1月3日、新年の幕開けに合わすように咲き始めたichii島(プランター)の梅の花。
実は室内で愛でるように作られた盆栽を植え替えたもの。因みにうめこさんと命名。
それも冬の寒い中、ぬくぬくした部屋で新年に花を添える正月用の盆栽育ちです。
枯れるのを覚悟で植え替えてから今年で3年目を迎えました。
今年も使命を貫くように年明けに合わせてひとつまたひとつ咲き始め、
先週の突然の大雪にめげることもなく凛々しく逞しく咲き誇り、
2月半ばには満開となり、しっかりと芳香な香りを漂わせていました。
↑2月16日ハナビラに雪を抱いて
2月22日、たっぷりと開いた雌しべが野生を取り戻したかのように広がっています。
このような盆栽の梅は花梅と言って、本来花を楽しむために品種改良したものなので、
実(み)は着き難いと言います。
虫のいない真冬の開花、どのように受粉するのか疑問ですが、
昨年は初めて5個の実をつけました。
きっと、風によっても受粉するのかもしれません。
こちら→うめこさんの初ベビー
残念ながら私の手入れのミスで実(み)を完熟させることができませんでしたが。
しかしながら今年は去年以上に花を着け、小さな木は満開となりました。
花のない季節にここだけは春が存在しているようでした。
写真に撮ることはできませんでしたが、ここ数日の暖かさに伴い、
どこからともなく初のミツバチさんもお目見えし、忙しそうに飛び回っていました。
風とミツバチさんおかげで今年の受粉も完了かな?
さてさて、今年はどれくらいの実が生るか、とても楽しみです。
今年は、風さんとハチさんの仕事を無駄にしないように、実を大きくしたいものです。
こんなに健気で逞しく生きる梅を見て、ふと宮沢賢治のあの詩を思い出しました。
「雨ニモマケズ」
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
尚、原文の下から7行目の『ヒドリ』については
『雨ニモマケズ - Wikipedia』目次の5の項目をご参照下さい。