松江市内にあるネットカフェ。
ここに出張していた東京に本社のある商社勤務の松井達男は、
ネットをやりつつある漫画を見ていた。
「菊の名前、最終回なんだ。」
ため息をついて、漫画の単行本を読んでいた。
この、『菊の名前』という漫画だが、松井達男が
故郷の岡崎から追われるように東京に出てきた学生時代
夢中で読みふけっていた漫画である。
就職活動が忙しくなり、その漫画雑誌を読むのをあきらめた。
そして今その漫画の最終刊を手に取っていた。
思えば、父親のやり方は疑問だった。
父親の世代では、アメリカの豊かさという単語が踊っていた。
自分の世代はそれに裏切られたのに、父親はソレを信じて疑わなかった。
違うだろ違うだろ
何回も言って父親には殴られた。
そして今、松江にいる。俺の同期入社がここの町の出身である。
で、そんな彼は岡崎を含めた東海三県の出張に行く事が多い。
何かの報いなのか。彼が犠牲になっているようにも思えてならない。
今回のミッションは、松江の和菓子を買付に行くことである。
しかし、このての郷土料理は何件も職人が居て
贔屓の店があるのだ。
松江出身の同僚に聞くべきか迷ってしまっている。
このまえの福岡出張の時もあったからなぁ。
そんなコトをして、和菓子屋の開店時間を確認していた。
つづく
ここに出張していた東京に本社のある商社勤務の松井達男は、
ネットをやりつつある漫画を見ていた。
「菊の名前、最終回なんだ。」
ため息をついて、漫画の単行本を読んでいた。
この、『菊の名前』という漫画だが、松井達男が
故郷の岡崎から追われるように東京に出てきた学生時代
夢中で読みふけっていた漫画である。
就職活動が忙しくなり、その漫画雑誌を読むのをあきらめた。
そして今その漫画の最終刊を手に取っていた。
思えば、父親のやり方は疑問だった。
父親の世代では、アメリカの豊かさという単語が踊っていた。
自分の世代はそれに裏切られたのに、父親はソレを信じて疑わなかった。
違うだろ違うだろ
何回も言って父親には殴られた。
そして今、松江にいる。俺の同期入社がここの町の出身である。
で、そんな彼は岡崎を含めた東海三県の出張に行く事が多い。
何かの報いなのか。彼が犠牲になっているようにも思えてならない。
今回のミッションは、松江の和菓子を買付に行くことである。
しかし、このての郷土料理は何件も職人が居て
贔屓の店があるのだ。
松江出身の同僚に聞くべきか迷ってしまっている。
このまえの福岡出張の時もあったからなぁ。
そんなコトをして、和菓子屋の開店時間を確認していた。
つづく