ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

これから始まる物語_06

2020-06-14 14:00:35 | 逆襲の藤隆
山田守氏が考案した水着用布は、白地に青い蜻蛉が描かれたデザインだった。
リネン、木綿、化學纖維の程よい合成で木綿と水着によく用いる化學纖維の中間という
雰囲気だった。
「なんとなく明るい配食だけれども、自分がでしゃばって発表することじゃないと思った。
出来杉君、君の性格を考えると、また君は怒り出すと思って何も言わなった。」
山田守の表情は暗かった。
「そこまでして・・。」
出来杉は何も言わなった。
「僕はでしゃばるのが怖い。会社を立ち上げたときは、俺の力を見せ付けることを考えていたし、
自分の技術を見せてやろうと思ったから。だけれども、出来杉君、yちゃんが何者かに
殺されたとき、君の命を狙う生き物から守ってともに戦うことを考えた時、君のことを考えて
やりたかったんだ。」
山田守はそう答えた。
「僕はそこまでの男じゃない。なにかをかけられる人間はたくさんいるよ。」
出来杉はそう答えた。
「それだから、君のことを恐れる人は恐れる。僕を信じてくれ。」
山田守は笑顔になった。
「そこまで言うならば・・。」
出来杉の表情は柔和になった。
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これから始まる物語_05

2020-06-12 10:53:48 | 逆襲の藤隆
名古屋市内のホテル。
ここでは山田守氏の記者会見が開かれようとしていた。
「今回は新作水着用布に関して、今朝型、小牧についた出来杉英才博士もいます。
我社のブレーンとして、彼のアイディアにいくつ助けられたか。
彼が出張先のぷりぷり縣で見つけた素材と、我社に入社してから、研究している
ラミーやヘンプをどう、現代的に活かすかを考えた素材です。」
前にも寄って、山田守は、自信滿滿にはなした。
「その、出来杉英才博士はきているのですか。」
日本語に堪能な韓国人ブロガーと臺灣人YouTuberが聞いた。
「うん。良い質問です。来ていますよ。」
山田守は、屏風裏に隠れていた出来杉の方向を記者会見に来ていた人に指示した。
「私が出来杉英才です。」
出来杉は申し訳無さそうに、記者会見の人々の前に出てきた。
「そうですね。今回の水着用布は、ぷりぷり縣の自生する杉の天然素材を使えば、
化學纖維も少しで済みましたし、ラミーやヘンプともうまく融合しました。」
出来杉のサンプルを見た中にはライバルになるぷりぷり縣の業者のスポークスマンもいた。
「耐久性は大丈夫か。」
出来杉に聞いた。
「ラミーやヘンプの要素があるから耐久性は強いと思います。」
出来杉はそう言い切った。
「ウールを化學合成で作ればこうなります。」
シンガポールのフリージャーナリストがそう答えた。
「ああ。そうですね。制作の過程で、化學纖維、ラミー、ヘンプ、ぷりぷり縣の素材を入れましてね。
化學合成のウールみたいだなと思いましたよ。」
出来杉は多少インタビュアーをからかうような表情をした。
山田は、出来杉が困っているようにも思えたので、
「そうですね。私が考えていた、木綿やリネンと化學纖維を合成した水着用布も同時に売り出そうと思っています。」
と、答えたのだった。
「ああ、そうですか。すごいものができそうですね。」
そう答えたのは、愛知県・東海3県地方で伝播力があるプレスセンターのインタビュアーだった。
「僕と山田の合作、楽しみにしてください。」
出来杉はそう締めた。
かくして水着用布は売り出されたのだった。

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これから始まる物語_04

2020-06-10 10:47:20 | 逆襲の藤隆
愛知県の小牧空港と呼称されている場所。
そこには山田守が出来杉を待っているようだった。
山田は出来杉を待っているときに、ある文面が自分の端末に送られているのを見ていた。
「山田さん、今現在、使用することもできない纖維質の木に着目したのは、もしかしたら
あなたなのではと思った。出来杉氏は自分の考えに固執する部分があるから。」
そんな文言だった。
先日のぷりぷり縣山中の木立の研究所所長だった。
山田守は
「そうですね。あれに着目したのは、僕だったかもしれません。しかしあれの絶妙な配分や
配合は出来杉英才博士にしかできない部分があります。僕がやると全くうまくいかない。」
と自分の端末から所長に返した。
「そうですか。でも、僕も貴殿から見たらライバル企業の人とは取引もあるから、僕が窮地に
追いやられるかもしれない。」
所長の文言だ。
「うん。まさにそうだ。今回の会見にはぷりぷり縣企業のスポークスマンも呼んでいる。
あとは、韓国のブロガーさんと台湾のYouTuberさんだ。」
そういう内容を山田守は文言を所長の端末に送信した。
「只今から、ぷりぷり縣の麓の空港からの最終便が小牧空港につきます。」
空港のアナウンスが、そう伝える。
「出来杉君、うまく行ったね。ぷりぷり縣の杉の纖維質とラミーとヘンプと化學纖維を
合わせて、リネンも木綿も使わない強力な繊維を作ることができたね。」
山田守はそうとぼけてみせた。
「うん。僕のexam systemの扱いが良かったからさ。」
出来杉は希望に満ちた顔をした。

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これから始まる物語_03

2020-06-06 11:24:18 | 逆襲の藤隆
ぷりぷり縣山中。
杉木立に囲まれ、かつての林業を表すような面持ちである。
出来杉英才は、その山中に、来ていた。
「よくきんさったなぁ。」
山を管理している、オヤジがこの山中の研究所に案内していた。
「あんたたしか、うちの縣の繊維業者と水着用布の件で喧嘩している企業の方だろう。
所長さんがインターネットで報道資料を見せてくれた。」
おやじは、鉄筋コンクリートの2階層建ての建物に案内をした。
「ここが、研究所でね。まあ所長さんが出来杉さんが来るのを待っていたんだ。」
と、ドアの近くに案内し、オヤジは消えていった。
「所長さんですよね。私が出来杉英才です。山田守氏の企業に所属しているものです。」
と出来杉は紹介をした。
「説明はいい。出来杉君だっけ。君はこの山の杉の木を見たかね。」
ハイテンションの所長の言葉を聞いて
「はぁ。」
と気のない言葉しか出ない。
「窓の外から見えるこの杉の木はすべて天然でね。戰時中から1960/70年代ぐらいまでは繊維として
考えられていたんだ。光沢があって、撥水加工がするんだ。しかしぷりぷり縣でゴムシルクなどが
1950~70年代ぐらいに開発されてからは、一気に廃れた。」
所長は、恨めしそうにゴムシルクの資料を見た。
「本題に入りましょう。」
出来杉は表情を変えない。
「ああ。そうだね。君が送った水着用布の成分表をみた。ラミーやヘンプの成分が多い。
やはり、どちらもゴワゴワする。木綿やリネンには勝てない。」
所長は言う。
「そうですね。じゃあ、私の水着用布の成分に多少ここの杉の皮の成分を混ぜてみましょう。」
出来杉がそう言うと
成分表を見た時、不思議な布ができていた。
化學纖維とリネンと木綿を合わせたような、そしてラミーやヘンプみたいな・・。
「できたようですね。あなた方と競合している企業ですが、私の知り合いがたくさんいるんで、
多くは言いませんが、すごくいいです。山田守さんの考えているリネン成分とは違う。
これならば、改良版として売り出せると思います。」
所長は言う。
「今日は日帰りでぷりぷり縣に来て、今からこの足で名古屋の方に帰ろうと思います。」
出来杉が言う。
「ああ。それでしたら研究所の麓の空港から小牧行きの最終便のvstol旅客機が出ると思います。
県内ベンチャーが、小牧・伊丹・羽田に飛ばしているみたいなんで、これが速攻で
名古屋の方に行けると思います。」
所長は言う。
「そうですか。今度の僕の仕事がうまく言ったら、所長さんも協力者としてみんなに報告したいです。」
出来杉はそう言って、麓の空港まで急いだ。
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これから始まる物語_02

2020-06-05 17:53:47 | 逆襲の藤隆
「ラミー、ヘンプ・・。どれもゴワゴワしている。だけれども、これを使った水着用布を
作りたい・・。」
出来杉英才はモニター腰に試作で売り出した水着用布の成分を見ていた。
「これで、リネンを使ったら、木綿に似た風合いでいいのかもしれない。
もっとも、リネンと木綿と化學纖維を混紡させた水着用布はおそらく山田守が
考えているだろうな。」
出来杉英才は悩んでいた。
「僕はこの麻を混ぜた水着用布を実行させるんだ。だけれども、木綿や化學纖維を混ぜてしまうと
ライバルのぷりぷり縣の企業に負けたことになる。」
彼は一人で悩んでいた。山田守は彼の仕事の拠点である名古屋に行ったっきりだ。
「かれがいないうちに・・。」
そんな悩んでいた、出来杉英才のスマホにメールがあった。
「山田守だ。我々のライバル企業があるぷりぷり縣に盲点が存在する。」
そんな内容だった。
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