走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

受診をしよう

2014年09月21日 | 仕事
健康を維持すること、病気を予防すること、慢性病の早期発見、改善、悪化防止はとても大切です。こう言うことが私の診療の柱になっている。

例えばBC州で現在行われているガンのスクリーニング検査は4つ。乳がん、子宮頸がん、大腸がんそして遺伝性がん。一度システムに登録されると検査を促進する手紙が届くようになるが、登録しなければ手紙はこない。完治できる癌を見逃して病気になってしまうのは非常に残念である。特に自分は健康だからとかかりつけ医師に診てもらわない人たちははシステムを知らず見逃すケースが多い。

定期的な血圧、血糖値、コレステロール値の検査も大切。予備軍と呼ばれる人たちはそうならないように運動、食事、体重のコントロールを指導して行く。

もう長らく高血圧、糖尿病にかかっているのなら2次的な病気(心筋梗塞、脳梗塞などなど)が起こらないよう生活習慣と薬物療法でメインの疾患のコントロールを最大限にする。定期的に眼底検査をして視力喪失を予防、それから腎不全の予防、下肢の血管性病変の予防などなど。

禁煙のカウンセリング、禁煙を助ける薬の処方。

そして予防接種。乳幼児の予防接種はもちろん。大人も定期的な予防接種が必要。破傷風は10年ごと。破傷風菌は北米の1/3ぐらいの土壌の中にいると言われる菌。ガーデニング中にかかることだってある。pneumovax23 は65歳以上に定期的にする予防接種。しかし慢性病があれば65歳以前でも必要となる。アルコール性肝炎、慢性肝炎があればA型B型肝炎の予防接種もだ。

恥ずかしながら私は娘の予防接種を遅らせた。ネットで集めた誤った知識で必要がないと全ての接種をさせなかった。キンダーの時に全てを終われせてすまなかったと思う。痛かっただろうし(赤ん坊の頃は覚えていない)、何よりも防げる病気にかかって命を落としたり障害を持たなかったのは幸いだった。

この世の中に副作用のない薬も治療も存在しない。効果と副作用を天秤にかけてどちらがその個にとって有益なのかという判断は常にしなければならない。
予防接種は有益性が一般的にかなりの高さだから世界中で推進されている。モニターも品質管理もされている。それを逃すのはもったいない話だ。

ファミリープラクティショナーと呼ばれる家庭医そしてナースプラクティショナーを受診するのは調子が悪い時だけではない。自分から積極的に健康維持に務めるためにも受診をしましょう!

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