Colors of Breath

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ニコラエ・グリゴレスク

2008-01-28 08:44:56 | 17.I meet art.です。


学生の頃見に行ったルーマニア国立美術館展。
そこで出会ったのがニコラエ・グリゴレスクの絵でした。
ファン多き著名な画家はたくさんいますが、やっぱり私は彼の描く絵(特に人物)が好きです。

以下はルーマニア国立美術館展に於ける5作品です。
(作品集に掲載されている作品をデジカメで撮影したものなので、色調がオリジナルと異なり、やや白っぽいですがご了承下さい。)



【女の肖像】






【街道の宿】







【マラマをかぶった農婦】





【マリア・ナクの肖像】







【若いジプシー女】





ニコラエ・グリゴレスク
Nicolae Grigorescu

1838年ドンボピッツァ県ピタルに生まれ、1907年プラホヴァ県クンピナに歿する。
グリゴレスクは10歳の時、ブカレストのイコン画家、おそらくアントン・クラデックの工房に入った。15歳の時から初め兄やその他の地元の職人の協力をえて教会での制作に従事した。
1862年、奨学金を得てパリに行き、セバスチャン・コルニュのアトリエに入った。その後バルビゾン村に落ち着き、1869年に帰国するまでここにいた。オーストリア、イタリアなどの他、ギリシア、トルコにもしばしば旅し、またパリにも再三戻り、1890年までここにアトリエをもっていた。1868年のサロンに出品したが(この時ナポレオン3世が彼の作品を1点買い上げた)、その他(N.Dioの別名で)1869年、1877年、それに1880年、1882年のサロンにも出品し、また1867年と1889年のパリ万国博にも出品した。グリゴレスクはルーマニアの画家として初めてアカデミックなアトリエ制作の伝統をすて、“外光”の美学を導入した。彼はまたルーマニアで初めて印象主義様式を試みた。ルーマニアの農民生活の種々相を見事に描いた。また祖国の自然をうたった詩人でもあった。グリゴレスクは、20世紀のルーマニアの民族絵画の発展に決定的な影響を及ぼした。1899年にはルーマニア・アカデミーの会員に選ばれた。歿地のクンピナ市に1954年、彼を記念してのグリゴレスク美術館が建てられた。

             (毎日新聞社発行 ルーマニア国立美術館展作品集より抜粋)






ダ・ヴィンチやミケランジェロやルーベンス等ルネッサンスやバロックの絵画には、つい惹かれます。多分、本能の部分で共鳴するところがあって、体質的に好きなんだと思います。写真のように写実的過ぎるくらい写実的で緻密な描写、ルーペで至近距離から見ても一筆の乱れもない息が止まりそうな神経質な描写に、私は本能的に惹きつけられるんだと思います。
ただ、それを跳ね除けようとする自分がいて、美術館へ行ったり、何々展へ足を運ぶと無意識(と思いながら案外意識的)に、『自分が好きになれる絵』『私はこの絵が好きと言える絵』を探しています。その基準は鑑賞ではなくて、技術の拙い自分がもし自分の意のまま思い通りに表現できる技術を得たとしたら、この画家のこの絵のように描きたいと言える、言わば『師』を探しているのです。はっきりと目に見える手本がほしいのです。
それが叶うことが私の人生や生活に必要な訳ではないし、今乗っているレールをへし曲げられるほど自分勝手にはなれない、犠牲は出せない、無謀はできない。ただ、せめてそれが見つかるだけでも、この先、生き方のスタンスが変わるのかな、ずーっとぽっかり空いている風穴を塞ぐことができるのかなと、しがみ付く何かをいつも手探りしている。私の中の風見鶏が年がら年中四六時中つむじ風にくるくると翻弄されている感じなのです。いい加減、一方向を向きたい!という感じなのです。
鑑賞ではなく、そういう意味で好きなのがニコラエ・グリゴレスク。ただし、100パーセントではなく、部分的なものですが。
実際の美術展(著名画家、素人、プロ、アマ問わず)だけでなく、他ブログのおかげで初めて目にする有名画家の貴重な絵画に出会い、感動を頂き、じきに風穴が塞がりそうな予感がしています。
このブログを見てくださる皆さんが「一般的に著名ではないけどこんな素適な絵がある」とか、「私が好きなこんな画家や絵があります」とかお薦めがあったら、ブログに伺いますので、コメント(TB)などお待ちしております。



PC、インターネット、ブログ繋がり…凄いなーと、これだけでも未来を見るおもしろさに気付いた気がします。生きてるってすごいや、って思います。
(って、すっごく人生長生きしてる人みたいじゃん私。
                       まだまだこれからだってばさ!(笑))


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (red_pepper)
2008-01-29 10:44:17
久しぶりに、グリゴレスクの世界を楽しませて頂きました。

確かに彼の色ですね。初めてルーマニアの国立美術館で彼の絵に出合った時は、即、印象派には結びつきませんでした。それくらい新鮮なインパクトを受けました。

彼が自分の人生の紆余曲折の中、パリやイタリアなどで勉強して、様々な手法を身につけたものだということは、最近知ったくらいです。

それでも、今でも彼の彩色にはオリジナルを感じます。
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red_pepperさんへ (ichii)
2008-01-29 18:33:43
ご訪問有難うございます。
グリゴレスクさんの絵の魅力は色にもあったのですね。私はついタッチの方に目が行ってましたが、なるほどと気が付いた次第です。
いろんな見方に触れると自分の感性の世界も広がってきますね。
またred_pepperさんとこへお勉強に伺います。
返信する
Unknown (yuki)
2008-09-25 03:35:09
昔に見た、ルーマニア美術館展の、このマリア・ナクの肖像がずっと残っていて、あれから探して探して、ようやく今日、画家とタイトル発見しました。懐かしくて涙が出てきます。高校生だった私はこの絵の前でしばらく動けなくなり、じっと魅入っておりました。とても嬉しくなりコメント残しました。また少しずつお邪魔して色んなエントリー記事拝見いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
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yukiさんへ (ichii)
2008-09-25 19:42:49
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。とても嬉しいです。
ニコラエ・グリゴレスクは、私もとても好きな画家です。
このブログのカテゴリー8に、絵を学ぶhiiroさんが習作を公開しています。
その中に、彼女が初めて模写した【マラマをかぶった農婦】があります。
他カテゴリーにも色々、玩具箱状態で絵や詩や音楽や写真が放り込んであります。
たまに怖い虫も出てきますので、お気をつけてお楽しみ下さい。
どうぞ又、いつでも気軽にお越し下さい。
後ほどそちらへも伺いますね。
返信する
yukiさんへ (ichii)
2008-10-13 16:03:41
ずっと気にかかっていたこと。
そちらへ伺ったのですが、メールフォームのみでコメント欄がないため、私の緒事情により書き込みの方は失礼させて頂きました。
ただ、美しいベトナム漆画が沢山の方の目に触れますよう、マイリンクに加えさせて頂きました。
この書き込みにお気づき頂けるといいのですが…。
又いらっしゃる事をお待ち申し上げております。
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