成宮寛貴のコカイン使用疑惑 テレビ朝日は黙殺か
一時的に人気推理ドラマ「相棒」の放送が休止された時があった。
この事実を根拠に、もし何者かが「成宮や高樹は安倍晋三に粛清されたのだ!」と騒いだらどうだろうか?
「何を馬鹿なことをほざく」と相手にされないのが関の山だろう。
ところが、これが北朝鮮だと真実になってしまう。
特集ワイド
トランプ政権の出方うかがう北朝鮮 金正恩氏の「絶対権力」に異変!?
事典から写真が消されていた。だから粛清されたのだと大真面目に論じられている。
だが、日本でも汚職や犯罪を犯した人間がテレビから姿を消すように、
事典から写真が消去された→殺されたと断じるのは論理が飛躍している。
仮に北朝鮮の高官や知識人が頻繁に粛清されているのであれば、きちんとデータ化できたり、
いつ、どこで誰が消されたのかを具体的に述べることが出来るはずだ。
そして、忘れてはならないのが、日本や韓国のメディアが殺されたと論じた人間が
ある日、元気な姿で登場するのは日常茶飯事だということ。
例えば、金正恩の元恋人が成人ビデオに出演した疑惑で殺害されたと言われたが、これはデマだった。
金正恩と同じ髪型をしないと殺されるというのもデマだった。
誤報自体は避けられないことだが、
問題はメディアはこれらに対して一切、訂正も謝罪も行っていないことだろう。
------------------------------------------------------------------
それは耳を疑うような言葉だった。
朝鮮中央テレビで元日に放映された新年の辞で金委員長はこう言った。
「いつも気持ちだけで能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら、
過ぐる年を送りました。今年はいっそう奮発し、全身全霊で人民のために
より多くの仕事をする決心をしています」。演説冒頭には深く頭を下げもした。
この新年の辞を私は、朴槿恵(パククネ)大統領に対する
弾劾訴追案可決の熱気冷めやらぬ韓国・ソウルで見ていた。おおみそか、
光化門広場で「朴槿恵即刻退陣」を叫ぶ大規模なろうそく集会を目にしたばかりだったので、
金委員長も人民に寄り添わなければ、明日はわが身と案じたからではないかと想像したりもした。
ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20170127/dde/012/030/023000c#csidx1768a8ff2e209c5909b0314b5084cb7
Copyright 毎日新聞
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ここで、次の文章を読んでみよう。
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Q. 昨年の総括は。
A. 昨年は祖国解放70周年、朝鮮労働党創建70周年を迎え、
白頭山英雄青年発電所、未来科学者通りをはじめとする大規模建設や多彩な祝賀行事で、
一心団結の力を内外に誇示した。強盛国家建設においては青年たちが大きな役割を担った。
一方で、去る8月、朝鮮半島に醸成された
一触即発の軍事的危機を回避し、北南対話と関係改善の道を切り開いた。
第1書記は、これらの成果は祖国の繁栄のために尽くした人民らの血と汗の結晶であり、
そこから大きな力と勇気を得たと評価し、
「党の指導と軍隊、偉大な人民がいれば、いかなる大業も成し遂げることができる」と昨年を総括した。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/01/20160112suk/
----------------------------------------------------------
本当に金正恩がそのように思っているかどうかはさておいて、
いわゆる国民中心の政治を行うというフレーズは2016年の新年の辞でも発言されていた。
まさかとは思うが去年の内容を確かめすらしなかったのだろうか?
そもそも、社会主義の理念は人民中心の政治であるから、
金正恩が何かにつけ「人民を重んじる」という内容を盛り込むのは不思議ではない。
こういう記事もある。
----------------------------------------------------------------
金正恩委員長は書簡で、党第7回大会で示された国家経済発展5カ年戦略遂行の突破口を開くための
200日キャンペーンにおける女性同盟の功績について言及し、祖国と人民に対する献身的な服務精神、
道義心を備えた女性革命家の大部隊を持っていることは、「党と人民の大きな誇り」と高く評価。
「社会主義強国の建設に積極的に貢献しなければならない」として女性同盟の役割を強調した。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/12/13suk-6/
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仮にも社会主義国なのだから、人民中心の政治をオフィシャルで述べるのは当然のことだ。
私は金正恩の新年の辞を読み、またいつものこと(人民中心の為政)を言っているなと思ったが、
毎日新聞社の新聞記者ともなれば、韓国国内の反政権デモと絡めて、
「金委員長も人民に寄り添わなければ、明日はわが身と案じたからではないかと想像したりも」するらしい。
一応、日本語で読める文献として『金正恩著作集』という資料がある。
Amazonで注文可能の書籍だが、もしかすると件の記者は、それすら読んでいないのかもしれない。
繰り返すが、私は今年の金正恩の新年の辞はいつもとさして変わらない内容だと感じた。
朝鮮新報が日本語訳を掲載しているので、部部的に引用してみよう。
大変長いが、まずは読んでみることから始まると思う。
---------------------------------------------------------------
昨年われわれが革命と建設の各分野でめざましい成果を収めることができたのは、
決して条件がよかったからではなく、天がもたらした偶然でもない。
これらの奇跡と勝利をもたらした神秘なる力は、
ほかならぬ千万軍民の一心団結、偉大な自強力である。
~中略~
同志のみなさん!
われわれは、より大きな勝利をもたらすための新年の行軍路に今一度立たなければならない。
勝利により大きな勝利を重ね、革命の全盛期を大繁栄期につないでいくのは、
金日成同志と金正日同志の指導の下に育ったわが軍隊と人民の思想的・精神的特質であり闘争気風である。
われわれは、奇跡の2016年の1年を通じて一段と高揚した革命的気勢をさらに上げ、
意義深い今年、第7回党大会の決定貫徹で画期的な前進を遂げることによって、
人民の理想と夢をこの地に輝かしい現実として開花させなければならない。
国家経済発展5カ年戦略の遂行に総力を集中すべきである。
今年は、国家経済発展5カ年戦略の遂行において重要な意義をもつ年である。
昨年に収めた勝利を打ち固めながら5カ年戦略遂行の確固たる展望を開き、
国の経済全般をより高い段階に引き上げるためには、今年の戦闘目標を必ず遂行しなければならない。
「自力自強の偉大な原動力によって社会主義の勝利の前進を早めよう!」、
これが新年の行軍路でわれわれが掲げていくべき戦闘的スローガンである。
われわれは、自力自強の威力によって
5カ年戦略の目標を達成するための全民総突撃戦を力強く繰り広げなければならない。
金属工業部門では先進技術を取り入れて鉄の生産コスト(原価)を下げ、
主体化された生産工程の運営を正常化して鉄鋼材をより多く生産しなければならない。
国家的に金策製鉄連合企業所と黄海製鉄連合企業所をはじめ、
金属工場に対する原料と燃料、動力保障対策を徹底的に立てなければならない。
化学工業は工業の基礎であり、経済の自立性を強化し人民生活を向上させる上で重要な役割を果たす。
化学工業部門では、2.8ビナロン連合企業所の生産を活性化し、重要化学工場の能力を拡張し、
技術工程を朝鮮式に改造して、各種化学製品の生産を増大させるべきである。
C1化学工業を創設することに力を入れ、段階別課題をそのつど円滑に遂行しなければならない。
~中略~
経済強国建設の主要攻略部門である農業部門で科学農業熱風を起こし、
多収穫運動を力強く展開しなければならない。
現実で優越性が実証された優良種子と科学的な営農方法を広く取り入れ、
二毛作面積を増やし、能率的な農業機械を積極的に考案、導入して
穀物生産目標を必ず達成しなければならない。
洗浦地区畜産基地の正常運営を保障するための対策を講じ、
果物とキノコ、野菜の生産を増やして人民がその恩恵を受けるようにしなければならない。
水産部門では漁労作業に積極的に取り組み、養魚と養殖を根気よく推し進めるべきである。
より多くの現代的な漁船を建造し、東海岸地区に総合的な漁具生産基地を築いて
水産業の物質的・技術的土台を強化しなければならない。
~中略~
教育と保健医療、スポーツ、文学・芸術をはじめ
文化分野のすべての部門で新たな革命的高揚を起こして文明強国建設を早めるべきである。
科学教育の年である今年に全国家的、全社会的に
科学教育施設と環境を一新するための旋風を巻き起こさなければならない。
社会主義政治・軍事陣地を不敗のとりでとしてさらに打ち固めるべきである。
一心団結は金日成同志と金正日同志の貴い革命遺産であり、
一心団結に朝鮮式社会主義の不可抗力的威力がある。
千万軍民が党と同じ血筋を引いて心臓の拍動を合わせ、
党の周りに思想・意志、道徳・信義の上で固く団結し、
祖国の富強・繁栄のために力強く闘わなければならない。
党活動と国家・社会生活のすべての分野においてチュチェの人民観、
人民哲学の最高の精華である人民大衆第一主義を具現し、一心団結の花園を汚す毒草である
権勢と官僚主義、不正腐敗行為を根絶するための闘争を力強く展開すべきである。
ひたすら党に従う人民の純潔で熱烈な心と志向を阻み、
党と人民大衆を引き離そうとする敵の卑劣で悪らつな策動を断固と粉砕しなければならない。
朝鮮人民軍創建85周年に当たる今年、軍事力強化の熱風を巻き起こさなければならない。
人民軍では党の政治活動を強力に展開して全軍に党の思想と息吹だけが脈打つようにし、
再び今年を訓練の年、戦闘準備の完成の年として
すべての軍種、兵種、専門兵部隊で戦闘準備の熱風を強く巻き起こし、
すべての軍人をいかなる侵略者も一撃の下に撃滅しうる「一騎当千」の万能戦士、
白頭山の虎に育て上げるべきである。
朝鮮人民内務軍の将兵と労農赤衛軍、赤い青年近衛隊の隊員は、
政治的、軍事的にしっかり準備し、社会主義制度と人民の生命・財産を固く
守る万全の戦闘動員態勢を整えなければならない。
国防部門の幹部と科学者と労働者階級は、
抗日の「延吉爆弾」精神と戦火の君子里革命精神を血潮たぎる胸に秘め、
朝鮮式の強力なチュチェ兵器をより多く開発、生産し、先軍革命の兵器廠を一層強固にしなければならない。
第7回党大会の決定を貫徹するための今年の戦闘の勝敗は、党組織と勤労者団体組織の役割にかかっている。
~中略~
今日の激動の時代は、党政策貫徹の第一旗手である幹部の活動気風と活動態度を革命的に改善することを求めている。
今、人民の闘争意欲は非常に高く、
これに幹部の大胆かつ科学的な作戦と巧みな指揮、率先垂範の活動態度が裏打ちされれば、
われわれには占領できない要塞も乗り越えられない難関もない。
すべての幹部は党と革命に対して担っている崇高な使命感を深く自覚し、
隊伍の先頭に立って大衆を導く機関車にならなければならない。
革新的な眼識を持って活動を大胆に設計し、常に仕事を見つけ出し気を引き締めて戦闘的に働くべきである。
幹部は敗北主義とことなかれ主義、形式主義、要領主義と断固決別し、
党の構想と意図を貫徹するための闘いで一身をろうそくのように燃やしつくさなければならない。
~中略~
今年は歴史的な7.4共同声明発表45周年と10.4宣言発表10周年に当たる年である。
今年われわれは、全民族が力を合わせて自主統一の大路を開かなければならない。
北南関係を改善し、北南間の鋭い軍事衝突と戦争危険を解消するための積極的な対策を立てなければならない。
北南関係の改善は平和と統一に進む出発点であり、全同胞の切々たる要求である。
破局状態にある今の北南関係を袖手傍観するならば、
どの政治家も民族に対する自分の責任と役割を果たしたとは言えず、民心の支持を得ることができない。
相手方を刺激し、対決を鼓吹するあらゆる誹謗中傷はいかなる場合にも正当化されえず、
体制の転覆と「変化」に期待をかけて行われる
不純な反共和国謀略策動と敵対行為は直ちに中止されなければならない。
民族同士が互いに争うことなく、同胞の安寧と国の平和を守ろうとするわれわれの立場には変わりがない。
南朝鮮当局はわれわれの自衛的行使について頭ごなしに言い掛かりをつけて情勢を激化させるのではなく、
北南間の軍事衝突を防止し、緊張を緩和するためのわれわれの真剣な努力に肯定的に応じなければならない。
また、武力増強策動と戦争演習騒ぎを中止すべきである。
全民族が志と力を合わせて民族あげての統一運動の全盛期を開いていかなければならない。
~中略~
民族の統一志向に逆行する内外の反統一勢力の挑戦を粉砕しなければならない。
南朝鮮に居座ってアジア・太平洋支配戦略を実現しようとする米国をはじめ
外部勢力の侵略と干渉策動に終止符を打ち、民族の本当の主敵も判別できずに
同族対決に生きる道を求める朴槿恵のような反統一的な事大主義的売国勢力の
蠢(ルビ:しゅん)動を粉砕するための全民族的な闘争を力強く展開しなければならない。
米国は、朝鮮民族の統一意志を直視して南朝鮮の反統一勢力を同族対決と
戦争へとあおり立てる民族離間策をこれ以上追求してはならず、
時代錯誤の対朝鮮敵視政策を撤回する勇断を下さなければならない。
自主と正義を貴ぶ国際社会は、朝鮮半島の平和と統一を阻む
米国と追随勢力の妨害策動に反対すべきであり、周辺諸国は
朝鮮民族の統一志向と努力に役立つ有益なことをしなければならない。
北と南、海外の全同胞は、民族の団結した力で全民族的統一大進軍を速めることによって、
今年を自主統一の新局面を開く非常に意義深い年にするために、何かしなければならない。
昨年、わが共和国に対する帝国主義反動勢力の政治的・軍事的圧力と制裁策動は極限に達したが、
わが軍隊と人民の必勝の信念をくじくことはできず、
チュチェ朝鮮の力強い革命的前進を阻むこともできなかった。
われわれは、米国とその追随勢力の核の脅威と脅迫が続く限り、
また、われわれの門前で「定例」のベールをかぶった戦争演習騒動をやめない限り、
核武力を中枢とする自衛的国防力と先制攻撃能力を引き続き強化していくであろう。
われわれは必ずわれわれの力でわが国家の平和と安全を守り抜き、
世界の平和と安定を守ることにも大いに寄与するであろう。
~中略~
同志のみなさん!
新しい一年が始まるこの場に立つと、私を固く信じ、一心同体となって熱烈に支持してくれる、
この世で一番素晴らしいわが人民を、どうすれば神聖に、より高く戴くことができるかという心配で心が重くなる。
いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送ったが、
今年は一層奮発して全身全霊を傾けて、人民のためにより多くの仕事をするつもりである。
~中略~
偉大な金日成・金正日主義が前途を照らし、
党の周りに千万軍民が固く団結した一心団結の威力がある限り、われわれの勝利は確定的である。
ともに、朝鮮労働党第7回大会が示した社会主義強国建設の輝かしい青写真に沿って、
明るい未来に向かって力強く進軍しよう。
http://chosonsinbo.com/jp/2017/01/06riyo-jjj01-4/
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半分以上は国内の経済に関する言及である。
軍事の部分は全体の1割にも満たない。
その軍事の部分にしても、
「北南関係を改善し、北南間の鋭い軍事衝突と戦争危険を解消するための
積極的な対策を立てなければならない。」
「武力増強策動と戦争演習騒ぎを中止すべきである。」
「われわれの門前で「定例」のベールをかぶった戦争演習騒動をやめない限り、
核武力を中枢とする自衛的国防力と先制攻撃能力を引き続き強化していく」
といった内容で、戦争回避と相手国の自粛を求めるものであり、好戦的な姿勢とは言えない。
(なお、北朝鮮は以前から幾度も軍事演習中止を条件とした核開発の中断を提案している)
毎日の記者は
「ただ、威嚇も忘れていない。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏が大統領に決まった
昨年11月以降は核・ミサイルの実験を控えてはいるものの、
新年の辞で「大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験事業が最終段階に至った」と挑発」と書く。
ところが、問題の部分は
「帝国主義者の日増しに悪らつになる核戦争の脅威に対処した
われわれの初の水爆実験とさまざまな攻撃手段の試験発射、核弾頭爆発実験が成功裏に行われ、
先端武力装備の開発が活発化し、大陸間弾道ロケット試験発射準備が最終段階に入ったことをはじめ、
国防力強化のための驚異的な出来事がさまざまなレベルで連続的に起きたことによって、
祖国と民族の運命を守り、社会主義強国建設の偉業を勝利に向けて
前進させていくことのできる強力な軍事的保証がもたらされた。
勇敢な人民軍は、敵の無分別な侵略と戦争挑発策動を断固粉砕して
祖国の安全と革命の獲得物を固守し、無敵強兵の政治的・思想的面貌と
軍事技術的準備をより完璧に備えた。
国防分野における輝かしい成果は、朝鮮人民に大きな民族的誇りと鼓舞的力を与え、
帝国主義者と反動勢力を恥ずべき破滅の道に追い込み、共和国の戦略的地位を一段と高めた。」
となっている。
これは国民向けのメッセージであり(新年の辞なのだから当然だが)、
その内容は、あくまで国民への労いであり、
ここから「威嚇」「挑発」という言葉を読みとることは不可能だ。
「核開発が最終段階に入った」→「挑発だ!」という解釈。また論理が飛躍している。
果たして全文を読んだのだろうか?読んだにしても、なぜここまで作為的に解説するのだろうか?
去年の5月に開催された労働党大会では、次のような主張が取られた。
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非核化のプロセスに関しては朝鮮半島が「核化」した経緯、
すなわち朝鮮戦争以来、米国の核威嚇が続き、朝鮮が生存のために核抑止力を持つに至ったことに触れ、
「自衛のための核」より「侵略の核」の除去が先行されなければならないと主張した。
そして
▼南朝鮮に持ち込んで肯定も、否定もしない米国の核兵器を全て公開すること
▼南朝鮮から全ての核兵器とその基地を撤廃し、世界の前で検証を受けること
▼米国が朝鮮半島とその周辺に随時展開する核攻撃手段を二度と持ち込まないということを保証すること
▼いかなる場合も核で、核が動員される戦争行為で朝鮮を威嚇、恐喝したり、
朝鮮に反対して核を使用したりしないことを確約すること
▼南朝鮮で核の使用権を握っている米軍の撤退を宣布すること――を求めた。
朝鮮半島非核化を議題とする6者会談は8年間中断状態にあるが、
その間も朝鮮は非核化プロセスを稼働させるための努力を続けてきた。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/07/15riyo-jjj02/
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北朝鮮は米韓合同軍事演習の臨時中断と自国の核開発の臨時中断の並行を求めている。
つまり、北朝鮮は米韓朝3カ国の軍縮と核廃絶を求めており、
米韓は北朝鮮1国のみの非武装・非核化を求めている。
このズレを指摘せず、やれ図鑑から写真が消えたから殺されただの、
あいも変わらずの恐怖の独裁国家北朝鮮の演出に熱中している。
発言の一部分を取り上げ、全体で何が語られているかを語ろうとしない。
自身の思い込みを事実とし、金正恩はアメリカに対して軍事的挑発を行ったと真逆の内容を書く。
これが我が国が誇るプロの全国紙記者のありままの姿である。
この数週間、東村高江の人々の苦闘を知るにつれ、
彼らと比べて自分がやっていることは趣味化しているのではないと自問し、
なかなか記事を書く気がおきなかった。
だが、先日(1月27日)の毎日の記事を読み、あまりにも肝心の部分が省略されていることを知り、
やはり、北朝鮮はじめ、シリア、イエメン、ミャンマー、その他の国際政治については
趣味であろうがボランティアであろうが、書くべきことはしっかり書かなくては駄目だと考えが変わった。
そういう意味では毎日の記事はとても素晴らしいものだったと思う。
去年の秋ごろから多忙に多忙で、以前より更新の頻度が減ると思われるが、今後もサイトは続けていくつもりだ。
一時的に人気推理ドラマ「相棒」の放送が休止された時があった。
この事実を根拠に、もし何者かが「成宮や高樹は安倍晋三に粛清されたのだ!」と騒いだらどうだろうか?
「何を馬鹿なことをほざく」と相手にされないのが関の山だろう。
ところが、これが北朝鮮だと真実になってしまう。
特集ワイド
トランプ政権の出方うかがう北朝鮮 金正恩氏の「絶対権力」に異変!?
事典から写真が消されていた。だから粛清されたのだと大真面目に論じられている。
だが、日本でも汚職や犯罪を犯した人間がテレビから姿を消すように、
事典から写真が消去された→殺されたと断じるのは論理が飛躍している。
仮に北朝鮮の高官や知識人が頻繁に粛清されているのであれば、きちんとデータ化できたり、
いつ、どこで誰が消されたのかを具体的に述べることが出来るはずだ。
そして、忘れてはならないのが、日本や韓国のメディアが殺されたと論じた人間が
ある日、元気な姿で登場するのは日常茶飯事だということ。
例えば、金正恩の元恋人が成人ビデオに出演した疑惑で殺害されたと言われたが、これはデマだった。
金正恩と同じ髪型をしないと殺されるというのもデマだった。
誤報自体は避けられないことだが、
問題はメディアはこれらに対して一切、訂正も謝罪も行っていないことだろう。
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それは耳を疑うような言葉だった。
朝鮮中央テレビで元日に放映された新年の辞で金委員長はこう言った。
「いつも気持ちだけで能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら、
過ぐる年を送りました。今年はいっそう奮発し、全身全霊で人民のために
より多くの仕事をする決心をしています」。演説冒頭には深く頭を下げもした。
この新年の辞を私は、朴槿恵(パククネ)大統領に対する
弾劾訴追案可決の熱気冷めやらぬ韓国・ソウルで見ていた。おおみそか、
光化門広場で「朴槿恵即刻退陣」を叫ぶ大規模なろうそく集会を目にしたばかりだったので、
金委員長も人民に寄り添わなければ、明日はわが身と案じたからではないかと想像したりもした。
ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20170127/dde/012/030/023000c#csidx1768a8ff2e209c5909b0314b5084cb7
Copyright 毎日新聞
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ここで、次の文章を読んでみよう。
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Q. 昨年の総括は。
A. 昨年は祖国解放70周年、朝鮮労働党創建70周年を迎え、
白頭山英雄青年発電所、未来科学者通りをはじめとする大規模建設や多彩な祝賀行事で、
一心団結の力を内外に誇示した。強盛国家建設においては青年たちが大きな役割を担った。
一方で、去る8月、朝鮮半島に醸成された
一触即発の軍事的危機を回避し、北南対話と関係改善の道を切り開いた。
第1書記は、これらの成果は祖国の繁栄のために尽くした人民らの血と汗の結晶であり、
そこから大きな力と勇気を得たと評価し、
「党の指導と軍隊、偉大な人民がいれば、いかなる大業も成し遂げることができる」と昨年を総括した。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/01/20160112suk/
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本当に金正恩がそのように思っているかどうかはさておいて、
いわゆる国民中心の政治を行うというフレーズは2016年の新年の辞でも発言されていた。
まさかとは思うが去年の内容を確かめすらしなかったのだろうか?
そもそも、社会主義の理念は人民中心の政治であるから、
金正恩が何かにつけ「人民を重んじる」という内容を盛り込むのは不思議ではない。
こういう記事もある。
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金正恩委員長は書簡で、党第7回大会で示された国家経済発展5カ年戦略遂行の突破口を開くための
200日キャンペーンにおける女性同盟の功績について言及し、祖国と人民に対する献身的な服務精神、
道義心を備えた女性革命家の大部隊を持っていることは、「党と人民の大きな誇り」と高く評価。
「社会主義強国の建設に積極的に貢献しなければならない」として女性同盟の役割を強調した。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/12/13suk-6/
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仮にも社会主義国なのだから、人民中心の政治をオフィシャルで述べるのは当然のことだ。
私は金正恩の新年の辞を読み、またいつものこと(人民中心の為政)を言っているなと思ったが、
毎日新聞社の新聞記者ともなれば、韓国国内の反政権デモと絡めて、
「金委員長も人民に寄り添わなければ、明日はわが身と案じたからではないかと想像したりも」するらしい。
一応、日本語で読める文献として『金正恩著作集』という資料がある。
Amazonで注文可能の書籍だが、もしかすると件の記者は、それすら読んでいないのかもしれない。
繰り返すが、私は今年の金正恩の新年の辞はいつもとさして変わらない内容だと感じた。
朝鮮新報が日本語訳を掲載しているので、部部的に引用してみよう。
大変長いが、まずは読んでみることから始まると思う。
---------------------------------------------------------------
昨年われわれが革命と建設の各分野でめざましい成果を収めることができたのは、
決して条件がよかったからではなく、天がもたらした偶然でもない。
これらの奇跡と勝利をもたらした神秘なる力は、
ほかならぬ千万軍民の一心団結、偉大な自強力である。
~中略~
同志のみなさん!
われわれは、より大きな勝利をもたらすための新年の行軍路に今一度立たなければならない。
勝利により大きな勝利を重ね、革命の全盛期を大繁栄期につないでいくのは、
金日成同志と金正日同志の指導の下に育ったわが軍隊と人民の思想的・精神的特質であり闘争気風である。
われわれは、奇跡の2016年の1年を通じて一段と高揚した革命的気勢をさらに上げ、
意義深い今年、第7回党大会の決定貫徹で画期的な前進を遂げることによって、
人民の理想と夢をこの地に輝かしい現実として開花させなければならない。
国家経済発展5カ年戦略の遂行に総力を集中すべきである。
今年は、国家経済発展5カ年戦略の遂行において重要な意義をもつ年である。
昨年に収めた勝利を打ち固めながら5カ年戦略遂行の確固たる展望を開き、
国の経済全般をより高い段階に引き上げるためには、今年の戦闘目標を必ず遂行しなければならない。
「自力自強の偉大な原動力によって社会主義の勝利の前進を早めよう!」、
これが新年の行軍路でわれわれが掲げていくべき戦闘的スローガンである。
われわれは、自力自強の威力によって
5カ年戦略の目標を達成するための全民総突撃戦を力強く繰り広げなければならない。
金属工業部門では先進技術を取り入れて鉄の生産コスト(原価)を下げ、
主体化された生産工程の運営を正常化して鉄鋼材をより多く生産しなければならない。
国家的に金策製鉄連合企業所と黄海製鉄連合企業所をはじめ、
金属工場に対する原料と燃料、動力保障対策を徹底的に立てなければならない。
化学工業は工業の基礎であり、経済の自立性を強化し人民生活を向上させる上で重要な役割を果たす。
化学工業部門では、2.8ビナロン連合企業所の生産を活性化し、重要化学工場の能力を拡張し、
技術工程を朝鮮式に改造して、各種化学製品の生産を増大させるべきである。
C1化学工業を創設することに力を入れ、段階別課題をそのつど円滑に遂行しなければならない。
~中略~
経済強国建設の主要攻略部門である農業部門で科学農業熱風を起こし、
多収穫運動を力強く展開しなければならない。
現実で優越性が実証された優良種子と科学的な営農方法を広く取り入れ、
二毛作面積を増やし、能率的な農業機械を積極的に考案、導入して
穀物生産目標を必ず達成しなければならない。
洗浦地区畜産基地の正常運営を保障するための対策を講じ、
果物とキノコ、野菜の生産を増やして人民がその恩恵を受けるようにしなければならない。
水産部門では漁労作業に積極的に取り組み、養魚と養殖を根気よく推し進めるべきである。
より多くの現代的な漁船を建造し、東海岸地区に総合的な漁具生産基地を築いて
水産業の物質的・技術的土台を強化しなければならない。
~中略~
教育と保健医療、スポーツ、文学・芸術をはじめ
文化分野のすべての部門で新たな革命的高揚を起こして文明強国建設を早めるべきである。
科学教育の年である今年に全国家的、全社会的に
科学教育施設と環境を一新するための旋風を巻き起こさなければならない。
社会主義政治・軍事陣地を不敗のとりでとしてさらに打ち固めるべきである。
一心団結は金日成同志と金正日同志の貴い革命遺産であり、
一心団結に朝鮮式社会主義の不可抗力的威力がある。
千万軍民が党と同じ血筋を引いて心臓の拍動を合わせ、
党の周りに思想・意志、道徳・信義の上で固く団結し、
祖国の富強・繁栄のために力強く闘わなければならない。
党活動と国家・社会生活のすべての分野においてチュチェの人民観、
人民哲学の最高の精華である人民大衆第一主義を具現し、一心団結の花園を汚す毒草である
権勢と官僚主義、不正腐敗行為を根絶するための闘争を力強く展開すべきである。
ひたすら党に従う人民の純潔で熱烈な心と志向を阻み、
党と人民大衆を引き離そうとする敵の卑劣で悪らつな策動を断固と粉砕しなければならない。
朝鮮人民軍創建85周年に当たる今年、軍事力強化の熱風を巻き起こさなければならない。
人民軍では党の政治活動を強力に展開して全軍に党の思想と息吹だけが脈打つようにし、
再び今年を訓練の年、戦闘準備の完成の年として
すべての軍種、兵種、専門兵部隊で戦闘準備の熱風を強く巻き起こし、
すべての軍人をいかなる侵略者も一撃の下に撃滅しうる「一騎当千」の万能戦士、
白頭山の虎に育て上げるべきである。
朝鮮人民内務軍の将兵と労農赤衛軍、赤い青年近衛隊の隊員は、
政治的、軍事的にしっかり準備し、社会主義制度と人民の生命・財産を固く
守る万全の戦闘動員態勢を整えなければならない。
国防部門の幹部と科学者と労働者階級は、
抗日の「延吉爆弾」精神と戦火の君子里革命精神を血潮たぎる胸に秘め、
朝鮮式の強力なチュチェ兵器をより多く開発、生産し、先軍革命の兵器廠を一層強固にしなければならない。
第7回党大会の決定を貫徹するための今年の戦闘の勝敗は、党組織と勤労者団体組織の役割にかかっている。
~中略~
今日の激動の時代は、党政策貫徹の第一旗手である幹部の活動気風と活動態度を革命的に改善することを求めている。
今、人民の闘争意欲は非常に高く、
これに幹部の大胆かつ科学的な作戦と巧みな指揮、率先垂範の活動態度が裏打ちされれば、
われわれには占領できない要塞も乗り越えられない難関もない。
すべての幹部は党と革命に対して担っている崇高な使命感を深く自覚し、
隊伍の先頭に立って大衆を導く機関車にならなければならない。
革新的な眼識を持って活動を大胆に設計し、常に仕事を見つけ出し気を引き締めて戦闘的に働くべきである。
幹部は敗北主義とことなかれ主義、形式主義、要領主義と断固決別し、
党の構想と意図を貫徹するための闘いで一身をろうそくのように燃やしつくさなければならない。
~中略~
今年は歴史的な7.4共同声明発表45周年と10.4宣言発表10周年に当たる年である。
今年われわれは、全民族が力を合わせて自主統一の大路を開かなければならない。
北南関係を改善し、北南間の鋭い軍事衝突と戦争危険を解消するための積極的な対策を立てなければならない。
北南関係の改善は平和と統一に進む出発点であり、全同胞の切々たる要求である。
破局状態にある今の北南関係を袖手傍観するならば、
どの政治家も民族に対する自分の責任と役割を果たしたとは言えず、民心の支持を得ることができない。
相手方を刺激し、対決を鼓吹するあらゆる誹謗中傷はいかなる場合にも正当化されえず、
体制の転覆と「変化」に期待をかけて行われる
不純な反共和国謀略策動と敵対行為は直ちに中止されなければならない。
民族同士が互いに争うことなく、同胞の安寧と国の平和を守ろうとするわれわれの立場には変わりがない。
南朝鮮当局はわれわれの自衛的行使について頭ごなしに言い掛かりをつけて情勢を激化させるのではなく、
北南間の軍事衝突を防止し、緊張を緩和するためのわれわれの真剣な努力に肯定的に応じなければならない。
また、武力増強策動と戦争演習騒ぎを中止すべきである。
全民族が志と力を合わせて民族あげての統一運動の全盛期を開いていかなければならない。
~中略~
民族の統一志向に逆行する内外の反統一勢力の挑戦を粉砕しなければならない。
南朝鮮に居座ってアジア・太平洋支配戦略を実現しようとする米国をはじめ
外部勢力の侵略と干渉策動に終止符を打ち、民族の本当の主敵も判別できずに
同族対決に生きる道を求める朴槿恵のような反統一的な事大主義的売国勢力の
蠢(ルビ:しゅん)動を粉砕するための全民族的な闘争を力強く展開しなければならない。
米国は、朝鮮民族の統一意志を直視して南朝鮮の反統一勢力を同族対決と
戦争へとあおり立てる民族離間策をこれ以上追求してはならず、
時代錯誤の対朝鮮敵視政策を撤回する勇断を下さなければならない。
自主と正義を貴ぶ国際社会は、朝鮮半島の平和と統一を阻む
米国と追随勢力の妨害策動に反対すべきであり、周辺諸国は
朝鮮民族の統一志向と努力に役立つ有益なことをしなければならない。
北と南、海外の全同胞は、民族の団結した力で全民族的統一大進軍を速めることによって、
今年を自主統一の新局面を開く非常に意義深い年にするために、何かしなければならない。
昨年、わが共和国に対する帝国主義反動勢力の政治的・軍事的圧力と制裁策動は極限に達したが、
わが軍隊と人民の必勝の信念をくじくことはできず、
チュチェ朝鮮の力強い革命的前進を阻むこともできなかった。
われわれは、米国とその追随勢力の核の脅威と脅迫が続く限り、
また、われわれの門前で「定例」のベールをかぶった戦争演習騒動をやめない限り、
核武力を中枢とする自衛的国防力と先制攻撃能力を引き続き強化していくであろう。
われわれは必ずわれわれの力でわが国家の平和と安全を守り抜き、
世界の平和と安定を守ることにも大いに寄与するであろう。
~中略~
同志のみなさん!
新しい一年が始まるこの場に立つと、私を固く信じ、一心同体となって熱烈に支持してくれる、
この世で一番素晴らしいわが人民を、どうすれば神聖に、より高く戴くことができるかという心配で心が重くなる。
いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送ったが、
今年は一層奮発して全身全霊を傾けて、人民のためにより多くの仕事をするつもりである。
~中略~
偉大な金日成・金正日主義が前途を照らし、
党の周りに千万軍民が固く団結した一心団結の威力がある限り、われわれの勝利は確定的である。
ともに、朝鮮労働党第7回大会が示した社会主義強国建設の輝かしい青写真に沿って、
明るい未来に向かって力強く進軍しよう。
http://chosonsinbo.com/jp/2017/01/06riyo-jjj01-4/
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半分以上は国内の経済に関する言及である。
軍事の部分は全体の1割にも満たない。
その軍事の部分にしても、
「北南関係を改善し、北南間の鋭い軍事衝突と戦争危険を解消するための
積極的な対策を立てなければならない。」
「武力増強策動と戦争演習騒ぎを中止すべきである。」
「われわれの門前で「定例」のベールをかぶった戦争演習騒動をやめない限り、
核武力を中枢とする自衛的国防力と先制攻撃能力を引き続き強化していく」
といった内容で、戦争回避と相手国の自粛を求めるものであり、好戦的な姿勢とは言えない。
(なお、北朝鮮は以前から幾度も軍事演習中止を条件とした核開発の中断を提案している)
毎日の記者は
「ただ、威嚇も忘れていない。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏が大統領に決まった
昨年11月以降は核・ミサイルの実験を控えてはいるものの、
新年の辞で「大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験事業が最終段階に至った」と挑発」と書く。
ところが、問題の部分は
「帝国主義者の日増しに悪らつになる核戦争の脅威に対処した
われわれの初の水爆実験とさまざまな攻撃手段の試験発射、核弾頭爆発実験が成功裏に行われ、
先端武力装備の開発が活発化し、大陸間弾道ロケット試験発射準備が最終段階に入ったことをはじめ、
国防力強化のための驚異的な出来事がさまざまなレベルで連続的に起きたことによって、
祖国と民族の運命を守り、社会主義強国建設の偉業を勝利に向けて
前進させていくことのできる強力な軍事的保証がもたらされた。
勇敢な人民軍は、敵の無分別な侵略と戦争挑発策動を断固粉砕して
祖国の安全と革命の獲得物を固守し、無敵強兵の政治的・思想的面貌と
軍事技術的準備をより完璧に備えた。
国防分野における輝かしい成果は、朝鮮人民に大きな民族的誇りと鼓舞的力を与え、
帝国主義者と反動勢力を恥ずべき破滅の道に追い込み、共和国の戦略的地位を一段と高めた。」
となっている。
これは国民向けのメッセージであり(新年の辞なのだから当然だが)、
その内容は、あくまで国民への労いであり、
ここから「威嚇」「挑発」という言葉を読みとることは不可能だ。
「核開発が最終段階に入った」→「挑発だ!」という解釈。また論理が飛躍している。
果たして全文を読んだのだろうか?読んだにしても、なぜここまで作為的に解説するのだろうか?
去年の5月に開催された労働党大会では、次のような主張が取られた。
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非核化のプロセスに関しては朝鮮半島が「核化」した経緯、
すなわち朝鮮戦争以来、米国の核威嚇が続き、朝鮮が生存のために核抑止力を持つに至ったことに触れ、
「自衛のための核」より「侵略の核」の除去が先行されなければならないと主張した。
そして
▼南朝鮮に持ち込んで肯定も、否定もしない米国の核兵器を全て公開すること
▼南朝鮮から全ての核兵器とその基地を撤廃し、世界の前で検証を受けること
▼米国が朝鮮半島とその周辺に随時展開する核攻撃手段を二度と持ち込まないということを保証すること
▼いかなる場合も核で、核が動員される戦争行為で朝鮮を威嚇、恐喝したり、
朝鮮に反対して核を使用したりしないことを確約すること
▼南朝鮮で核の使用権を握っている米軍の撤退を宣布すること――を求めた。
朝鮮半島非核化を議題とする6者会談は8年間中断状態にあるが、
その間も朝鮮は非核化プロセスを稼働させるための努力を続けてきた。
http://chosonsinbo.com/jp/2016/07/15riyo-jjj02/
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北朝鮮は米韓合同軍事演習の臨時中断と自国の核開発の臨時中断の並行を求めている。
つまり、北朝鮮は米韓朝3カ国の軍縮と核廃絶を求めており、
米韓は北朝鮮1国のみの非武装・非核化を求めている。
このズレを指摘せず、やれ図鑑から写真が消えたから殺されただの、
あいも変わらずの恐怖の独裁国家北朝鮮の演出に熱中している。
発言の一部分を取り上げ、全体で何が語られているかを語ろうとしない。
自身の思い込みを事実とし、金正恩はアメリカに対して軍事的挑発を行ったと真逆の内容を書く。
これが我が国が誇るプロの全国紙記者のありままの姿である。
この数週間、東村高江の人々の苦闘を知るにつれ、
彼らと比べて自分がやっていることは趣味化しているのではないと自問し、
なかなか記事を書く気がおきなかった。
だが、先日(1月27日)の毎日の記事を読み、あまりにも肝心の部分が省略されていることを知り、
やはり、北朝鮮はじめ、シリア、イエメン、ミャンマー、その他の国際政治については
趣味であろうがボランティアであろうが、書くべきことはしっかり書かなくては駄目だと考えが変わった。
そういう意味では毎日の記事はとても素晴らしいものだったと思う。
去年の秋ごろから多忙に多忙で、以前より更新の頻度が減ると思われるが、今後もサイトは続けていくつもりだ。