そうですねぇ。私が大学に進学して2 年目の春のことです。
学生時代住んでいた神奈川の家から歩いてすぐの處に稱名寺っちゅう古いお寺が
ありました。
なんでも、その昔此處を納めていた、金澤さんとかいう領主さまがおたてなすったと
土地の古老や同居していた高槻久留美が言っておりました。
「今年も櫻を見に行こうか。」
高槻久留美と、同じく同居していた横手淡雪とつれあってお寺の中に入っていったのです。
境内の山門をくぐると櫻が私たちが歩く両サイドに満開でしてね。
久留美と淡雪は有頂天になってキレイだきれいだと、お互い三名進学した時代と
同じことを言います。
私はぽつりと
「此處の櫻は薄い色なんだなあ。もっとピンクの色が私のシマじゃあこいなあ。」
ともらしました。
2 人は去年も聞いたという顏をして
「櫻と言ったらこの色だよ。佳奈ちゃんの話している色は桃の花だね。」
と言うんですよ。
「そうかい。」
進学して二年も神奈川にいるのに、この色になじめないとはなんとまあ
私は琉球人だと思ってしまいました。
「わからんのだよ・・・。この色が。でもこの色にもなじまないとな、これからGet Job しても
毎回見るんだからな。」
と2 人に告げました。
「そうかもね。郷里よりも早く咲く櫻は私は大好きだな。」
とぽつりと淡雪がのべました。
「秋田やら石川の櫻ってもっとあとだっけか・・・。」
笑ながら私は応えました。
「佳奈ちゃんのシマの櫻って2 月だっけ。信じられんけれども。」
久留美が答えました。
3 人で山門から本道のある場所まで歩きながら櫻がびっしり咲いた木々をみていて
私は、きれいというよりはこの桜が咲く關東の天地にこしをおろさないかんって
思っちゃったもんです。
私を見て淡雪と久留美はくすくすわらっておったんですが、
当時はなんで笑っていたか理解が不能。今思うとどこか肩に力が入ったもんを
感じていたんですかねぃ。
つづく
学生時代住んでいた神奈川の家から歩いてすぐの處に稱名寺っちゅう古いお寺が
ありました。
なんでも、その昔此處を納めていた、金澤さんとかいう領主さまがおたてなすったと
土地の古老や同居していた高槻久留美が言っておりました。
「今年も櫻を見に行こうか。」
高槻久留美と、同じく同居していた横手淡雪とつれあってお寺の中に入っていったのです。
境内の山門をくぐると櫻が私たちが歩く両サイドに満開でしてね。
久留美と淡雪は有頂天になってキレイだきれいだと、お互い三名進学した時代と
同じことを言います。
私はぽつりと
「此處の櫻は薄い色なんだなあ。もっとピンクの色が私のシマじゃあこいなあ。」
ともらしました。
2 人は去年も聞いたという顏をして
「櫻と言ったらこの色だよ。佳奈ちゃんの話している色は桃の花だね。」
と言うんですよ。
「そうかい。」
進学して二年も神奈川にいるのに、この色になじめないとはなんとまあ
私は琉球人だと思ってしまいました。
「わからんのだよ・・・。この色が。でもこの色にもなじまないとな、これからGet Job しても
毎回見るんだからな。」
と2 人に告げました。
「そうかもね。郷里よりも早く咲く櫻は私は大好きだな。」
とぽつりと淡雪がのべました。
「秋田やら石川の櫻ってもっとあとだっけか・・・。」
笑ながら私は応えました。
「佳奈ちゃんのシマの櫻って2 月だっけ。信じられんけれども。」
久留美が答えました。
3 人で山門から本道のある場所まで歩きながら櫻がびっしり咲いた木々をみていて
私は、きれいというよりはこの桜が咲く關東の天地にこしをおろさないかんって
思っちゃったもんです。
私を見て淡雪と久留美はくすくすわらっておったんですが、
当時はなんで笑っていたか理解が不能。今思うとどこか肩に力が入ったもんを
感じていたんですかねぃ。
つづく