ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

ビクトリー學園に對する物語

2012-12-25 17:23:24 | 信・どんど晴れ
先輩なに複雑な顔をしているんですか?美人が台無しですよ。」
高槻久留実は学食において見つけたcrimson氏(仮名)に声を掛けた。
「そうね・・・。今度私の妹が徳島からやってくるのよ」
とソバージュのかかったbobヘアーをいじって見せた。
「妹さんですか・・・。」
久留実は、きょとんとした顔をした。
crimson氏は、携帯の写真を見せた。Crimson氏本人と冬服セーラーのあどけない顔
の女の子が写っている。
「へぇ。」
と、久留実は一言。
「妹がビクトリー學園のチアリーディング部に推薦でいけることになって、八王子に下宿
するのよ。その下見を兼ねて、お姉ちゃんの住んでいる神奈川県の見物をしたいとか
いいだして・・・。」
と、テーブルにある鎌倉や横須賀、赤レンガ倉庫、八景島のパンフを指した。
「ビクトリー學園か。全国チアリーディング部の大学での入賞も多いですよね。」
久留実には他人事だ。
「まあ、今し方Pamphletにある場所を全部回りたいとか言い出してね、私も頭がいっぱい」
とcrimson氏はエクソシストの悪魔に取り憑かれた人間みたいな顔になっている。
「そんな顔をしなくてもいいんじゃないですか。」
久留実はなだめた。
「私は現在運転免許はあるけれども、車がない」
crimson氏はまたもや頭を抱えた。
「車かあ、レンタカーでもいいんじゃないですか。現在カーシェアリングという感じでも
車は借りられますよ。」
久留実は簡単に説明した。
「そうねぇ。」
crimson氏は、今までの取り憑かれた人間の顔が突如穏やかになった。
「先輩って、表情の起伏が激しいですよね。」
久留実は酢を飲んだ顔をしながら笑っていた。
「笑うな」
先輩は、悪魔に取り憑かれたような笑い顔をした。
「先輩が、困ったことに直面するといつも悪魔に取り憑かれたような顔になりますよね」
久留美は些か困惑した。
すると、突然電話である。
「もしもし、サックスブルーか。え。私は今大学の学食。明日徳島を発つんだ。
分かった。」
crimson氏は、少しぶっきらぼうに答えていた。
「もしかしたら、妹さん?」
久留美はcrimson先輩に質問をしてみたのだ。
「うん」
と先輩は素っ気なかった。
「あのー。この大学近辺にあるカーシェアリングの場所の資料ですが・・。」
久留美はインターネットのurlを先輩の携帯に送った。
先輩は黙って受け取る。
はたして、妹さんはどんな関東を楽しむのだろうか。
先輩の携帯にウィンクして舌をぺろりと出している女の子が妹さんだなと
久留美は思いながら講義室に向かった。
おわり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小生存じ上げませぬ

2012-12-21 12:15:53 | 信・どんど晴れ
あっけない死だった。今勤務している旅館の大女将が亡くなった。
大往生だった。
この人は、私自身がこの旅館にいることを最後まだ反対していた。
孫である柾樹と婚約者の朝倉なんとかにこだわって、自分が後継者とみた
私を執拗に妨害してきた。
「この人が存在するから此處に居ざるを得ない」
という皮肉に能く遭遇してきた。
数日前、突如発病して那覇の救急病院に運ばれることになった。
自衛隊のHelicopterがやってきて、倒れた大女将をそれに詰め込んで家族もこれに乗っていった
女将は私にこういった。
「佳奈ちゃん、後を頼みます」
とだ。
何故、私じゃなければいけないのだろうか。やはり後継者なのだろう。
仲居頭の時江さんはトカラ列島に帰る帰る、そればかり言っている。
この雑多雑多した時間、予約客も何件かあったので、私が指揮官代理にならざるを
得なかったのかもしれない。
幸い、女将も新一さんも那覇に行っている時間私にみんなついて来てくれた。
予約客も気持ちよく歸っていってくれた。
「やっぱり佳奈ちゃんじゃないとね。」
周りの仲居や板前もそんなことを言う。見え透いたお世辞はなにか侮辱されたような氣がする。
 数日後、大女将は物言わぬ姿で歸ってきた。
那覇で荼毘に付してきたのであろうか。
遺骨になっていた。
「こういうことでしたか。」
私はこの大女将という女性を憎み抜いていたし、いいImageは存在しない。
だからこういう言葉しか出てこない。
「たぶん、すぐ葬儀になるでしょう。」
女将は表情を変えていなかった。
葬儀の時、私は受け付けにいた。女将の親戚である蒲田の町工場を経営している人間、
他に、女将の旦那の親戚筋にあたる近畿圏在住の人間が来ていた。
関東にいたとき思ったけれども、やはり奄美地方は鹿児島本土や沖縄よりも関東に薄いと
思って居た。
ただ席に座って「よろしくお願いします」と言うだけである。
ふと目立つ人間が着た。
現在、コンサルタントとして、旅館の再建に力を貸している男性の前から、私と余り変わらない
年かさの男女がやってきた。
「田浦笙子」
女性の方はそう記入した。
男性の方は、何か不安げに記入しているが
「加賀美柾樹」
と記入する。
加賀美柾樹?!
「加賀美柾樹さんでしょうか?」
私はそう聞いた。
「はい。」
男性は不安げに答えた。
確かに加賀美柾樹だ。先日婚約者だった朝倉某と一緒に来た時より、傍らの女性に
尻に敷かれているのだろうか、そんな感じがした。
「あのー、松本佳奈さんですか。」
田浦とかいう女性が、私に答えた。
「はい。でも私は貴殿の事は存じ上げません」
と女性に返答する。
「そうですか。関東にお住まいの頃、高槻久留美という女性と住んでいませんでしたか?」
私は見ず知らずの女性に高槻の名前を言われてきょとんとした顔をした。
「私は石川県のq市で温泉旅館をやっている、高槻久留美の高校までの同級生です。
あなたのお話は帰省したおりに、良く聴かされております。」
と田浦女史は落ち着いて答えた。
「はあ・・・。」
私は帰す言葉が無かった。
「現在、私の旅館で女将修行をしていた朝倉さんを追ってやって来た柾樹さんとは
いい関係を築いております。」
と女史は言う。
「あのー、朝倉さんは・・。」
私は田浦さんに質問した。
「さぁ、私は彼女のその蹟は分かりません。もしかしたら浜に舞い戻ったのかもしれません。」
と笑った。
葬儀は滞りなく終わった
私も葬儀の蹟の酒盛りに付き合わされることになった。
蒲田の町工場の男は、
「佳奈ちゃんが、加賀美屋の後継を任しても大丈夫だな。何のために柾樹君は帰ってきたんだ
大女將に婚約者との間柄を引き裂かれたも同然だな。」
と酔いながら答えていた。
「いくら、大女將を嫌っていたとはいえ、その言い方は彼女が化けて出ます。」
と新一さんがお酌しながら釘を刺していた。
私は浮かない顔をして、焼酎のグラスを見ていた。
「佳奈さん、何を考えていらっしゃるんですか。もしかしたら昼間の石川の女性の事ですか。」
新一さんの奥さんが私に質問した。普段は私に話しかける人ではないのだが。
「はい。」
私は気の抜けた返事を返した。
「人気アニメのキャラの台詞を引用して{明日はいかようにでも変えられる}と述べていました。」
奥さんは言った。
「もし、明日がいかようにでも変えられるのであるならば、私の魔法の国は徳之島には無い
小田原にあるのではと考えています。」
魔法の国、これも人気アニメ{魔界伝説ペム}のあるエピソードに登場したゲストの
素っ頓狂な女性キャラが目ざしていた国の引用だ。
「じゃあ、あなたが言う魔法の国は小田原にあるならば、私は・・。」
言いかけたとき、新一さんが
「お前はここで死ぬまで初代と雙六遊びをするんだよ。」
と言った。
新一さんの声が聞こえる。
「俺の見立では、この加賀美屋は初代さんの魔法の国なのかもしれない。そこで
初代さんがもしかしたら、いかさま雙六をして手に入れた魔法の国を守る義務がある。」
と言う。彼の話を聞いていて例えに使った雙六遊びは、前述の高槻が好きだった
源氏物語や平家物語に描かれた時代にはしきりに遊ばれたゲームで、Rulesも煩雑だった
ものだと聞いている。もしそれだとしたら、実に初代さんとデスマッチをやり続ける事になる
「私は頭も悪いけれども、その雙六をやる度胸はあるよ。」
と新一さんに言った。
周りの人も納得はしていた。
仕方がない。英雄ごっこをやるか。
おわり












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワルシャワのラプソディー

2012-12-07 17:17:14 | 逆襲の藤隆
「今回の仕事も手間取ったな。」
平賀知世の父親は、なぜだかポーランドの首都ワルシャワに来ていた。
この町に捜査が存在するらしく、二日も町をかけずり回っていた。
父親はくたびれもうけという顔をしていた。
その時、ある橋を渡ろうとしたとき、交通事故に出くわした。
既に人だかりが出来ていて、警察の実況見分になっていた。
人々は
「良くある交通事故だよな。」
と言って去っていく物すら居る。
父親は、黒い車とダークレッドの車が衝突した交通事故
をミタ。
しかし、それに彼は違和感を感じた。
彼の脳裏に、過ったのは、交通事故を装った殺人事件である。
丁度その時、
一台のガンメタ色のシュコダ・オクタビアが止まった。
車の中から出てきたのは東洋系の男。
「皆さん遅れて済みません。」
英語で捜査の主任とおぼしき男に話す。
主任は東洋系の男にぺこぺことしている。
「ええと、シトロエンのヾ(ФwФ)ノと、アウディの?!が
事故車なんですね・・・。」
彼はペラペラと主任から渡されたReportを事故車とそれを
交互みながら確認している。
「ん」
オクタビアから出てきた東洋系の男は父親に目がいった
「もしかしたら、日本人ですか。」
男は父親に話した。
「ええ。父親が日本人で母がイングランド人です」
父親はそう返答する。
「なるほど。此処だけの話なんですが、私は今回の事故は
それに見せかけた殺人事件だと踏んでいます。結構巧妙な」
と、男は言う。
「オフィスは何処にあるんですか」
父親は男に聞く。
「一応laに存在するのですが、この仕事でよくポーランドも
含めたヨーロッパ諸国に行くこともありまして。」
と、男は事故車二台のバンパー部分に赴いていた。
父親殿は靜かに彼を見ていた。この車のことに命をかけていて
是の捜査では第一人者だと。
男も自分が乗っていた車から出てきて直ぐの時は、にこやかだった顔が
父親と目があった蹟、緊張しているのを父親はみた。
「今回の捜査、貴殿の健闘が急度解決に行くと思います。」
と、父親は空気を察して事故現場から去っていった。
男もうんと頷き、父親が向こうに行くことを促していた。
捜査は、一通り住んだらしい。
ホテルに戻ったとき、離れていた助手に「父親」の事を問いつめられていた
「なんですか、あの男は先生と同じ東洋系みたいですが、何か知っている
ような感じで・・・。」
とである。
男は
「彼も私と同じ匂いがあると思いますし、彼も私のことを察して立ち去っていったのでしょう
今回の一件は、彼のためにも早期解決ですね」
と言った。
一週間後
父親はパリのネットカフェにいた。
いつもみているe-mailを発行しているサイトづたいにみたニュースのページでは
ワルシャワの交通事故の事が報道されていた。
やはり、殺人事件だった。
父親は、このニュースのページには書かれていない男の活躍を感じた。
「蛇の道は蛇か・・。」
そういってネットカフェを立ち去っていった。
おわり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目黒区の古い家

2012-12-03 18:00:23 | 逆襲の藤隆
「いいから、大御所先生から連載を取ってこい。」
上司に怒られて、私は早朝の満員電車で目黒区の某所に向かっていた。
今回の作家先生は時代小説系を主に守備範囲としてきた先生である。
どんな物になるか分からない。
「南北朝時代の作品を」
と、上司は執拗く言う。
南北朝時代ってどんな時代か私には余り分からない。
確か楠木正成という武将が存在した時代であることだけを分かっている。
自分の勤務している社長が「楠木正成は俺が尊敬する人だ」
ばかり言っていた。
だから覺えている。
いつも思うけれ、目黒区に向かう朝の電車はコム。いろいろあるはずなのに
改善されないのだ。そんな愚痴を言っても始まらない。
電車からまるで練り歯磨き見たく押し出され、作家先生の家の最寄りのPlathomeに
ついた。
この、作家先生が住んでいる街は様々の會社の営業所が存在するらしく、みな
足早に去っていく。
主にNISIGUTIにあるみたいだよ。
地図によると、東口に作家先生の自宅兼仕事場があるという。
NISIGUTIが「下町の商店街」という感じの場所なのに対して、東口は閑静な
住宅街である。
朝早いので、人が誰も居ない。
しかし、先生の仕事場についたら、人が並んでいる。
恐ろしく年季の入った日本家屋。もしかしたら、戰前、あるいは戦後まもなく植えたと覚敷
松が庭に植わっている。
自分の携帯のメールにメールが来た。
「橋口出版の君島kun。朝早くご苦労。早速連載の原稿に対して手短に打ち合わせを行う。」
とだ。
作家先生である。
待っている先生を押しのけて先生の元に。
「君島くん、今度の南北朝時代を舞台にした小説、もう出来上がっているんだ。」
とワープロ書きの原稿を指した。
題名は「菊の名前」
とある。
「さっさと、君も仕事場に戻った方がいい。」
と、次の人間が待っていることを諮詢した。
題名がどこかで聞いたことがあるような気がする。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする