時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

日露外交について、アメリカにお伺いを立てる日本

2015-06-14 23:28:05 | ロシア・ウクライナ
日本とロシアの両政府は、岸田外相が今年の秋をメドにロシアを訪問する検討に入った。
日本経済新聞が14日、伝えた。

「ロシアが求める日本企業の経済ミッション」も同行する可能性があるという。

なお、日経新聞は、「ウクライナ問題でロシアへの圧力を強める
米国とも調整しながら、訪ロ時期を最終判断する」と指摘しており、
日本とロシアの相互関係で、米国が実権を握っていることが、再び間接的に言及されている。


(安倍首相がウクライナを訪問した時、ロシアのペスコフ大統領報道官は、
 ロシアが他国の2か国関係に干渉することはないと指摘し、
 安倍首相のウクライナ訪問は、日本とウクライナの2か国関係の問題であり、
 ロシア大統領府はコメントしないと発表した。)

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150614/452823.html#ixzz3d2xjSs7g


自主独立の外交を叫びながらも、実際には元宗主国の顔色を伺いながら
コソコソと準備する我が国の小物臭さよ。やんぬるかな。

安倍にまかせては北方領土は返ってこない

2015-06-12 01:00:03 | ロシア・ウクライナ
ロシアが、北方領土で軍事・民間インフラを拡大

ロシアの国防省が、日本のウクライナへの支援に反発し、
「(北方領土を含む)クリル諸島でのインフラを拡大する」と発表しました。


外交誌は、ロシア国防省は8日月曜、クリル諸島での軍事・民間
インフラ整備に向けたロシアの決意を明らかにした、としました。


ロシア国防省は、この計画の理由と詳細については語っていませんが、
この決定は最近の安倍総理大臣のウクライナ訪問に関係がある可能性があります。



安倍首相は、ウクライナで、同国のポロシェンコ大統領とその政策を支持すると述べました。

ポロシェンコ大統領はロシアの政策に反対しており、
ロシアをウクライナの内政干渉とロシア系住民の扇動で非難しています。


クリル諸島の一部は日本では北方領土として知られており、
国後、択捉、色丹、歯舞の4島はとくに60年前に領土問題の対象となり、
日本とロシアの緊張を生じさせています。


ロシアと日本が19世紀に締結した二つの条約は、
両国の国境を択捉島以北、カムチャッカ半島以南と設定しました。


こうした中、日本が第2次世界大戦で敗北し、ロシアは北方領土のすべてを占領し、
1万7千人以上の日本人を追い出し、それから撤退しようとしませんでした。



1951年に日本と戦勝国の間で締結されたサンフランシスコ条約で、
日本は戦勝国であるソビエトに対する領有権の主張から退くことになりましたが、
ソ連はこれに署名しませんでした。こうした中、
ロシアは1945年の協定は、クリル諸島のロシアの領有権を正式に認めており、
サンフランシスコ条約の必要はなかったと考えています。


1945年の協定は、ドイツと同盟国に対する宣戦布告のために、
西側がソ連におくった一種の贈り物であり、
「クリル諸島はソ連に与えられるべきだ」と強調していました。


1956年、ロシアと日本の政治関係は復活しましたが、両国は平和条約を締結しませんでした。

ロシアは択捉島に軍事駐留を行っており、2014年に国際空港をオープンしました。
北方領土におけるロシア系の住民の人口は3万人以上となっており、
ロシアは北方領土の上空を定期的に飛行しています。


こうした中、かつてのロシアのプーチン大統領の声明は、
協議と日本への一部の島の返還の可能性を否定していませんが、
この1年の出来事は、これに関する合意の展望を暗いものにしています。


日本はロシアのクリミア併合の問題を理由に、G7のロシアに対する制裁を支持しました。
さらに、日本は2016年のG7サミットの開催国となっており、
恐らくその年にもロシアはこの会議に招かれないでしょう。

ロシアはウクライナ情勢をめぐり、G8から脱退させられました。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/55453
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私は北方領土に関しては現地住民の立場を優先しており、
また、そもそも北海道は日本ではなくアイヌの土地だと考えているので、
返してもらおうとは思っていない。そもそも「返す」という表現がおかしい。


しかしながら、私と反対の立場であるはずの北方領土返還を主張する
連中が、安倍政権によるロシア政府への挑発と、その結果であろう
北方領土の開発強化に関して、同政権への批判を展開しないのは不思議だと思う。


ロシアは日本が経済制裁を敢行したことについては、あまり怒ってはいなかった。

それは親米国家であるゆえ、宗主国に
歩調を合わせなければならないのだろうと考えていたからだ。

ところが、日本は頼まれもしないのに、
わざわざウクライナに多額の経済援助を申し出た。

これは明らかに、申し訳程度の反ロ行為ではなかった。


この経済支援は、ロシアのメディアでは随分大きく取り上げられたようだが、
日本では、小さなニュースになったかどうかといったレベルだ。

この辺のズレは、私としてはかなり気になるところである。
客観的に見れば、安倍政権の大失態が領土返還への道をさらに遠ざけたのだが、
なぜかメディアはこのことをまるでなかったかのように無視を決め込んでいる。


よく竹島や尖閣諸島については、執拗に報道されるのだが、
北方領土に関して言えば、完全無視の態度がデフォルトになっている。

考えても見よう、北方領土に関するロシアの政策は韓国や中国の比ではない。


一応、竹島にも住民がおり、また観光地になってはいるが、
それにしたって、ここまで露骨に自国の領土として開発してはいない。

にもかかわらず、なぜメディアもネトウヨも激怒しないのか?
なぜ嫌韓や反中キャンペーンはされるのに、ロシアにはしないのか?



そもそも、ネトウヨも含め、なぜか日本人にはロシアに割合好意的な人物が多い。

フィギュアスケートのプルシェンコ選手しかり、リプニツカヤ選手しかり、
アイドルのような扱いだ。これはキム・ヨナ選手に対する態度とは随分異なる。


実際、やってることを観察すれば、ロシアのほうが領土問題に関しては
強硬姿勢を貫いているのに、なぜ北方領土より竹島がクローズ・アップされるのか?

この辺を考えると、実に面白いものが見えてくると思う。

無駄に強気なポロシェンコ

2015-06-11 00:13:05 | ロシア・ウクライナ
ウクライナのポロシェンコ大統領は、
軍事協力に関するロシアとの合意破棄通告に関する一連の法律に署名した。
この件については、月曜日、ウクライナ最高会議のサイトが公表した。

ポロシェンコ大統領は特に、軍事分野及び軍事諜報分野における協力に関する
ウクライナとロシア連邦政府間の諸合意の破棄、国家間での軍事輸送の組織及び
その決済に関する合意の破棄についての法律に署名した。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150609/432413.html#ixzz3cfinuKJ4



ポロシェンコは勝算があって上のようなことをしているのだろうか……

どれだけ煽っても実際に被害を受けるのは自分ではなく兵士だからヘッチャラなのか?


なお、ポロシェンコ含め西側メディアでは
ロシア軍が東ウクライナにいると主張しているが、これは誤報だろう。


ロシアはクリミアに関してはオープンに軍備配備を知らせているし、
仮にロシア軍が介入しているならば、とっくの昔に紛争は東ウクライナの勝利で終わっている。


グルジアの時を思い出してくれると良いが、ロシア軍はかなり強い。
地方の州軍にすら負けるキエフが太刀打ちできるものではない。


では、まったくロシア人が戦闘に参加していないかと言えば、
これも間違いであり、実際にロシアの公的情報機関では、
義勇兵が現地に向かっていることを包み隠さず報道している。


つまり、義勇兵という文字通りのボランティア軍が現地にいるが、
肝心のロシア軍は干渉していないということになる。


こういう複雑な状況を解説するのも専門家の仕事だと思うのだが、
いわゆる右も左もスクラムを組んでロシアバッシングしかしていない。

これは少々問題なのではないかと私は思う。

ポロシェンコ≒安倍晋三?

2015-06-09 00:24:36 | ロシア・ウクライナ
ウクライナのポロシェンコ大統領が就任1年を迎えた。
しかし国民は、現政権への失望を感じている。

ウクライナ首都キエフの中心部で反政府集会が開かれ、
「無能な政府は去れ!」とのスローガンがこだました。


3000人という参加者が、大統領の退陣を求め、政府の経済政策への反対を唱えた。

ヴィクトル・ヤヌコヴィチ氏が「ユーロマイダン」で大統領の職を追われた後の
総選挙で政権に就いたポロシェンコ氏は、ドンバス軍事紛争を早期に終結させ、
ドンバスをキエフのコントロール下に取り戻すことを誓ってみせていた。


またポロシェンコ氏は、選挙活動中、および就任直後の数ヶ月というもの、
国民の生活水準を向上させること、さらにはEUの正式加盟国となる未来を約束してみせていた。

この春、和平プランの実現にあたってキエフ側にいささかの怠慢はあったものの、
ドンバス紛争解決に前向きな動きがあった。しかし今月初頭の軍事行動再開で、
和平イニシアチブの全てに終止符が打たれるかもしれない。

現段階では、社会・経済面の成果も捗々しくはない。

国家経済は記録的な水準に落ち込み、ひとつ間違えば
債務不履行というところにまできてしまっている。

一般のウクライナ国民は、先の約束とは裏腹、むしろ生活水準を落としている。

現時点でポロシェンコ大統領がなしえたことは、
政権を失わないということ、ただそれだけである。


就任1周年の日に抗議行動を行った人たちの掲げたプラカードには、
いま国民が政府から何を求めているのかということがはっきり書かれている。


「年金を引き上げろ」
「外国人を政府から追放せよ」
「無能な政府は退陣せよ」
「ポロシェンコ弾劾」
「2105年の大飢饉を阻止せよ」
「国のLGBT化を阻止せよ」。


専門家の間では、またウクライナ社会では、ひとつの意見がささやかれている。
ポロシェンコ大統領はドンバス紛争を早期に終わらせる気がない。
なぜなら国家建設に関して
何らの成果も上げていない不手柄を隠すのに紛争は好都合だからである、と。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150607/427150.html#ixzz3cU7050xC


今から1年前、ウクライナで前倒し大統領選挙が行われ、ポロシェンコ氏が大統領に就任した。
この1年は、約束が果たされなかった年と呼ぶことができるだろう。


ポロシェンコ氏のメインの選挙公約スローガンは「新生活」だった。

ポロシェンコ氏は、有権者たちに、ドンバスでの紛争を早急に終わらせ、
ウクライナの領土保全を回復し、クリミアを取り戻し、
給与と年金額を増額し、汚職を克服し、
公平な司法制度を新たに構築すると約束した。



また、就任1年目にEUとのビザ免除体制を確立し、
EUとの自由貿易圏に関する協定を機動的に稼動させ、
5年間の任期のおしまいには、実施された改革の結果、
ウクライナのEUへの完全加盟についての対話を開始するとの約束もなされた。

しかし実際のところ、ウクライナはドンバスの情勢を早急に解決する代わりに、
長期的な紛争を手にした。専門家層とウクライナ社会では、ドンバスの紛争は
ポロシェンコ大統領にとって経済と国家建設における大きな成功の欠如を
ごまかすために都合がいいため、大統領はドンバスの紛争停止を急いではいない
との意見が存在している。ウクライナ経済は低迷を続けており、
国はデフォルトの危機に瀕し、深刻な財政困難に直面している。

キエフ政権の行動は全て、破産を回避するために、
国際通貨基金(IMF)から金融支援を得ることに向けられている。

ウクライナ政府は新たな融資を得るために、
一般市民を犠牲にして予算を節約するIMFの厳しい要求に同意した。

同時にウクライナ人の生活向上を可能とする「深い改革」の実施は急いでいない。

恐らくポロシェンコ大統領が唯一果たした約束は、
ドネツクおよびルガンスク両人民共和国との軍事対立のための
ウクライナ軍の発展ではないだろうか。ウクライナでは事実上、
社会の軍事化が行われており、ドンバスの紛争が解決されないことで、
国の発展に使えるはずの多額の資金が予算から拠出されている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150525/376419.html#ixzz3cU7o1xxP


福祉縮小と軍拡、そして対米従属。どうも、このポロシェンコ、
やってることが安倍や橋下と大差ないように思えるのだが、気のせいだろうか?

西ヨーロッパ中心史観とウクライナ民衆弾圧

2015-06-09 00:00:37 | ロシア・ウクライナ
ロシア外務省情報印刷局は、ウクライナ最高会議が4月9日に採択した、
ウクライナにおける共産主義と国家社会全体主義体制、そしてその象徴を禁止する法案
についてコメントした。

情報印刷局の声明の中では、
自国の過去を歪曲しようとする試みは現代社会を深い分裂に導くだけだ、と述べられている。

同時にキエフの新政権は、ウクライナが内戦状態に陥っている間に、歴史の書き換えを行っている。


2014年5月、選挙で200万票以上を得票した

ウクライナ共産党の活動を禁止する法的プロセスが始まった。


共産主義者が二度とウクライナ最高会議に戻ってこないことを確かなものとするために、
12月2日、最高会議に司祭が招かれ、「無神論者たち」が座っていた席に聖水が振りまかれた。


また、ソ連時代にウクライナの通りにつけられた共産主義の指導者や
記念日と関連した地理的名称の多くが残されていたが、4月10日、
それらの名称を変更する命令が出された。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150411/182949.html#ixzz3cTxW6fWJ


実際にはナチス協力者を民族運動家とアイコンを書き換えて称える始末。
実に巧妙だ。だが、冷静に考えれば、ヒトラーとスターリンを同一視する考えは
日本やロシアの一部知識人も含め、世界的に多く散見される。


私は、そのような動きは結果的に第二次世界大戦前に
彼ら同士を戦わせて漁夫の利を得ようとしていた英米仏侵略トリオの
植民地支配の責任やその後の侵略的外交を度外視させてしまうのではと危惧していた。


その予感が的中するかのごとく、今ウクライナでは
ナチスとソ連を同一視し、その歴史観を利用して国内の民衆弾圧を推し進めている。

そういうわけだから、この弾圧の責任の一端は、
とりあえずナチスやソ連を全体主義国家の枠にはめ、
自分たちを枠外にした西ヨーロッパ中心史観にあるのではないだろうか?


・追記

スプートニクのオピニオン記事より。


ウクライナ政府が、ソビエト崩壊以来24年間、ウクライナ人に植え付けられてきた
ロシア人への憎悪を一層募らせるべく、さらなる一手を指した。

ウクライナ教育・科学省は11年生(高校3年生に相当)向け歴史教科書に新たに一章を書き加えた。


その章は、キエフ中心部独立広場(マイダン)における、
ヤヌコヴィチ大統領退陣とEU加盟を求めた、2013年秋の抗議行動に始まり、
ウクライナ南部・東部戦争に終わる。ここに示されている記述法は、
二語をもって性格づけることが出来る。すなわち、冷笑的な嘘。


そこにはたとえば、戦士2万20000人からなるロシアの特殊部隊が
マイダン撲滅秘密作戦「ブーメラン」を準備していた、と記されている。


また、オデッサの「労働組合の家」がウクライナのナチ信奉者に放火され、
中にいた数十人のマイダン反対派が焼死した一件は、誰が誰に殺されたのかが明記されず、
「親ウクライナ平和デモ隊」の銃撃で死者が出たことしか分からない書き方になっている。


また、ロシアの侵略者らが平和なウクライナの都市をロケットランチャーで攻撃しているとある。
ロシアのエージェントらが鉄道、行政機関のオフィスを爆破し、平和な市民を殺傷し、
恐怖と不安を煽ろうとして、ついに成功していない、とも。


キエフのクーデターを支持しないドンバス市民に対し、キエフは懲罰作戦を展開した。
その懲罰作戦は、「ウクライナの民衆による、ロシアの侵略に対する戦争」と名付けられている。

その戦争は「ウクライナのみならず、欧州や世界の現代史における最重要の出来事である」という。


モスクワ国際関係大学国際研究所主任研究員アンドレイ・イワノフは、
この章の執筆者は冷笑的な嘘をついており、
また、これ以外の書き方では彼らは書けないのである、と見ている。



「ヤヌコヴィチとウクライナ臨時政府および西側の関係は
 当初の当初から嘘を土台としていた。

ロシアはウクライナの欧州入りを許さないとか、キエフの抗議行動は平和的なものだったとか、
ウクライナ市民は誰もがそれを支持していたとか、ロシアはクリミアを占領したとか、
ウクライナ南部・東部ではウクライナ軍とナショナリスト軍団が
ロシアの侵略を撃退しているのであって、平和市民を迫害しているのではない、
とかといった嘘を、ウクライナの政治家やメディアは拡散している。

彼らはこうした嘘を、それでなくてさえ朦朧としているウクライナ人の意識に、
今度は学校の教科書を通じて植え付けようとしている。


このような嘘の前には、たとえば、日本の歴史教科書における、
たとえば南京大虐殺や朝鮮の従軍慰安婦に関する穏やかでない記述も蒼褪めてしまう



ではロシアは今、この侮辱的な攻撃に、どのように反応すべきか。
ウクライナ人の若い世代が、ロシアに対する何の根拠も正当性もない
憎悪を植え付けられようとしている。ロシアはどうしてこれを容認できるだろう。」


ウクライナのメディアや教科書における虚偽は極めて危険である。

なぜならこの嘘は、ウクライナ人をロシアとの戦争に向けて準備するからである。
今のところ西側はこの準備を静観している印象である。

しかし、西側の承認とともにウクライナが開始するだろうロシアとの戦争は、
欧州にも波及するのだということを悟るべき時ではないのか。

戦争回避には一つの方法しかない。

いまウクライナを統治しているのは「革命家」でも「民主派」でもない、
嘘つきとナチスであると認めること。ウクライナの現政権を支持することは
嘘つきやナチスと手を組むことと同じであると、理解することだ。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150410/179174.html#ixzz3cU1Cfv61



結局、日本であれウクライナであれ、保護国、従属国は
どこも似たり寄ったりのことをしているのだなぁと思う。

なおも続くドンバスの犠牲

2015-06-08 23:42:03 | ロシア・ウクライナ
国連の調べでは、昨年4月にドンバスで始まった、
ウクライナ政府による地域住民に対する軍事作戦の犠牲者が、6400人に上っている。

その数はたえず増大している。6月7日、ウクライナの砲撃により、さらに3人の市民が負傷した。
ドネツク市の代表が発表した。

民家に砲弾が直撃することもあった。先の報道では、日曜、さらに1人の市民が負傷している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20150608/431364.html#ixzz3cTw1FVe8



イエメンもそうだが、米軍に支持された自国の政府軍が
テロリスト集団と連携しながら、自国の民衆を殺害している。



こんな情報、その気になればいくらでも入手可能なのだが、
なぜか報道しようとしない日本のメディア。規制でもかかっているのだろうか?



東欧のNATO軍事演習

2015-06-08 23:40:43 | ロシア・ウクライナ
東欧で、北大西洋条約機構(NATO)の演習「Allied Shield」シリーズが始まった。

演習には、NATOに加盟する19カ国と、
パートナー国3か国から1万5000人の兵士が参加している。

タス通信が、NATO広報部の情報を引用して伝えた。

NATO広報部は、
「演習は、防衛的性格を持っており、南部および東部周辺の挑戦と
 関連したNATOの安全保障強化策の一部である」と発表した。

演習は、バルト諸国、ポーランド、ルーマニア領内で行われ、6月28日まで続く。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150607/426107.html#ixzz3cTrEdHcX


冷戦史においては、被害国として描かれがちな3カ国だが、
実際には、冷戦終結後、NATOの保護国のような位置に収まっている。


特にポーランドを見ると、どうも日本と状況が似ているのでは?と感じる。

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ポーランドのゲーム開発チームがロシア現代史上最大の悲劇である
潜水艦「クルスク」沈没事件をモチーフにしたコンピューターゲームの開発に踏み切った。


「新作「クルスク」はアドベンチャーの要素とホラーの要素を併せ持つものになる。

ポーランドはカトヴィツェのスタジオJujubeeが手がける。着想は15年前に得ていた。
派手な爆発と、沈み行く船。そんなイメージ動画が既にネットに出ていた」とポーランド紙Wyborcza。

このアイデアにロシアのユーザーが憤慨している。
ポーランドの読者もこの憤慨に理解を示している。

「インターネット上のコメンタリーを見ると、ロシアのネットユーザーは宣伝ビデオに憤慨した。
 うちの一人はあけすけにも、開発者は理性を失っている、と書いている。
 別の一人は、同じことなら2001年9月11日ワールドトレードセンターのテロを
 モチーフにゲームを作ればよい、と書いている」。同紙より。

ポーランドの読者の一部もこのアイデアを信じがたい愚行であると見なし、
ポーランドの政治指導者・軍事指導者が全員死亡したスモレンスクにおける
航空機事故をテーマとしたゲームに対してポーランド社会はどう反応するだろうか、
との疑義を呈している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20150526/381273.html#ixzz3cTsOFHqg

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ポーランドで24日、大統領選の決選投票が行われた。

投票所の出口調査では、野党のアンジェイ・ドゥダ氏が勝利した。
現職のブロニスラフ・コモロフスキイ氏は敗北を認めた。


決選投票の24日、IPSOS社が投票所の出口調査を行った。
それによれば、最大野党「法と正義」のアンジェイ・ドゥダ候補が53%の得票で勝利した。

リア・ノーヴォスチより。現職のブロニスラフ・コモロフスキイ候補
(市民プラットフォーム選出)は47%にとどまった。投票率は56.1%だった。

公式の発表は国家選挙委員会の名で25日夕方になされる。

タス通信によれば、アンジェイ・ドゥダ氏は保守派であり、宗教的である。

外交方針では、ウクライナに軍事支援を含む支援を行い、
ロシアに対してはEUと一致した立場をとることに賛成する立場である。


ドゥダ氏は、国際社会におけるポーランドの地位を高めたい、と主張している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150525/375729.html#ixzz3cTt986tc

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保守派で宗教的、国際社会で地位を高めたい。
どこぞの首相を思い出さないか?



コモロフスキイ前大統領はウクライナ問題に関して、次のように語っていた。


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ポーランドのコモロフスキ大統領は、
ウクライナ議会が「ウクライナ民族主義者組織」と
「ウクライナ蜂起軍」の活動を独立運動として承認したことについて、
ポーランドとウクライナの歴史的対話を不可能なものとしているとの考えを表した。


ウクライナ最高会議は4月9日、
「ウクライナ民族主義者組織」と「ウクライナ蜂起軍」を
20世紀のウクライナ独立の闘士として承認する法律を採択し、
そのメンバーに社会保障を受ける権利を与えた。


コモロフスキ大統領は23日、テレビTVN24で、
「同法律の不幸な点は、それがポーランドとウクライナの
 歴史的対話を不可能なものにしていることだ。この話し合いなしに、
 和解や重要な問題を解決することはできない」と語った。

「ウクライナ蜂起軍」は、1942年10月に
「ウクライナ民族主義者組織」の軍事部門として結成された。

「ウクライナ蜂起軍」はナチスと協力してソ連軍と戦った。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20150423/233904.html#ixzz3cTuRa15s

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つまり、2ヶ月も経たないうちにポーランドの外交姿勢は反転したわけだ。
投票結果を見る限り、この問題に関してポーランドは文字通り賛否両論らしい。


ポーランドの歴史を知れば、反ロが多いのは当然の反応だが、
どうもここにいわゆる反共左翼と似たものを感じる。

ロシアに対抗するためなら、ネオナチとすら簡単につるんでしまうあたりが。

安倍総理、アメリカ領植民地へと旅立つ

2015-06-05 23:25:54 | ロシア・ウクライナ
日本の安倍総理大臣が、ウクライナに向かいました。

フランス通信によりますと、
安倍首相は、5日金曜、ウクライナ東部の親ロシア派に対抗する上での
ウクライナ政府との連帯を表明するため、同国に出発しました。

安倍首相は、ウクライナで、ポロシェンコ大統領と首脳会談を行い、
日本政府の支持を伝えることになっています。



この訪問は、ドイツで開催されるG7先進7カ国の首脳会談を前に行われます。
日本は、G7の次期議長国です。

こうした中、5日、ウクライナ東部の危機の悪化を巡り、
国連安保理の会合が開催されることになっています。


2014年3月のクリミアのロシア併合後、西側は、
ウクライナ東部の危機に干渉しているとして繰り返しロシアを非難し、
この主張に基づき、ロシアに対して多くの制裁を行使しました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/55306-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%80%81%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AB%E5%87%BA%E7%99%BA

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安倍は本気で北方領土をトリモロス気があるのだろうか?


ロシアは日本の自国へ対する経済制裁は
アメリカに歩調を合わせたものだろうと解釈し、比較的穏健な態度をとった。
だが、さらに一歩踏み込んだ18億ドルの経済支援については苛立ちを露にしている。


両国の領土問題の解決、それもなるべく日本に有利な解決を思えば、
いたずらに相手国を不愉快にさせるパフォーマンスは差し控えるべきではないか?


ここまで徹底的な親米外交をされると、どうもGHQによる日本の支配が、
その後の対米従属外交に決定的な影響を与えたような気がしてならない。

ウクライナとは話題がそれるが、現在、南シナ海を巡って抗議をしている国は
日本、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシアと

全てがアメリカ・イギリスの旧植民地国だ。



日本とベトナムは違うでしょうという声が聞こえそうだが、一時的とは言え、
両国ともに、アメリカの監督によって政治や経済が決定されてきた歴史がある。

つまり、旧宗主国が旧植民地国を動員して大国(中国・ロシア)を威嚇している。
そのような構図が大きく描けるのである。

普通、植民地国といえば、宗主国に対して恨みを抱いているような印象があるが、
実際には、植民地時代に甘い汁を吸っていた連中が独立後も権力を握っているので、
逆に宗主国との蜜月の関係は途切れるどころか見えない赤い糸で繋がっているのだ。



日本と韓国との関係を見れば、一概にそうとは言えないが、
今回のウクライナ訪問に限って言えば、同じ対米従属国家への激励が目的とみて良いだろう。
(そのついでに兵器や原発のセールスを目論んでいると思われる)


アメリカ領植民地ウクライナ

2015-06-03 00:08:29 | ロシア・ウクライナ
現在、本国から刑事告訴されているグルジア元大統領サーカシヴィリが
何とグルジア国籍を捨て、オデッサ(ウクライナ南部)の州知事に任命された。

ウクライナでは前からアメリカ人が国籍を変え、要職に就いていたが、
オセチアに軍事侵攻を仕掛けた戦争犯罪人までしゃしゃり出てくるとは予想外だった。


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ウクライナのポロシェンコ大統領は30日、
グルジアの前大統領ミハイル・サーカシヴィリ氏をオデッサ州の知事に任命する命令に調印した。

さらにグルジア前大統領はウクライナ国籍を取得した。

氏は故国では国費濫用で数件の刑事告訴を受けている。


ポロシェンコ大統領はオデッサの新知事を紹介した際、
サーカシヴィリ氏を「ウクライナの大事な友人」であるとし、
ウクライナのさらなる改革を彼に期待したい、と述べた。



グルジアが既にこれに反応を示している。
グルジア議会のズヴィアド・クヴァチャンチラゼ議員によれば、
ミハイル・サーカシヴィリ氏はオデッサ州知事になると同時に、グルジア国籍を失った。

同議員の指摘によれば、サーカシヴィリ氏自身が、
大統領在任中、他国の国籍を取得し、二重国籍を保持する申請を行わなかった者は、
自動的にグルジア国籍を喪失する、との法律に署名している。


またグルジア議会多数派のダヴィド・サガネリゼ代表は次のように述べている。


「私には非常に近しくまた貴いウクライナ人民に、とりわけオデッサの住民に同情する。
 これはウクライナ政府の非常に深刻な過ちである」


ロシアのメドヴェージェフ首相は
ミハイル・サーカシシリ氏のオデッサ州知事任命にコメントし、自分のツイッターで、
「サーカシヴィリ氏がオデッサ州の知事とは、テント小屋でのショーが続いているようだ」
と書き、ウクライナ語で、「Нещасна Украïна(ウクライナはかわいそうだ)」
と指摘した。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150531/403013.html#ixzz3buyOAZff

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どんどん、アメリカの傀儡外国人が他国の要職に就いている。
ウクライナは独立国家であるにも関わらず、事実上の間接・直接統治がされている。


これに限らず、アメリカは軍事費の支援やウクライナ兵の訓練・指導など、
まるでウクライナ軍がアメリカ軍であるかのように露骨な干渉行為を行っている。


その結果、次のような事態に陥っているのだが、なぜか日本では騒がれない。


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国連モニタリング委員会は、
今日ジュネーヴで発表された10回目となる報告書の中で
「ウクライナでは停戦体制にもかかわらず、人権の深刻な侵害が記録されている」と指摘した。


タス通信によれば、報告の書の中では
ウクライナでの紛争の間、少なくとも6417人が非業の死を遂げ、
 15962人が負傷した。ただこれは保守的な見積もりによるもので、
 実際の数字はもっとかなり多い可能性がある
」と述べられている。

国連のモニタリング使節団は、一般住民居住区に対する攻撃、
住民の処刑、不法かつ暴力的な拘束、捕虜らに対するひどい待遇、
社会的経済的権利の剥奪など、深刻な人権侵害がなされている多くの証拠を収集した。

報告書の中では「停戦体制が完全に守られているわけではない」と強調されている。

報告書によれば
軍事行動は、紛争ゾーンに住む500万以上の人々、
 そして移住を余儀なくされた120万人の生活や権利に影響を及ぼしている
」との事だ。

なお報告書の中では
「ウクライナ軍による捕虜への拷問、キエフ当局が
 分離主義者あるいはテロリストではないかと疑う人々の
『暴力的手段による失踪』に関する情報が、今も届いている』と述べられている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/europe/20150601/407329.html#ixzz3bv0w06f7

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実際、オデッサではドネツク・ルガンスク共和国とは
別の独立運動団体が当局によって迫害・逮捕されている。


ウクライナは、まるでアメリカの植民地だ。
アメリカは英仏と違い、フィリピンなどを除けば植民地をあまり持たない国だった。


ところが、実際には事実上の植民地がいくらでも(特に南米では)あり、
そこでは、このウクライナと同じような、あるいはそれよりも非道いことがされる。


このような事実上の植民地主義に抗うこと。それが肝心なのだろう。


・補足

 余談だが、当時、南オセチアにグルジア軍が侵攻し、同国の要請を受け
 ロシア軍が反撃に打って出た事件に対し、なぜか当時の日本のメディアと
 知識人(ロシア研究者も!)後者のみを責め、前者の侵略行為には無頓着だった。


 「グルジア侵攻」というアベコベの単語が幅を利かせ、
  グルジアがさも被害国であるかのような言説が論壇を占拠した。

 こういう事態は一体、なぜ起きてしまうのだろう?
 
 一つには冷戦時代(さらに遡れば明治以来)の反共・反ロ思想が
  いまだに根強く存在するからだろうが、それだけでは説明できまい。

日露共同研究プロジェクトについて

2015-05-22 00:29:28 | ロシア・ウクライナ
日本とロシアの学者が共同で本を執筆するプロジェクトが進行中らしい。

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露日の協力が実った好例となったのが
両国の研究者グループによって出された露日関係史についての1冊。

そのロシア語版のパイロット本のプレゼンテーションは今日、
5月21日東京で開催されたフォーラム「未来の露日関係への視点」に合わせて準備されている。

このフォーラムには現在、日本を公式訪問中の
セルゲイ・ナルィシキン下院(国家会議)議長も出席した。

ナルィシキン氏はロシア語版の方で読者ヘ向けた挨拶文を載せてもいる。

本のプロジェクトの長を務めるのはモスクワ国際関係大学の学長で
アカデミー学者のアナトーリー・トルクノフ氏。

露日の研究者集団の作業を直接的に牽引しているのは
ロシア側はモスクワ国際関係大学東洋学科のドミトリー・ストレリツォフ学科長と、
日本側は法政大学法学部の教授でヴァルダイ・クラブのメンバーでもある下斗米 伸夫教授。

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あのトルクノフと下斗米が仕切っているという時点で
内容は推して知るべしだが、まぁ一応学術書の水準にはなっているのだろう。
(私は買わないけど)


重要なのは、下斗米も述べているように、
別にこれが両国の政治見解に基づいたものではないということ。


ロシアには、それなりに反プーチン派というか、
下斗米いわく改革派、西洋主義者がいるわけで、トルクノフはその典型的人物だと思う。


つまり、はじめから語る人間は選別されているわけで、
その辺が本プロジェクトが特に問題なく進んだ背景にある。


下斗米本人も次のように述べている。

「日本はかつて中国や韓国と一緒に関係史を編もうと
 類似したプロジェクトをたてたことがありましたが、
 それとは異なり、この露日プロジェクトは成功したと思います。

 中国、韓国とのプロジェクト実現化の過程では
 過去の歴史の事実、時代の評価があまりにも異なったため、
 共通した見解にたどり着くことはできませんでした。

 ところが露日プロジェクトではそうした大きな矛盾や対立点はありませんでした。

 3年にわたる作業のなかで3度の公式的会談と非公式的会談が1度催されており、
 常時欠かすことなくコンタクトがとられてきました。

 プロジェクトは露日関係の、つまりロシア人と日本人が
 コンタクトを持った最初の瞬間からの全期間を網羅しています。

 とはいえ、一番の力点は20世紀に置かれています。

 つまり両国関係の拡大の主な段階は20世紀にあるととらえられていること、
 そしてプラスして領土問題、日本兵抑留問題、互いをどう受け止めているか
 というような問題点も個別のテーマとして取り上げられています。」

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150521/360924.html#ixzz3amtHCdiU


なんだか日中韓の各学者による歴史教材作りについて軽くディスってるが、
これは恐らく、日中共同歴史研究についての批判なのだろう。

これは集団的自衛権の支持者というか提唱者である北岡伸一が
主導した研究プロジェクトだった。まぁ、結果は言わずもがなだ。


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日中歴史共同研究について、日本側座長の北岡伸一氏の談話が「読売新聞」に載っていた。

それによれば、日本の侵略戦争や南京虐殺事件について
日本側が認めたとする中国側の言い分にたいして、北岡氏が次のように反論している。


中国側は今回の研究で、日本が中国を侵略したことや
南京虐殺を認めたことが成果だと言っているが、議論した結果
そうなったのではなく、そもそも日本では多くの歴史家や政府も侵略と南京虐殺を認めている。



しかし、もし日本側が最初から日本の侵略や南京虐殺を認めていたのであれば、
日中歴史共同研究ということ自体が提起されなかったのでは? 



そもそも、日中歴史共同研究は、小泉元首相が靖国神社参拝を強行し、
さらに日本の侵略を否定する安倍晋三氏が首相になる、という事態の中で、
日本側が提起して始まったもののはず。


それをいまさら「日本の侵略や南京虐殺は日本は元々否定していなかった」
などと言うのは、あまりに不誠実ではないだろうか。

http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2010/02/01221120/
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こういう部分でも、微妙に下斗米らしさが滲み出ているわけだが、
上の北岡などは存外、正直で、共通の歴史像が描けなかったから
パラレル・ヒストリーという手法をとったと告白している。


この点、下斗米は
「この研究の目的はいわゆるパラレル・ヒストリーですから、
 日本とロシアでどの問題についてどれだけ違いがあるかということを
 互いに民間の立場で調べるということでした。

 ですから各国を代表する歴史家、国際政治の専門家が書いていますが、
 これは個人の見解であって、政府の見解を述べているわけではありません。

 にもかかわらず、私はこれは大変成功したのではないかと思います。
 その理由は、情報、意見がお互いに違うことを前提に研究を始めたのですが、
 意外に接点があることがわかりました。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150521/360924.html#ixzz3amx72FIe

と、まぁプロジェクトの主導者の一人だから、
立場上そう言う他は仕方ないが、同プロジェクトの絶賛に終始している。


しかし、日中共同歴史研究が失敗ならば、日露の共同歴史研究もまた、
パラレルヒストリーの形にせざるを得なかったのだから、
下斗米論に従えば、これもまた失敗だったとは言えるのではないだろうか?



細かい部分にケチをつけて申し訳ないのだが、
私はこの学者のくせに妙に役人というか社員というか、
俗っぽいというか、八方美人と言うか、このロシア研究者の姿勢には
大きな抵抗を覚えてしまう(いわゆる佐藤優現象)。


なお、日中韓では、政府によるものではなく民間が立ち上げたものとして
『未来をひらく歴史』というものが10年ほど前に出版されている。


これは新しい教科書をつくる会や日本の右傾化に対応して
笠原十九司氏などの歴史学者が主導して執筆したものだ。

この本自体、なかなか読み応えのある内容なのだが、
日本の右傾化に対応するという目的のもと編まれた本ゆえに、
女性史などのテーマ史が端に置かれてしまった。その弱点を克服するべく、
『新しい東アジアの近現代史』というのが2012年に日本評論者から出版された。


つまり、少なくとも市民社会のレベルでは日中韓の共同歴史研究は上手く言っている。
とはいえ、これは10年以上に渡る学者間の討論によってようやくかなったものだ。


逆に、少なくともロシア下院議長が関与しているように政府の息がかかり、
かつごく短期間で特に問題なく仕上げられたという言葉を聞くと、
どうもこれは国同士の一種の仲良しパフォーマンスで終わったのではないかと疑ってしまう。

まぁ、読むに越したことは無いが、読まなくてもよい代物なのだろうと思う。