走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

抑制について急性期病棟編

2019年09月13日 | 仕事
テレビ番組のおかげで身体抑制についての意見交換がSNSで活発に行われているので、カナダではどうか?について。

私は急性期病棟を離れたのが2005年。ホスピスや緩和ケア病棟で最後に働いたのが2009年なので随分古い話になるのでご了承を。

抑制は最低限のポリシーは昔から厳しくありました。しかし患者の安全の為(看護側の都合ではない) 抑制帯を使う事もあったし、ケミカル抑制と言われる鎮静剤の利用もありました。急性期病棟の割合はその頃、一般病棟(テレメタリー必須など重症度がそれほど高くない急性期)では日勤で4〜6人患者に対して看護師1人。夜勤が6〜8人でした。上記の2つの抑制が効かない不穏が強い患者に対してはone on one と呼ばれる1人につきっきりでついてくれる人の要請が出来ました。バイトのセキュリティーの青年やおっちゃん (セキリュティー業は外部会社との契約)や看護助手が召集され4時間交代でついてくれました。不穏行動が始まると看護師を呼ぶ。つまり1対1の観察係です。医学的知識が全く必要ないので医療者以外の人が呼ばれます(看護助手のメイン業務は日常生活の世話のみで、それには医療知識は最低限)。これを使う期間は師長や師長代理が決める。不穏が落ち着けばさっさと中止してしまします。

人件費がかかって大変なのでは?と思うかもしれませんが、ベットからの転倒で大腿骨骨折、それにかかる治療費、訴訟になった時の費用を考えると安いもんです。急性期では短期的に不穏が起こることは日常ですから。

では慢性期病棟は???

続く


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