その日はばたばたしていた。
せっかく瀬戸内から小さな友達が遊びに来ているのにだ。
私はお弁当だけつくって、2人の友達をたたき起こした。
「今から蓮次君が私の家の前に来てくれるのよ。」
そんなことばかり考えていたので、2人の水着の事なんて全く考えもしなかった。
「何ダヨ眠いのに。」
浩一郎君は私のことを恨めしそうに見ているし、
萌美ちゃんはなんだか心配そうだ。
私たちが支度していて、15分ぐらいシテ、蓮次君の運転するボルボの
ステーションワゴンが到着する。
「待たせたかな、知世。」
蓮次君は私のことを見た跡、2人の少年少女に目が行った。
「恨めしそうだね。2人ともどうしたの。」
2人を見た跡、
「知世さんが俺達をたたき起こして、水着を選ぶ事をしなかったんだよ。」
浩一郎君は半分怒っている。
「知世さん、海水浴なのに水着を持ってこないで、なんでなの。」
萌美ちゃんも怒っていた。
車は高速道路に向かっている。
後部座席のふたりは怒っている。
「この車一応etc對應だから、料金所で待っている時間がないけれども。」
蓮次君は言う。
「ねぇ。知世、荷物を置く場所に場違いな物があったよ。このまま駐車場によらず海に急
行するけれども。」
蓮次君は続けた。
「なあに、これ。」
萌美ちゃんは荷物が置かれている場所に置かれていた黒いタータンチェックの
Vinylの
包みを発見した。
5~6cm程の、厚みがあるようだ。
「萌美ちゃん、ソレを知世に渡してよ。」
ハンドルを握っている蓮次君が萌美ちゃんに指示した。
萌美ちゃんは、黙って私に手渡した。
「なんで、赤い布が僕の家にあるか分からないけれども、いつだったか酔っ払ったときに
置きっぱなしにしていったんだよね。」
私は恥ずかしそうになりながら浩一郎君に、
「浩一郎君、水着だったら何とかなりそうだよ。」
と、ふてくされている少年をみた。そしてVinylの包みを浩一郎君に渡した
「ありがとう。でも恥ずかしいよ。俺はかっこいい海パンを持ってきたんだけれども
やっぱりなぁ。」
といった。
萌美ちゃんも、
「私はかわいいカエル柄のハイレグ競泳水着を持ってきたんだ。」
と言う。
蓮次君は、ダッシュボードにあった紙袋を黙って指す。
つるつるのコーティングがされてプラスチックの取っ手がある
20cm四方の袋だ。
突然電話のベルが鳴る。ある程度の人が知っている規格の音だ。
だからみんな各人の電話を見た。最後に気づいたのが私。
表示名が相川美幸と書かれている。
「美幸さん、どうしたんですか。現在三浦半島の海に移動中ですよ。
私がハンドルを握っていなくて佳かったですね。」
餓鬼共が騒ぎそうなんで、怒りそうだったが。
「今秋田市内の実家から關東の方に帰る電車かバスを待っている時間なんだけれどもな
一週間前秋田でバドワイザーのイベントがあって、ソレで渡された景品があったんだけれ
ども
バドワイザー柄の大人サイズの一番小さい競泳水着が入っていて吃驚したんだよ。
お前に渡そうとしたんだが、あれどこやったっけ?」
なれなれしく大きい聲。
「あのー。姐さん、今移動中の車にありました。どーしてか分かりませんが。これ、今遊
びに来ている
女の子に上げようと思います。急ぎなんで。」
今思うと結構、急いでいたんだな。
「バドワイザー柄が餓鬼は毒だな。」
美幸さんの聲は苦笑がかっている。
「急ぎなんで。」
私はそう言って電話を切った。
「誰から電話?」
萌美ちゃんが聞いてきた。浩一郎君も耳をそばだてている。
「私の姉代わりの人。彼女からプレゼントでね。」
私はそう言って萌美ちゃんに、紙袋を渡した。
中味を確認した彼女は、
「これって大人っぽい水着だけれども、私に入るかな。」
と不思議がった。
「萌美ちゃんは比較的大柄だから入ると思う。」
私は確信した。
何かの功名だな。
おわり
せっかく瀬戸内から小さな友達が遊びに来ているのにだ。
私はお弁当だけつくって、2人の友達をたたき起こした。
「今から蓮次君が私の家の前に来てくれるのよ。」
そんなことばかり考えていたので、2人の水着の事なんて全く考えもしなかった。
「何ダヨ眠いのに。」
浩一郎君は私のことを恨めしそうに見ているし、
萌美ちゃんはなんだか心配そうだ。
私たちが支度していて、15分ぐらいシテ、蓮次君の運転するボルボの
ステーションワゴンが到着する。
「待たせたかな、知世。」
蓮次君は私のことを見た跡、2人の少年少女に目が行った。
「恨めしそうだね。2人ともどうしたの。」
2人を見た跡、
「知世さんが俺達をたたき起こして、水着を選ぶ事をしなかったんだよ。」
浩一郎君は半分怒っている。
「知世さん、海水浴なのに水着を持ってこないで、なんでなの。」
萌美ちゃんも怒っていた。
車は高速道路に向かっている。
後部座席のふたりは怒っている。
「この車一応etc對應だから、料金所で待っている時間がないけれども。」
蓮次君は言う。
「ねぇ。知世、荷物を置く場所に場違いな物があったよ。このまま駐車場によらず海に急
行するけれども。」
蓮次君は続けた。
「なあに、これ。」
萌美ちゃんは荷物が置かれている場所に置かれていた黒いタータンチェックの
Vinylの
包みを発見した。
5~6cm程の、厚みがあるようだ。
「萌美ちゃん、ソレを知世に渡してよ。」
ハンドルを握っている蓮次君が萌美ちゃんに指示した。
萌美ちゃんは、黙って私に手渡した。
「なんで、赤い布が僕の家にあるか分からないけれども、いつだったか酔っ払ったときに
置きっぱなしにしていったんだよね。」
私は恥ずかしそうになりながら浩一郎君に、
「浩一郎君、水着だったら何とかなりそうだよ。」
と、ふてくされている少年をみた。そしてVinylの包みを浩一郎君に渡した
「ありがとう。でも恥ずかしいよ。俺はかっこいい海パンを持ってきたんだけれども
やっぱりなぁ。」
といった。
萌美ちゃんも、
「私はかわいいカエル柄のハイレグ競泳水着を持ってきたんだ。」
と言う。
蓮次君は、ダッシュボードにあった紙袋を黙って指す。
つるつるのコーティングがされてプラスチックの取っ手がある
20cm四方の袋だ。
突然電話のベルが鳴る。ある程度の人が知っている規格の音だ。
だからみんな各人の電話を見た。最後に気づいたのが私。
表示名が相川美幸と書かれている。
「美幸さん、どうしたんですか。現在三浦半島の海に移動中ですよ。
私がハンドルを握っていなくて佳かったですね。」
餓鬼共が騒ぎそうなんで、怒りそうだったが。
「今秋田市内の実家から關東の方に帰る電車かバスを待っている時間なんだけれどもな
一週間前秋田でバドワイザーのイベントがあって、ソレで渡された景品があったんだけれ
ども
バドワイザー柄の大人サイズの一番小さい競泳水着が入っていて吃驚したんだよ。
お前に渡そうとしたんだが、あれどこやったっけ?」
なれなれしく大きい聲。
「あのー。姐さん、今移動中の車にありました。どーしてか分かりませんが。これ、今遊
びに来ている
女の子に上げようと思います。急ぎなんで。」
今思うと結構、急いでいたんだな。
「バドワイザー柄が餓鬼は毒だな。」
美幸さんの聲は苦笑がかっている。
「急ぎなんで。」
私はそう言って電話を切った。
「誰から電話?」
萌美ちゃんが聞いてきた。浩一郎君も耳をそばだてている。
「私の姉代わりの人。彼女からプレゼントでね。」
私はそう言って萌美ちゃんに、紙袋を渡した。
中味を確認した彼女は、
「これって大人っぽい水着だけれども、私に入るかな。」
と不思議がった。
「萌美ちゃんは比較的大柄だから入ると思う。」
私は確信した。
何かの功名だな。
おわり