「ふーん。」
私は、私の郷里石川の銘菓の事を考えていた。
「この、穎娃だとか知覧のお茶、おいしいのかしら。」
麗は私の考えを遮るように言う。
「どうかな。靜岡のお茶と比較した場合・・。」
と私は言ったアト口籠もる。
少し考えた跡、突然麗のmailの着信音が鳴る。
jrのチャイムの着信音なのが苦笑物だ。
「祖母から・・・。現在鹿兒嶋の温泉に行っています。
開聞岳という、火山が見えますが、あれを薩摩富士だと
土地の人はいっているようです。」
メールの内容を私に聞かせながら、彼女は添付された写真を
見せた・・・。
「ところで、お祖母様は鹿兒嶋のお茶を飲んだのかな?」
私は意地悪く聞いてみた。
「跡で聞いてみるわね。」
麗はそう言い捨てた。
そして、またMailだ。
「今度渋谷で会わないか?だって・・。」
麗の言葉から、おそらく御殿場の友人かもしれないと思った。
「楽しんできなさい。」
私はそう言うしかなかった。
おわり