走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

成功できる人とそうでない人

2020年11月14日 | 仕事
昨日でシリーズ終わりと書いていますが、ちと追加を。

みなさんは日本に本当に診療看護師が必要と思いますか?YESと言うならその根拠は?その自信は何処から来るのでしょうか?

海外でナースプラクティショナー(NP)は活躍しているから日本にも需要があるはずだ、と答える人。それが間違っているんですよ。アメリカでは70年近くのNPの歴史があります。ない道を開拓している作業は半世紀以上も行われてきました。既に作り上げられたポジションに就いた人は開拓の苦労を知りません。私はNP後発国の州で働き、自身のポジションも自分で作り出さなければならないものでした。周りではこのような状況にサバイバル出来ずに切られてしまうNPたちを間近にみてきています。先日も書いたようにビジョンのないNPは途方にくれています。同じポジションを作っても隣の街では失敗して、こっちの街では成功する。同じ保健機構の中でも違いが現れる。

話は日本に戻って、医師不足、医師が過剰労働している、これらを解消する為に、そんな理由だけでは本当にこの職業は必要なの?と問われた時太刀打ちできるものがありますか?貴方ができるできないの問題だけではなく、医療費と言う視点も忘れないでください。貴方にそれだけの給与を支払う価値があるのかないのか?看護師ではダメなのか?認定は?特定行為研修修了者では?と聞かれた時、どんな返事をするのですか?

先に書いた成功するNPとそうでないNPの違いで私が一番思うのは、診療と言う技術の他にしっかりとした看護のベースの土台や背骨を持っていて、研究や統計の知識を使い周りを説得できるヘルスケアのニーズを語れるかどうか、だと思っています。そう言う人はサバイバルできるんです。専門看護師を間接的な臨床看護とスカラーのハイブリッドと書いたようにNPは診療と言う直接ケアとスカラーのハイブリッドなんです。だから最近シリーズで書いたように考える事ができない人はNPには向かないのです。

日本の診療看護師の歴史は始まったばかり、海外で重宝されている職業だからは全く通らない理由なんです。自分が働いている地域に根付いた貴方らしい理由を見つけてください。その集まりが診療看護師に対する信頼となり集団としての成功にも繋がるのです。

冒頭写真: ボウ川を滝側から下流を見たアングル。


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