テレビで犬の感動話を見た。
虐待されていた犬が、優しい人に育てられて
人の心を癒すセラピードッグになった話。
心を動かされたのは、飼い主が根気強い愛情で犬と一緒にトラウマを克服するシーンだった。
杖を見ると虐待された記憶が蘇えり、思わず逃げ出してしまう犬。
杖を持った人間(虐待の記憶)が怖くて、セラピードッグの訓練には向かなかった。
それで飼い主は犬と一緒に寝るときに、毎晩杖を添えて寝ることにした。
根気強い暖かな愛情で「杖は怖くないよ」という優しい記憶に上書きしていったように見えた。
恐怖を克服できたら、この犬ほど強くて心の痛みが解かる犬はいないだろうなと思った。
まさにたくさんの心を癒すことが出来る犬となって生涯を終えた。
トラウマを克服できたのは、それを上回る愛情を受けたからなのかもしれない。
そして思った。
虐待を受けるのはとても辛くて耐え難い事だけど、もしかしたら
その人(動物とか)が乗り越えられる強い心を持っているからこそ、
そういう事を受け入れて生まれてくるのだろうかとも思えた。
でも一人では辛過ぎて乗り越えることが難しい。
だから、傍らに暖かい愛情で見守ってくれる存在が必要で、
その愛情で傷が癒えて欠けた部分が強さに変わるのかな。
過去に痛みを経験したからこそ、同じ痛みが解り一緒に寄り添える。
傷はない方が良いって思っていたけど
ないと痛みは、感覚として解らない。
でも傷で心が荒れてしまえば、刃ともなる。
その強さは、力となって相手や自分を倒してしまう。
愛情だけが、そこから変化出来るのか。
だから自分ひとりではないんだ。
それが「繋がり」という事なのかな。
そういう事を考えさせられる番組だった。