ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

續・カラオケボックス

2016-06-29 17:08:21 | 信・どんど晴れ
「人生は、紙飛行機〜。」
高槻胡桃は、またアイドルソングを歌っていた。
ここは、前回のエピソード哀・戦士の裏側で登場した
カラオケBOX。
松本佳奈は歌えそうな歌を探して悩んでいる。
民謡のところに沖縄民謡ばかりなのが悩みの種だ。
横手淡雪の生国の民謡は言うに不及、高槻胡桃の生国の民謡もある
(横手淡雪が秋田出身、高槻胡桃が石川出身。)
「うーん。わからん・・。」
佳奈が好きなのは演歌なのだが、アイドルソングや
ブルース・スプリングスティーンの前ではしらけてしまう。
「うん・・。」
横手淡雪が立った。画面には浜田省吾と書かれている。
「横手さん、趣味しヴい・・。」
高槻胡桃が言う。
「CLASSMATEがなかなかクセ者で母方が広島の人らしいんで、
浜田省吾とかアイドルよりだったらPerfumeとか、ポルノグラフィティとか
歌うやがるんだよ。その影響で浜田省吾とか・・。」
高槻胡桃が、
「Perfumeか・・。」
といっておそらく彼女達の曲の番号を入れる。
「私のクラスメートらしきも広島の出身だったよ・・。」
と深刻な顔をした。
これが関東なのだろうか。親戚が多い関西とは勝手が違うし、
ここに来る人も違う。
佳奈は、カラオケの番号を入れた。
浜田省吾、Perfume、1980年代のアイドルこれらのカードに比較的
対抗できる傾向の歌手ってこいつらだろう・・・。
そんなことを聞いた。
「えっ。Grey?!」
Roommate二人は、目を疑った。
「二人には悪いけれども、こういうのも好きなんだ。」
佳奈は苦笑していた。
「他にどんなのが好きなの?」
淡雪は言う。
「そうだね。ラルクとかSIAM SHADEとか、DIR EN GREYとか・・。」
佳奈は答えた。
「私もそんなに趣味じゃないけれども友達と合わせるならばこっちじゃないの
アニメやドラマのファンもbgmで流れるしね。」
胡桃が言う。
結局佳奈はビジュアル系の歌手を熱唱した・・。
帰り際に胡桃は、
「ねぇ。佳奈ちゃん、GACKTは好きかな?」
と佳奈に質問した。
「うーん。あんまり関心がないなと答えた。高槻さんは
GACKT好きなんだ。」
と佳奈は答えた。
GACKTか・・・。親はj-popやビジュアル系を聞くことを禁止していた
けれども、彼女たちとはこれでやっていけそうだ。
と家路をみんなで急いだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

哀・戦士の裏側

2016-06-28 08:52:26 | 信・どんど晴れ
私は、松本佳奈という名前だ。
Roommateと共にカラオケに赴く。
私のRoommateの片割れの高槻胡桃はアイドルソングを歌っている。
「潮騒のメモリー、私はピアノ〜。」
彼女は女性アイドルになりきっている。
もう一人のRoommateは、横手淡雪という名前だ。
音楽を聞いて、ピアノの爽やかなロックである。
しかし、画面に映っているのはロボットアニメの風景。
「・・。死神の列・・・。」
ノリノリで歌っている彼女には悪いが・・・。
「あのー。横手さん、あんまりあなたらしくないが。」
私はそういうことを言ってしまう。
横手さんは歌い終わり、
「本当はブルース・スプリングスティーンが好きなんだけれどもね、
これはアニソンでもそれっぽいから気に入っているのよ。」
と苦笑した。
「ブルース・スプリングスティーンか・・。結構日本人好きみたいだよね。」
高槻胡桃は、そう言ってみる。
「私の高校時代のCLASSMATEは、彼が長渕剛や尾崎豊、佐野元春
などが色々影響を受けているとか言っていた。彼そこら辺も
ファンだったよ。」
と彼女が遠い目をした。
ウゥーム・・・
私、彼女たちの世界にはあんまりついていけないんだよな・・。
島唄じゃなければ演歌なんだよ・・・。
おわり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一人にとっての大好物は他の人の普通かもしれない。

2016-06-24 11:11:24 | 信・どんど晴れ
私、松本佳奈の友人の一人、井手盈健一郎(ideura_kennichirou)
という男がいる。
彼は調布出身で、自分のルーツである岩手に誇りを持っているが、
しかし、彼の出身と同じ県である下町とは岩手・東北感は
考えは一線を画している。
「僕の、生まれ育った調布のマンションでは、隣の部屋が雲伯地方出身の
夫婦がデザインの個人事務所を開いていた。
え、雲伯地方ってどこにあるか知らないの?松江や大山、米子あたりがある
鳥取県と島根県にまたがる地域さ。」
私が馬鹿だからわからないという感じで愛想笑いをすると、それなりに
怒ることが多かった。
「自分のルーツが岩手にあって、隣の部屋の夫婦が大井川より西にある。
お互いがお互いバランスを取らなければいけないと思うことが
大学に入学した今年までずっと思っている。」
彼の口癖である。
「私は、関東は東北の人間が沢山住んでいると思っていたから・・。」
井手盈氏は一旦考え、
「そうだねぇ。でも、調布のような状況がある一方で
浅草・深川・上野のように、元々の成立した状況を忘れて、
ある一定の時期に起きた出来事に陶酔している場所だってある。
そこは、僕のルーツである岩手にやさしいけれども、他の場所に対しては
冷徹に徹している。彼らが敵視する存在が避けるのも言うに不及、
岩手を含めた地域を意地になって守ろうとしているようにも思える。」
という。
「私は奄美から上京するまで誰も言わなかった。あそこは安らぎの場所
だと言われいたから。」
私は言う。
「君も進学で上京してわかっただろう。誰も話したくないことがどの場所、
どの地域にもあるんだ。裏で大好物を押し付けてのうのうとしている
奴らがいるんだ。」
私は、意見を飲み込んだ。自分の周りにはここにくるひとがいないから
関東の姿は、誰もわからないのだ。
「確か、私が在籍している大学のある場所は、それほど東北出身者が、
浅草・深川・上野ほど多くなくて、彼らに足元を見られていると
地元出身の人たちが言うよね。それは、井手盈君はどう思うの。」
私は言う。
「ああ。だから、浅草・深川・上野に反抗するんだ。」
井手盈君はまるで、あめ玉と苦いものを一緒に食べたような表情で
笑っていた。
「下町と神奈川県のこの場所はいろいろなことで違うんだな。」
と口を尖らせた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野望の、一歩手前

2016-06-13 16:47:04 | 信・どんど晴れ
「環(女将の本名)、加計呂麻島から一人女性を引っ張ってきた というじゃないか。そ
れにしても旅館の仕事をしたいわけじゃないのに
こういった娘を連れてくるのはいけないんじゃないか。」
社長と名乗る女将の夫が女将のしたことに眉をひそめた。
「そうですねぇ。あの子は使える。今君
臨している大女将は 長男の息子である、柾樹に拘っている。何ができるわけじゃない。」
「そうだなぁ。本来ならば加賀美屋は兄夫婦が継ぐ予定だったのだ。 でも、兄貴は大阪に失踪し
たっきり帰ってこない。で、残された 義姉さんも兄貴がいなくなったらすぐ亡くなったし・・。 それに残され
た義姉さんも柾樹くんを加賀美屋から遠ざけたい 感じだった。よく彼を怒っていたな。全く関係ないとき
に 柾樹君がミスをしたら、気になることをいちいち怒っていた。」
社長はためいきをついた。「そうです
ねぇ。柾樹さんだけれども、東京の大学を卒業して、今 横浜のホテルに就職しているのですよねぇ。」
社長はニヤニヤしていた。それを見ていた女将はいささか表情を曇らせつつ
「ああ。俺のスマホにメールが来たけれども付き合っていた女性に プロポーズしたんだって
さ。」
それを見ていた女将はいささか表情を曇らせつつ
「まあ、幸せそうでなり
より。横浜でこの写真の女の子と幸せな家庭を 過ごせたらいいのにね。」
女将は心配した。
「そういえ
ば、この前言っていたよね新一の嫁さんの恵美子さん、 実家に返したほうがいいって。」
社長はショッキ
ングな事を言った妻を見た。彼女は自分の珠盤のためには
誰かを犠牲にすることを厭わない人だからだ。
「彼女は、徳之島にいるよりは
小田原にいたほうが羽ばたける人だと 思うのです。なにも加賀美屋の
仕事を手伝わず専業主婦みたいなことをしている彼女は、
島ではあまり評判のいい人ではない。 彼女には帰ってもらう代わりに、
佳奈をここで働くことを許してもらえませんか。」
いつも気丈な妻が自分にそ
う懇願するのは、何かあってのことだろうと 社長は思った。
「分かった。私は見てみぬふりをしよう。」
社長はそういった。 運命の歯車は回りだしていた。
おわり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする