ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

えくすわろ

2012-05-11 15:03:54 | 信・どんど晴れ
すごく久しぶりだった。
関東の自らの下宿だったか、それとも知り合いの家で聴いた曲だった。
ねぶりかぶりながら、Internetの動画サイトでその曲が流れてきた。
題名は「エスクワロ」という。
作曲者はピアソラとかいうひとらしい。
私が関東で聽いたver.とはちがう。
日本本土の伝統的な胡弓と、箏をつかったテイクだった。
この躍動感とタンゴ特有の不安感をあおるメロディラインがなぜだか引かれる。
ぶっちゃけ、私は關東に來るまでピアソラなどの洋楽を聴いたことがなかった。
ルームメイトなどが聞いているのを見て、間接的に聞いた。
そのなかにピアソラも存在したアーティストだった。
洋楽の話を高槻久留実の同学の先輩がうんちくを語る。
私は頷いているだけ。
その先輩は些か自分を小馬鹿にしているのではと今になって思う。
今、よく徳之島に來る小禄さんが、
「東岡先輩に足もとを見られるよ。」
ふと耳もとでささやいていた。
エスクワロを引いていた演奏者の他の動画リストを見てみる。
長渕剛の「西新宿の親父の唄」、桑田佳祐の「月」、ユーミンの「春よ、来い」など
日本人アーティストの曲が多く、洋楽はエスクワロだけのようだ。
篠笛や箏の人間がゲストで參加しているようだ。
でも、エスクワロ程心に来ない。
自分にとって洋楽は関東への郷愁なのだ。
ルームメイトの横手淡雪はブルース・スプリングスティーンを能く聞いていた。
胡弓の人が「Thunder road」を演奏して欲しいなと思っている。
急に私に電話が來る。
小禄さんだ。
「佳奈ちゃん、洋楽だったら沖繩で能く流れるけれども。」
と話していた。
「あんたが言っても、私にとって洋楽は關東のImageなんだ。」
と返した。
エスクワロの動畫をミタ跡、私は好きなビジュアル系のアーティストの動畫をミタ。
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大正区が来る。

2012-05-04 17:23:19 | 信・どんど晴れ
「ねぇ。大正区って知っている?」
小禄という女子学生は、京都出身の女子学生に訪ねる。
神奈川縣にある女子大のあるClass。
「名前だけは知っているけれども、行った事がないな。」
京都出身の女子学生、前川小町は、面倒くさそうに小禄を見た。
「私も近畿圏出身だが、ある程度用事があるぐらいは大坂には行かないな。」
前川は、言う。
「私が所属しているサークルに、この女子大がある敷地周辺の神奈川出身の
人が沢山いるけれども、渋谷とか新宿とかそこまでして遊びに行かないって行っていた。」
料理が得意な女子学生、秋田出身の横手淡雪は、淡淡とした感じだ。
「まあ、しょうがないよ。私の古武術研究会の神奈川出身者も同じようなことを述べていた。」
松山出身のヒカルと言われる女子学生も同意する。
「私が所属している神奈川縣郷土研究会も同じようなことを述べていてね。
近畿圏出身の部員は設立して初めてだと嫌みを言われたがね。」
前川は、言う。
「でも、なんで大正区なの?」
淡雪は、小禄に訪ねた。
「うん。私の親戚がその大正区に住んでいるの。」
小禄は答える。
「へぇ。そういうことか。おそらくはノリが悪いとか言われてそうだな。」
前川は、意地悪く笑った。
「そうなんだ。彼女大坂生まれ大阪育ちだから、お笑いのSceneが完璧でね。」
小禄はそう言うしかない。
「もしかしたら、関東に進学した理由としては、關西の乗りについて行けないからじゃね。」
ヒカルが、小禄のことをじろじろと見た。
「そう。私前川さんを見ていてその、従姉妹を感じてしまって。」
小禄はばつが悪く笑った。
「従姉妹か・・・。私に紹介したぐらいだからまあ、トラウマなんだろう。まあなんとかする。」
前川は腕を組みながら考えた。
数日後。
小禄は同じClassの鹿児島本土出身の永薗幾と、学食を食べていた。
「大正区といえば、私の親戚が住んでいるがね。」
皿にのったおかずを食べ、お茶を永薗はすすった。
「うん。親戚がそこの出身なんだよ。」
小禄は続けた。
「あんたぁ。何とものんびりしすぎ。大正区のそいつに色々やられているんだな。
私もその大正区の人々の扱いに困ることがある。」
永薗は、ちと顔が曇っている。
小禄自身、もしかしたら逃げているのかもしれない。そんなことを考えてしまう。
「まあ、苦手かもしれないけれどもそいつと真っ向から向き合うべきだな。」
と言いつつ、空の皿を手にして座席から立つ永薗。
小禄はふと考え、
「まあ、みんなが言うから自然体に振る舞うかな。」
と言い聞かせた。
そして、大正区の親戚と出会ったのだけれども、
「おまえさん、のりがよくなったな。」
と小禄はクラスメートに話した。
「まあ、私を見ておけばね。」
前川はそういったようだ。
おわり
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