走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

増量するかどうか

2015年06月09日 | 仕事
16歳のアリスは母親に連れられて再診に来た。3ヶ月前自殺企図があった。小児科医に紹介し、メンタルヘルスチームもケアに参加した。小児の精神科医もケアに参加した。
抗鬱剤の内服が始まっていた。

3ヶ月前に比べて表情も明るく、症状は軽くなっていた。しかし学校は行かないし、母親は薬を増やしたらどうかと私に聞く。

精神科医からのコンサルトノートがまだ届いていない。最終的な診断は鬱だったのか、母親のように統合失調症なのか?最終的な診断を私は知らない。現在の症状は限りなく鬱に近い。それに最近の研究では鬱や不安症に使用する薬物の効果と認知、行動療法の効果は同じと言われている。副作用のある薬か副作用のない療法か?それに先日子供の頃の精神病の経験を語る大人2人と出会った。共通していたのは、薬をたくさん飲まされ、神経が麻痺していくような感覚が一番嫌だった。どうしてヨガや定期的な運動、認知、行動療法を勧めてもらえなかったのか?!と薬漬けの経験を語っていたのだ。

アリスは近々、認知、行動療法へ行くことになっている。

なので増量はしなかった。前述のことをアリスと母親に話し了承を得た。上手くいきますように、、、、



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