Pars Todayの記事より。
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アメリカ大統領が再び北朝鮮指導者との約束を反故に
北朝鮮が核実験場を閉鎖したにもかかわらず、
アメリカのトランプ大統領は来月に予定されていた北朝鮮との首脳会談を中止しました。
CNNによりますと、トランプ大統領は、24日木曜、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長に宛てた書簡の中で、
6月12日に予定されていた両国の首脳会談を断念するとしました。
また、この書簡の中で、中止の理由は、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長の
最近のメッセージによる「明らかな敵意と大きな怒り」だとしました。
さらに、この書簡で、自国の核能力を北朝鮮に対して誇示しました。
北朝鮮は公約どおり、
外国人記者が参加する中で数回の爆発により、
プンゲリの核実験場を破壊しました。
一部の西側メディアは、
誠意ある行動として、この北朝鮮の行動を歓迎しました。
プンゲリの核実験場の破壊は、
南北朝鮮の首脳会談による成果の一つです。
双方は共同宣言により、朝鮮半島地域の核兵器廃絶、
朝鮮戦争の休戦の平和協定への返還、敵対的行動の中止
といった事柄に合意しました。
http://parstoday.com/ja/news/world-i44340
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会談中止の背景として以下の理由が挙げられると
ロシアアジア戦略センター所長ゲオルギー・トロラヤ氏
および吉林大学東北アジア研究院所長、巴殿君氏は語る。
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トランプ米大統領が会談を中止したのは
「熟慮されない突発的な反応」だとしてトロラヤ氏は次のように述べた。
「米国の内政要因が働いた可能性もある。
譲歩しないようトランプ氏に圧力がかかり、
そのため彼は金正恩氏が悪意ある発言を行ったと非難した。
実際には正恩氏からの敵対的な発言は一切ないのだが。」
シンガポールでの会談の準備をすすめるはずだった
米国側のメンバーが発表されたあと、
トロラヤ氏は会談実施の可能性を10%だと見積もっていた。
巴氏はまた、トランプ氏のチームが会談中止の一因だと述べた。
「双方は非常に短時間で両者を満足させる合意に
こぎつけることを期待していたが、これは難しい。
会談実施のために急いで作られた代表団が
完全に『タカ派』からなっていた米政権にとってはとりわけそうだ。
この代表団は米国に存在する政治の方向性を全く1つにせず、
会談への関心を示さなかったため、代表団には非常に多くの議論の余地があった。
さらに、近ごろではトランプ氏が
金正恩氏との会談中止を検討しているとの情報が漏れていた。
彼は、北朝鮮による核実験場の施設爆破を待ち、そのあとに決定を発表した。」
決定発表には「かなり意外な」タイミングが選ばれたとトロラヤ氏は述べる。
これは、北朝鮮が海外からの記者団を引き入れて
豊渓里(プンゲリ)の核実験場を盛大に閉鎖した日だった。
つまり、みなが北朝鮮に
核・ミサイル実験の凍結を呼びかけていた1年前に
楽観主義者が期待できた状態より一歩進んだことが行われたのだ。
しかも北朝鮮は
核実験を単に凍結したのではなく、
実質的に完全な中止を発表した。
つまり事実上、核実験禁止条約に加盟したのだ。
なお、米国は今に至るまでこの条約に加盟しておらず、するつもりもない。
同日、韓国の文在寅大統領は米国に訪問中だった。
トランプ氏の発表は「同盟国への平手打ち」であり、
米国は韓国の国益を考慮していないことを示した。
なぜなら、文大統領こそが
多くの点でこの会談の開催を促進してきたのだから。
巴氏は一方、双方は予定されていた会談の妨げとなった
障害を乗り越える必要があるとして、その障害について分析した。
「核兵器放棄の問題で
北朝鮮と米国のアプローチを合わせることは非常に難しい。
北朝鮮にとって重要なことは、段階的で均衡であることだ。
米国は一方、北朝鮮に不可逆的で完全な放棄を求めている。
トランプ氏の正恩氏に対する冒険的な行為が原因で、
双方の深刻な政治的不信感が最近形成された。
彼らの相互的な戦略的かつ外交的な動きは政治的不信感から、
お互いにダメージを与える戦略形成に進化した。
この政治への不信感は新たな危機の拡大につながりかねない。」
https://jp.sputniknews.com/opinion/201805254917442/
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ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センター
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員も次のように語る。
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北朝鮮が望んでいるのは正真正銘の対話であり、
自らに対する一方的な圧力ではないと、
ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターの
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員は考えている。
「トランプ大統領は一度ならず、もし何かが自分の気に入らなければ、
拳でテーブルを叩いて立ち去ると述べてきた。北朝鮮にも同じような権利がある。
北朝鮮はこれまで、善意のジェスチャーを文字通り次々に示していた。
その一方で米国側からは、
制裁がさらに長期間続いていくとの声明が出されている。
恐らく、北朝鮮指導部の忍耐力にとって最後の打撃となったのは、
開始された米韓軍事訓練だった。
ここでは、奇妙なことだが、
平壌への爆撃の訓練が再び行われている」。
トランプ大統領との6月の会談が北朝鮮の指導者によって中止されれば、
最近の南北首脳会談で最も顕著に表れることになった、
南北関係の前向きな傾向も最小限に抑えられてしまう可能性がある。
しかし、トランプ大統領は依然として、
金正恩朝鮮労働党委員長と「偉大な取引」を結ぶことを期待している。
だが、これが米国にとって外交的大失敗で終わることにはならないだろうか。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201805184892083/
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ここ数日、北朝鮮はアメリカに対して
強い語気で批判を行っていた。
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朝鮮中央通信は16日、
南朝鮮が米国と連合空中戦闘訓練「マックスサンダー」
を行っていることを「板門店宣言に対する露骨な挑戦であり、
良好に発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事挑発だ」
と非難する報道を発表。
同日に予定されていた北南高位級会談について
「中止する措置を講じざるを得なくなった」と明らかにした。
11日に始まった連合空中戦闘訓練には、
ステルス戦闘機F22ラプターなど、100余機の各種戦闘機が動員され、
25日まで行われる。当初、戦略爆撃機B52も動員される予定であったが、
北南高位級会談中止に関する報道が発表されるや、急きょ取りやめになった。
板門店宣言第2項では
「北と南は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、
戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力する」と合意されており、
米国もまた、これを支持した。
通信は、
「南朝鮮当局と米国は、歴史的な4.27宣言のインクが乾く前に
わが国に反対する大規模の連合空中訓練を行うことで、
これまでわれわれが示した平和愛好的な全ての努力と善意に無礼、
非道な挑発で応え、宣言の履行を望む全同胞と国際社会に大きな懸念と失望を与えている」と非難。
「善意を施すにも程があり、機会を与えることにも限界がある」としながら、
「歴史的な板門店宣言は、どちらか一方の努力では履行することができず、
双方が履行のための有利な条件と環境を、力を合わせてつくっていってこそ、
はじめて良い結実につながる」と板門店宣言履行のための双方の努力について強調した。
通信は、今回の北南高位級会談の中断と、
北南関係に難関と障害がもたらされたすべての責任は、
無分別に振る舞う南朝鮮当局にあると非難した。また、米国に対しては、
「南朝鮮当局と行っている挑発的な軍事的騒動の局面をもって、
日程に上がっている朝米首脳対面の運命について熟考すべきだ」と警告。
「われわれは、米国と南朝鮮当局の今後の態度を鋭意注視している」と強調した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr201804517-1/
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一方的核放棄強要なら、朝米首脳会談考慮/
朝鮮外務省 金桂官第1次官の談話
米の敵視政策と核威嚇の終結が先決条件
朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省の金桂官第1次官は16日、
談話を発表し、ボルトン米ホワイトハウス補佐官らが
来月の朝米首脳会談を前に、朝鮮に対して「先核放棄、後補償」
「リビア式核放棄」を主張していることを批判。
「トランプ政権が一方的な核放棄を強要するなら、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」
と表明した。
談話は、金正恩委員長の崇高な志に応えて、
トランプ大統領が歴史的根源の深い敵対関係を清算し、
朝米関係を改善しようとする立場を表明したことについて肯定的に評価し、
朝米首脳会談が朝鮮半島の情勢緩和を促し、素晴らしい未来を
建設するための大きな歩みになるだろうと期待していたと前置きしながら、
米国において対話相手を甚だしく刺激する妄言が吐かれていることに失望感をあらわにした。
談話は、米国の「リビア式核放棄」
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」
「核、ミサイル、化学兵器の完全廃棄」などの主張について
「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアやイラクの運命を
わが国に強要する不遜な企図の現れだ」と非難。
「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」と指摘した。
談話は、朝鮮が既に朝鮮半島非核化の用意を表明し、
このためには、米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇を終結させることが
先決条件になると何度も宣明したことを想起させながら、
「米国は、われわれが核を放棄すれば経済的補償と恩恵を与えると言うが、
われわれは1度も米国に期待を掛けて経済建設を行ったことがなく、
今後もそのような取引を絶対にしない」と強調した。
談話は、
「トランプ政権が朝米関係改善のために誠意を持って
朝米首脳会談に出てくる場合、われわれの相応の呼応を受けることになるが、
われわれを隅に追いやって一方的な核放棄だけを強要するなら、
われわれはそのような対話に興味を持たないし、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」と表明した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180517-2/
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先ほど放送されていた『新情報News7Days』では
明治大学の講師が大声で
首脳会談が中止になったのは
北朝鮮が揺さぶりをかけすぎたからだと説明していた。
①平壌攻撃を想定した
マックスサンダー作戦への非難
(ステルス戦闘機F22ラプターは
斬首作戦に最も適した機体との見解もある)
②リビア式の一方的な核放棄に対する非難
「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアや
イラクの運命をわが国に強要する不遜な企図の現れだ」
「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」
これらの発言が「揺さぶり」に該当するのだそうだ。
核施設の爆破についても
海外メディアが注視するなか、大々的に行われたものだったが、
これについても「専門家を呼ぶ約束を破った」と非難、
暗に破壊したのかどうか疑わしいという見解を示した。
(専門家を招く約束が本当にあったかは不明。
少なくともこの講師以外にそのような取り決めが
あったとはニュースサイトを調べた限り、見受けられなかった。
全くの嘘だとは言わないが、出所を示して欲しいとも思う)
客観的にみれば、
北朝鮮は、韓国と協調しつつ対話路線を呼びかけ、
核実験施設を爆破し、軍事的示威行動を行わない方向へ転身したのに対して、
アメリカは、軍事演習を続行し、経済制裁を解く気配もなく、
一方的な核放棄を求め、先制攻撃、爆撃も辞さないという態度。
これに対して非難することが「ゆさぶり」になるらしい。
こうした見解は、おおよそ
北朝鮮のやることは信用ならないという
先入観に基づいたものだと言えるだろう。
すでに日本では、
実験施設の爆破は政治ショーだと評価する専門家も少なくない。
だが、考えてほしい。
仮に北朝鮮が爆破を中止したならば、
それはそれで約束を反故にしたと激怒するのではないだろうか?
アメリカの北朝鮮に対する不実な姿勢に対して
全く非難しないのも奇妙である。
少なくとも番組内に登場した明治大講師は
マックス・サンダー作戦やペンス氏の発言については
一切、取り上げなかったし、番組自体も
なぜかこの箇所をカットして朝鮮中央通信の記事を紹介していた。
---------------------------------------------------------
朝鮮中央通信によると、朝鮮の崔善姫外務次官は24日、
米国のペンス副大統領がFOXニュースとのインタビュー(21日)で
朝鮮の核問題で軍事的対応の排除を否定し、「リビアのように終わるだろう」
などと発言し、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を
主張したことを非難する談話を発表した。
崔次官は、ボルトン国家安全保障担当補佐官に続き、
ペンス副大統領までもが朝鮮に対し、
リビアの轍を踏むだろうと力説したことについて、
「われわれは、リビアの轍を踏まないために高い代価を払って自分自身を守り、
朝鮮半島と地域の平和と安全を守ることのできる強力で頼もしい力を育てた」と指摘。
「この現実をいまだに分からず、
われわれを悲劇的な末路を歩んだリビアと比べるのは、
米国の高位政治家が朝鮮をあまりにも知らない」と非難した。
崔次官は
「米国が先に対話を請託したにもかかわらず、
われわれが要請したかのように世論をミスリードする底意が何なのか、
果たして米国がここから何を得ようと打算しているのか分からない」としながら、
「われわれは米国に対話を哀願しないし、
米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めない」と強調した。
そして、
「米国がわれわれと会談場で会うのか、
核対核の対決場で会うのかは全的に米国の決心と行動に懸かっている」としながら、
「米国がわれわれの善意を冒涜し、非道に振る舞う場合、
朝米首脳会談を再考する問題を最高指導部に提起する」と表明した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180524-1/
---------------------------------------------------------
上の記事から
最後の「われわれは米国に対話を~引き止めない」だけが
抜き出され、その前の北朝鮮への攻撃を示唆するアメリカの発言はカットしていたのである。
つまり、アメリカは北朝鮮の行き過ぎた揺さぶりについて対処したにすぎない
というのが日本メディアの見解だった。
このアメリカ完全無罪論を前提とした解説に私は唖然としてしまった。
軍事演習の継続にリビア式の解決方法の示唆。
これは揺さぶりや挑発というものにならないのだろうか。
アメリカはどれだけ挑発的な発言をしても許され、
北朝鮮は実験施設を爆破しても疑われる。
これが日本のメディアやエキスパートの姿勢なら
確かに日本がこの問題で蚊帳の外にされたのも納得がいく。
現在、森友問題や加計問題で顕著なのが、
証拠や証言が出てきても「これはこういう意味なのだ、あれはそういう意味なのだ」
と都合の良い解釈をして、現実を直視しようとしない政治家の態度だが、
実のところ、これは専門家やジャーナリストを含む
日本の北朝鮮に対する姿勢にも通じるものではないだろうか?
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アメリカ大統領が再び北朝鮮指導者との約束を反故に
北朝鮮が核実験場を閉鎖したにもかかわらず、
アメリカのトランプ大統領は来月に予定されていた北朝鮮との首脳会談を中止しました。
CNNによりますと、トランプ大統領は、24日木曜、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長に宛てた書簡の中で、
6月12日に予定されていた両国の首脳会談を断念するとしました。
また、この書簡の中で、中止の理由は、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長の
最近のメッセージによる「明らかな敵意と大きな怒り」だとしました。
さらに、この書簡で、自国の核能力を北朝鮮に対して誇示しました。
北朝鮮は公約どおり、
外国人記者が参加する中で数回の爆発により、
プンゲリの核実験場を破壊しました。
一部の西側メディアは、
誠意ある行動として、この北朝鮮の行動を歓迎しました。
プンゲリの核実験場の破壊は、
南北朝鮮の首脳会談による成果の一つです。
双方は共同宣言により、朝鮮半島地域の核兵器廃絶、
朝鮮戦争の休戦の平和協定への返還、敵対的行動の中止
といった事柄に合意しました。
http://parstoday.com/ja/news/world-i44340
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会談中止の背景として以下の理由が挙げられると
ロシアアジア戦略センター所長ゲオルギー・トロラヤ氏
および吉林大学東北アジア研究院所長、巴殿君氏は語る。
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トランプ米大統領が会談を中止したのは
「熟慮されない突発的な反応」だとしてトロラヤ氏は次のように述べた。
「米国の内政要因が働いた可能性もある。
譲歩しないようトランプ氏に圧力がかかり、
そのため彼は金正恩氏が悪意ある発言を行ったと非難した。
実際には正恩氏からの敵対的な発言は一切ないのだが。」
シンガポールでの会談の準備をすすめるはずだった
米国側のメンバーが発表されたあと、
トロラヤ氏は会談実施の可能性を10%だと見積もっていた。
巴氏はまた、トランプ氏のチームが会談中止の一因だと述べた。
「双方は非常に短時間で両者を満足させる合意に
こぎつけることを期待していたが、これは難しい。
会談実施のために急いで作られた代表団が
完全に『タカ派』からなっていた米政権にとってはとりわけそうだ。
この代表団は米国に存在する政治の方向性を全く1つにせず、
会談への関心を示さなかったため、代表団には非常に多くの議論の余地があった。
さらに、近ごろではトランプ氏が
金正恩氏との会談中止を検討しているとの情報が漏れていた。
彼は、北朝鮮による核実験場の施設爆破を待ち、そのあとに決定を発表した。」
決定発表には「かなり意外な」タイミングが選ばれたとトロラヤ氏は述べる。
これは、北朝鮮が海外からの記者団を引き入れて
豊渓里(プンゲリ)の核実験場を盛大に閉鎖した日だった。
つまり、みなが北朝鮮に
核・ミサイル実験の凍結を呼びかけていた1年前に
楽観主義者が期待できた状態より一歩進んだことが行われたのだ。
しかも北朝鮮は
核実験を単に凍結したのではなく、
実質的に完全な中止を発表した。
つまり事実上、核実験禁止条約に加盟したのだ。
なお、米国は今に至るまでこの条約に加盟しておらず、するつもりもない。
同日、韓国の文在寅大統領は米国に訪問中だった。
トランプ氏の発表は「同盟国への平手打ち」であり、
米国は韓国の国益を考慮していないことを示した。
なぜなら、文大統領こそが
多くの点でこの会談の開催を促進してきたのだから。
巴氏は一方、双方は予定されていた会談の妨げとなった
障害を乗り越える必要があるとして、その障害について分析した。
「核兵器放棄の問題で
北朝鮮と米国のアプローチを合わせることは非常に難しい。
北朝鮮にとって重要なことは、段階的で均衡であることだ。
米国は一方、北朝鮮に不可逆的で完全な放棄を求めている。
トランプ氏の正恩氏に対する冒険的な行為が原因で、
双方の深刻な政治的不信感が最近形成された。
彼らの相互的な戦略的かつ外交的な動きは政治的不信感から、
お互いにダメージを与える戦略形成に進化した。
この政治への不信感は新たな危機の拡大につながりかねない。」
https://jp.sputniknews.com/opinion/201805254917442/
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ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センター
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員も次のように語る。
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北朝鮮が望んでいるのは正真正銘の対話であり、
自らに対する一方的な圧力ではないと、
ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターの
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員は考えている。
「トランプ大統領は一度ならず、もし何かが自分の気に入らなければ、
拳でテーブルを叩いて立ち去ると述べてきた。北朝鮮にも同じような権利がある。
北朝鮮はこれまで、善意のジェスチャーを文字通り次々に示していた。
その一方で米国側からは、
制裁がさらに長期間続いていくとの声明が出されている。
恐らく、北朝鮮指導部の忍耐力にとって最後の打撃となったのは、
開始された米韓軍事訓練だった。
ここでは、奇妙なことだが、
平壌への爆撃の訓練が再び行われている」。
トランプ大統領との6月の会談が北朝鮮の指導者によって中止されれば、
最近の南北首脳会談で最も顕著に表れることになった、
南北関係の前向きな傾向も最小限に抑えられてしまう可能性がある。
しかし、トランプ大統領は依然として、
金正恩朝鮮労働党委員長と「偉大な取引」を結ぶことを期待している。
だが、これが米国にとって外交的大失敗で終わることにはならないだろうか。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201805184892083/
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ここ数日、北朝鮮はアメリカに対して
強い語気で批判を行っていた。
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朝鮮中央通信は16日、
南朝鮮が米国と連合空中戦闘訓練「マックスサンダー」
を行っていることを「板門店宣言に対する露骨な挑戦であり、
良好に発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事挑発だ」
と非難する報道を発表。
同日に予定されていた北南高位級会談について
「中止する措置を講じざるを得なくなった」と明らかにした。
11日に始まった連合空中戦闘訓練には、
ステルス戦闘機F22ラプターなど、100余機の各種戦闘機が動員され、
25日まで行われる。当初、戦略爆撃機B52も動員される予定であったが、
北南高位級会談中止に関する報道が発表されるや、急きょ取りやめになった。
板門店宣言第2項では
「北と南は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、
戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力する」と合意されており、
米国もまた、これを支持した。
通信は、
「南朝鮮当局と米国は、歴史的な4.27宣言のインクが乾く前に
わが国に反対する大規模の連合空中訓練を行うことで、
これまでわれわれが示した平和愛好的な全ての努力と善意に無礼、
非道な挑発で応え、宣言の履行を望む全同胞と国際社会に大きな懸念と失望を与えている」と非難。
「善意を施すにも程があり、機会を与えることにも限界がある」としながら、
「歴史的な板門店宣言は、どちらか一方の努力では履行することができず、
双方が履行のための有利な条件と環境を、力を合わせてつくっていってこそ、
はじめて良い結実につながる」と板門店宣言履行のための双方の努力について強調した。
通信は、今回の北南高位級会談の中断と、
北南関係に難関と障害がもたらされたすべての責任は、
無分別に振る舞う南朝鮮当局にあると非難した。また、米国に対しては、
「南朝鮮当局と行っている挑発的な軍事的騒動の局面をもって、
日程に上がっている朝米首脳対面の運命について熟考すべきだ」と警告。
「われわれは、米国と南朝鮮当局の今後の態度を鋭意注視している」と強調した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr201804517-1/
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一方的核放棄強要なら、朝米首脳会談考慮/
朝鮮外務省 金桂官第1次官の談話
米の敵視政策と核威嚇の終結が先決条件
朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省の金桂官第1次官は16日、
談話を発表し、ボルトン米ホワイトハウス補佐官らが
来月の朝米首脳会談を前に、朝鮮に対して「先核放棄、後補償」
「リビア式核放棄」を主張していることを批判。
「トランプ政権が一方的な核放棄を強要するなら、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」
と表明した。
談話は、金正恩委員長の崇高な志に応えて、
トランプ大統領が歴史的根源の深い敵対関係を清算し、
朝米関係を改善しようとする立場を表明したことについて肯定的に評価し、
朝米首脳会談が朝鮮半島の情勢緩和を促し、素晴らしい未来を
建設するための大きな歩みになるだろうと期待していたと前置きしながら、
米国において対話相手を甚だしく刺激する妄言が吐かれていることに失望感をあらわにした。
談話は、米国の「リビア式核放棄」
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」
「核、ミサイル、化学兵器の完全廃棄」などの主張について
「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアやイラクの運命を
わが国に強要する不遜な企図の現れだ」と非難。
「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」と指摘した。
談話は、朝鮮が既に朝鮮半島非核化の用意を表明し、
このためには、米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇を終結させることが
先決条件になると何度も宣明したことを想起させながら、
「米国は、われわれが核を放棄すれば経済的補償と恩恵を与えると言うが、
われわれは1度も米国に期待を掛けて経済建設を行ったことがなく、
今後もそのような取引を絶対にしない」と強調した。
談話は、
「トランプ政権が朝米関係改善のために誠意を持って
朝米首脳会談に出てくる場合、われわれの相応の呼応を受けることになるが、
われわれを隅に追いやって一方的な核放棄だけを強要するなら、
われわれはそのような対話に興味を持たないし、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」と表明した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180517-2/
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先ほど放送されていた『新情報News7Days』では
明治大学の講師が大声で
首脳会談が中止になったのは
北朝鮮が揺さぶりをかけすぎたからだと説明していた。
①平壌攻撃を想定した
マックスサンダー作戦への非難
(ステルス戦闘機F22ラプターは
斬首作戦に最も適した機体との見解もある)
②リビア式の一方的な核放棄に対する非難
「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアや
イラクの運命をわが国に強要する不遜な企図の現れだ」
「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」
これらの発言が「揺さぶり」に該当するのだそうだ。
核施設の爆破についても
海外メディアが注視するなか、大々的に行われたものだったが、
これについても「専門家を呼ぶ約束を破った」と非難、
暗に破壊したのかどうか疑わしいという見解を示した。
(専門家を招く約束が本当にあったかは不明。
少なくともこの講師以外にそのような取り決めが
あったとはニュースサイトを調べた限り、見受けられなかった。
全くの嘘だとは言わないが、出所を示して欲しいとも思う)
客観的にみれば、
北朝鮮は、韓国と協調しつつ対話路線を呼びかけ、
核実験施設を爆破し、軍事的示威行動を行わない方向へ転身したのに対して、
アメリカは、軍事演習を続行し、経済制裁を解く気配もなく、
一方的な核放棄を求め、先制攻撃、爆撃も辞さないという態度。
これに対して非難することが「ゆさぶり」になるらしい。
こうした見解は、おおよそ
北朝鮮のやることは信用ならないという
先入観に基づいたものだと言えるだろう。
すでに日本では、
実験施設の爆破は政治ショーだと評価する専門家も少なくない。
だが、考えてほしい。
仮に北朝鮮が爆破を中止したならば、
それはそれで約束を反故にしたと激怒するのではないだろうか?
アメリカの北朝鮮に対する不実な姿勢に対して
全く非難しないのも奇妙である。
少なくとも番組内に登場した明治大講師は
マックス・サンダー作戦やペンス氏の発言については
一切、取り上げなかったし、番組自体も
なぜかこの箇所をカットして朝鮮中央通信の記事を紹介していた。
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朝鮮中央通信によると、朝鮮の崔善姫外務次官は24日、
米国のペンス副大統領がFOXニュースとのインタビュー(21日)で
朝鮮の核問題で軍事的対応の排除を否定し、「リビアのように終わるだろう」
などと発言し、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を
主張したことを非難する談話を発表した。
崔次官は、ボルトン国家安全保障担当補佐官に続き、
ペンス副大統領までもが朝鮮に対し、
リビアの轍を踏むだろうと力説したことについて、
「われわれは、リビアの轍を踏まないために高い代価を払って自分自身を守り、
朝鮮半島と地域の平和と安全を守ることのできる強力で頼もしい力を育てた」と指摘。
「この現実をいまだに分からず、
われわれを悲劇的な末路を歩んだリビアと比べるのは、
米国の高位政治家が朝鮮をあまりにも知らない」と非難した。
崔次官は
「米国が先に対話を請託したにもかかわらず、
われわれが要請したかのように世論をミスリードする底意が何なのか、
果たして米国がここから何を得ようと打算しているのか分からない」としながら、
「われわれは米国に対話を哀願しないし、
米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めない」と強調した。
そして、
「米国がわれわれと会談場で会うのか、
核対核の対決場で会うのかは全的に米国の決心と行動に懸かっている」としながら、
「米国がわれわれの善意を冒涜し、非道に振る舞う場合、
朝米首脳会談を再考する問題を最高指導部に提起する」と表明した。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180524-1/
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上の記事から
最後の「われわれは米国に対話を~引き止めない」だけが
抜き出され、その前の北朝鮮への攻撃を示唆するアメリカの発言はカットしていたのである。
つまり、アメリカは北朝鮮の行き過ぎた揺さぶりについて対処したにすぎない
というのが日本メディアの見解だった。
このアメリカ完全無罪論を前提とした解説に私は唖然としてしまった。
軍事演習の継続にリビア式の解決方法の示唆。
これは揺さぶりや挑発というものにならないのだろうか。
アメリカはどれだけ挑発的な発言をしても許され、
北朝鮮は実験施設を爆破しても疑われる。
これが日本のメディアやエキスパートの姿勢なら
確かに日本がこの問題で蚊帳の外にされたのも納得がいく。
現在、森友問題や加計問題で顕著なのが、
証拠や証言が出てきても「これはこういう意味なのだ、あれはそういう意味なのだ」
と都合の良い解釈をして、現実を直視しようとしない政治家の態度だが、
実のところ、これは専門家やジャーナリストを含む
日本の北朝鮮に対する姿勢にも通じるものではないだろうか?