外の世界が見えないようにしているのである。



この記事のはじめのほうで私は如何に日本がアメリカの奴隷のように使われているかを
徹底的に暴露し、非難したが、こういう怒りをマスメディアが示しているだろうか?

むしろ逆で、冷静に考えれば日本にとって一文の得にもならない衝突を煽りたて、
結果的にはアメリカ合衆国が利益を得るような行動を取るよう日常的に鼓舞してはいないか?

本来の民族主義者は、中国や北朝鮮と関係改善をし、双方の安全保障を確立させた上で、
アメリカに対して「アジアから出て行け」と語るぐらい気骨のある人物であるはずだ。

ところが、日本の右翼は「日本人の誇り」をやたらと強調する割には、
むしろアメリカの意のままに沖縄の基地化を進めようとするわ、
TPPを推進しようとするわ、中国や北朝鮮に対して自発的に強硬姿勢をとるわと
アメリカの基本戦略である「アジア人同士を争わせる」を忠実に実行している。

日本の右翼は、武士道をやたらと称えるが、
これもよく観察すると、主君に忠実に仕えようとする意思を礼賛しているように見える。



とすると、どこまで行っても、連中は日本人の誇り=下っ端の誇りと捉えているように感じる。

日本と韓国の争いは、どちらがより有能な下っ端であるかを競っているかにすぎない。
こういうのを韓国では事大主義というらしいが、同じ儒教の国か、日本もまた似た性質を持っている。


こういう情けない性質を「文化」と称して受け継いでいくのもまた自由ではあるが、
私としては、とてもじゃないが、そのような国や人物を日本、日本人として認めたくはない。

北朝鮮への独自制裁は意味がない

2016-02-24 00:25:04 | 北朝鮮
先日、2月20日土曜に日本の北朝鮮に対する独自制裁の内容が発表された。
この制裁は、実際には北朝鮮ではなく、在日コリアンの行動を制限する内容になっている。

-------------------------------------------------------------------------
今回の「独自制裁」は、在日朝鮮人の海外渡航の自由を大幅に制約している
端的にいうと、日本を出ると戻ってこられない、再入国できないという措置だ。

1965年、朝鮮創建20周年祝賀在日朝鮮人代表団の訪朝にあたって、
日本政府が再入国不許可処分としたことで訴訟が起きた。
そのとき東京高裁は海外渡航の自由は基本的人権だとし、国の再入国不許可処分を違法だとした。

この判決は、外交というのは一つの政策ではあるが、
その政策が常に公共の福祉に合致しているとは限らないとした。今回の制裁は、
当時の「かごの鳥」状態を彷彿させるとともに、同じことを繰り返そうとしているのに等しい。

今回の「独自制裁」は、「在日北朝鮮当局職員およびその活動を補佐する立場にある者の
北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」としながら、「対象を従来より拡大する」としている。

このように曖昧な表現の措置は、在日朝鮮人の祖国往来の権利を無限定に制約し、
誰に対しても制約する可能性につながる。在日朝鮮人が本国にいる親族と会う権利に
ふたをしてしまう
うえ、その対象者をどこまでも広げられるからだ。

そもそも、今回の「独自制裁」は政府が勝手に行うことはできない。
国会が法律できちんと対処しなければならない。
そういった意味で、政府に対する国会の監視機能が弱まっているとも捉えられる。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/02/il-862/
--------------------------------------------------------------

2000年代から、日本は「制裁」と称して北朝鮮との人的・物的交流を断ってきた。

北朝鮮は国を閉ざしていると私たちは教えられているが、
実際は日本が一方的につながりを断ち切ってきたのである。

国を閉ざしているのは日本であって、北朝鮮ではない。


その証拠に現在、北朝鮮は、東は中国・ロシア、西はイラン、エチオピア、ナミビアなど、
全世界で162カ国の国家と国交を結んでいる主要国で国交が正常化されていない国は米仏日のみ
                     ※日仏→米仏日に訂正

第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞し、
多くの左翼にも絶賛され、2010年代前半のヒット作となった白井聡氏の『永続敗戦論』には

「かの国と正常な国交を結んでいる国はほぼ皆無と言って良い状態となった。」

と書かれている(同書110頁)が、これは事実に反する記述だ。


日本の右傾化は左翼の右傾化。戦後の民主主義を問う本でさえ、この体たらくである。
呼吸をするように北朝鮮は嫌われ者なのだという意識が刷り込まれていく。


民主主義者の手によって


制裁

法律や規則、また慣習・伝統などの社会的規範に背いた者に対して加えられるこらしめ
また、そうした懲罰を加えること。(大辞泉より)


「制裁」というのは、懲らしめる、つまり正義は我にありという意識を前提にした言葉である
 向こうが悪い。俺が正しい。こういう認識でないと使えない。


162カ国との国交が見えず、あるいは見えても過小評価しようと奮起するのは白井氏だけではあるまい。
あくまで印象論だが、白井氏は自分の意見というより一般の評価をただ書いただけのように見える。

先日、偶然視聴したニュース番組では、
北朝鮮のナミビアへの労働者派遣が、さも不気味なことであるかのように報じられていた。

番組に呼ばれた専門家は「外貨の獲得のために国民を搾取しているのです」と語っていた。
仮に搾取しているとしても、その主体はナミビアの企業であり、北朝鮮本国とは関係がない。

ベトナムや中国、フィリピンなどのアジア出身の出稼ぎ労働者の中にも、
日本の悪徳企業に搾取されている人間は少なくないが、これを異常視する声はあまりない。

その搾取をもって、日本の自民党政権を崩壊させるために軍事手段に訴えよと叫ぶ
政治家や学者、ジャーナリストがいたら、正真正銘の暴力主義者(テロリスト)と呼ばれるだろう。

だが、これが中国や北朝鮮が対象になると、途端に彼らは「民主化運動家」になってしまう。
こういう理不尽さに対して怒りを露にする人間が発言権を奪われているのが今の日本だ。

先日、朝鮮新報で人工衛星打ち上げに関する報道姿勢を批判した浅野健一氏は、その好例だろう。

では、このような真似をしてまで貫徹せんと
政府やメディア、知識人が躍起になっている「制裁」と称する事実上の鎖国政策に意味はあるのか?

ない


先述したように、これまで日本は徹底して北朝鮮と国交を断絶してきた。
元々、経済的につながりのある国が一方的にラインを断ち切るなら効果はあるだろう。

だが、もともと経済交流など無いに等しい日本が「制裁」をしたところで何の意味があるのか?
食料や衣料といった人道支援のための物資すら送っていない国に出来ることなどはない。

そのため、北朝鮮ではなく、朝鮮半島にルーツがある組織や外国人の自由を剥奪しているのである。
これは、客観的にみれば「経済制裁」ではなく、「人権侵害」「嫌がらせ」という類のものだ。


ただ、一応、フォローすると、この種の事実上の「人権侵害」は日本特有のものではない。
同じくアメリカに媚を売り、自国の領土を基地として謙譲している韓国も同様である。


---------------------------------------------------
「北の食堂」禁止令 

南当局が「海外にある北の食堂」を利用してはならないと「禁止令」を出した。
支払われる外貨が「北の核・ミサイル開発に使われる」というのが理由だ。

∇嘘の上塗りとはこのことだ。
 南当局は、北に対する「独自制裁」として開城工業地区を全面中断した。統一部長官は
「北の労働者に支払われる賃金の70%が核・ミサイル開発の資金になっている」と説明した。
 それが事実なら、南当局は国連安保理決議に違反したことになる。
 北に制裁をかけるどころか、軍事力強化の財政支援を続けてきたということだ。

∇この矛盾点を突かれ、国会で野党の集中砲火を浴びた
 統一部長官は「資金流用の証拠はない」とトーンダウンせざるを得なかった。

 ところが、その後の国会演説で大統領が資金流用を既成事実化した。

 今の南では、辻褄の合わないデタラメでも、
 独裁者の発言はすべて絶対視され、官僚組織がそれを金科玉条のごとく守るようになっている。


 北に支払われる外貨が核ミサイル開発の資金となるという妄想は、
 平壌冷麺や大同江ビールを提供する食堂の金庫にまで広がった。

∇12カ国に130店舗以上あるという朝鮮食堂。
 歌と踊りの公演を行う店舗もあり、気軽に朝鮮を体験できる。
 様々な国の人が利用しているのに、同じ民族が立ち入れないなんて、こんな滑稽なことはない。
 南の旅行者が外国人に「北の核開発を止めるために平壌冷麺を我慢する」と言ったら、
 それこそ世界の笑いものになってしまう。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/02/skst-81/
---------------------------------------------------

これもよく読めば、北朝鮮ではなく自国の人間の自由が剥奪されていることに気がつくだろう。


こういう類の自国の民への嫌がらせを日本や韓国の主流左翼は「経済制裁」と呼んでいる。
右翼がそう呼ぶのはわかるが、仮にも不戦を誓う左翼がそれで良いのだろうか?


もはや北朝鮮の核実験を中止させるための実効的な制裁を行っているというよりも、
単に北朝鮮の印象を悪化させることを目的としたプロパガンダに専念しているように見える。
(あるいは内側に向けられた暴力が外側を向いているかのように国民を騙していると言うべきか?)

これは私が勝手に思っていることではない。
当の日本や韓国、アメリカも独自制裁が有効的ではないと考え、中国に応援を命じている。

頼んでいるのではなく、命令をしている。我々に従えと叫んでいる。
これについては御用新聞Aが社説で政府の代弁をしているので以下にリンクを貼っておく。

[朝日新聞] 対北朝鮮 「日米韓」連携を糸口に (2016年02月17日)

--------------------------------------------------------
北朝鮮の核・ミサイルによる挑発にどう向き合うべきか。
カギを握る中国は、北朝鮮を崩壊させるような混乱を恐れ、制裁の徹底には腰が重い。

まずは日本、米国、韓国の協力を再構築し、
それを土台として、中国を連携に巻き込まなければならない。

将来的には、ロシアも含む6者協議の再開につなげることが望ましい。

(同社説より)

---------------------------------------------------------

一応、対話の必要性も申し訳程度に書いているが、対話をする役目はアメリカに投げている。
また、後半部にも慰安婦問題の妥結を肯定的に書いた箇所があるが、これは注目に値しよう。


なぜならば、最近の北朝鮮制裁・慰安婦問題妥結・南シナ海の領土問題における
日米韓の動きは全て根っこの部分でつながっているからである。


すなわち日米韓+アルファ(比・台・越)による中国包囲網の形成を狙う動きだ。
日本では中国が軍事拡張をしているといわれているが、実際には逆である。

地図を眺めるだけでも米軍の力によって
中国が南シナ海よりも内側の地域に封じ込められているのがわかるだろう。

この点は、最近の北朝鮮問題や慰安婦問題を考える上でも大変重要なものなので、
後日、改めて、アメリカと同盟国による中国封じ込め体制について説明をしたいと思う。

韓国の北朝鮮報道が如何に胡散臭いかがよくわかるエピソード

2016-02-21 00:07:38 | 北朝鮮
「北朝鮮のロケットはロシアの協力によるものだ」という情報に限らず、
 韓国経由の北朝鮮に関する情報は、よく調べると根拠に乏しいものが少なくない。

これは、その情報の多くが政府の情報機関、つまり軍事政権の時代から
北朝鮮に関するプロパガンダを量産し、政府を批判する人間を共産主義者として拘禁、
拷問を加え、最近では偽の証拠をでっち上げ、穏健派の政党を強制解党させている国情院から
発信されているからだと思われる。

では、民間が発信する情報ならば信用がおけるのかと言えば、それも違う。

例えば、北朝鮮は定期的にアメリカとの終戦、平和条約締結、米韓合同軍事演習の中止と
引き換えに核開発の取りやめを提言している
のだが、こういう動きは無視されるか、
あるいは歪んだ形で伝えられ、あたかも北朝鮮が苦し紛れの嘘をついているかのように語られる

そのことをよく表すエピソードがある。

----------------------------------------------------------------
金正日総書記は、ロシアのプーチン大統領と会談した際に、
もし世界が北朝鮮の宇宙の平和的開拓プログラムの実現を手助けするのであれば、
弾道ミサイル実験と核兵器製造を放棄する用意があると述べた。


しかしその後まもなくして韓国のメディアは、
金正日総書記が平壌で韓国のジャーナリスト代表団と面会した時に、
これは『冗談だ』と言ったと報じた。その少し後に私はソウルで
この韓国代表団の団長と会い、本当に金正日総書記は冗談だったと言ったのか?と質問した。

韓国ジャーナリスト代表団の団長は私に
私はその言葉を聞いていないもしかしたら私はその時トイレに行っていたのかもしれない
と言った。これは非常に外交的な答えだ。なぜなら高い地位にあるジャーナリストで、
韓国大手紙の編集長でもある人物が、自分の仲間が嘘をついたということはできないからだ。

金正日総書記との面会中にトイレへ行くことなどできるわけがない。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20160217/1626652.html#ixzz40iocjlvF
----------------------------------------------------------------

頼んでもいないのに国内の保守派に媚を売るような報道をするのを見ると、
どことなく、同じくアメリカの奴隷国家に嬉々として成り下がっているJの新聞を思い出す。


朝日新聞とか。

まぁ、朝日新聞の北朝鮮に関連する記事の多くは、
文春新書で本を書いてしまうほどアレな牧野愛博記者が書いているから、納得だが。

逆を言えば、それだけ今の朝日新聞は右翼的な記事が載せられており、
特に外国報道に関して言えば、典型的な翼賛記事ばかり量産されていることがわかる。

ウクライナしかり、中国しかり、ロシアしかり、北朝鮮しかり。

日本の右傾化は左翼の右傾化だと私が強く主張するのも、こういう点が根拠になっている。


私たちは日常的に学校や新聞、本、雑誌、ネットで
社会主義国は情報が監視されていて政府に都合の悪い意見が言えず、真実がない
という風に刷り込まれているわけだが、実際は中国も日本も大政翼賛報道の度合いはそう変わらない。


日本に限らず、シリアやウクライナの内紛の伝え方を思えば、フランスやイギリスも同様だろう。
アメリカも言うに及ばず。むしろ欧米圏内の報道機関や知識人の多くは、自分たちが
自由の国で生きているという妄想を抱き、相手国の主張を聞こうとしない分、余計に性質が悪い。

結局、日本やアメリカのような民主主義国家の言論の自由というものは、
口をパクパク動かすだけの自由であり、影響力が少ないために見逃されているだけに過ぎない。

自己検閲システムが完璧とでも言おうか。
とかく、少数意見はマイナー出版社・ブログから発信されがちだ。

新聞社は今更だが、これが実のところ、大月書店や岩波書店のような左派系出版社まで
そうであるのは、何ともいえない。特に『世界』(岩波)の閉鎖的な論壇は大いに問題があるだろう。

右翼でさえ若い世代を何人か囲っているのに対して、
左翼は少数の人間が発言権を握っていて、高齢者ばかりが論説を書いている。

こういう状況が、ますます発言権を奪われているという意識を育て、
結果的にネトウヨの被害者意識に拍車をかけている
と思うのだが・・・・・・

韓国、調子に乗りすぎてロシアに叱られる

2016-02-21 00:05:48 | 北朝鮮
一見、北朝鮮問題は、北朝鮮と国際社会(笑)との対立であるかのように見えるが、
実際には、6カ国協議の東側(朝・露・中)と西側(米韓日)との対立であり、
北朝鮮の脅威を口実に中国やロシアの防衛圏内にアメリカの軍事施設を敷設する動きでもある。

それゆえに、よく見てみると北朝鮮の人工衛星打ち上げをネタにして、
中国やロシアを包囲しようとする動きが現在、展開されていることに気がつく。


さて、北朝鮮の人工衛星打ち上げを巡る動きだが、
米韓日、いずれの国も鼻息が荒いものの、特に韓国が最も攻撃的な姿勢を見せている。

何人かのセヌリ党(韓国与党)の議員は、自国の核武装や金正恩の暗殺を主張し始めた。
南北の友好の象徴だった開城(ケソン)経済開発地域も一方的に閉鎖、
アメリカも韓国に攻撃型原子力潜水艦や対地空ミサイルを配備、一気に要塞化が進んだ。

そればかりでなく「北朝鮮のテロ」を口実に反テロ関連法を可決しようとしている。
これは、実際には国内の左翼の運動を取り締まるためのものであり、
フランス同様、テロの脅威に対抗するとの名目で国内の社会運動を監視するものである。

韓国と同じくアメリカの手下に成り下がっている奴隷国家Jでさえ、この手の法律はまだない。
(まぁ、日本の場合、既存の法や組織で十分監視が出来ているからであるわけだが)

この反テロ関連法については別の記事で詳しく書くとして、
最近の韓国は中国やロシアに対しても悪態をついていて、顰蹙を買っている。

特にロシアに対しては、まだ正確なことがわかっていない時期から
北朝鮮を裏から操る悪の権化であるかのように怒り狂っていた。

以下の記事は、その件に対するロシアの熱いお叱りを報じたものである。

---------------------------------------------------------
ロシアのロゴジン副首相は、
ロシアが北朝鮮にミサイル製造技術を供与したとする韓国の非難について、
「ナンセンス」だと指摘し、ロシアはミサイル製造技術の不拡散体制を堅持していると強調した。


聯合ニュースは、韓国の情報機関の情報として
ミサイルの複数の部品はロシアから導入した可能性があると報じた。

なお韓国はいかなる証拠も提示していない。

ロシア人専門家のウラジーミル・エフセエフ氏は、
韓国は以前も同じような根拠のない非難を行ったことがあると述べ、次のように語っている。

「北朝鮮が2012年に打ち上げたロケット『銀河3号』の1段目を
 韓国軍が水中から引き上げたとき、専門家たちはこれを非常に綿密に調査した。

 分析は、ロケットの1段目から発見された装置の多くが、
 欧州諸国でつくられたものであることを示した。

そのため北朝鮮が何らかのロシアのロケット技術を使用したとして
ロシアを非難する前に、『銀河3号』の製造に参加したことが明らかとなった
企業のことを究明してもよいのではないだろうか。その他にも『銀河3号』の1段目を製造する際、
溶接が非常に雑だった。これは1段目が北朝鮮で製造されてことを物語っている。」

さらにエフセエフ氏は、北朝鮮のミサイル製造にロシアが参加したという根拠のない主張は、
今後も続けられる恐れがあるとの見方を示し、次のように語っている。


「北朝鮮が兵器級プルトニウムの製造に取り組んでいたとき、
 北朝鮮はロシア製のものと似た重水炉タイプではなく、
 英国で使用されている『マグノックス炉』タイプの黒鉛減速ガス冷却炉を使用した。
 北朝鮮がこの黒鉛炉を真似し、その後完成させたと考えられるあらゆる根拠がある。

 そのため、ロシアが北朝鮮に何らかの技術を供与したとして非難する根拠は一切ない。
 その技術とはどのようなものなのか、
 そしてそれがどこから北朝鮮に入ってきたのかを究明する必要がある。

 私個人としては、『銀河3号』は北朝鮮が製造した打ち上げロケットであり、
 その原型はソ連あるいはロシアの打ち上げロケットだというのは事実ではないと確信している。

 また『銀河3号』では液体燃料が使用されているという事実も、
 ロシアがミサイル技術を北朝鮮に供与していると主張する根拠にはなっていない。」

エフセーエフ氏は、北朝鮮に対して新たな制裁を発動する前に、
以前発動された対北朝鮮制裁に違反した西側諸国を明らかにする必要があるとの考えを表している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20160210/1584350.html#ixzz40ifTVCyz

---------------------------------------------------------
また、いつもの韓国の情報機関発祥のデマである。

韓国は1年ほど前に国内の原子力発電所のコンピュータがハッキングされた時も
証拠がないのに北朝鮮の仕業だと言って騒いでいた。そういう性分なんだろうか?


北朝鮮への強い制裁に反対する中国に対しても韓国は非難の声を挙げているが、
よくよく考えれば、これは日本のマスメディアと全く同じ反応である。

例えば朝日新聞は、核実験の直後こそ、「今回は中国も憤りを覚えている!」と
中国でさえ怒っているぞといきまいていたが、その後、非難の決議には応じるが、
制裁には協力しないことがわかってくると今度は中国の姿勢を非難するようになった。


こういう動きは全てアメリカの了解済みであることは、言うまでもないが、
さすがに北の荒熊に喧嘩を売ったのは不味かった。

現在、ロシアは韓国に防衛ミサイルが配置されることに非難の声を挙げている。
韓国はあくまで北朝鮮が対象でロシアをけん制するものではないと言い張っているが、
今回の韓国の動きは、このような発言をますます胡散臭いものにさせてしまったのではないだろうか?

ウクライナ治安当局、ドンバスに地雷を施設

2016-02-16 00:27:39 | ロシア・ウクライナ
ウクライナのドネツク・ルガンスク地方では、
一応の停戦状態ではあるものの、政府軍と独立軍との間で衝突が頻繁に起きている。

前々から「テロリスト掃討」という名目で住宅地や病院、学校を爆撃する政府軍のやり口に対して
非難の声はあったわけだし、白リン弾が使用されたとのニュースもあったわけだが、ここにきて
とうとう地雷まで使い始めたとのニュースが登場した。以下はスプートニク紙から引用したものである。

-----------------------------------------------

ウクライナの治安当局は、一般市民に直接的な脅威を与える場所で地雷の敷設を続けている。
独立を宣言するドネツク人民共和国の国防省が情報機関の情報として伝えた。

ドネツク人民共和国国防省は、次のように発表した-


「ドネツク人民共和国軍の情報機関は、ドンバスの一般市民に対して
 ウクライナ懲罰隊員らが地雷爆発テロを実施した事実に関する情報の収集を続けている。

 ルガンスクの居住地区周辺(接触ラインから7.5キロ)では、地雷の設置が確認されており、
 人々の命に直接脅威を与えているほか、これはジュネーブ条約の深刻な違反でもある。」

ドネツク人民共和国国防省は、ウクライナ治安当局による地雷の敷設について、
ウクライナの管理外にある領土を孤立化させためのものだと指摘している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20160214/1608019.html#ixzz40FeTTxJ5

-----------------------------------------------

Civilian got wounded in time of the mortar shelling in northern suburb of Gorlovka,
Donetsk was shelled for 4 hours


先日、ドネツク地方のゴルロフカ市で政府軍は4時間に及ぶ爆撃を行った。
その結果、学校は破壊され、何人か(数は不明)の市民が死傷した。

Crisis News From Donetsk And Lugansk Republics,
Death And Destruction By The Kiev Junta Regime !


爆撃に地雷。どう考えても中央政府のほうが人命を奪っている。
もはや政府はドネツクに住む全ての人間がテロリストだと考えているのではないだろうか?

北朝鮮に対するアメリカの陰険なプロパガンダ活動

2016-02-14 23:34:25 | 北朝鮮
アメリカの言語学者ノーム・チョムスキーは、自国の言論状況を
「合意の形成」、「観客民主主義」という言葉で形容する(『メディア・コントロール』より)

民主主義社会のもう一つの概念は、一般の人びとを
 彼ら自身の問題に決してかかわらせてはならず、情報へのアクセスは
 一部の人間のあいだだけで厳重に管理しておかなければならないとするものだ。


 そんな民主主義社会の概念があるかと思われるかもしれないが、
 実のところ、優勢なのはこちらのほうだと理解しておくべきだろう」

アメリカでは未だに広島への原爆投下が歪んで伝えられており、間違った知識を持つ者が少なくない。
その影響はハリウッド映画のような娯楽作品にもにじみ出ている。

駄作と名高い『インディ・ジョーンズ4』では、
ソ連アメリカの原爆投下を冷蔵庫の中に隠れてやり過ごすというシーンがある。
(訂正:問題の箇所を見直したらソ連ではなく、アメリカの核実験施設での話だった)

私たち日本人にとっては「そんなんで防げるわけないだろ」と誰もが思う場面だが、
こういう常識を疑う表現が当たり前に行われるあたり、
いかにこの惨事に関する教育の実施がアメリカ国内で不足しているかが思い知らされる。

恐怖映画の金字塔である『ジョーズ』でも、サメ退治に参加する船長が
第二次世界大戦中、軍艦に乗り原爆の部品を届けたことを自慢げに語る場面がある。

このシーンの肝は、帰艦中に日本軍により撃沈され、船員の7割がサメに食われたこと、
つまり、サメを殺すこと=米軍の敗北という苦い歴史を払拭することを示唆する点にある。

サメに対する憎しみを表現したと言えばそれまでだが、
「理由などいくらでもあるだろうに、なぜインディアナポリス号の事件を」という疑問が残る。

アメリカ映画といえば、特撮映画の神といわれるレイ・ハリー・ハウゼンの最後の活劇である
『タイタンの戦い』もオリジナルはギリシャ神話を絶妙にアレンジした娯楽作品で、
 主人公である英雄ペルセウスも基本的には単独で行動するのだが、
 リメイクしたバージョンでは、おそらく海兵隊をモデルとした戦隊が主人公となっており、
 中東を想起させる砂漠地帯で次々と仲間を殺されながら、ついにゴルゴンの首を手に入れる。

(訂正:「海兵隊をモデルとした」→「おそらく海兵隊をモデルとした」
     公言されているわけではないので一応。
     また、海兵隊ではなく、一般的な米軍の小隊なのかもしれない。
     いずれにせよ、米軍の一隊をモデルとしたことに変わりはない)


神話の話が、なぜか神話風の戦争物語に変えられていたので、劇場で驚愕した覚えがあるが、
かくもアメリカ映画というのは米軍最強、正義の使者というイデオロギーに汚染されているわけだ。

イラク戦争において加害者であるはずのアメリカを犠牲者であるかのように描き出す
『ハート・ロッカー』や『アメリカン・スナイパー』が高く評価される社会。

『永遠のゼロ』がドラマ化されたり映画化される某国Jと事情は似たりよったりなのか。

さて、こういう状況の中、アメリカは北朝鮮の「プロパガンダ」に対抗するために
ハリウッド映画や韓国ドラマを収めたUSBメモリを北朝鮮国内に送り込む計画を立てた。

--------------------------------------------------------------
米国、北朝鮮プロパガンダ対策のためフラッシュドライブを大量収集


ニューヨークの人権団体および非営利組織「フォーラム280」は
「フラッシュ・ドライヴス・フォー・フリーダム」キャンペーンの枠内で
北朝鮮プロパガンダに対抗するためフラッシュドライブの大量収集を始めた。


フラッシュドライブは北朝鮮戦略センターのソウル本部に送られ、
そこで欧米・韓国製の映画やTV番組を書き込まれる。のち、違法に北朝鮮に運び込まれ、
住民に配布される。このような形で、禁じられた欧米文化に親しんでもらおう、という企画だ。

以前は人権団体が市販のものを自費で買っていた。
年間10万個ほどのUSBメモリを集めることができたという。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20160213/1604694.html#ixzz408pMv8Ad

--------------------------------------------------------------

お前たちがやっていることこそプロパガンダではないのか
という単純な疑問がここには存在しない。

ハフィントン・ポストの記事によると、
「韓国のドラマからハリウッド映画、朝鮮語版ウィキペディア、
 脱北者のインタビュー映像」等がUSBメモリーによって送られるらしい。


マイケル・ムーアの『華氏911』や
オリバー・ストーンの『プラトーン』が送られるなら歓迎したいがそれはないだろう。


『グアンタナモ、僕達が見た真実』という映画がある。
 
「タイトルの「グアンタナモ」とは、キューバ東部で、米軍基地が置かれている敷地。
 
 アフガニスタン侵攻後に捕らえられたテロリスト容疑者たちが送り込まれ、
 取り調べを受ける場所である。

 本作は、テロリストと勘違いされてグアンタナモに送られた青年たちの運命を、
 モデルとなった本人のインタビュー映像も交えて再現した、いわゆる「ドキュ・ドラマ」だ。

 イギリスに住むパキスタン人青年が、母親が見つけた相手と結婚するため、
 式を祝う2名の友人を伴ってパキスタンへ向かう。隣国アフガニスタンの状況を知った彼らは、
 何か援助活動をできればという軽い気持ちでアフガンに入ったところ、身柄を拘束されてしまうのだ。

  無実であるにもかかわらず、イギリスに潜伏していたテロリストと勘違いされる過程が、
 背筋も凍るリアル描写で展開。米軍側の虐待は、肉体的拷問はもちろん、大音響の密室に監禁し、
 イスラム教の信者にとって命より大切なコーランを捨てるなど、ショックを通り越していく。
 
 演じる新人俳優たちのまっすぐな表情と、モデル当人たちの淡々とした回想の相乗効果も、
 悲劇性を際立たせる。この映画が描くことすべてが真実であるなら、
 世界は本当に恐ろしい状況に陥っていることを実感するだろう。

 どんなニュース映像にも負けない、「映画」としてのパワーが、ここにある。(斉藤博昭) 」

この映画はイギリスで作られたが、
同様の作品はハリウッドで製作されていない。


代わりに作られたのが北朝鮮の金正恩暗殺を面白おかしく描いた『ザ・インタビュー』である。
この作品はCIAの協力の下、製作されたが、
これを風船にくくりつけて北朝鮮に飛ばすというキャンペーンが過去、行われている。

この人権団体の皮をかぶった政府のエージェントがおりなす体制転覆策動の参加者が
今回のUSBメモリ大量送付プロジェクトの中心者
らしい。さもありなん。

---------------------------------------------------
アメリカの人権団体が、使わなくなったUSBメモリーの寄付を募集している。
欧米や韓国の映画・テレビ番組を詰め込んで、北朝鮮に持ち込むためだ。

~中略~

「Flash Drives for Freedom(自由のためのフラッシュドライブ)」と名付けられたこの企画は
「人権基金」と「フォーラム280」という2つの団体によるもので、狙いは、
 平壌の国営放送を通さずに北朝鮮の人に外の世界を見せることだ。

「USBメモリーは北朝鮮で利用可能なテクノロジーで、人々の情報伝達に使われています」
 人権基金の最高戦略責任者アレックス・グラッドスタイン氏はワイアード誌にそう語った。
「1つのUSBメモリーが誰かの人生を、文字通り変える潜在能力を持っているのです」

~中略~

グラッドスタイン氏といえば2015年にも、風船に「ザ・インタビュー」のコピー
約10,000本をくくりつけ、北朝鮮にばらまく計画を指揮したことで知られている。

「ザ・インタビュー」は、インタビュアーが金正恩を暗殺するという内容が
波紋を呼んだコメディー映画だ。北朝鮮はこの映画の公開に激怒し、
アメリカ政府と舌戦を繰り広げながら2014年には配給元のソニー・ピクチャーズに
ハッキング攻撃をしかけた。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/10/north-korea-usb-drives_n_9206480.html
---------------------------------------------------

ハフィントン・ポストは北朝鮮の仕業と決め付けているが証拠はない。
アメリカ政府の主張をなぞっただけの見解だ。

これに対して北朝鮮政府は米朝共同の調査を提言したが却下された。

結果的に、この事件が良い宣伝になり、この映画は異例のヒット作になった。
アメリカのセキュリティ会社は、社内の人間がハッキングした疑いがあると主張している。

この事件で、どこが最も利益を得たのかを考えれば、誰が仕掛けたのかは明確だ。


送り込む映画には『ハンガー・ゲーム』、アメリカドラマで『デスパレートな妻たち』と
本当にそんなものを見て体制転覆につながるのか疑問に思うものが含まれている。

どうせ送り込むなら、私は是非とも『地獄の黙示録』か『誰も知らない基地のこと』をお勧めしたい。
前者は有名な作品なので、後者の紹介文だけを以下に載せようと思う。

--------------------------------------------
日本人が知らない米軍基地問題の常識

世界中の米軍基地で様々な問題が起こっている-
なぜ、基地はなくならないのか? なぜ、基地は増え続けるのか?

尖閣諸島、竹島の領土問題で緊張高まる中韓関係を背景に、
長引く普天間基地移設問題に加え、オスプレイ配備、米兵による犯罪など
米軍基地をめぐる問題が連日、メディアをにぎわす。

だが世界に目をやれば、基地問題は日本だけの問題ではない。

現在、世界の約40カ国に700箇所以上の米軍基地が存在する。

なぜ、戦後60年以上過ぎても基地をなくすことができないのか?

本作は2007年にイタリアで起こった基地拡大への反対運動をきっかけに、
イタリアの若手監督2人がその謎を探る旅に出て制作したドキュメンタリー。

主な取材地はピチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間(沖縄)。
基地の騒音や兵士が起こす事故に苦しむ住民と専門家への取材を通じ、
横暴な米軍と膨らみ続ける軍産複合体の真実を暴いていく。

沖縄返還から40年を経た今、 一国の存在意義を揺るがす重要課題でありながら、
国民全員がその実態を把握しているとは言い難い沖縄基地問題。

本作はその入門編としても最適であり日本人が必見のドキュメンタリーだ。
(C)Effendemfilm and Takae Films
--------------------------------------------

なお、海外ニュースの翻訳記事を毎日アップしている
『マスコミに載らない海外記事』の最新記事
「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」では、
ファシストの条件として、以下の10点が挙げられている。

1 国内と国外に恐ろしい敵を作り上げる
2 政治犯収容所を作る
3 暴漢カーストを育成する
4 国内監視制度を作り上げる
5 市民団体に嫌がらせをする
6 専断的な拘留と釈放を行う
7 主要人物を攻撃する
8 マスコミを支配する
9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する


まぁ、どこの国にも当てはまるような気がしなくもないが、
番号8「マスコミを支配する」は、まさに今回のニュースに該当するものなのだろう。

(問題は、こういう嫌がらせを政府と民間が結託して行っているところ。
 今回の運動も表面的には民間NPOの活動として報じられている。
 現代の「民主化運動」と称するプロパガンダ活動は、
 スポンサーがわからない(わかりづらい)システムが構築されている)


・追記

「情報が一部の人間によって秘匿されている」というチョムスキーの主張を読むにつれ、
 中国の南シナ海における動きを思い出した。

 いわく、中国は人工島を建造しようとしている、危険だという話だが、
 南沙諸島にある18の小島のいくつかは台湾やフィリピン、ベトナム、マレーシアが
 軍事占領し、すでに基地が建造されている場所もあるという事実が全く触れられていない。

 ちなみに、中国はどこの島も軍事占領していない。

 特にフィリピンの軍事占領は凄まじいもので、
 1978年までに18のうち7つの島を占拠した。

 なお、フィリピンは日韓同様、アメリカの属国である。


フィリピンは2014年にアメリカと軍事協定を締結し、
在比米軍を拡大すること、具体的には自国の基地を米軍に提供することを決定した。

フィリピンではマルコス軍事政権が86年に退陣し、民主化が進む中で
米軍の駐留に反対する声が叫ばれるようになり、1992年には全米軍が同国から撤退していた。

つまり、2014年の軍事協定は単なる協定ではなく、
一度は撤退したはずの米軍の再駐留が可能となるものだった
のである。

なお、この動きに対して反対派は憲法違反だと抗議し、裁判所に訴えたのだが、
フィリピン最高裁は上の協定を合憲と判断し、彼らの声を黙殺した。

こういう動きの中、
アジア最大の米海軍基地、スーピック基地の復活がはじまっている。

2015年には日本の事実上の軍隊とも共同軍事演習を開始し、協力体制が築かれつつある。

集団的自衛権を巡る動きは、このような南シナ海の動きに連動して起きているのだが、
これを指摘し、すでに日本はフィリピンと結託して戦争・紛争の準備をしている
と主張する人間がどれだけいるだろうか?大いに疑問である。

ロシア・中国、北朝鮮への更なる制裁を望まず

2016-02-10 00:12:54 | 北朝鮮
北朝鮮の人工衛星打ち上げを口実にアメリカとその下僕国家J&Kは、
独自制裁も含めた更なる強硬策を今後も続けていくと表明した。

アメリカ、韓国、日本が対北朝鮮制裁で合意

頼まれもしないのに独自制裁を勝手に行おうとする日本。
着々と進む普天間基地県内移設と自衛隊の行動規制緩和、軍事兵器の輸出入増大。改憲。TPPの推進。
アメリカの大学教授の言いなりのままに動く経済政策。その結果のGDPマイナス成長と格差拡大。

政治的にも経済的にも手綱を「握られている」状態。正確には手綱を「握らせている」状態。
アメリカに脅迫されたわけでもなく、自発的にアメリカのクモの巣にかかろうとしている。

北朝鮮の国営メディア朝鮮中央通信KCNAは、嬉々として自己の領地を大国に捧げる両政府を
「Gold Shower」と形容した。小便を引っ掛けられて喜ぶ変態という意味だ。

------------------------------------------------------------
北朝鮮ミサイル発射 日本政府の対応 過剰な軍事対応を展開
通告経路外の自衛隊配備で“宣伝”


北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に対し、
日本政府は前回の2012年に続いて戦争さながらの過剰な軍事対応を展開し、
専門家から実効性が疑問視される「ミサイル防衛」(MD)体制の宣伝を繰り返しました。

「迎撃」自体が困難

防衛省はミサイル発射に際して、7日未明までに「迎撃」態勢を構築。海上自衛隊は
スタンダード・ミサイル(SM3)装備のイージス艦3隻(東シナ海2隻、日本海1隻)を展開。
航空自衛隊はパトリオット・ミサイル(PAC3)を
首都圏3カ所(市ケ谷、朝霞、習志野の自衛隊基地内)、
沖縄本島2カ所(那覇基地、知念分屯基地)、先島諸島2カ所の計7カ所に配備しました。





北朝鮮が2日に国際海事機関(IMO)に通告した飛行経路によれば、
日本の上空を横切るのは沖縄県・先島諸島の多良間島付近です。

しかし、日本政府は経路の判明後も首都圏3カ所のPAC3を維持。
これらはMD体制の宣伝以外に意味のない過剰対処です。

これに加え、同省は7日未明までに宮古島と石垣島へのPAC3配備を完了させました。
PAC3の迎撃高度は「数10キロメートル」(防衛省)とされ、
先島諸島上空約500キロを通過したとされる今回のミサイル迎撃はそもそも不可能。
また、予想軌道から外れた破片などの迎撃はきわめて困難といわれています。

配備地ならし狙う

政府は一方、通告経路のほぼ直下にあたる先島諸島の多良間島だけでなく、
経路から約20~150キロも離れた宮古島、石垣島、与那国島にも
陸上自衛隊の化学防護部隊などを派遣し、被害が生じた場合の対処にあたらせました。

これら3島ではいずれも中国に対抗するための新たな自衛隊部隊の配備が狙われており、
PAC3や陸自部隊の展開は、住民を“軍”に慣らすための“地ならし”も兼ねています。


中谷元・防衛相は事実、先島諸島へのPAC3の常時配備について
「今後の北朝鮮などの動向を見ながら考えたい」(7日)と可能性を否定しませんでした。

政府は2004年~15年までにMD関連で約1兆3500億円もの巨費を支出。
さらに、大気圏再突入時のミサイルを「迎撃」する終末高高度防衛(THAAD)
システムの導入も検討しています。北朝鮮のミサイル・核兵器開発と「いたちごっこ」となり、
際限ない軍事費の膨張と緊張の激化という悪循環に陥る危険があります。(池田晋)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-08/2016020803_02_1.html
-------------------------------------------------------------------


こうして反転させると日本列島に沿って、ズラっと基地や軍艦が並んでいる。

もう一つ、この問題を考える上で貴重な記事を紹介する。



----------------------------------------------------
アメリカ、日本、韓国の軍関係者が、会議を開催

アメリカ国防総省の関係者の一人が、
「北朝鮮のミサイル発射を受け、今週、アメリカ、日本、韓国の軍司令官の間で、
 朝鮮半島での3カ国の関係を強化するため会議が開催される」としました。

ロイター通信がワシントンから伝えたところによりますと、
アメリカ軍統合参謀本部のダンフォード議長は、
今週、太平洋地域のアメリカの指令本部のあるハワイを訪問する予定です。

この訪問は、
国際社会の非難を受けた7日日曜の
北朝鮮のミサイル発射の前に計画されていました。


韓国軍統合参謀本部のイ・スンジン議長は、ビデオ映像を通じてこの会議に出席する予定ですが、
日本の河野(かわの)統合幕僚長が、この会議に実際に出席するかどうかははっきりしていません。

アメリカからは、ハリー・ハリス海軍太平洋艦隊司令官と
カーティス・スカパロッティ在韓アメリカ軍司令官が出席する予定です。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/62185-
----------------------------------------------------

つまり、現在の朝鮮半島付近では北朝鮮の脅威とは関係なく
米韓日の軍事同盟の強化と日韓の米軍基地化が進められていて、
アメリカは両国に自国が開発した防衛ミサイルを配備させることで
中国・ロシア・北朝鮮、すなわち冷戦時代の仮想敵国をけん制しようとしているのである。

歴史学者の白宗元氏はアメリカのアジア戦略はアジア人同士で戦わせることと語ったが、
これは言い得て妙であり、日本と韓国を歩兵や銀将のごとく尖兵として利用しているのだ。
(日韓の対立など、しょせんはどちらが歩か銀かで揉めているだけに過ぎない)

米韓日の軍拡をロシアは北朝鮮の核以上に警戒している。

以下は、イランラジオのガッファーリー解説員の論説文である。

----------------------------------------
北朝鮮の衛星打ち上げを受け、国連安保理は北朝鮮に対する強力な決議を採択することを決定しました。
また北朝鮮のミサイル実験を強く非難する声明が発表されました。

明らかに、安保理は声明にとどまらず、
北朝鮮に対する更なる圧力に向けた決議を採択することを決定しました。

安保理理事国やその他の関係者によれば、
北朝鮮の衛星ロケットは、核兵器を搭載することができるように開発されており、
これ自体安保理の4つの決議の違反だということです。安保理理事国、アメリカと
アジアのそのすべての同盟国は、北朝鮮の行動を平和に対する明らかな脅威と見ています。

北朝鮮に対する決議の採択という安保理の措置は、北朝鮮の決定に影響を及ぼさないかもしれません。
こうした中、北朝鮮の衛星打ち上げに対するロシアの意見表明により、ロシアが取っている立場に
注目が集まっています。ロシアはアジアの北や東での自らの利益を考えているのでしょう。

ロシアが北朝鮮をこれに関する自らの駒と考えているか否かはさておき、
実際、アジア、基本的には世界でロシアの台頭を目にするような出来事が起こっています。

ウクライナ危機と日本が欧米に倣ってロシアに制裁を行使したあと、
ロシアが北朝鮮の債務を免除した
ことは、ロシアをはじめとする各国の政策を示すものです。

ロシアが北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開は
困難となっていると述べたことは、こうした点から分析できるでしょう。
ロシアは戦術にわずかな違いがあるものの、中国と同じように行動しているようです。

もし北朝鮮が自らの行為によって制裁を受けることになるなら、
なぜアジアにおけるアメリカの軍事拠点になっている国々は世界の非難の対象にならないのでしょうか。



アメリカは日本と韓国に軍事拠点を持ち、
およそ8万人の兵士を駐留させることで、アジアの治安を乱し、
安全保障上の圧力を加える以外の目的を有していません。


ロシアが北朝鮮に対してこのような行動をとらないよう求めているのは、
ロシアを脅かすからという意味ではなく、このような行動が朝鮮半島の緊張継続につながり、
これがブロック化政策と軍事駐留の拡大に追求する国々の利益になると考えているためです。

このため、ロシアは北朝鮮に対し、自らの政策において熟考し、慎重に行動するよう求めています。

ロシアのラブロフ外務大臣は日本の岸田外務大臣との電話会談で、
北朝鮮の行動は安保理決議に反するということだけにとどまりましたが、ラブロフ大臣は
まさに中国の外務大臣と同じように、
朝鮮半島を中心とする北東アジアの緊張の外交的解決の重要性を強調しました。

アメリカの元国務長官のキッシンジャーなどの外交専門家は、
「ロシアは世界の体制から切り離すことのできない存在だ」と述べています。

彼は、世界における中国の役割は重要なものだとしていますが、現在世界が取り組むべきなのは、
アメリカとロシアの関係だとし、冷戦前後の世界のバランスはこれによって築かれたと考えています。

キッシンジャーによれば、ロシアとアメリカは、
コントロールのできない状況を生じさせたくはないということです。
なぜなら、両国の不在は世界のバランスを崩すことになるからです。朝鮮半島の情勢と、
特に北朝鮮の行動は、キッシンジャーが指摘しているまさにこの状況のことを言っているのです。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/62151-
----------------------------------------

6カ国協議は北朝鮮、ロシア、中国と米韓日三国軍事同盟で構成される。
つまり、制裁の是非に対しては賛成3、反対3で拮抗しているのが現状だ。


こういう中で、独自制裁を決めたアメリカと不愉快な手下たちは
極めて、非民主的な手段を取ったと言わざるを得ない。


制裁という暴力的な手段を画策する民主主義国家と
対話という民主的な手段を尊重する共産主義国家。


この対比は鮮やかであり、またショッキングである。

民主主義というシステムを採用し、そのイデオロギーに支配されている国のほうが
極めて暴力的な手段を好んでいるという逆説的な状態に陥っている。


----------------------------------------------------------------
米国とその同盟国は北朝鮮の体制転換について扇動的な話し合いを常に行っている。
朝鮮半島付近を航行する米国の艦船には北朝鮮に照準を当てた兵器が搭載されているが、
これが北に狙いを付け出したのは北が独自の核ミサイルプログラムを開始するよりもはるか前の話だ。

米韓合同軍事演習は常時行われており、北朝鮮領域での行動が策定されている。

北朝鮮はこうした演習を止め、
半島全体を非核化する発案を定期的に行っている。


だが米国は北朝鮮が行う平和条約締結の提案と同様、非建設的であるとか、
ありふれたデマゴーグだとの見方を示し、こうした発案を無視し続けている。

ところが現在米韓は、北朝鮮からの脅威が高まることへの報復として、
朝鮮半島に米MDシステムの配備交渉を開始する構えを見せている。

(http://jp.sputniknews.com/opinion/20160208/1573632.html#ixzz3zghDPLvM)
-----------------------------------------------------------------

ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮課の専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏の
上記の発言を元に、スプートニク紙のタチヤナ・フロム記者は
「北朝鮮に核ミサイルプログラムを断念させることができるとすれば、
 それは北の安全に対し、揺ぎ無い保証を与えることをおいて他にはない。」と結論付けている。


これは私が前々から語っていることであり、同じ考えの人間がいて少しホッとしている。

人工衛星発射に伴う日本の反応は、ロケットをミサイルだと喧伝することで、
沖縄県の基地化と軍事行動の予行演習を正当化させようとするものだった。


このような動きは南シナ海における日本、イギリスの軍事的進出とも関係する。
日英防衛協力 南中国海を撹乱するな

着々と進む「Gold Shower」に対して日本の左翼が取るべき立場は当然、
中国やロシアと同様に北朝鮮の核実験を非難しながらも、
そのような行動を取る元凶となった米韓日の軍拡と制裁に対してより強い抗議の意を示すことだろう。

ところが、草の根のレベルではともかくとして、表に出ることが許された左翼団体、
つまり共産党や社民党、『世界』(岩波書店)等の論壇に出る知識人は、
北朝鮮が圧迫を受けているという事実を伏せて話をしているのである。

当然、これでは「日本も韓国も何も悪いことをしていないのに北の独裁国家が暴走して
ミサイルを飛ばしてくるぞ、さぁ大変だ」という結論に陥ってしまう。

彼ら知識人が情報を取得していないとは私には思えない。
どうも意図的に「北朝鮮に有利な情報はプロパガンダ」とみなして切り捨てているのではないだろうか?

いずれにせよ、日本の主流左翼は政府の最大の支持者といっても差し支えのない態度を見せている。
北朝鮮の問題に関して言えば。こういう状態から脱却しなければ改憲はどのみち止められないだろう。
(すなわち、事実上の改憲=自衛隊の海外派兵と反乱組織の支援。日本列島の基地化。
 改憲などしなくても、他国に対する大国のジェノサイドを支援することは出来る)

北朝鮮、人工衛星「光明星4号」打ち上げに成功

2016-02-08 00:33:02 | 北朝鮮
これまでの記事をまとめると、

①北朝鮮が打ち上げるのは人工衛星であって弾道ミサイルではない

②気象衛星の打ち上げをミサイル実験と表現するメディアの報道は偏向している

③人工衛星およびロケットの残骸は、防衛ミサイルでは破壊できない

④つまり、厳戒態勢を取っているようで、安全対策は不十分かつ不適である

⑤にも関わらず、北朝鮮の脅威の名の下、
 普段は基地問題で揉めているはずの沖縄と中央政府が容易に一致団結し、有事体制を取った。

⑥結局、この打ち上げに対する日本の態度は、北朝鮮の存在しない脅威を口実にした
 沖縄の基地化計画、つまり沖縄を敵国の侵略から食い止めるための砦にする計画の一貫で、
 ここ最近の防衛ミサイル配備や厳戒態勢のそれは、有事を想定した演習の一環だったと言える。


このような分析を行った矢先、北朝鮮が人工衛星「光明星4号」の打ち上げに成功したと言われる。
他国が確認を取らない限り、本当に人工衛星を飛ばしたかどうかはわからないが、
この状況でウソをつく意味がないので(アメリカにはあるが)、恐らく事実だと思われる。


冷静に考えれば、日本はアメリカ、ロシア、中国と核保有国に囲まれている国だ。
核の脅威を叫ぶのであれば、アメリカやロシアの核にも神経質にならなくてはなるまい。

日本もアメリカも人工衛星の打ち上げを行っているし、
アメリカにいたっては先制攻撃のための核実験を行ってすらいる。

どうも北朝鮮の脅威ばかり煽られて、問題視されていない感触を得るのだが、
今、米韓日はこぞって自国の軍国化に勤しんでいる。沖縄はその好例かつ象徴的存在だろう。


こういった動きに対して日本ではなく、同じくアメリカに執拗に攻撃されている
イランのメディアがアメリカ一派の軍拡の動きを批判する記事を掲載した。


----------------------------------------------------
日本による東シナ海へのイージス艦の派遣

ガッファーリー解説員

日本の自衛隊が、東シナ海にイージス艦を配備しました。

日本は最近、特に1月6日に北朝鮮が水爆実験の実施発表した後、
軍事計画を実行する機会が訪れたと見ているようです。

北朝鮮による衛星ロケットの発射は、
アメリカ、日本、韓国にとって、北朝鮮に圧力を行使するための口実となりました。

これらの国は、北朝鮮の行動は朝鮮半島の緊張を煽る挑発行為だとしています。
アメリカは、北朝鮮による長距離ミサイルの発射は、
大陸間弾道ミサイルの開発計画を覆い隠すためのものだと報告しました。

アメリカとその同盟国による見解の表明、立場、アプローチに注目すると、
日本が東シナ海にイージス艦を配備したことは熟考に値します。


日本は、その目的を、北朝鮮によるミサイル発射の脅威に対抗することとしています。
これを受け、日本政府は、北朝鮮がミサイルを発射した場合、直ちにそれを迎撃するとしています。
これはアメリカが誰よりも望んでいることです。
しかし北朝鮮は、衛星ロケットの発射は、科学研究を目的にした平和的なものだとしています。

アメリカは、彼らが緊張を生じさせずに軍事的な政策を追求することはできないことを示しました。

アメリカが、その意味や代償についてどのような目算を持っているのかはさておき、
アメリカのアジアにおける軍事戦略の基礎は、
レーガン大統領からジョージ・ブッシュ大統領の時代に築かれました。

そして現在、オバマ大統領は、そこにわずかな変更を加え、
中国のけん制を目的とした東アジア重視の戦略を強調しています。

明らかに、日本、韓国、オーストラリア、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナムが
懸念を示したのと同時に、アメリカは、アジアにおける軍事駐留を正当化しています。


この中で、日本は、北朝鮮の脅威に対抗する目的で、
石垣島に地対空誘導弾パトリオット3を配備しました。

日本は、北朝鮮のミサイルが国内に落ちる可能性がある場合、東シナ海のイージス艦が
ミサイルで迎撃し、撃ちもらしたときにこのパトリオット3を使用するとしています。

こうした中、日本は、北朝鮮のミサイル発射に対抗する以上の目的を追求しているようです。
実際日本は、国境警備、主権、国益の観点から、尖閣諸島の領有権の主張の正しさを証明するため、
軍自体を保有する必要があるとして軍国主義化を正当化しています。


日本の人々は、国家の主権存続にかかわる問題であるため、
当然、安倍首相の政策を支持することでしょう。特に安倍首相は、
再度、北朝鮮の長距離ミサイル計画や軍事力の発展について触れています。

安倍首相は、このような口実により、これまで以上に自衛隊を北朝鮮に対抗させることができます。
こうした中、中国はアジア諸国は自国の利益を考慮した上で、
外交政策、特にアジア政策において理性を保つ以外に方法はないとしています。

なぜなら、そうしなければ、アジアは、
それぞれの間に解決できない問題を抱え、武器競争の場となってしまうからです。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/62129-
----------------------------------------------------

皮肉なことに、北朝鮮を巡る問題では中国が最も冷静な態度を取っている。
中国は北朝鮮の核保有に反対の意を示しているが、同時に、北朝鮮が核武装をするのは
アメリカや韓国、日本の病的な強硬姿勢にあることを指摘し、6カ国協議に回帰し、対話による
朝鮮半島の非核化と米朝間での平和条約の締結を望んでいる。これは北朝鮮も望んでいることだ。


他方で、アメリカや日本、特に日本のメディアは右は産経から左は沖縄タイムスまで
北朝鮮への更なる制裁を叫び、中国に対し我らに従えと求めている。何と言うヒステリーだ。

ロシアもまた、北朝鮮への強硬姿勢は意味がないと主張する。
6カ国協議の再開と、対話による解決を望んでいる。政治の基本は対話であり、
勝手に核実験や人工衛星発射を行う北朝鮮も、勝手に制裁や威嚇を行う米韓日も
どちらも間違った選択をしており、朝鮮半島を不安定にさせている。これが彼らの主張だ。

私は中国、ロシアの意見に賛意を示したい。
今回の人工衛星の打ち上げは予告された日程より1日早い7日に発射された。
北朝鮮は日本とは別の時間帯を使っているので彼らにとっては8日だったのかもしれないが、
落下した地点も予告区域外であり、こういった一つ一つのミスが北朝鮮を攻撃する材料になる。


今回の打ち上げおよび前回の核実験でわかったのは中国が案外、強い味方でいてくれることだ。
今回も、このままの調子で行けば、中国は中立の立場を取りながら
北朝鮮が望んでいる対話の再開と朝鮮半島の非核化を提言するものと思われる。

北朝鮮への石油の販売停止など、同国のエネルギーそのものを断とうとするアメリカに対して
中国は「ミッション・インポッシブル」と確かに抗議した。日本や韓国では中朝の不仲説が
ここ数年、まことしやかに囁かれたが、いざという時に中国は北朝鮮の味方になってくれる。

今回の一番の収穫はこれだったのかもしれない。
(とか言いながら今日や明日に制裁に同意したらちょっと悲しいが)

最後に、朝日新聞の記事の一つに、
金正恩氏の命令でミサイル発射 朝鮮中央通信が強調」というものがあるのだが、
実際には、北朝鮮のメディアである朝鮮中央通信は「人工衛星発射を命じた」と報じている。

朝日の見出しでは、あたかも「ミサイルを発射せよと金正恩が命令した」と
北朝鮮のメディアが自白しているかのように誤解されるのではないだろうか?

こういう小さな記事ですら小細工を弄する。それでいいのだろうか?

軍国化する日本(2)~ミサイル飛来を煽る裏での有事体制へのまい進~

2016-02-07 00:36:52 | 北朝鮮
日ごろは、いかにも平和を尊重しているかのように語りながら、
その実、大国による小国への陰湿な威嚇と制裁にはしたり顔でゴーサインを送る。

果たして、このような左翼や護憲勢力を平和主義の担い手と呼べるのだろうか?

旋風のごとく煽られる「ミサイル飛来」報道の裏側で何が起きているのかを伝えること。
これこそ、本来、左翼が市民に対して行うべき責務であるはずだ。

だが、実際には、北朝鮮は絶対悪であるという言説を拡散させて今に至っている。
人工衛星の打ち上げをミサイル実験と表現することで読者の恐怖を煽り体制に協力している。

その中で朝鮮新報の論説文は異色であり、それゆえに一読に値すると言えよう。
朝鮮新報といえば、総連傘下のメディア。まさに表現や言論の自由が奪われているはずのメディアだ。
(実際、金正恩に対しては礼賛一辺倒の記事を掲載し、帰国事業も偉業として書かれている)


常識で考えれば、このような新聞が正しい意見を書けるはずがないのだが、現実はどうなのか?
実際に読んでみよう。

----------------------------------------------------------
衛星打ち上げを利用した有事体制の実戦演習

朝鮮に向けられた日本の戦争挑発

日本政府は、朝鮮の人工衛星打ち上げ発射を利用して、有事態勢の実戦演習を行っている。

集団的自衛権の行使を前提とした日米ガイドラインの改定、安保関連法の制定など、
日本の軍国化、自衛隊の海外膨張を着々と進める安倍政権は、朝鮮が衛星打ち上げ計画を
国連機関に通告する以前から地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を
東京・市ヶ谷の防衛省敷地内や朝霞駐屯地、習志野駐屯地などに配備した。

「ミサイル飛来」の虚構をつくり「危機」を煽るための常套手段だ。

国際海事機関(IMO)などに対する朝鮮の通告によって
衛星運搬ロケットの飛行経路が明らかになると、PAC3を沖縄県に配備し、
海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦3隻を朝鮮東海などに展開した。


安倍首相は国家安全保障会議で「情報収集と警戒監視」を指示、
これを受けて中谷元・防衛相が自衛隊に破壊措置命令を出した。
大臣の許可を必要とせず、現場の判断で迎撃ミサイル発射を可能とするものだ。

平和目的のために打ち上げられる宇宙ロケットを「長距離弾道ミサイル」だと断定し、
臨戦態勢をとる狙いは、「北の脅威」を国民の中に浸透させ、
それに対応した軍事行動を既成事実化することで、
日本の軍国化、日米の軍事一体化を一段と推し進めること
にある。


政府は、ロケット発射と関連して、市町村の防災無線に音声で自動通知する
全国瞬時警報システム(Jアラート)などを活用することで、
有事体制の実戦演習を自治体の末端にまで広げている。


政府の世論扇動

現在、日本政府とそれに同調するマスコミによって行われていることは、
戦時態勢を国民に容認させるための集団催眠術である。



首相と閣僚、新聞やテレビが「長距離弾道ミサイル」だと騒ぎ立てることで、
他国の人工衛星打ち上げに対して迎撃ミサイルを準備することに国民が疑問を持たないようにする。

宇宙ロケットを迎撃すれば、日本が先制攻撃したことになるが、
そのような想像力は働かないように誘導される。


自衛隊に対する破壊措置命令は
「ミサイルが日本領域に落下する事態に備え、迎撃態勢を取る」との口実で出されている。

朝鮮が打ち上げる宇宙ロケットは、
大気圏外の衛星軌道を目指すもので、方向からしても日本に向けられてはいない。

しかし、PAC3やSM3が配備された物々しいい雰囲気がメディアを通じて拡大されることで、
「北朝鮮のロケットが日本に打ち込まれる」との錯覚が引き起こされている。

宇宙開発は主権国家の正当な権利であり、
朝鮮の人工衛星打ち上げを非難し、迎撃ミサイルを準備するのであれば、
日本を含む欧米の衛星打ち上げにも反対しなければならないという理性的判断は失われ、
朝鮮を敵視し、軍事対決を強めることが朝鮮半島と東北アジアの緊張を高めることになるという
危機感も希薄になっている。政府が主導する「北ミサイル騒動」に反対する勢力も見当たらない。

日本を「戦争できる国」に仕立て上げようとする首相は、
「騒動」のどさくさに紛れて、憲法9条改正の必要性に言及する国会答弁を行った。


日米の軍事一体化

兵器としての確実性が十分証明されていない
PAC3やSM3による迎撃態勢は、張子の虎と言われている。



仮に、沖縄県に配備されたPAC3が打ち上げに失敗したロケットの
「破片」を「破壊」するのだとしても、目的を達成できる可能性はほとんどない。

PAC3は、ほぼ垂直に落下するミサイルの弾頭部分を、
射程20~35キロの範囲で垂直に打ち上げて迎撃するのを想定しており、
風に流されやすい「破片」の「破壊」は想定外だ。



もしミサイルが命中したとしても、
「破片」をさらに細かくするだけで、むしろ被害範囲を拡大させるリスクがある。


日本政府も、落下してくる「破片」を打ち落とせるなどとは本気で考えていない。
「北のミサイル」を口実にした迎撃態勢は、日米一体で運営されるミサイル防衛(MD)の実戦演習だ。

自衛隊は、人工衛星を搭載した宇宙ロケットの発射
及び飛行状況に関する情報の多くを米軍に依存している。

朝鮮の人工衛星打ち上げに対する迎撃態勢は2009年と2012年にもとられたが、
日米ガイドラインの改定によって米軍と自衛隊の共同作戦の範囲を世界へと拡大させた安倍政権は、
「北の脅威」を煽ることで自衛隊と米軍の一体化を一気に加速化させようとしている。

朝鮮の人工衛星打ち上げと関連しては、米国と南も迎撃のための態勢をとっている。
このような迎撃の共助体制は、アジア覇権を狙った米国のリバランス政策の推進とも一致する。

米国は「北の脅威」を口実に
米・日・南の三角軍事同盟を強化し、
対中包囲網を形成しようとしている。


米・日・南の3者によるにMDシステムの構築も課題となっている。朝鮮の水爆実験後、
南への高高度迎撃ミサイル(THAAD=サード)配備が現実味を帯びているのは、偶然ではない。

日本は、宇宙ロケットを「弾道ミサイル」だと強弁し、
米国と手を組んで、有事の軍事行動を具体化した。
 

朝鮮から見れば、このような動きは戦争挑発以外の何ものでもない。

軍国化の道をまい進する日本は、地域の緊張を激化させ、
朝鮮が戦争抑止力を強化せざるを得ない状況を作り出している。

(金志永)

http://chosonsinbo.com/jp/2016/02/0006/
----------------------------------------------------------

私も先月末、沖縄の迎撃体制への移行は、
北朝鮮の脅威を利用した軍事演習に他ならないと主張した。


人工衛星の打ち上げと弾道ミサイルの発射では対処が全く違う。
にも関わらず、いかにもミサイルが降ってくるような報道を行うことは、
本来、行うべき安全対策を怠ることにつながることであり、逆に安全を損なわせる行為だ。


このようなミサイル防衛体制をすんなり受け入れる日本の左翼と比べて、
他国はどのような反応を示しているのか。これもあわせて読んでみようと思う。



--------------------------------------------------------
“配備反対”“朝鮮半島の非核化を”/南の市民団体が抗議

米国と南朝鮮が弾道弾迎撃ミサイル(THAAD)の朝鮮半島配備を交渉していると、
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが現地時間の1月28日、米国関係者の発言を引用して報じた。
同紙は、「翌週に発表する可能性が高い。裏では妥結に近接した」と伝えた。

これに対し、国防部のキム・ミンソク代弁人は29日の定例ブリーフィングで、
「政府は米政府から協議の要請を受けていない」としながらも、
「THAAD配備は、わが国の安保と国防に資するであろう」と肯定的な見解を示した。


南の統一ニュースによると、反戦平和連帯をはじめ38の市民社会団体は1日、
青瓦台付近の清雲洞事務所前で記者会見を開き、朴槿恵政権にTHAAD配備を断固拒否するよう求めた。



市民団体らは記者会見文を通し、
「中国を標的としたTHAADが南に配備された場合、有事に中国はこれを無力化するため、
 THAAD基地を攻撃目標とするだろう」と指摘したうえで、
「THAAD配備は、自らの安保を犠牲にする結果を招くだろう」と懸念を示した。

また、米国とのMD(ミサイル防衛)システムの連動は
すなわち、米国主導の南・米・日3角MDシステムの再構築を意味し、
THAAD配備は北東アジアにおける軍事的緊張と核軍拡競争を触発するばかりか、
朝鮮半島の平和と統一の障害となり、北東アジアの平和と安定を脅かす
ことになると批判。

「平和協定締結と朝鮮半島の非核化を通じて、平和を実現することを求める」と主張した。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/02/20160205suk-2/
--------------------------------------------------------

韓国の市民団体も手放しに礼賛出来るかと言えば難しいところだが、
少なくとも彼らの中には現在進行中の自国の軍拡に対して強い危機感を覚えているらしい。


ところで、平和協定締結と朝鮮半島の非核化を求める意見は中国政府にも通じる。
以下の文は、中国外交部からのコメントである。


--------------------------------------------
【記者】ラッセル米国務次官補は、
弾道ミサイル技術を利用して打ち上げを行うのは国際的義務への重大な違反行為であり、
朝鮮に対して一層厳しい制裁を課すべきであることをさらに力強く証明するものだとした。
また、朝鮮の最新の声明は国連安保理、中国、国際社会に対する蔑視だとした。

これについてコメントは。

【陸慷報道官】現在の情勢下、国際社会の直面する最も差し迫った課題は、
いかにして朝鮮半島の非核化プロセスをしっかりと推進し、平和と安定を確実に維持するかであり、
それ以外の何ものでもない。

ケリー国務長官も先週の訪中時に制裁自体は目的でないことを公に表明した。

中国は6カ国協議の議長国として、朝鮮半島非核化プロセスの真の推進、
関係各国の合意形成のために極めて苦しい努力をしてきた。

6カ国協議が停滞したこの数年、関係国が
圧力や制裁をかけることをひたすら主張する中、朝鮮は核実験を行った。
この意味において、朝鮮は確かに関係国にびんたを食らわせた。
このびんたが誰の顔に食らわせられたかは、分っているはずだ。


中国側は関係国が交渉を通じて朝鮮半島の核問題を解決することを望んでいる。
緊張のエスカレートは望んでいない。だが関係国が執拗にそうするのなら、われわれも阻止できない。

だが中国側が厳粛に強調しなければならないのは、
朝鮮半島の近隣国として、混乱、戦争を断じて認めない。
朝鮮半島の非核化という大きな目標に
いかなる国が自国の利益を持ち込むことを断じて認めないということだ。

http://j.people.com.cn/n3/2016/0204/c94474-9013878.html
--------------------------------------------

あわせて、イランラジオの解説文も紹介する。



------------------------------------------------------------
北朝鮮に対する中国の要請

ガッファーリー解説員

北朝鮮の衛星打ち上げ計画の発表を受け、
中国はこれに関する懸念を表明するとともに、北朝鮮に自制を呼びかけました。

中国外務省の報道官は、「北朝鮮は宇宙空間を平和目的で使用する権利を有している」としながらも、
「北朝鮮は宇宙空間を利用するために、国連安全保障理事会が
 決議を採択することで生じる状況に身をゆだねざるをえない」としました。

衛星打ち上げに関する北朝鮮の動機について、
これは韓国のミサイル防衛システムの配備に反応したものだということができるでしょう。

このシステムの配備は、韓国も日本と同じように、中国や北朝鮮をけん制するための
アジアにおけるアメリカの防衛計画に積極的に参加していることを示しています。


日本もまたここ数日、衝突の可能性に対抗する目的で、
軍事的な流れを強化し、自衛隊を待機させています。



北朝鮮への圧力を増加するための日本と韓国の政府の合意も、
北朝鮮のミサイル打ち上げの動機になっている
ようです。

また同時に安保理の対北朝鮮決議の採択の圧力についても、ある方向で分析することができます。

アメリカ、日本、韓国、オーストラリア、一部のアメリカの同盟国の
北朝鮮への更なる圧力は安保理も認めるところとなっています。

これに対して中国は北朝鮮への制裁を否定していませんが、はっきりと、
北朝鮮に対するあらゆる措置において、国家の独立した主権を損なうべきではない
という立場をとっています。

実際中国は、自らを朝鮮半島における共産主義システムの支持者であると見せたくないようです。
しかし中国はアジアの自由資本主義体制によって運営され、
軍事・治安面でアメリカに従っている他の国の指示を受け入れることはないでしょう。

なぜならこれらの国が最新鋭の戦争兵器を手にした場合、
共産主義システムよりはるかに危険なものとなるからです。



イラクの大量破壊兵器を調査した国連武器査察団の元委員長、ハンス・ブリックスは、
「アメリカはイラクへの軍事侵攻のあと、北朝鮮が世界最大の軍隊を有する国のひとつであり、
 自国が攻撃された場合に、韓国に多くの被害をもたらす可能性があることを良く知っていた。
こうした中、中国はどんな状況においても北朝鮮に対する軍事攻撃を認めることはないことを示した」
と語りました。

冷戦後のアメリカの一極主義政策や行動は、
この国が単独で世界の警察としての役割を果たしきれていないことを示しました。

一部の政治問題の専門家は、
「北朝鮮の核武装化は北朝鮮政府の野望ではなく、
 朝鮮半島におけるアメリカの敵対、脅迫政策の継続が理由だ」
としています。

もっとはっきりいえば、
アフガニスタンやパキスタン、イラクにおける
アメリカの行動は危機を発生させているだけです。


それは朝鮮半島に危機を発生させているものでもあります。

中国はこのような情勢に注目し、再度北朝鮮だけでなく、東アジア諸国全体に冷静さを求めたのです。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/62070

------------------------------------------------------------

事実、ガッファーリー解説韻が指摘するように、
中国は米韓日の強硬姿勢を強く非難し、北朝鮮の行為はそのリアクションであるとしながら、
水爆実験や人工衛星の打ち上げは同国の立場を危うくするだけと自粛を促している。

つまり、中国は北朝鮮だけでなく米韓日も非難した上で、
米朝間の平和協定の締結を伴う朝鮮半島の非核化を主張している。


北朝鮮に対して、より厳しい制裁を求めたアメリカに対して、
在米中国大使は「ミッション・インポッシブル」と毅然と答えたらしい。
ここぞという時に米日の権力者になびく日本の主流左翼と比べて、この毅然とした態度。

尖閣諸島や南シナ海を手中に収めようとしているのだと言われる中国のほうが
日本の左翼よりも冷静かつ現実的な評価と提案を行っている。凄まじい皮肉ではないだろうか?


本来、私たち左翼は中国政府やイラン政府、北朝鮮政府の監督下にあるであろうメディアよりも
さらに深い知見を持たなくてはならないはずなのに、言論と表現の自由があるはずの私たちのほうが
政府にベッタリと付き従い、他国を悪魔とみなす言説を拡散させながら自国の軍事化に目を瞑っている。


このような状態から覚醒し、安直な平和主義を克服し、
アジアを脅かすアメリカ軍国主義に対してNoの二文字を突きつけること。

それが今なすべきことなのだと私は思う。

軍国化する日本(1) ~北朝鮮「ミサイル」実験の裏で~

2016-02-07 00:01:22 | 北朝鮮
1933年、ドイツ政府は共産主義暴動の発生に対応するためとして緊急令を発令した。

多数の共産党員、社会民主党員が逮捕・拘禁される中、
内閣に無制限の立法権を賦与させる全権委任法が可決、独裁体制が成立する。
ナチス・ドイツ誕生の瞬間だった。

現在の日本でも、共産主義者の脅威を理由に軍事化と地域レベルの対空襲体制の確立、
そして圧倒的な左翼の支持の下、北朝鮮の敵視政策が実施されている。それはナチスを彷彿させる。


2016年2月、北朝鮮は同月中に人工衛星「光明星」をロケット「銀河」で打ち上げることを発表、
国連所属の関連機関に具体的な日時と場所を報告した。

4年前の2012年春に打ち上げを予告した際、北朝鮮は外部の人間を招致、
格弾頭ではなく、人工衛星を確かに打ち上げることをアピールしようとした。

無論、日本も招待されたが、これを拒否、ミサイルの発射実験と報道、大々的な防衛体制を取る。
この打ち上げには失敗したが、数ヵ月後の12月に光明星2号を発射、10番目の人工衛星保有国になった。

この際、米韓は確かに人工衛星であることを確認、国連も北朝鮮の要請を承認、
光明星2号をリストに登録した。にも関わらず、日本の知識人はこれをミサイル発射と表現、今に至る。


今回も日本の新聞社、テレビ、雑誌、政治家、学者、ジャーナリストは
北朝鮮の人工衛星打ち上げをミサイル実験と表現、非難の意を示している。

重要なのは「人工衛星」発射と称する弾道ミサイル実験という表現は、
日本のメディアでしか存在せず、外国では「Satellite launch」と書いていることだ。

人工衛星の打ち上げとミサイル実験では印象も内容も全く異なる
にも関わらず、あえて後者の表現をするのは、なぜだろうか?

この問いに対し、イランラジオのヴァガーリー解説員は見事な解を見せてくれた。


------------------------------------------------------------
北朝鮮、日本の軍国主義の口実

日本の中谷防衛大臣が、北朝鮮の脅威に対抗するため、
地対空誘導弾「PAC3」を配備することを明らかにしました。

中谷大臣は、今後、北朝鮮が事前の予告なく
弾道ミサイル発射を含むなんらの挑発行動に出る可能性は否定できないとし、
そのため、日本の地対空誘導弾を3箇所に展開させたとしました。

さらに、日本海と東シナ海に迎撃ミサイルSM3を搭載した
イージス艦を配備したことも明らかにしました。

こうした中、日本の2人の消息筋は、最近、
「日本は、北朝鮮のミサイル実験に備え、自衛隊の態勢を整えている」と強調しました。

日本の情報筋は、2日火曜、
「北朝鮮は国連機関に対し、2月8日から25日の間に衛星を打ち上げると伝えた」としました。

東アジアの緊張は、
1月6日、北朝鮮が水素爆弾の実験を行ったと発表したときから、再び高まっています。

政治評論家は、北朝鮮によるミサイル、核・水爆実験は、アメリカ、韓国、日本が、
東アジアでの軍事的な状況をさらに強化するための口実になっているとしています。

この中で、長い間、軍隊を持ってこなかった日本は、北朝鮮の脅威への対抗を口実に、
地域で有力な軍隊を作るとして、現在の状況を最大限に利用しようとしています。

日本と韓国の人々は、合わせておよそ8万人の
アメリカ軍兵士の日本駐留の継続に強く反対しています。

しかし、アメリカ政府は、北朝鮮を脅威を誇張し、
日本と韓国における軍事駐留の継続を正当化すると共に、
最新のミサイルをこれらの国に配備することで、その軍事的な立場を強化しようとしています。


アメリカのラッセル国務次官補は、北朝鮮がミサイルを打ち上げれば、
アメリカは国連安保理を通じて北朝鮮に厳しい追加制裁を行使すると発言しましたが、
この発言もそのような方向から捉えることができます。

アメリカは、北朝鮮に対する制裁の行使、
韓国などのアジア諸国との軍事演習の実施により、
これまで以上に北朝鮮を脅かしています。


このような状況により、北朝鮮政府は、
アメリカとその同盟国に対してミサイルや軍事的な状況を強化せざるを得なくなっています。


政治評論家によれば、地域におけるアメリカ軍の強化は
、北朝鮮政府以上に、中国をけん制するためのものだとしています。

アメリカ政府は、北朝鮮の軍事的な脅威を口実に、
ASEAN東南アジア諸国連合の加盟国を支援しており、アメリカにとって、
フィリピンなどの一部の国の中国との領土問題は、中国への圧力を強めるための機会となっています。

いずれにせよ、政治評論家は、ここ数年のアジアの情勢変化は、
朝鮮半島の非核化は武力では実現できないこと、アメリカをはじめとする全ての国の協力と、
地域諸国の主権への尊重と最新の兵器の撤廃によってのみ、実現されることを示しているとしています。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/62024
----------------------------------------------------------------

北朝鮮の人工衛星打ち上げをミサイル実験と大仰に表現し、危機を煽ることは
日本の軍拡の「事実上の支持」だ。

日清、日露、アジア・太平洋戦争および日中戦争は、
日本の知識人や新聞社、出版社の全面的な支持を背景に展開された。
(反対したのは、極々少数の社会主義・共産主義者のみ)

今、これと同じことが起きている。


正確に言えば、この時代の日本は治安維持法により拘禁・拷問が認可されていたが、
現在の日本社会に、このようなシステムは今のところ存在しない。

つまり、日本の左翼は集団的自衛権の行使や9条改正に猛抗議する一方で、
現状のシステムで進む軍国主義化に対しては、逆に敵対者の主張をそのまま支持し、
「事実上の政府の犬」に成り下がっている。

「違う」というのであれば、これを人工衛星の打ち上げだと毅然と語る左翼を見せて欲しい。
 皆無とはいわない。恐らく元外務省役人の浅井基文氏は、その少数派の一人だろう。

 だが、今、国会議事堂の前に突っ立って「せんそうはんたーい」と世間でいる人々は
 どれだけ真剣になって、この大国の小国に対する横暴と、自国の軍国化と闘っているだろうか?

-------------------------------------------------------------
北朝鮮ミサイル 沖縄、不測の事態も想定 漁師は平静

北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射通告。沖縄県内の関係自治体には
3日、防衛省から「破壊措置等の実施に関する命令を発出」とのファクスが届いた。

ただ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の動きや配備計画などは不明で、
担当職員は「子どもたちの登下校に対応が必要になる」と懸念も。
一方、漁業関係者は「前例もある。淡々と対応する」と平静を保つ声もあった。

PAC3が配備されている航空自衛隊那覇基地では、
ミサイル発射口を上空に向け、レーダーを海上側に固定する様子が確認された。

知念分屯地がある南城市は
「必要が出てくれば、市の国民保護計画で定める
 児童・生徒の登下校時の対応を検討することになるだろう」と不測の事態を想定。


ロケットが上空を通過する可能性がある先島諸島。宮古島市の下地敏彦市長は
「情報は報道の範囲。万が一を想定し、
 市民の生命・財産を守るという観点で防衛省から状況を聞きたい」と述べるにとどめた。

宮古島市の子育て世代の母親らでつくる「てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会」の
石嶺香織共同代表(35)は「島が陸自配備問題で揺れる中で、必要以上に危険をあおり、
軍事増強の口実を与えることにならないか
」と懸念を示した。

 県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は
2段目のカバー落下地点はフィリピンの東側で県内の漁業者はいない地域。
 注意喚起はするが、落ちてくるかどうかも分からないものを気にして漁を自粛してとは言えない

と平静を保った。

-------------------------------------------------------------------
あわせて次の記事も参照されたい。
北朝鮮ミサイル、石垣・宮古に化学部隊 有毒燃料の可能性

すでに沖縄では中央政府と地方自治体、自衛隊、警察庁が連携して
北朝鮮の空襲に備えるための体制が整えられつつある。戦時体制は今、眼前で作られている。

今、メディアや左翼がすべきことは北朝鮮の脅威は米韓日の権力者が
自国の軍国化のためにでっち上げた幻であることを喝破することに他ならない。


にも関わらず、日本の軍拡で被害を被るはずの沖縄でさえ、地方メディアの社説はこのざまだ。

社説[北朝鮮発射通告]国際連携で暴走止めよ

こうした中、イランラジオや人民網、そして朝鮮新報など、
主流左翼につまはじきにされている媒体が日本の軍国化に抗議する記事を発信している。

次回は、彼らの意見を取り上げていこう。